えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

沙耶の唄の感想

 

=全体の感想=

郁紀は3か月前のとある事故から世界から取り残されてしまった。それは家族を亡くし、天涯孤独になったという意味だけではなく、サークルが一緒で毎年のようにスキーに行っていた耕司についても、その恋人の青海についても、友達以上の関係であった瑶についても。世界中が化け物のように変わってしまった。そんな世界で、ただ沙耶だけが同じように同じ人間なのであった。

 

ルートは132の順番でプレイ。ルートの順番はないという前評判でしたが、本能的にかぎ分けたこの順番が正解だったと思います。

 

短い。しかしながらそれは物語の中に無駄なところが一切ないからで、短編小説を一気読みするかのような爽快感がありました。

 

醜い世界に、どこまでも純粋な愛。

大元のトリックとしてはありがちとまでは言えないけど、火の鳥以来(以来かは不明)使い古されたものでしょうが、それは当然と物語序盤で種明かし。その後も大どんでん返しが来ることはなく、終始二人の純粋な愛について描かれます。いやもしかすると作者は愛という皮をかぶせて、エログロを描きたかっただけかもしれませんが、個人的にはそう思います。

 

売れなかっただろうなあと思いつつ、よくぞこんな美しい作品を出してくれたなあと根強くニトロプラスのユーザーになっていようと決心させてくれる作品となりました。

 

=共通(分岐1まで)=

医者の卵だからこそ、原因に察しがついてるっていうのもつらいところだよなあ。事故による手術の後遺症でこういう風に世界が見えてしまっているのなら、反対に沙耶はなにものなんだという疑問しかない。だって一緒に暮らしてるのに、ご飯を食べてるところも見たことないんだよ?ただ、家の壁を見られるようにペンキで塗りたくってくれていたり、実態はあるんだよな…ペンキで塗ったら見やすくなるって、そのペンキはいったい何なんだ。郁紀の世界が元に戻ったあとで、沙耶はどうなるんだろう。。。

そんな不安が、沙耶と郁紀との出会いでますます大きくなる。私を見て驚かないんて、夜は私のものだから、という言葉。考えすぎならいいけど…ただどんな未来が来たとしても、沙耶がいたからこそ郁紀は生きることに希望が持てたという事実は変わらないだろう。

 

視覚が遅れて回復したからこそ世界を受け入れられるようになったであったり、細かいところもすごい丁寧な気がする。

そして予想以上に早く明かされる事実。壁のペンキも、沙耶も、沙耶の食事も、全部全部、郁紀が見ていた世界そのもののもの。知らぬうちに、おいしいおいしいと友人であった青海を食べる郁紀は狂気そのもの。人間の思考を司り、人を人足らしめるのは脳というけれど、その点で郁紀はもう脳が化け物になってしまったんだね。郁紀の皮を被った何か、っていう耕司の表現はとても的を射ている。

自分が異常とわかっているから、本当の異常に気づけないっていう矛盾もすごく好み。

 

沙耶は脳に取り入ることで感染者を増やせるのか。自分に優しくしてくれる人が増えるなら、そんな考えは丸っきり幼い子供の澄んだ世界を思わせてくれる。

ただ沙耶を守るためとはいえ、怪物を、人間を殺してしまったんだね…

郁紀は沙耶を好きになったのは後遺症のせいではなく、これまでの日々の積み重ねというけれど、それはどこまで確固たるものなのだろうか。

 

=END1元に戻った世界=

世界は元に戻ったがもう沙耶はいない。犯してしまった多くの殺人のためこれからは精神病院という白く、美しい閉ざされた世界で生きていく。

 

ある日来た沙耶は声も聞かせてくれない。その原因も薄々は察していた。声を聞かれたくない、見られたくないというのは女の子らしい気持ちなんだろう。だからやり取りしていた携帯電話のメモ帳で、あの日伝えられなかった、あいしてる、その5文字を伝える。

元に戻るため、父を探す沙耶の旅は続く。

 

醜い世界に、美しい愛、そして美しい別れ。たぶんBAD扱いなんだろうけど、好き。唄がなんなのか現段階ではわからないけど、期待。

 

=共通2(分岐2まで)=

沙耶と共に、狂った世界と狂った自分を受け入れる。

 

郁紀のためなら友達を増やそうと思う沙耶。だんだんと物語が佳境に入ってきた感じがするなあ。FANZAで商品ページを見た時は沙耶以外のシーンもあるんだと首を傾げたけど、そういうことだったんだ。

 

耕司から見て、郁紀が変わってしまったように見えたのは、世界を受け入れたことによって異常なのは自分だっていう考えから、異常なのは自分と沙耶以外なのだって考えになったのからなのかもなあ。そこまではいかなくても、近いものはあると思う。

 

観念しろ、その代わり死ぬまで愛してあげる、か。ある意味で、というかある人にはその方が普通に生きるより幸せなのかもしれないなあと思ったり。

 

瑶については脳だけじゃなくて、郁紀がちゃんと人のように見えるために見た目まで弄られたのか…ただ郁紀を喜ばせようという純粋な気持ちだけがそこにある。例え裸の瑶に欲情したとしても、それが郁紀の幸せなら、心が沙耶にあるのならそれで構わない。死ぬという最後の権利すら奪われた家畜以下の存在である瑶。歪み切っているけれど、その愛は尊いものだと思う。こういう歪んだ愛は大好き♡

酷いことをされて、それでもなお濡れている瑶をみて、人間としての尊厳を失ったことを知り漸くかわいいと思える。郁紀がもうすでに人間ではないなにかであることが克明に伝わってくる。

 

沙耶の正体はそれなりに言及されるが、まあなんでもいい。言及さえしといてくれれば、我々の想像をはるかに凌駕したものだとわかりさえすれば、モヤモヤを亡くしさえしてくれればそれで十分。

 

=END2恋=

瑶は殺されてしまったものの、耕司を二人の力でこの世から葬り去った。しかし同時に沙耶に徴が来てしまう。それは郁紀と沙耶の愛の結晶であり、命を懸けた郁紀へのプレゼント。世界を塗り替える命を懸けた沙耶の唄であった。

 

沙耶の書き換えのことを奥涯は繁殖と称している。一方で成長の過程で人類の知性を吸収した結果、その繁殖という本能を失ったのだとも。結局沙弥は恋をしなかったため、郁紀と出会うまでは子を増やそうとしなかった。

恋は代替可能性の観点から本能的であるというのが持論でありますが、その持論が少々揺らいでしまうようなことの顛末でした。ただ、沙耶は恋をしたと同時に、その階段を何段も何段も飛び越えて、愛するという感情も得ていました。物語冒頭から最後の最後まで、どのルートでも一貫して描かれていた純粋な愛。その点で沙耶は「人間的」であったのではなく、誰よりも「人間」であったわけです。

 

=END3死してなお=

沙耶への対策を携えた元主治医涼子と耕司。涼子は刺し違えた形となったが沙弥を葬り、そしてそれを見た郁紀は自死を選ぶ。死に瀕してもなお、耕司に殴られ続けてもなお沙耶はもう息をしない郁紀のもとへと進む。そして最後に血に濡れた頬を撫でて、動かなくなった。ただひとり、耕司だけが残される。悪夢と幻覚の日々を過ごす。

 

沙耶の天敵は液体窒素かー。凍らせて破壊すれば再生するまでもなく粉々になってしまう。小型デュワーで持ち運んだんだろうけど、結構少量で効くなあ。

郁紀が死んでもなお、自分が死にかけてもなお紡がれる郁紀への愛。

蒼の彼方のフォーリズムの感想

とりあえず体験版。後日五島列島に行くので。

 

=感想まとめ=

いやーうん良作なんじゃないかなーが感想。個人的には好きじゃない。そもそも主人公が好きじゃないし、敵役を目の敵にする理由も一切理解できなかった。

FCが世界大会の規模で行われている割に、それほど戦術が研究されていなかったり、そこらへんの意味不明さが引っ掛かる。乾の戦術が誰からも解明できないなんて、少なくとも数か月あったならあり得ないと思う。(北欧2位とかが日本1位とおなじくらいの称号なら日本だけが主となっているスポーツではないはず、海外に行くことがステップアップになってる点からも)

 

好きな順は

莉佳<明日香<真白<<<みさき

順番は明日香と真白入れ替えた上の順番でいいと思います。

 

まあ私が穿った見方しかできないのが悪いんですよ!!たぶん!!!↓

・莉佳:急に出てきた幼馴染の設定のライバルに終始上から目線で仲直りする話。

・真白:真白が可愛い話。だんだんと真白が(恋愛という理由にせよ)FCにはまっていくのはよかった。人間関係にスポットを当てていた気がする。といってもサブヒロインなので、十分ではなく消化不良感は否めない。でも好き。

・明日香:終と始が一致していない気がする。FCを変えるというイリーナの意思の原点がわからない。その方法が戦術による根本的なものかと思いきや、シューズの設定などという訳のわからない理由が急に出てくる。それすら打ち破ったのが明日香たちがバランサーの設定を切るという、さらなる自由な飛行への暗喩となっているが長いプレイ時間の割に突拍子もない暗喩。別に明日香は嫌いじゃないけど、明日香ルートが全く好きじゃない。

・みさき:秀逸。一言で表すのなら懐かしさの詰まったルート。みさきルートがあるから作品としての価値を保っている気がする。多くの人が感じたことのある挫折、悔しさ、嫉妬、虚勢。それだけじゃなくて、努力するほど負けた後何も残らなくなってしまいそうで不安になること。新しい何かを生み出してドキドキして止まらなくなること。明らかにオーバーワークなのに止められないこと。コツを掴んで、それを手放すのが怖くてこれまたオーバーワークしてしまうこと。そんな頑張っていた過去を思い出させてくれた。

明日香ルート以上に楽しむ気持ちや勝つことの大切さを描いていて、なぜ明日香ル-トが人気なのかがわからないほどみさきルートが飛びぬけていると思う。

シナリオの流れからも、真のメインはこちらだと思う。

 

4人のシナリオライターがいるから、一人一つなのかなー?

個人的好みから、みさきが渡辺さん、明日香が木緒さんかな?サナララ4章を考えると逆もありえなくないけど、グリザイアを考えるとこれっぽそう。

たぶん本物の天才だった人と挫折をしたことがない人は明日香ルートが好きといい、天才じゃなかったり大きく心が折れてしまったことがある人はみさきルートが好きなんじゃないかな。もちろんそれ以外にもあると思うけど、少なくとも明日香嫌いと極端になったりする人とかはその傾向が強そう。(まあ本物の天才なんてほぼいないと思うんですけどね。)

総合すれば細かいところが気にならない人にはお勧めだし、そうじゃない人にはお勧めできない。

 

天才って「ある程度の才能」と、「自分がすごいっていう勘違い」もしくは「恐怖に打ち勝って現実に気づいてもそれでも勘違いしようとしていられる姿勢」の両方を持つ人なのかなと思ったりした。

 

=第1話=

うるせえ、一度負けたくらいで諦めるくらいならちゃっちゃとやめてしまえ!それに才能があるなら諦めんな馬鹿野郎!

 

OPめっちゃ苦手笑笑。うーうー↑で爆笑してしまった。

今のところ、緒方恵美がいることだけが評価が高い。頼む闇落ちか完全顕現してくれええええ。

莉佳!?422秒の完全顕現…

 

重力子ねエ…グラビトンが存在するなら寿命はほぼ無限なんだろうけど、というか無限?素粒子知らないからわからないけど、アンチグラビトンはどうなんだろう。それなりに長くないとこんな靴みたいに使えないよね?生きてるうちに両方発見されるといいな~。

 

これってなんでこの島じゃないと飛べないんですか?こんな便利で、学生に手に入るくらいの靴があるなら明日香も引っ越し前から使っていてもよさそうなのに。と思ったけど莉佳はそういうタイプだね。

 

才能まみれなのに競技を辞めてしまった昌也と、かつての自分のように競技を心底楽しみ、そして同じく才能がある明日香の出会い。

まあ情けないことをいうと、才能ある人がうじうじしてるのを見るの大嫌いだから、この後どうなるか…中途半端に逃げられるからコーチって選択取るのも苦手だなあ。やるなら本気で、やらないならやらないっていう私個人のスタンスとあわない。まあやめた理由次第か。

まあ確かに何かのきっかけになった人に教えを受けられるっていうのは最高だよな!私自身も経験があるけど、運命的な、それでいて憧れ、羨望と嫉妬と、いろんな感情が入り混じってぐちゃぐちゃになる。

 

=第2話=

みさきも天才なのかよ~~。まあ素の天才は好きだからいい。くよくよしてるのが嫌い。天才か器用貧乏か果たして…

 

まあ道具をそろえたりサブキャラ紹介したりの章。PCのデータ整理しながらオートで流してたけど、真剣に読むには少々退屈だったかも。

 

買った道具をすぐに使ってみたかったり、習ったことをすぐ試してみたかったり、すっごい明日香の気持ちはわかるな。

 

ほんとに晶也うじうじしてて苦手だ。

 

=第3話=

葵先生がぶちこんだ初の合同合宿と練習試合。そんでもってその相手校の部長が最強でその最強の相手すら憧れる晶也。

 

唯一ヒロインで試合省略される真白の立場とはいったい…

 

さきちと明日香の才能が明瞭にわかるタームだったなあ。ひたすら前向きな明日香と、結構後ろ向きな、もしかすると何かに敗れることが嫌いなみさきの対比が現れ始めているような気がしなくもない。

 

あー、どうしても主人公が好きになれないーー。けどまあ先行投資として購入…

 

=第4話=

みさきが真藤に負けたことを本気で悔しがってるのを見て好感度あがった。もっと才能にかまけたタイプかと思った。まあそれも嫌いじゃないけど。

 

初心者だからしょうがないと思ってしまったことを謝罪する真白だったけど、別に悪いことじゃないと思うんだけどなあ。私自身も何か新しいことを始めて教わっている時期は、初心者だから仕方ない、もっと迷惑かけてでも教えを乞うて自立しようって開き直るんだけど…真白は開き直るまでいってないからってことなのかなあ。

 

好きなものを臆することなく好きって言える明日香が本当にすごいっていうのは、完全に晶也に同意。

 

真白にも旧友マグロというライバルができたみたいでよかった。明日香みたいな競技そのものが好きなタイプはともかく、他のメンバーは競い合う相手が必要だろうし。

 

=第5話=

今日は好きなだけおかわりしていいぞ!の毒ガス漫画を知ってる人が果たして何人いるのか。

 

てっきり乾が晶也の敗北相手と思ってたけどそんなこともないのね。

 

嵐の前の。タイトル通りの静けさを感じさせる多くは日常回。そしてなにより、ライバルの登場。各ヒロインの短所の明示。起承転結の承かな?転からは6話と個別だろうし。

 

=第6話=

大会編。現れるライバルたち。

 

勝利よりも自らの信念である速さを選んだ紫苑はかっこよかった。記録よりも記憶。新庄みたいな選手かも。

真白は負けたもののFCの楽しさに気づいた一歩となる大きな一歩。

みさきと莉佳の試合は天才と秀才の差。練習量は圧倒的に莉佳なのに、始めて数か月の天才には敵わないってのは酷だな。きっと一皮剥けるシナリオが個別であるんだろうけど。それでも全く折れないってのは心配でありながらも憧れすら抱いてしまう。

明日香は流されたから知らね。

 

次の試合でみさきは真藤に負けてしまったけど、全折れるどころか前向きになったのは意外だったな、と思っていた。

明日香は二回戦も勝ち、三回戦で本気を出した真藤に負ける。おそらくは晶也の「お気に入り」を叩きのめすため。

本気を出したのが自分ではなく明日香だという事実に、そんな本気の真藤に食らいつき、善戦する明日香に、みさきは打ちのめされる。自分が莉佳にやっていたことを、もっと明確な形で真藤からやられる、そしてなにより部内では1番だと思っていたが本当1番は明日香だったという挫折。

これかなりリアルに挫折を描いていると思うんですが、私だけですかね?私の場合もって意味で。全体の中でっていうのはさておき、ある集団の中で一番、もしくはそれに近いと思っていたが、結果そうではなかったと判明したときの心が音を立てて折れてしまうような衝撃。これは性格のいい明日香のようなタイプは味わいませんからね。自尊心とプライドと嫉妬と、そんな禄でもない感情を持ち合わせている普通の若人しか味わえないですもん。表面的には自分の方が優秀でも、その人が優秀だからこそ「本物」に気づいてしまう。周りは自分を褒めるが実際はそんなことはない。こういうのノベルゲームでは少ないし、かなり珍しい。

 

白瀬がいうように感覚に頼って閃き、頭脳を使ってこなかったみさきよりも、FC脳をもっている明日香のような方が本物、っていうのはわかる。けどそれ以上に、常に楽しめることが明日香の一番の強さと思います。メンタルの弱さが目立ったみさき。一方で楽しめる人間はFCに限らず強い。緊張や不安をその楽しさで塗り替えることができるっていうのはメンタル面で最もプラスなことだと思う。

 

もし真藤が乾に勝っていたなら自分を騙しながらみさきは競技を続けられていたでしょうね、それが良いかはともかく。もちろん、作中で語られるように真藤が目標だったkらっていうのと、それに「わたしは真藤に負けたけど、真藤は3年だからもう戦えない。だから明日香との、どちらが頂点に近いかわからないままなのは仕方ない」という風に思って。けれど、2年の乾が勝ってしまって、1番が残ってしまった。負けが見えている明日香との勝負に、みさきは立ち向かえない。

真藤が勝っていても、明日香とみさきの直接対決があるじゃないかと思うかもしれませんが、敗北感を味あわされた形式の試合というのがきっと重要なんです。競技を辞めることで目を背けるしかない。

しかもそれが、晶也たちや真藤がやってきたプレイスタイルを全て否定するような戦法で。みんなが恐怖する中ただ一人楽しそうに笑う明日香に、恐怖心を抱くのが晶也だけでなくみさきだったのは当然だろう。

 

そして来る分岐。

本気で勝ちに行きたい明日香、部活を続けるか悩む真白、殻を破りたい莉佳、そして心が折れてしまった(拗ねてしまった)みさき。

選手としての将来を見たいのは明日香。

支えたいのはみさき。誰しも挫折は経験したことがあると思うけど、今に思えばそれは大したことなくて、もし立ち直れてなかった未来を思うとゾッとするから。きっとFCを続けたとしても後悔は残るだろうけど、それでも目を背けてしまった後悔よりかは幾分かましと、少なくとも私は、信じています。

 

ひとまず窓果が一番好きです。

 

= 莉佳=

莉佳のライバルは不気味な反則少女、黒渕霞。真面目vs不真面目。ほっとけばいいのにな。まあ私自身すぐにカッチーンってなるタイプだから気持ちはめちゃくちゃわかる。バレないならそれはセーフ、グレーでぎりぎりを攻める黒渕を褒めるべきだろうし、そうじゃないなら勝手に反則負けになるだろうし未来もない。まあそれを許せない青さってのが莉佳なんだろうけど。

相手に呑まれて明日香に試合を許可する晶也のメンタルがカス過ぎる…大会本番ならまだしも、なんで練習試合で故障のリスクを冒すんだよ。なんのためのマネージャー兼コーチなのか、ウジウジ以上に嫌い。

まあそのあとは実はFCを誘ってくれた幼馴染で、才能のある莉佳に嫉妬していて、最終的にリベンジして終わり。

さっちゃんは可愛いです!じゃねえよ笑 最後まで霞に対して上からだったのが気に食わない、そういうとこやぞ。

霞、部長にまでなって爆笑してしまった。許され過ぎだろ笑 規模は違えど、日大タックルとやってることかわらんからな。

嫌い、さよなら~~

 

=真白=

最初莉佳いなくて笑った。

 

いつしかみさきに帰ってきてもらうためから、晶也に見てもらうためにFCと向き合い始める真白。好きじゃないねえ。FCと真摯に向き合ってほしかった。

ソーダキャンディがこの暑い日差しの中溶けてないって描写は好き。けど、待ってたにしても溶けそうなもんだけど笑 まあクーラーボックスにいれて待機してたといい風に解釈しよう。

 

頑張って報われないのが怖いってのが才能ある人の考え方だよな~、晶也。辛いのはわかるけどね。

真白のおかげでトラウマだったオールブルーも、挫折の証から真白の努力と優しさへと塗り替えられる。

真白ルートなのに好きになってくれる明日香。これはメインヒロインやでぇ…

 

真白が勝てば、才能で明日香に敵わないと辞めてしまった自分を否定することになる。自分が勝てば、やはり才能が一番大切なのだと認めることになる。らしいけど、明日香がすごいのはやっぱりその才能以上に、好きで好きで仕方がないところだから、例えみさきが勝っても変わんないよ。ふざけんなよ。みさきの気持ちはわかるけど、天才であれその人の努力を見て見ぬふりをしてほしくない。それでも立ち上がってみさきを好きにならせてくれ。

このルートの晶也はちょっとかっこよかったよ。誰でもない真白のために、みさきを連れ戻す準備をするために空を再び本気で飛んで。

それに真白も。練習試合で泣くほど悔しくなるほどFCが好きになってくれて、もしくは気持ちを入れ込んでくれて、大好きだ。たとえ目的がみさきを連れ戻すことが1番でもね。

 

みさきに真白が勝ったのも、楽しめていたからだと思うよ。

 

真白かわいいかわいいルートだったね。

 

=明日香7話=

何かに対して努力するとき、その面白くない基礎トレーニングすらも成長を感じて面白いって思えるのはとてつもない。

 

秋を終えれば世界に行く乾がライバル。そのために明日香だけを優先的に育てる。これがメインだよね、たぶん。みさきを後回しにしたけど。

みさきは普通に頭がいい、何でもできる頭の構造をしていて所謂天才なんだろう。一方で明日香は「FC」の天才。FC以外は点でダメだけど、FCだけは誰にも負けない。普通に生きていくだけならみさきタイプの方が気持ちよく生きていけるだろうけど、何か一つの、今回はFCの、世界で生きていこうとすると前者は凡才よりも辛いだろうね。

少なくとも私には明日香の気持ちは永遠に理解できないと思う。ので後回しに。もうこれから悟空って呼ぼうかな…

 

乾の先方に歯ぎしりしてる晶也だけど、いまいち気持ちがわからん。新しい戦法が産まれたらそれはもうそれを取り入れるしかないんじゃないのか?むしろ喜ぶことでは?むしろ向こうの言う小手先テクニックがあちらにないだけ、こっちが有理なんだから。

その点、真藤はさすがだ。真藤vs明日香の再試合で乾の戦法を取り入れた新たな戦法を見せてくれたんだから。

ところでエアキックターンは強いのか…?たしかに180°の方向転換は強いけど、一瞬間の停止はこのスポーツにとっては最悪手と思うんだけれど。

 

FCの強さを優先するあまり、それ以外の明日香に目を向かなかったことを葵に忠告される。イリーナには敵わないと。お互いを知らないままお互いが自分自身を追い詰めていつかは壊れてしまうと。

晶也が最も明日香の恐ろしいところが、強みが、どこまでも楽しめるところに気づけていないのはなんでなんだよ。

 

忘れてたけど、明日香とは幼馴染だったんだよな。ずっと上をむいて、頑張り続けて、元気でいて、好きなものに真っすぐである約束を、もう少ししたら晶也は思い出すんだろうな、そしてさっさと飛べ。約束だからとこの4つが守れるのはもう才能だけど!

明日香にも折れそうになるときがある、だからもう化け物なんて思わない。それは晶也には同意というか、そもそも化け物なんて思ってなかったけど、悟空だとは思うよ。

 

乾の目的は明日香ではなく、晶也本人。イリーナの巧みな話術で追い詰められた晶也をやはり救ったのは明日香であった。

まあ予想の範疇。負けたことがトラウマと勘違いしていてすまんかったな晶也。世界世界といわれるプレッシャーは私にはわからないから何とも言えない。けど周りの期待に応えようとするのは幼い子にはあまりに重いわなあ…明日香を通してまた飛ぶ楽しさを取り戻してくれたようでよかった。これでようやく晶也を好きになれそうだ。

それにしてもこんなにトラウマを植え付けた選手は誰なんだよ。

 

=明日香8話=

明日香の才能はともかく、真藤でさえ軽々と追い抜かしてしまうというのは何とも…まあゲームだしいいか。

 

他ヒロインと二人きりで話して、もしもの未来の話をするのは嫌い、大嫌い。なんのための会話なんだろう。

 

葵のぐるぐる回る技、慣性で上下に移動できないから欠陥では…

そんなにダメなのかなー、搦め手。うーん、プロの興行的に盛り上がらないからダメっていうのは理解できるけど、そんな後ろめたいとかなんだとか言われるようなことか?対策できてないほうがダメなんじゃないの?本当にダメなんだったら、ルールとして禁止しなければならないと思うんだけれど…だから故意落球はああいう風になったんでしょう?葵の最後の技や乾はインチキじゃなくて、トリックプレー、頭脳プレーなんじゃないかな?それを今までの自分の価値観が壊されるからって…スポーツ選手を馬鹿にしてるんじゃない?腑に落ちないなあ、もう!もし乾に、葵や晶也、明日香が守ってきたものを壊されるのを危惧しているなら、それは相手を卑怯だとかずるいとか言って下げるのではなく、ただ勝つしかないのに。

 

乾が飛んでいて楽しいのかなって質問はたぶんYESでしょう。勝ち続けていて楽しくないなんてことはほぼないと思う。好きこそものの~なんていうけれど、うまいからこそ好きになるのも本質だと思う。少し乾に失礼では。

 

でも、確かに舐めプをするのはスポーツマンシップとはいえないので、そこはダメだね、イリーナ側。まあ乾サイドに利点なんてないからルール違反ではないし、そのおかげで明日香が勝ったんだし。

 

結局あそこまで乾の強さを描いておいて、最強だったのはシューズの新しい設定でしたーってバカにしてるのか。それでスポーツの常識が変わるって…さすがに新しい戦術で変えるっていうほうが筋が通ってる。

 

バランサーからの解放と明日香の才能で乾に勝ったのはいいけど、バランサーの解放=より自由な空へのFLYっていうのを印象付けるには布石が弱すぎるなあ。

 

イリーナの姉とか、晶也が負けた相手についてはTRUEかなにかで明らかになるのかな?さすがに放置だとびっくりする。

 

なんだろうなー。終と始が一致していない気がする。FCを変えるというイリーナの意思の原点がわからない。その方法が戦術による根本的なものかと思いきや、シューズの設定などという訳のわからない理由が急に出てくる。それすら打ち破ったのが明日香たちがバランサーの設定を切るという、さらなる自由な飛行への暗喩となっているが長いプレイ時間の割に突拍子もない暗喩。別に明日香は嫌いじゃないけど、明日香ルートが全く好きじゃない。

 

=みさき7話=

決定的だったのは負けたことじゃなくって、目の前にいる相手がかつての自分のようにただ楽しんでいたから。かつて思い描いていた理想が目の前に急に現れてしまったから。もう楽しくないFCで、さらに才能で負けてしまったならもうやっている意味なんてないから。

結局これはあるよねー。何かの中で1番にならなければ意味がないのかと問われ、それを否定するにはそれ以外で価値を見出すしかない。手っ取り早いのが楽しいからって理由。他はなにかあるのかなー。私はナンバーワンを競い合うような集団にいないからわからないなー。オンリーワンでいいし、なんなら長所の掛け合わせでオンリーワンになれば十二分におっけーだし。

順位が出るような集団に身を置いていた時は、結局順位ばかりに目が行って、楽しいとは思えなかったな。振り返ってみればそのことだけに集中できていた時期というのは幸せだったんだろうけど、当時はきっと死に物狂いというか、楽しさなんか感じないままただ実力だけを求めてたなあ。順位が出れば楽しいけど、そうじゃないときは嫌いにすらなるくらいに。時には裏切られたとすら思ったこともある。

ぼろ負けして、そういう集団から立ち去って、それ以来競争するのが嫌いなままなのは、私自身も逃げてるのかなあ。そんな気はしないんだけど。

ふともう一つ思いついた理由は、上達が心地よいから、かな。

 

明日香が、もしくはみさきが違う学校だったら未来は変わっていただろうなあ。身近にいるからこそ辛い。顔も知らぬ1番より、隣にいる2番の方が憎い気持ちはわかる。特に明日香が無邪気だからな。

佐藤は強いな。佐藤の強みはメンタルだね。きっとプロになって、1番にはなれなくても名選手にはなれそう、そう感じさせるくらい。

 

晶也が自分も嘘をついていたことを認めるシーンは初めてこのゲームで涙が出た。みさきが前を向かないと自分も向けない。それはきっと男らしくなんて微塵もない、情けない主張だけど、それでもそこには、情けなくても自分も前に進んでやるっていう気概があるんですから、私にとってはかっこよかったですよ。

コーチを葵に代わってもらって、晶也はみさき専属になって、二人で嫉妬の対象である明日香に挑戦する。

 

まさかの、晶也が負けた相手、みさきだったのか…

私が晶也でも、みさきに許さないって言っていたと思う。しかももっと無様に、泣きながらでも。そんでもって同じように明日香に勝ってもらうために尽力する。もう一度飛ぶために。一人じゃ天才に届かなくても、二人なら…

 

=みさき8話=

乾のスタイルを勝つために目指すのはすごい好感持てる。良いものは取り入れる、それでいいじゃない。

 

辞めたいけどやめたくない。負けたくないから一生懸命練習するけど、だからこそ負けた後すべてを失ってしまいそうで怖い。そんな誰しもが感じたことのある尊くて当たり前の気持ちがヒシヒシと伝わってきて良い。

同様に、新しい手法を導き出してそれがドキドキするっていうのもわかる。手法とは違うかもしれないけど、この世でたぶん自分しか知らない、できないことを見つけたドキドキ感もまたヒシヒシと伝わってきて良い。

 

寝る間も惜しんで努力したことを思い出したし、明らかにやりすぎたことも思い出した。コツが無くなりそうなのが怖くて、忘れてしまいそうなのが怖くてまた夜更かししても繰り返す、そんな経験も。

今となってはコツを掴んだら、1日2日寝かせて、それをメモ通り反復して、を繰り返し定着させる、コツのコツというか、効率がいいというかそういう方法を取ってしまっていて、それが悪いとは思わないけど、なんだかすっごいノスタルジーに駆られた。

 

1回戦で乾に勝って、決勝で明日香に勝って優勝。乾の新たな戦法に触発された二人が決勝で戦うなんて、これこそがスポーツなどの理想じゃないのか!結局、乾の戦法で戦った二人の試合も歓声で包まれたんだからそれは間違いじゃない。

明日香ルート以上に楽しむ気持ちや勝つことの大切さを描いていて、なぜ明日香ル-トが人気なのかがわからないほどみさきルートが飛びぬけていると思う。

莉佳は努力して後悔しないかなんて言ってるけど、長い目で見たら努力したことは後悔しないと思うよ。特に20代までは。

 

それでようやく晶也も気づく。今までみさきに感じていた黒いもやもやした嫉妬に似た感情は、才能なんかじゃなくて、飛んでいる全員へのものだった。最後の最後に最も納得のいく嫉妬、そして飛ぶことへの恐怖を持ってくる、。これまたいい。

 

かつて失った、見て見ぬふりをして大人になったと勘違いしていた、悔しさとか嫉妬を思い出させてもらった。まだまだ若いからこんなことを言えるんだろうね。10年後、20年後、この文章を見ていったい私はどう思うのか今から楽しみ。いやお気に入りにいれないし見ないか。

 

=FINALE=

海外で選手に復帰した葵さんと共に、晶也もまた復帰したちょうど1年後の話。ただ空は楽しいと晶也は思う。

誰のルートにも入らなかったちょっとした葵ルート。これはいらないわ。

銀色の感想・考察

さすがに古いだけあってUI周りはやってて辛かった。ただそれをすべて消すだけの内容だった。やっぱり過去の因縁を描くのが天才的だと思う。

 

どんな願いでも叶うという逸話の残る銀色の糸。自然の摂理を曲げてしまうその朱くなってしまった糸を巡る長い長い物語。

 

=感想・考察=

1章、4章が群を抜いて好き。次いで2章。3章は正直微妙かなあ。異色でテーマとあってない気がするし、なにより謎のままなことがほとんどで。

メインとなるのはやっぱり4章。

状況は違えど、声が出ないということで線を引かれていたあやめと、貴族だからと線を引かれていた大井跡。そして二人には線を無視して近くにやってくる明るい真也とあやめが現れる。

過去に救われた大井跡が生まれ変わって今度は真也としてあやめを救いに来た、って私は思う。喋れなかったり、身分が特異だったり、「普通」とは違うことで二人は引き裂かれかねなかったけど、本当は大事なものを過去に教わったから、魂がそれを憶えていたから、真也とあやめは結ばれたんですよね。過去ではたった1日だけだったかもしれないけれど、千数百年の時を超えてようやく本当に二人は結ばれたんですよ。

銀色は銀糸を巡る悲しい物語であると同時に、大井跡とあやめが結ばれるまでの長い長い物語だったんですね。花が誰かに見せるために咲くのを待っているのだとすれば、きっとそれは結ばれた二人を待っていたのでしょう。

という風に結局は二人の物語かーと思いきや、それは1章につながって、1章の二人も大井跡とあやめなんですよね。

 

しかしこれは4章までの勘違いだった様子。

すれ違ってしまいそうになった真也とあやめを、銀糸に翻弄されてきたものたちが二人を繋ぎとめた。

二人は生まれ変わりなんかじゃない。二人は二人で、あやめという名の少女を思った大井跡の願いが繋がっていただけなんだ。あやめが好きな人と一緒にあやめの花を見れますように。ただその願いを叶えるためだけに千年以上の時を銀糸の中で生き続けてきたんだ。そして願いを叶えて銀糸が無くなったから、一緒に声が奪われていた呪いまで無くなってしまった。だったら他の章もあやめにすればよかったじゃないかと思ったんですが、どうなんですかね?

石切姫を助けるために自らの命を捧げた久世。願いの代償はそれに相応する者が必要であること。

やはり願いは自分の手で掴まねばならないのだ、たとえできなくても藻掻き続け、それを自ら、苦しみながら考えなければならないのだと、最後に読者にメッセージを伝えてくれるシナリオでした。

石切はきっと大陸に戻り、残された銀糸を葬るたびに出たんでしょう。銀糸の願いで不老不死になったそれこそ永遠に、本当に世界から銀糸が無くなるまで。

ああ銀糸無くなってよかったね、めでたしめでたしっていうまま終わらせないところが好感持てる。ビターな展開で始まって、ビターな展開で終わるっていうところもね。

 

=第一章 逢津の圷=

恥ずかしながら、(たお、とうげ)という字を知らなかった。

 

脚の腱も切られ、ただ慰み者のされ続けるだけの、名前もない「わたし」。生きるためためらいもなく人を斬る「俺」。

 

本当ならもっと幼い時期に死という概念を学ぶはずなのに、捉えられ、ずっと利用され続けていたせいでそれすらもわからない。ということは自分がこのままいけば死んでしまう、そんなことすら、自らが不幸だということすらわからない少女。死を選ぶ権利すらない世界で彼女は生き続けていた。ただ目を閉じ、現実から目を背けることだけを繰り返し息をしていた。

開始30分でどうしてここまで心にしみる情景を描けるのだろうか。死を選ぶ権利というのが最後に残される権利である、というのはたしかヴィクトールフランクルも夜と霧で言っていて、私自身納得していますが、それすらないということは本当に文字通り、ただ利用され息をしているだけということ。

 

プレイヤーは少女の回想という形で知らされるが、男は少女の詳しい境遇も一切知らない。もちろん少女も男が過去に友人から裏切られた事実を知らないし、きっと理解もできない。

それでも死をもたらす男と、死に極めて近い少女は互いを助け合う。きっとそこに明確な理由はないでしょう。強いて言えばお互いが最も離れた存在で、そしてなにより同じように生きているか死んでいるかわからない存在だったからなのかもしれない。少女はともかく、強くなければ生きてはいけない、そう強迫的に思う男としては少女を認めることでようやく生きていることに近づけるのでしょう。

 

そして二人はついに朱色の糸を手に入れる。しかし少女の髪を初めて結ぶこととなったその朱糸は伝説に残る銀糸だったら、少女は何をの願うのだろうか。普通だったら脚が治ってほしい、豊かに暮らしたい。けれど少女にはそれすらもわからない。なぜならば生と死の違いがわからないから。今までが生きていたとは思えないから。

 

だんだんと衰弱し始める少女。そんな少女のためならば、危険を冒しても里に下りていく男。死んで当然だと思っていた弱い存在が、いつしか自分以上に生きていて欲しい儚い花のような存在に変わる名シーン。

 

死にゆく少女が朱糸に願ったのは、微かでもいいから生きた証しが欲しいこと。命の限り光り輝いていたあの時の渓の蛍のように、自分も生きた証しを残したかった。

その願いは彼女の死後、名前がもう二度と呼ばれることはないと思い込んでいた男が、名前のなかった少女に名前を与えることで叶えられることとなる。彼女が初めて美しいと笑みを浮かべた「あやめ」の花。その笑顔がもう一度見たかった。今度は自分の名前も呼ぶように、そう季節外れの渓に咲くあやめの前で冷たくなった少女に男は語り掛ける。ただ名前があるだけでなく、名前を呼んでくれる相手の名前を呼ぶ。きっと名前が生きた証しというのはミスリードで、この男こそが生きた証しなんでしょう。

 

タイトルの銀色と対となるのは金色ではなく朱色。伝説になっている銀糸は物語で朱色と描写され、かつて幸せだった日々を彩る木々の朱色は、男が成長した今は人を斬れば出てくる色に変わり果てる。きっとこれからの主人公たちも朱色に対する不幸があるはず。

 

最後に男が左脚を斬られたってのも粋というか、なんというか。これまでは男が少女を背負っていましたが、あの世ではきっと二人は片足ずつで互いを支えあうのでしょう。

 

=第二章 踏鞴の社=

名門久世家末弟である頼人は統治調査という大義名分のもと暇を言い渡された。そしてその逗留地である神社にて一人の巫女、狭霧と出会う。

ねこねこ名物ドジっ子。狭霧にも父母を鉱山で失ったという不幸はありそうなものの、一章とは打って変わって性格のよさそうな頼人と幸せそうな狭霧。

 

この神社に奉納されたものの一つこそが伝説に伝わる銀糸。その所在は宮司ですらはっきりとしない。しかしそのような恐ろしいものの所在などはわからない方がいいのかもしれない。

同じように奉納されたまま弾かれることのない琴を本懐が為されないから可哀そうだという狭霧。役割というものに固執するのは、過去の洪水が原因であった。洪水の救助にいったまま帰らぬ人となった両親。そして以降役立たずといじめられた境遇のため。

 

この世で自分にしかできないことがあると狭霧は嬉しそうに言う。

10年目の水害に、その10年前の水害で両親を失った狭霧と上記の言葉…予想がついた直後にその真相が明かされることになるが、笑顔でその事実を語る狭霧に対して、頼人同様私も動揺を隠せなかった。少しずつ状況を明らかにしていくなら、頼人と違って心構えもできただろうが、その間1分ともなると…

 

竹を割ったような性格だった故に、慕う者も多かったが疎まれてもいた狭霧の父。そして同じように優秀で他者の気持ちがあまり理解できない頼人。何か大きいことを推し進めようとすれば何処かに歪みが生じてしまうというのは、狭霧の事であり、頼人の事であり、きっとこれからも紡がれる銀糸の物語のことなのだろうな…

 

前日まで子供たちと遊ぶ狭霧。どこか遠くに行くという狭霧に別れを惜しむ子供たちを見て、ああ、こんなにも必要とされているのに本当に死ななくてはならないのかと思って仕方がなかった。人柱としてではなく、狭霧としてなの、どうしてと思ってしまう。

 

最後の夜に弾く琴の一本の弦だけが銀色に輝いていることに気づく頼人。狭霧はこれこそが伝承に伝わる銀糸だという。そして狭霧が願うのはやはり、里のものの幸せ。どうしてここまで優しい娘が、と思うけど、たぶんここまで優しい人なのだから人柱になるのを喜んで、きっと神も欲しがるのだろうな。いや実際は村人の企みなんだけど、きっと神というものが存在し、心が澄んでおらず誰かを欲するならきっと狭霧のような人物だろうと思う。

狭霧は頼人に抱きしめられて嬉しいとしか言えない無学さを恥じ、頼人はたった一言がどんなに技巧を凝らした言葉よりも尊いことを知る。

 

帰り際耳にしてしまった村人たちの企み。狭霧を狙って人柱にし、果てには狭霧が一輔に囲われているなどと、頼りないだのとほざく。

情動に駆られるまま狭霧を救いに行く頼人と同じように、初めて情動に駆られてノベルゲーで台パンしてしまった。

 

狭霧が銀糸に里の幸せを願ってこうなった、そうは思いたくなくて、狭霧の高尚な精神を否定したくなくて頼人は琴を壊す。知ってか知らずか、狭霧を救いたいといも願っていた頼人のそれは雷により叶うこととなる。

狭霧は怒った。そんなことは知っていたのだと。自身が助かっても、他の誰かが命を失い、その人の家族はまた悲しむことになる。そうなるくらいならば自分が死にたいといい、人柱として村を守った。

 

たぶん石切姫と久世のものが、第一章の糸を見つけ、銀色になっていた銀糸を奉納。そしてその久世の子孫である頼人の物語が始まり、時を経て第三章へって感じかな。

一瞬、一章と二章で時系列が前後しているのかもと思っておもしろいなってなってたけど、石切姫とともにいる久世が頼人だと銀糸が朱色ってのも可笑しな話になるしな。

 

第一章と同じく、詳しいお互いの過去を知ることはない(慰み者にされている、洪水で両親を失ったという事実は知るものの、詳しい過去が本人から知らされることはない。それに男の境遇がヒロイン側に知らされることもない)。けれどそれがリアルでいい。過去でなく、今をみて惹かれあってるのもいい。

 

=第三章 朝奈夕奈=

大正ロマンか…

 

茶店の看板娘たち、姉兼店長の夕奈と妹の朝奈。物語は自分のために仕事ばかりの夕奈のため、母からの秘密の形見、銀の糸が通った願いが叶うペンダントを使うことで動き出す。

だめだ、その糸を使っちゃだめなんだ!と涙ながらに思う。心優しき人たちがつまらない糸のためにそのささやかでかけがえない幸せを袖に振ってしまっては…願いが「お姉ちゃんが素敵な人と巡り合えますように」っていうのが愛そのものは偽物じゃなかったりして素敵な願いなんだけど、同時にそれはいつも一緒に居る朝奈も巡り合うということになり、そのあとの事は…どうしよう三角関係になったら…

まあまだ今までの銀糸は偶然だっていう可能性も!!………

サナララといい、ねこねこのオムニバスって神がかってない?

 

夕奈も志朗にだんだんと惹かれ始めているところから胸が痛くてかなわん…

お姉ちゃん!ごめんなさい!違うの!許して!!って叫びそうになりながらプレイしてた。悩みながら願っても、きっとその願いは叶わないんじゃないかなあ…

お姉ちゃん、怖い…この心変わりの早さはちょっと早すぎる気がするなあ…まあ5章立てだし仕方がないところなんだろうけど。ヤンデレかあ…もうちょいその素質がある布石とかがあればよりよかった。

志朗も気づけよ!!あからさまな夕奈の好意に!!ばかたれが!!!いいやつなんだよ、志朗。本当に。心から他人を心配できるいいやつだから、志朗が悪いとも言えないんだ…

 

人間って人を好きになってここまで狂うの?私が知らなかっただけ?

 

死を決意した朝奈は悪用しかねない姉ではなく、初めて好きになった志朗に託そうとする。しかし受け渡されたのはペンダントの石の部分。紐は朝奈に残された。そして皮肉にも二人の想いはその場で通じ合う。

嘘の下手な朝奈の嘘はすぐにばれた。それでも志朗とのことだけはバレてはいけないと、母の形見のことを伝える。この銀糸は願いを叶える銀糸なのだと嘘をついて。当然夕奈は銀糸にのめりこむ。

銀糸が本当に願いを叶える呪物だと知っていたら、志朗に銀糸を渡せていたならこれ以上、理が歪むことはなかったのに…残酷な物語。

 

もう夕奈は壊れてる。例え近づくためでも、きっと大丈夫とわかっていても、志朗が喉を詰まらせて、それを助けたいなんて願い、それはもう愛じゃなくて執着だよ。人じゃなくてモノだよ…

怪我する前に薬箱を取り出す描写こえーーーーー。

 

自分の顔を誰かに憶えてもらうのは嬉しい。そんな言葉が胸にしみる。

 

客が目に入らずに喧嘩、いや暴言を吐きあう二人。志朗によっていつしか見えなくなっていた佐々井亭の大切さを再認識した二人はようやく何が最も大切かを認識しあう。夕奈は今まではずっと一人で頑張ってきたのかもしれにけれど、これからは二人がお互いに支えあう。朝な夕なとずっとずっと。

夕奈の八つ当たりは朝奈にとっては甘えの表れだったんだ。当時の夕奈の心情はともかく、朝奈がそう感じられるならきっとそれが真実でいいと思う。

 

店の存続を銀糸に願おうとする夕奈。しかし朝奈はそれがニセモノだと知っていた。だからはっきりとその紐では願いが叶わないと白状するしかなかった。二人の絆は再び銀糸によって砕かれることとなった。偶然ではなく、自分の故意により志朗を傷つけたこと、嘘をつかれたこと、佐々井亭がなくなってしまうこと。様々な事実が夕奈を襲う。

銀糸は本物なのに!嘘じゃないのに!勘違いが、銀糸に願ったことによる代償が最愛であったはずの二人を引き裂き続けるのか…

 

夕奈はただ朝奈の復讐のために生きる。それでも佐々井亭のために死よりも苦しい生を選ぼうとする朝奈のため、嘘をついてまで志朗は夕奈の説得へ向かった。

一人黙って嘘をつかれて除け者にされていたからここまで夕奈は追い詰められてしまった。他人が信じられないから、その代わりに嘘とわかっていても銀糸を信じる。ターニングポイントは志朗への想いの交錯なんかじゃなくて、母の形見を黙って持っていたこと…だったら二人が元に戻るためには、その過去まで戻る必要があった。けれど、志朗への想いがあったから二人はそこが問題だと勘違いして、もう元には戻れないほど銀糸の呪いに囚われてしまったんだろうな…

 

朝奈に手をかけようとする夕奈の懐に銀色だったものが見えた志朗は思わず身体が動き出し、気づけば夕奈の身体は真っ赤に染まっていた。しかしそれは刃物ではなく、銀糸。朝奈や志朗でなく、自身が死ぬことに感謝を示す。

本人が言うように、朝奈が不器用だったように自分も不器用で、もちろん憎しみもあったけど全部が全部憎しみじゃなく、そこに愛があったのかもしれない。本当に虐めていたわけじゃなかったのかもしれない。本当に朝奈の将来を思っていたのかもしれない。真実はもう闇の中だけど、朝奈がそう信じられるなら、きっとそれが真実なんでしょう。あそこで再び裏切られたらBADって感じだから、きっと夕奈にとってもあのシーンは最後の瀬戸際だったんでしょうし、きっと本心に朝奈への愛は残っていたはず。

 

父の腕前にずっと届かなくて、それでも思い出の店を存続させるため努力努力して、そんな時、一筋差し込んだ志朗という光に出会う。しかし大好きになった志朗に朝奈すら取られて、、、そんな夕奈視点も見てみたいルートだった。

 

銀糸の代償は最も大切な人の命なのかな?2章では頼人の願いが叶って狭霧が死んで、狭霧の願いは自ら叶えたとすればいいし。3章はどうなんだ。銀糸は夕奈のもとにあったから、その大切な人の死って誰になるのか。自らが最も大切だったという悲しい現実…?逆に自らの命とすれば1章と2章の狭霧の一時の生還がわけわからなくなるし。

 

=第四章 銀色=

時は現代。大学のため、引っ越してきた真也と、声の出せない喫茶店の娘、あやめの物語。そしてかつてあった、旱魃のため銀糸を使った大井跡とあやめの物語。

ここにきてあやめかー。5章もあるみたいだけどタイトルといい、ここがメインというか終着点っぽいな。物語のつながりを重要視する傾向にあるし、3章で志朗と朝奈の子孫かな?

大井跡の物語は、銀糸を作るという点からもおそらく銀糸の始まりの物語。始まりと終わりの物語の交錯かー。綺麗だな。

 

それにしてもとんでもないカウンセラーだな、ほんとに資格もってんのか?人に頼ることはいけないこととか本気で思ってるのかな、しかもこんなに若い子に。

 

思ってもいない願いから母を銀糸で殺してしまい、その責任をまるで周囲から求められているようでついには言葉すら自身から奪ってしまった。

 

銀糸に命を吹き込むには、代償となる命が必要となる。だからこそ大井跡とあやめの想いが通い合おうと決して二人が結ばれることはない。

それとは別に願うために必要なものはなんなのだろうか。

 

状況は違えど、声が出ないということで線を引かれていたあやめと、貴族だからと線を引かれていた大井跡。そして二人には線を無視して近くにやってくる明るい真也とあやめが現れる。

過去に救われた大井跡が生まれ変わって今度は真也としてあやめを救いに来た、って私は思う。喋れなかったり、身分が特異だったり、「普通」とは違うことで二人は引き裂かれかねなかったけど、本当は大事なものを過去に教わったから、魂がそれを憶えていたから、真也とあやめは結ばれたんですよね。過去ではたった1日だけだったかもしれないけれど、千数百年の時を超えてようやく本当に二人は結ばれたんですよ。

銀色は銀糸を巡る悲しい物語であると同時に、大井跡とあやめが結ばれるまでの長い長い物語だったんですね。花が誰かに見せるために咲くのを待っているのだとすれば、きっとそれは結ばれた二人を待っていたのでしょう。

 

大井跡の本懐を無視してしまうことと、それでも死んでほしくないという二つのあやめの想いが痛いくらいに伝わってきて、さすがだなあとしか。こんなに短い、1章のさらに半分もないのに。

 

=第五章 錆=

大井跡が命を捧げた後の物語。旱魃のため、一人きりとなってしまった1章の少女の母の物語。旱魃により取り残された妹を守るため、体を産み、子を宿した姉とこずえの物語。

少女の名前が本当にあやめで、もう涙がほんとに…いやその前から姉のストーリーを見て泣いてたけど…

そしてこずえも同じことを繰り返し、あやめの命を繋いでいく。

 

もう一つ、ふたりのあやめの物語も。4章で描かれなかった続きを描く。

大井跡の代わりに命を捧げたあやめ。花は咲いたが結局一緒に見ることはできなかった。それに代償となるのは銀糸を作った大井跡の命でなくてはならない。後悔のみが残った。だから大井跡があやめと一緒に花を見たかったと思いながら命を絶ったのは当然なのかもしれない。だからこそ1章で、現代であやめの花を漸く二人は見ることができたのだろう。

すれ違ってしまいそうになった真也とあやめを、銀糸に翻弄されてきたものたちが二人を繋ぎとめた。

盛大な勘違いをしていた。二人は生まれ変わりなんかじゃないのか。二人は二人で、あやめという名の少女を思った大井跡の願いが繋がっていただけなんだ。あやめが好きな人と一緒にあやめの花を見れますように。ただその願いを叶えるためだけに千年以上の時を生き続けてきたんだ。そして願いを叶えて銀糸が無くなったから、一緒に声が奪われていた呪いまで無くなってしまった。

あったかもしれないみんなの未来を見て虚しいけれど良い涙が流れた。あやめの心の言葉にまで声がついたということにも感動。いままでは心の声すらないほどに、自分ん声を憶えていなかったということが感じられて。

 

=追加シナリオ―銀色―=

石切姫を助けるために自らの命を捧げた久世。願いの代償はそれに相応する者が必要であること。

やはり願いは自分の手で掴まねばならないのだ、たとえできなくても藻掻き続け、それを自ら、苦しみながら考えなければならないのだと、最後に読者にメッセージを伝えてくれるシナリオでした。

石切はきっと大陸に戻り、残された銀糸を葬るたびに出たんでしょう。銀糸の願いで不老不死になったそれこそ永遠に、本当に世界から銀糸が無くなるまで。

ああ銀糸無くなってよかったね、めでたしめでたしっていうまま終わらせないところが好感持てる。ビターな展開で始まって、ビターな展開で終わるっていうところもね。

これにて1章と2章の間の物語も完結。そして物語は朱へとつながる。

さよならを教えて ~comment te dire adieu~の感想・考察

鬱系の話はかなり好き。三大鬱ゲーのうち、他の2作品も買えないものか…

 

コンプレックスまみれで病んでいる主人公が壊れていくか治っていくかの作品。

うーん、期待していたほどでもなかったなあ。別に好きじゃない。ただ全体として完成度は高い気がする。ノベルゲーム黎明期だった当時は衝撃的だったのかもしれないけれど、娯楽作品を浴び続けられる現代においては結構早い段階から気付ける展開だろうし…

ただ考察モドキがしやすい内容ではあるから好きな人は好きそう。わけのないことに対して、いろいろ理屈をこねくり回すのが好きな私のような人には。といっても最後にすべてネタ晴らしをしているわけですから、意味がないんですけどね。

自分の中に猟奇性があるかを確かめるくらいの気持ちでやるのがいいんじゃないですかね?少なくとも自分大好き人間の私には刺さらなかった。

 

やるなら睦月ルート+他1つでいい気がするけど、いずれにせよ睦月ルートを最後に持ってくるのが吉かなあ。

 

睦月ルート以外飛ばし読みだから多少の矛盾は多い。↓

 

彼女たちは主人公を救うための精神の依代。現実から目を背ける主人公が唯一、現実を知覚する術。5ルートあるが実質的には睦月とそれ以外の2ルートに分けられるだろう。

 

天使には女性への憧れと理想と現実。猫には死という恍惚なものへの羨望、後悔。カラスには母から教えられた暴力という禁忌を破ることへの快感、家族というものへの恐怖。人形には破壊衝動、身体へのコンプレックス、孤独感。標本には女性を恐怖する自分に対し、男性だからと恐怖するものへの嗜虐心(女性へのコンプレックス)と嫌いだった勉強に対する忌避。

最後はどのルートでも彼女たちの中から一人を殺す。それは彼女たちにとって、主人公に選ばれたという幸せな結末なのだ。少なくとも彼女たち、主人公の妄想にとっては。

選ばなかった4人とは簡単に「さよなら」できるわけですが、残る一人とは、そのコンプレックスとは、真の意味で向かい合って「さよなら」することになります。ここが分岐。

結局、たった一つのコンプレックスと向かい合ったところで、ここまでねじ曲がった彼の中の世界が元に戻るわけはなく、というかこれが正面から向かい合っているかってが問題ではあります。そもそも目的が現実と向き合うというものではなく、この教育実習という地獄から抜け出す、彼女を救うの2つですから、行く先は見えているようなもんですが。

希望はといえば、唯一生身の人間だった睦月なわけです。しかしながら、睦月は本来この病院から退院して元の生活に戻っているはずなのに、彼の世界の中では首を吊って死んだことになっています。つまり彼女が退院する際に交わした現実的な会話と約束の甲斐も虚しく、彼はまた妄想の中に戻っているんですから、結局、ほかルートと同じく新たな妄想の世界に戻ってしまいました。インターンとして、大好きな彼女たちとの逢瀬を死ぬまで繰り返すことでしょう。

まあ最後にとなえたちが語っていること、まんまでしょう。長々書いていますが、考察もくそもなさそう。

 

主人公の女性コンプレックスと書きましたが、どちらかといえば、性別に対するコンプレックスな気もするなあ。女性への性的興奮というよりは、破壊や殺人に対して興奮することが幼少期より多かったようだし。

 

御幸が立ち去ったあとに残された花のような香りっていうのは「いいな」って感じましたね。溶剤を使ったりしますが、本当に甘ったるい、それでいて気分が悪くなるシンナー臭といいますか、これは状況にぴったりな言葉だと思いました。気分が悪くなりながらも妄想の中のぬるま湯のような光景。まあホルマリンの匂いなんて使ったことないので知りませんが。

 

きっと3つの場所しか回れないのは、記憶がそれほど多く保てないから。本当は5つの箇所を周っているけれど、3つの事しか覚えていられない、そんな彼の病状の1つを表しているんじゃないかなあ。

 

=共通=

ー1日目ー

なんだか帰るといったり、保健室といったりすると奇妙な返事をする先輩教師。全部空想だったりしてな!ガハハハッ。

 

ー2日目ー

1日で保健ニュース変わるってどんだけやる気ある保健室なんだよ。

司書係の目黒美幸、なんかデザインに悪意ないか…?

保険医は心のお医者様?で、先輩教師は事務の人とかお医者様に準ずる人とか。

 

ー3日目ー

年の離れた幼馴染きたー。田町まひる。おにーちゃーんって言われると、ジョジョ3部のダークブルームーンしか思い浮かばないよ、おにぃちゃあん。

 

普通の人でありたいっていう強迫観念に近い思い込みが随所に記述される日。そして女性への強烈なコンプレックスも。

 

ー4日目ー

人が死に面したとき見るものとは。

 

白と黒の世界を彩る真紅。3色目の赤は血飛沫であったり、花であったり。

 

大森先生にとって主人公は〇〇だからという高島先生だけど、「患者」かなあ。

 

ー5日目ー

記憶の混濁を自覚し始める主人公。そしてついに、大森先生や高島先生、他の少女たちを下の名前で呼び捨てにする。何が現実で何が夢なのか。

異常が加速しているというかなんというか。教育実習さえ終われば、そんな風に主人公は思っているけれど、主人公がその明確な終わりを意識したことはここまでない。普通ならばあと〇日がんばろうとか、あと〇週の辛抱だとか、終わりを見据えて自身を鼓舞するにもかかわらず、主人公はただ漠然とその終わりを望んでいる。終わることのない日常、教育実習をただ耐え続けるしかない。

 

日誌を見て、昔からこんな文体だという高島先生。

家族のことを聞かれても、データとしても記憶しか残っていない主人公。おいおい、お前が姉か?

 

ー6日目ー

例え休日でも休診日という札のついた保健室なんてあるわけないんだよなあ。きっと高島先生が姉で、職員室が病室、保健室が診察室かなあ。問題はといえば、二人以外の登場人物で、いったい誰なのか。どこまでが現実なのか。少なくとも睦月については大森となえが観測しているはずなのだ。

 

ー7日目ー

これ、まひるは猫か~?だったら文面通り、望美はカラスで…?

姉との会話を思い出したり、少しずつ主人公は現実を知覚し始めている気がする。

 

ー8日目ー

となえと高島せんせの断片的な会話で、ほぼほぼ確定かな。

 

小鳥や小動物のようにじっと中空を見つめる望美。きっとは彼女は人ではない。鳥という記述が散見されるからきっとカラスで間違いない。

それにまひるが猫っていうのも、確定的になった。というかまひるだけなんか露骨だな。

問題は睦月が何かなんだよなあ。

 

高圧的な高島先生に対し、暴力を働きかける。

暴力性が芽生え始めた日。芽生えたというより、露見が正しいかな。もともと暴力性は幼少期から抱えていたみたいだし。

 

ー9日目ー

チャイムの音がおかしく聞こえる。

 

大麻を数ジャンキーなマリオと主人公を重ねるとなえに、主人公は自身を操っているのはあなただと襲い掛かる。

ここで最終分岐かな。もしかしたら好感度システムなんかないのかもしれない、分岐はここだけで。

 

毎日日誌を書かなければならないという義務。その枷があるからこそ、自分はこの繰り返す日常に囚われ続けているのだ。昔からそうだった。

殴りつけた彼女は、自身が姉だと、見守るのが義務だと訳の分からないことを言う。こんな訳のわからないことを言って、惑わさせる目の前の女にすることはただ排除、それだけだった。

 

ー10日目ー

今日はとなえも訳のわからないことを言う。自分と向き合うだのなんだの。誘惑する全裸のとなえと、そして自分を救い出そうとするとなえと。いつしかその声は誘惑の声のみになって、僕は逃げ出していた。

 

自分は先生といわれるからこの学校の教師で、だからこそみんなを救わなければならない。全員は無理でも、例え他のみんなを犠牲にしてでもただ一人彼女だけは。

 

ー11日目ー

となえと交わった。きっとそれは現実である。今現実にいるならば彼女を救わなくてはならない。

邪魔するものはすべてねじ伏せなければならない。高島先生であろうと、誰であろうと力のままに。

 

彼女を救うために、五芒星を描くように少女たちの元を訪れる。そこが思っている場所とは少々違う様相をしていても、もう僕には関係がなかった。

 

彼女たちが紡いでいた「さよなら」という言葉だけが僕の中に残った。

 

そして今日から僕はこの病院のインターンだ。

 

=睦月=

・可憐。そうとしか言い表せない少女、そして女性、巣鴨睦月に、主人公は夢の中で怪物に襲われる天使を重ねる。

・主人公が闇であるならば、睦は光。睦が天使であるならば、主人公は夢の中の怪物。そう認めてしまえば、本当に地震が何かになってしまうかのような恐怖心を持つ。

・授業の練習をしていたつもりでも、気づけば天使と怪物、その2つの言葉しか書いていなかった主人公。完全にアレだな。

・天使のごとき睦月を気が付けば愛撫していた主人公。それは地獄のような悪夢から逃れるため、誰かと一緒に居るため、白く染まるため。気が付けば天使は主人公の手の中から飛び立っていた。

・天使の樹の物語。そんな話を目の前の天使から聞き出す。なんてことはない学生が好みそうな話。そんな中に主人公は睦月が天使であるという確信を抱く。

・自身の白濁液で睦月を白く染め上げる。目を離したすきに風のように消失する彼女に、主人公は何の違和感も抱かなかった。

・ついに睦月が真実を語った。天使が舞い降りた。天使の声は聞こえない、気づけば天使は樹と一体になっていた。

・天使に助けを求められた。主人公は天使を救わねばならない、そう強く思う。自身が現実に戻るためにも、怪物にならないためにも、そして何よりもそうできるのは自分しかいないのだから、自分こそが彼女を天に帰さねばならない。そうできるのは自分しかいない。そう強く確信した。

・天使と、いや同じ境遇である巣鴨睦月と向かい合う。大切な人に裏切られここにきてしまった彼女は一足早くここから出ていく。思い出を求める彼女と交わった。それでも彼女は救えなかった。だから…

・彼女は天使の樹に首を括り付け、ついに天へと帰っていくのだ。救われたのだ。樹とともにいずれ天へとたどり着く。漸く今日が終わる。帳が下りる。

BALDR SKY DIVE1 "Lost Memory"の感想

良作。DUEL SAVIORよりは同じシーンの繰り返しは少なくなったけど、同じように繰り返しは少々飽きるところもある。でもまあ燃えゲーとしてめちゃくちゃ好き。

好きな順は

菜ノ葉≧レイン>千夏

かなあ。

なんか千夏ルートは振り回され過ぎて、ムカつきが勝ってしまい、物語に没入できなかった。

一応引継ぎはしたけど、DIVE2プレイはしばらくあとかなあ。少々飽きているので、ストーリーは気になるけどこのままやっても勿体ない(そもそもDIVE2でやっておけばよかったのね)。

BALDR SKY DIVE1 "Lost Memory"の感想(千夏)

たぶんこれでDIVE1終わりだよね?レインルートで見た解消的に。亜季姉、真、空がDIVE2かな?てっきりDIVE2はDIVE1TRUEから未来の話かと思ったけど、そんなことはなさそう。

 

=1章 覚醒=

レインの事だけ憶えてるルート。もうこれレインルートでは?

きっと最終ルートだしOP聞き直し。

 

=2章 記憶遡行=

章タイトルは変わってないけど、ちゃんと千夏ルートになってる。SKIPできないのが吉とでるか凶と出るか。

一応、レインとシュミクラムの記憶があるということで、戦闘はカットされているっポイし、全く同じところはスキップできるっポイ。

 

=3章 邂逅=

=4章 爆心地=

ここで完全なる分岐か。菜ノ葉ルートでフェンリルと共闘してるし、拒否感はない。

 

=5章 魔狼=

寡黙で不器用な男モホーク。それがいい。

 

フェンリルに入ったとなるとまた千夏と戦うことになるのか?いやでも千夏ルートだし…

 

=6章 代理人

空とノイ先生は、真の治療関係で知り合いだったのか。

 

ここにきて記憶を失う直前の記憶が回復。エージェントとはこの時初めて出会ってたのか。

空だけじゃなくて、その模倣体であるクゥの身にもなにか想像しがたい、したくないことが起こったのかよ…

 

レインが如月寮の扉にぶつからなかったり、刺身の話を菜ノ葉がしたり。どうもほかルートの記憶がちりばめられている気もするが、、、ちょっとした遊び心か、それとも…

 

ここにきて米内生存ルート激熱、どうでもいいけど。なんて思ったら、今度は物理的に殺されてた。もうこれは運命ですね。それにしてもモホークいいやつ過ぎ。

千夏が狙撃の犯人だっていうのを庇おうとした甲が危機に立たされた時、久しぶりに昔の千夏に戻ったらしく、暴徒にボコられたかいがあった。あの時と一緒だな。

 

=7章 媚薬=

もうモホークになら裏切られてもいい。信用したい相手を信用したって事実が私にとっては大事だ。

 

Dr.ノインチェーンとDr.ノイって親戚かなにかかな?

さらに箱舟計画という新しい用語が出てきた。

 

千夏と気づいたのが機体からじゃなくて、昔みた蹴りのフォームで思い出すっていうのいいね。なんで気づかないんだと思ったけど、それほどまでに千夏は戦い続けて機体が変わってしまったってことを表してたのか…ようやく理解した。

相棒って言葉最高。けどあまりにも戦闘が多すぎる…まだ7章だぜ…

 

まじでモホーク好き。外見も内面も。かっこいい…

 

=8章 女友達=

甲だけじゃなくて、亜季姉も千夏がGOAT所属とわかった上で、何も気にしない、どうやってもアーヴァルシティへの権限を手に入れるってのを聞けば胸が熱くなる。きっと甲への贖罪ってのもあるんだろうけど、千夏への愛も本物のはずだから。

裏切られたら泣けばいい。私も一緒に泣くから、一緒に悩むから。亜季姉があったかすぎる。他人を心底信じるっていう行為はそのものが尊いのかもな。

 

=9章 裏切=

そういや如月寮の退寮者がいっぱいいたって話あったなあ…忘れてたよ。

 

名実ともに千夏に裏切られてしまった。それでも亜季姉だけは通報しないでいる。一番情に深いのは亜季姉だったんだなあ。きっと次は亜季姉ルートだろう。。。?

 

ついにぶつかり合う二人。甲は自分であるために真実を追い求め軍人になり、千夏は自身を捨てるため兵士となった。殺すつもりなんかない甲と、殺すつもりの千夏。生きるために戦う甲と死ぬために戦う千夏。決定的に対称的な二人。

きっと甲への借りを返すために生きているレインだけが気持ちを理解できるんだろうな。

 

アセンブラ開放に伴うマザーへのハック、それを防ぐためのマザー消失かあ。文面通り取るなら、先生がアセンブラ開放のためって感じだろうけど、本当にそうなのか。エージェントの出現を目的としたマザーのハックが第3者の真なる目的だったんじゃないかなあ…怪しいのはグレゴリーだけど…

 

=10章 義体

千夏の驚くほどに冷たい体とこのタイトル…なるほど。。。

 

もちろんさ、千夏がサイボーグになったことを知る場面では、あまりに残酷なその事実の判明に涙が出たけど、それ以上にその千夏にとって辛いはずの事実が千夏にとっては半ば当たり前になってしまっていて、そのことを告げても眉一つ動かない凍え切ってしまった心を目の当たりにしたような気がして辛かった。

 

=11章 虜囚=

クゥが空のことをみているように、空もクゥの夢を見ている…?一方通行じゃなくて双方が繋がってたのか、だったらクゥが生き残ってるなら空も生き残ってる信憑性が増すな。

 

きっと長官も先生も心底悪い奴じゃない。ジルベルトを除いては。だから菜ノ葉が先生に傾倒したように、千夏が長官を信じたように、甲がフェンリルに参加したように、それぞれがそれぞれの目的と信念に従って、ただ戦ってるだけなんだなあと今になって思う。みながみな未来のために、仲間のために。アセンブラによる綺麗な未来のため、二度とアセンブラの脅威がない未来のため、仲間たちともう一度笑える未来のため。

そしてドミニオンに与したのが真、アークに与したのが亜季姉か。まあアークとフェンリルが違うかどうかはさておき、てっきりはじめはそれぞれの組織に甲が協力するって感じだと思ってた。真はきっとお姉ちゃんのため、そしてお姉ちゃんのいる未来のためか。シミュレーション仮説ライクにこの世界が仮想なのだとするなら、世界は少しずつ書き換えることができる。

 

久しぶりの3人チームが、雅の部下への復讐の手伝いとはな…

そんでもって雅がおかしくなっちゃった、死んじゃった…ワンチャン真実に気づいた可能性もあるだろうけど、すくなくとも正気ではないわなあ。

もしも真が言うように世界が書き換えられているというのなら、クゥのいう通り、甲がせねばならないことは過去を憶え続けること、忘れないこと。

 

雅を失い、本当の意味で二人きりになった千夏を一人にしないため、レインと決別。千夏をフェンリルに連れていくってのはやっぱり無理なんだろうなあ。。。

 

=12章 休日=

アセンブラを完全に失くすためにAIを止める、やりたいことは理解できるが、そうなったら多くの人は飢餓で死ぬはず、それを容認はできないよ…

 

感覚がないのは義体が原因じゃなくって、千夏の脳髄そのものか。精神的なものなら希望は無きにしも非ずだけど…

 

=13章 離別=

やっぱり先生もなにかしらの事情がありそうだな。電脳症かはさておき。

 

今回のエージェントのペンダントの数字は3。のこり3ルート。クゥがいるなら空もいる筈。だったら世界を書き換えているとかじゃなくて、真の言う通り、本当に世界が二つあるのか?今甲たちのいる仮想と、みんなが生きている現実と。

 

=14章 トランキライザー

AIの破壊ではなく、支配、そのためのトランキライザーアセンブラを止めるためについにフェンリルとの戦闘。レインもモホークも私の手で殺めてしまった。茫然自失。

 

作戦のため記憶を封鎖されたまま、お互いを知らずに協力する甲と千夏。理解はできるが、そういうことされると信用したくてもできなくなるぞ、長官。

 

長官もシゼルもさも自分が正しいかのようにいいやがって、そのくせに仲間にならなければ情報は明かさないだとお?むかっ腹が収まらないね。そんでもって少しでも多く情報を明かした方についたらのうたりんで洗脳扱いか?組織を信じられないなら個人を信じるしかなかろうが。だから甲は千夏を信じて、そのあとはクゥを信じたんでしょ?そんな甲だから亜季姉はいつまでも信じてくれている。

まあそれでも…親戚で何度も匿ってくれたアーク側を簡単に裏切ったのは…反省。

 

全体テーマとしてノージックの経験機械的なサムシングがありそう。

 

千夏のエスで混ざり合ってようやく約束を思い出す。卒業まで気持ちが変わらなければきっと交じり合おう。空と付き合ってたわけではない??そんなわけもないしな。

 

=15章 千夏=

うーん、レインや亜季姉、菜ノ葉たちはきっとネットに生きているらしいし、クローニングで肉体を取り戻した千夏と幸せにやってるけど、それにしてもスズシロ市はグングニルで焼かれてしまうし、ハッピーなのか…?

 

そしてDIVE2へ。グリザイアといい、続きもののいいところはこの導入があるところだよな~。鳥肌。

 

 

BALDR SKY DIVE1 "Lost Memory"の感想(菜ノ葉)

=5章 追想

再会は再会だけど、連絡を入れたことで菜ノ葉との再会が早まった形になったのか。そして空の死もまた早い段階から受け入れる。それはきっと会うまでの1日がなくって、心の準備ができなかったからなんだろうなあ。

 

レインルートクリアしてるから、レインの口からあの日のクリスマスの甲の表情について零れたりもいい。

 

まあそれ以外はおおむね一緒かな。

 

=6章 仮想都市=

菜ノ葉がナノマシン科に入ったのは甲の勘違いだったんだ。夢はあるけど、どうしても才能がない。言いようもない虚しい感じ。

 

やっぱり菜ノ葉との過去の話はいいな。両親の留守が多かった二人。地元者珍しいセカンドだった二人。そんな二人はいつの日か同じ学園に通うことを誓い合う。

 

=7章 密造業者=

なんか師匠のことがちょくちょく出てくるから、今回の敵は師匠なのかもなあ。

 

レインルートでは判明してなかった阿南ハレムへの侵入者が千夏だと判明。

8章だったものが7章に来てるな。

 

千夏。お前GOATだったのか…そして、アセンブラを再び開発しているリーダーこそが師匠…

 

=8章 無意識=

えぇ…初めての相手千夏なの…?

 

ナノマシンを恨む千夏と、ナノマシンにそれでも希望を見出す菜ノ葉の衝突…見たくない…両方とも筋が通っているだけに。現実を見るか、希望を見るか。その違いだけなんだよなあ…本当にもう昔の関係に戻れないなんて思いたくないなあ。

それに千夏が来た直後にGOATのウイルスが現れるなんて…もうそういった利用しあうことしかできない関係なんてい嫌だな。

 

菜ノ葉に機体を見られたのはもちろんだけど、亜季姉にその成長ぶりからどれだけ多くの敵を倒してきたかを察せられたのもつらい。

 

レインルートでは忘れていたはずの、菜ノ葉との約束。一緒の学園に行く約束と、正義の味方になる約束と、老後の約束。2つ目は破ってしまったけど…

 

自分たちがエイリアニストって言われるよりも学友がジルベルトをミュータントって言ってるのを見るほうが堪える。

師匠もきっとどこかで曲がってしまっただけで根っからの悪じゃない、そう信じたい。きっと殺された、恩師である菜ノ葉の両親のため、これからの未来のため。家族が同じように汚染で奪われたのに、同じようなことに手を染めたなんて思いたくない。けど、きっと破壊欲も確かに潜んでて、それは恐ろしく感じる。

 

=9章 先生=

信じたいからこそ疑わなくてはならないってのは酷だよなあ。

 

GOATからの襲撃を救ってくれたのは師匠。

素晴らしき未来のため、そのためならば制御が完全ではない危険なものの研究を続ける。結構一般的な科学的立場なんでしょうが、容認できないな。原子力利用といい。この章で私個人としては先生と相いれないことが決定的になった。もちろん理解はできるけどね。現実以上に荒廃したBALDR SKYの世界は残された時間はかなり少ないだろうし。けど、もっと葛藤がなければとも思う。葛藤した末の開き直りだったらなおさら賛同できない。

 

=10章 幼馴染=

=11章 特異点

命をかけてアセンブラの信用を取り戻したり、先生はかっこいいんだけど、かっこよすぎて斜に構えて疑ってしまう。実際レインルートでは奪われてたわけだし。悪ではないと思うけど、マッドな感じ。もしも菜ノ葉がアセンブラの鍵で騙してるって可能性も無きにしも非ずだし。

 

どうやら真もまた何か信念をもって、ドミニオンに与してる様子…

 

負荷かけ過ぎたら時間の流れが遅くなる、フリーズするってのはわかるけど、原因は何なんだろう?レインルートではエージェントの首飾りが1で、今回は2の目を示している。量子的な多世界解釈の暗示かな?そのあるかもしれない未来を案内できるのがエージェント。

 

隙じゃない時が一度もなかったから、その恋心にも気づかなかったってめちゃくちゃロマンティック、痺れる。

 

=12章 運搬人=

記憶の混濁とか、先生自身が電脳症って可能性はあるかな?そうだとしたら予想してた最悪よりももっと見たくない展開だ(嬉々)。

 

やっぱり先生はマッドだった。許せねえ。菜ノ葉にアセンブラのプラントを埋め込むなんて。しかも子宮かよ…Dr.ノイ、ほんとに味方でよかった。というよりノイが味方じゃないなんて、性格的にあり得ないんだろうけど、ほんとに。

 

ジルベルトから菜ノ葉はもちろん、ノイも守りたすぎて、ここだけ難易度下げた。が、装備貰ってもそうなってしまったから、既定路線なのか…

 

真がいうように、エージェントの力があれば、世界を書き換えられるのか…?きっとDIVE2だろうけど。

 

=13章 聖地=

死に行く二人を止めるレインとの戦いか…BGMが悲しげだ…

 

おやじさんの言った「こんないい嬢ちゃんとガキのころ巡り合ってるのにな」ってなんの伏線だろ?

 

菜ノ葉ルートで、レインルートの核心的部分の追加描写を入れて泣かせるのずる過ぎだろ…

 

千夏とは戦いたくなかったし、馬鹿ほどつえーし、先生は千夏を殺すし、もう心がむちゃくちゃ。

千夏は先生やアークをよく信じられるっていうけど、甲と私が信じてるのは、亜季姉という親友ダヨ。

例え本当に大義が先生にあったとしても、千夏をためらいなく殺して、幼馴染であり親友であり恋人である菜ノ葉を徹頭徹尾利用したお前を信用することは二度とねーよばーか。犠牲を払ってでも成さなければ、得なければならないものがあるというのは戯言で、その犠牲を払わないことへの逃避、諦めである、と個人的には思う。

やっぱり電脳症っぽかったな、先生。残念だ。もっと早く知ってたら…病気だからと相手と戦ったり殺したりするのは本当に自らの考えに反するけど、菜ノ葉のために。

誰かに別れを告げておかなくていいのか?で「さようなら、先生」はわかってても鳥肌。

 

やっぱ子安さんは悪役向いてるわあ。

 

=14章 菜ノ葉=

今気づいたけど菜ノ葉ってナノだからなのか。

 

結局間に合わず、二人は溶けあってってBADかと思ったけど、奇跡の力で二人は助かって、しかも菜ノ葉の両親が造ったナノフラワーのおかげで大地に緑が戻ってきて。

きっとその奇跡は次の千夏ルートかDIVE2でわかるんだろうな。

菜ノ葉と混じりあって、二人の気持ちを再確認して。共通の一番最初のシーンが来たところは鳥肌が止まらなかった。

 

電子体はAIの観測により成立って面白い考え方だよな。

 

菜ノ葉見てて思うのは、身近な幸せに気づける人こそ、遠い未来についての希望を持てるんだなあと。

菜ノ葉すごいよなあ。子供のころからずっと甲の方が寂しいとわかってて、与えてもらいと子供のように恋するんじゃなくて、本当の愛として与えてあげたいと、幸せも悲しみも分け合って生きたいって、ずっとずっと思ってたんだから。菜ノ葉はそれを信じることと想うことだけっていうけれど、それが生きていく上で何より必要だもん。本当にすごい。

 

正直レインルートが山になると思ったけれど、普通に超えてきたな。菜ノ葉好き!!!

DUEL SAVIORでは同じようなシナリオの繰り返しで苦しい部分も確かにあったけど、今作それもほとんどなくてほんとに神。

 

 

 

 

 

 

ところで正確にはおぼえていないけど、レインルートのキャリアーってアンセンブラごと破壊されたんだっけ。。。。。。。。。