=導入=
ー1-
主人公とルリの出会い。それは主人公が17歳の夏。姉が地元に戻ってきて、それについてきた娘(と旦那)。その娘こそルリであった。
ー2-
ほしいもの、おみくじの自動販売機。神主の息子として、働く父の代わりに中学から神社を切り盛りする健志。つまらない日常に現れた元気な少女ルリ。
ー3-
けなげな少女と思春期で素直じゃない青年。
ー4-
おじさんと姪っ子の日常。
ー5-
呼び出しボタンの電池が切れたので、それを買いに行く間、ルリにお留守番を任せる。最初は30分のつもり、それがいつの間にか5時間になってしまう。帰ってみるとルリはちゃんとお留守番とおみくじの販売をこなしていた。ただ以前の勘違いから販売価格を50円にしてしまっていた。持ったことのない大金を握りしめ、汗まみれの小銭。そんなルリを叱るわけもなく、お土産の大福を一緒に食べた。
ルリちゃんのがんばりに涙…ああ昔は50円も大金だったなあって思い出しました。月のお小遣いが500円で、漫画買ったら終わって。
ー6-
夕方になっても家に帰りたがらないルリ。バイトの面接があるため家に帰すも、不安になり追いかける。家の前で立ち尽くすルリ。両親とも帰宅が遅い、だから家に帰りたくない。そんなルリをみていてもたってもいられなくなり、ルリと海岸でサンドイッチを食べる。卵サンドとハムサンドを重ねて食べる。
習ね。
ー7-
日常
ー8-
ルリの両親とも、今日は家に帰れないというのでお泊り。
ー9-
風邪を引いた健志。ルリに移したくないからとルリに帰るように言い、自分は病院へ行く。雨に濡れながら病院に行こうとする健志をみて、ルリは背伸びをして傘に入れようとする。病院の手前まできたら今度こそ本当に家に帰るように言う。ルリに風邪をうつしたくないから、元気なルリでいてほしいから。
病院を出るとそこにはルリが。ルリも同じくおじさんに風邪をひいてほしくないから。
二人は今度は二人とも濡れないよう、抱っこし、抱っこされ境内に戻る。
ー10ー
日常、デイパックを買ってくれないなどで怒るルリ。子供らしい悩み。
=佑咲150円=
ー1-
今日も同じような日を過ごすはずだった。
ルリと過ごす時間。そんな中一本の電話が鳴る。父と姉夫婦が事故で亡くなったと告げる音。ルリを残し、身元の確認に雨の中走る。走らなければ何かを考えてしまうから…
間違いなくあの3人。遺品の中にはルリの欲しがっていたデイパックもあった。片手にはデイパック、もう片手には傘を握りしめ、雨に打たれて帰る。ルリには事実は伝えないと決心して。
デイパックを喜ぶルリに健志は、両親が仕事の都合で旅行に行ったと告げる。そんなルリは不満を見せながらも買ってもらったデイパックを胸に、帰ってきたら仲直りしなくっちゃと嬉しそうな笑顔を見せる。
ああ…現実は非情。
ー2-
ルリにとってはあまり変わらない日常。健志にとっては何もかも違う日常。
ー3-
ルリを育てたい気持ちはある。しかし健志はいくら半年後に卒業するとしてもまだ高校生。そんな力はない。だから市役所の言うように、ルリを引き取ってもらう、そんな決断をする。ルリに真実を話す決断をする。それだけは自分がやらないといけないから。
ー4-
最後の日、二人はいつもの場所で半分の大福を食べる。別れの時。ルリは泣いて頼む、一緒に居たいと。最後のわがままを言う。いい子にするから、お風呂もひとりで入れるようになるから、だから一緒に居させてという。
本当の家族じゃないから、親でも保護者でもないからこれからのすべてを賭けると胸に誓う。これからは本当の家族になるとルリに誓う。
親子と呼ぶには近すぎる。兄弟と呼ぶには遠すぎる。だけど、ま、お兄ちゃん。
ーOPー
珍しくここが感動したとか書いてませんでしたが、3人がなくなったシーンからOP含めずっと泣いてました。
デイパックをただ遺品として残す演出も憎い。背景を想像させるのがうますぎると思います。
ルリを引き取れるかどうかの現実的な問題はあると思います、未婚、未成年に許すかどうか。まあ血のつながりはあるので未婚のほうは問題ないとして後者。そこら辺の法律全く知らないのでわかりませんが、まあ田舎だからということで…もう卒業だしね。
ー5-
健志はバイト、ルリは店番。二人ともなれない日々。それでもお互いに平気という。
ー6-
同級生で酒屋の娘、佑咲が御神酒を届けに来る。
とりあえずOPに出てきた順番のルートをたどることは決めた。
ー7-
ルリは今日から登校。
ー8-
久しぶりに学校に行く、そのまま一日中寝て、佑咲と帰宅。
ー9-
ええ!?ケンジだったの、タケシと思ってた。みずいろといい、すみれといいケンジ縛りなの?
あといまだに佑咲の読み方がわからない。
ー10ー
日常、名前は調べた。ユラか。
=佑咲2隣の席の人見知り=
ー1-
縁日が近いので、その対策と、ルリの遊び相手のためバイトを募集することを決める。
実際、どれくらい家計に余裕があるんだろう。
ー2-
バイトは佑咲!
バイト代の子と話してないのに承諾してくれたけど、ただ働きか…?まさかね
ー3-
バイト代は向こうからいらないと言われたがさすがに払う。
巫女服似合うな~~
ー4-
ドジっ子佑咲。
ー5-
いつものお礼にと、夏休みに遊ぶ誘いをする。
=佑咲3柚子希豆腐店=
ー1-
酒屋の方が忙しくなり、夏祭りが終わるまであまりバイトに来れなくなった佑咲。ルリも健志も悲しい。
ー2-
日常
ー3-
佑咲がいなくて、心さみしい日々。夏祭りまであとすこし。
ー4-
配達の日。届けに来たのは佑咲一人。父を手伝うため、家の仕事に平行して免許も取ってたらしい。これからの配達はずっと佑咲。不安をおぼえるとともに嬉しさも感じる。
=佑咲4蝉時雨=
ー1-
縁日は大成功。遊びにはドライブに行くらしいけど、え?ルリは?
ー2-
えぇ…ルリ置き去り…
結局、近場の海で駄弁って終わり。それでも楽しく、佑咲のことが知れた一日。佑咲も一歩踏み出す勇気を持つ。
友達と呼ぶには近すぎる。恋人と呼ぶには遠すぎる。
ー3ー
周囲に溶け込もうと一歩踏み出す佑咲。
~数年後~
ー4-
社会人になった健志。デビューした佑咲。変わっちまったよ…いい変化なんだろうけど。
毎日、会社の近くまで送ってもらう日々。
=佑咲5自動販売機=
ー1-
あの頃と同じ50円のお賽銭。15万以上のお賽銭。え?数年どころか8年くらい経ってない?こういう表現の仕方もいいですね。あえて計算させることで実感がわくというか。
健志たちが26,27歳くらいで、ルリは14、15歳。えーもう中学生なんだ。成長が…というか佑咲、その年齢でその恰好は…まあギリギリセーフ?
ー2ー
また夏祭りの季節。いい上司のおかげか、早く帰って神社の仕事をする日々が始まる。
最近はバイト代も受け取らない佑咲、もう家族のような存在。
ー3-
日常、腰をいわす佑咲。
ー4-
お見合いを断る佑咲。だって想いは健志を向いているから。
ー5-
佑咲復帰。
女性からバイト希望の電話。8年前のチラシ。
縁日の日に楽したいし、佑咲と遊んだりもしたいのでとりあえず面接。
=佑咲6錆びたガードレール=
ー1-
とんでもない恰好の女子大生が来る。何この格好…
菊正宗依知子もといいいちこが働くように決定。
ー2-
新しい日常。えーここまで幼馴染キャラに祐咲がなっちゃうと、祐咲後回しにしたいなー。いやでも先に見たい気も…
ー3-
今年はいいちこのおかげで余裕ができそうだから、一緒に夏祭りを周る約束をする。商品がまだ届かないので、そのまま二人でドライブ。以前と同じ場所で、同じ関係のまま、同じように話をする。代わったのはお互いの感情だけ。明日は縁日当日。きっと何かが変わる日。
=佑咲7夜の灯り=
ー1-
そういや神主って資格いらなかったっけ?まあ田舎だから目をつぶっているのかな。
二人で縁日を周って、夜は打ち上げ。ルリといいちこはすぐつぶれちゃったので、二人で飲みなおそうとする。そんな時、佑咲はいつもの階段で物思いにふけっていた。
二人で花火をする。二人で話をする、二人の関係ってなんなんだろうと。このままの幸せが続くと良いなと。
ー2-
今日はルリが登校日。だから健志が帰ってきたら二人きり。今日も佑咲はいつもの階段で健志の帰りを待つ。二人とも、これからの関係について気持ちに整理がついて、前に進みたい。だから健志もいつものようにジュースを二本買って帰路を急ぐ。
本殿の屋根で街を、階段を眺める。そしてただ抱きしめる。言葉はなくてももう気持ちは互いに伝わっているから。
あのーこれもしかしてたまたま、佑咲ルート引いてたってこと?もう運命じゃん。どこが分岐だった…
=佑咲8夏の声=
ー1-
健志に一通の手紙が届く。それはきっと佑咲にも届いているもの。
同窓会の誘い。コンプレックスだった昔の自分との対峙。悩む佑咲も健志の参加を聞き、参加することを決める。
ー2-
同窓会当日。何の問題もなく、新しい佑咲を見せ、受け入れられる。
佑咲のどこに惹かれたか聞かれ照れる二人。そんな二人にわかるよ、柚子希さん変わったからという同級生。
佑咲が変わったから佑咲を好きになったのか?同級生の言葉に違和感をおぼえる。そんなわけない。
佑咲は思う。本当に自分は変われたのか。変わった私は、変わらない日常を続けるために毎日階段で健志を待つ。表面的に違っては見えても、この変わらない日常をただ望む自分は変わってないのではないか。本当の願いを包み隠して、健志を騙しているのかもしれない。
健志は思う。本当は佑咲は変わっていないのではないか。でもそれに気づいてよかったのか。日常を望む佑咲の願いを奪ってしまうのではないか。そんな時、あの日から一変してしまったルリの言葉を、顔をみて不安は払拭される。日常は変わるものだと。ただ佑咲が階段で待っていることだけを信じようと。
=佑咲9石段=
ー1-
この日常に終わりを告げる決心をする佑咲。この時間は大切だけれど、それ以上に大切な健志の時間を奪ってしまうから。
明るい今の私、昔机に伏せていた私、健志の帰りを心待ちにする私。どれが本当の自分かわからない。自分がわからないままで、健志の気持ちに応えることなんてできないから、そんな自分は許せないから。
健志!追いかけろよ!
佑咲もなあ。気持ちはわかるけれど、どれも佑咲なんだから。全部合わせて佑咲なんだから。
健志が好きだから変わりたい、そう願っていた昔。そして今。そんな長年の強い思いが、佑咲の視野を暗くして、がんじがらめにしてしまう。
ー2ー
逃げるように、区切りをつけるため、お見合いを受ける。本当の自分なんて考えず、暗い暗い世界へと逃げる。
お見合い相手と話すうちに、気づく。何が本当の自分で、自分が買われたかなんかわからない。けれど健志が好きな気持ちだけはずっと変わらない。そんな変わらない自分は好きでいられた。
駆けだす佑咲。向かう先はもちろん神社。
神社にいる健志の胸に飛び込む。一つくらい願いを叶えてくれと神に叫ぶ佑咲。健志も一緒に願う。佑咲が好きだから。
変わっていくものと変わらないもの。その二つを日々重ねて生きていく。
表現も素敵…
佑咲のお賽銭50円から買う、毎日、二本の缶ジュース。
コイツの分の130円、差額80円は、俺の自腹で。
覚えているだけで、16万1360円。
俺も日々、願いを、重ねていた。
=佑咲10 55円=
今日も佑咲はお賽銭を投げる。そしてこれからも投げ続ける。
今日も健志はジュースを買う。そしてこれからも買い続ける。
50円と80円。そして時々健志が投げる5円のお賽銭。135円分の想いを重ねて生きる。
強い想い。8年以上も願い続けていた願い。当初は純粋な健志への好意が、時を経るうちに健志に好かれたいから変わりたいというものに変わる。強い、長い願いだからこそ、初めの想い、願いがわからなくなってしまった。それでも健志が好きだから、こんな自分はふさわしくないと離れる決意をする。それでも健志のことを想う気持ちにだけは噓がつけなくて、どうしても健志のことを考えてしまって。
人によっては、どっちつかずの佑咲の態度にイライラしたり、理解できなかったりするかもしれませんが、誰しもこんな矛盾を抱えながら生きているんじゃないでしょうか。ある二つの選択から1つを選ぶ時だって、心のうちではどっちがいいか決まっているのに、それでもその選択をしたとき抱えるかもしれない後悔に怯えて、いろいろ言い訳をしてしまう。そんな気持ち。
この誰しも抱えるけれど、そんなことを深くは考えないみたいなシナリオが本当に言葉が軽いけれど神。すみれほどではないけど心にしみわたるいいルートでした。
続く!