えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いの感想

ーあらすじー

アスペルガー症候群の少年オスカー。両親と祖母に愛されているオスカー。そんなオスカーは人付き合いが苦手で友達もいなく、いろいろなことでパニックに陥ってしまう日々だった。そんな彼に、父トーマスは世界を与える。様々なワクワクする物語を語り、調査に赴かせる。調査を通じて、様々な人との交流を促す。

そんなトーマスは9.11テロにより帰らぬ人となる。オスカーのすべてだった世界を与えてくれた父を本当に忘れぬように、オスカーは父が残した鍵にあう金庫を探す調査を始める。最後にしていた調査の手掛かりと信じて。

調査の中、オスカーは人の温かさに触れる。父のことを心配してくれる見知らぬ人、そして同時にその人たちは自らの身の上話を話す。しかしオスカーにはまだその感情の機微はわからない。事実こそ全てだと信じるオスカーは時に他者を傷つけるような発言もする。それは母に対してもだった。

トーマスの死の直前、母とオスカーは別個に電話を受け取る。その内容はきっと大丈夫というものだったが、状況を鑑みるに遺言に等しいものだった。2人はお互いを愛するあまり、電話があったことを隠す。お互いがお互いを、そしてトーマスを愛するあまり、すれ違う二人。

そんなある日、オスカーは祖母の家の隣に引っ越してきた話せない男性と出会う。言葉のない男性、そんな彼にオスカーは自分の辛い気持ちを吐露する。日々を苦しみながら生きるたくさんの人、父に近づけないばかりか遠ざかっているような気もする日々。そんな老人はよければ一緒に探そうかと言う。頭の中では絶対にダメだと考えているにも関わらず、口から出る言葉は待ち合わせの時刻であった。

はじめは今日一日だけのつもりだった。しかし父によく似た、そしてうるさくないしゃべり相手に、オスカーはこれからもついてくるように言う。

それでも見つからない鍵穴。オスカーのいらだちと不安は募る。そして老人にこのまま続けて鍵は開くと思うか聞く。解答はきっと開く、しかし鍵穴は見つからないというものだった。ここで一つの疑惑を確かめることにした。父に似たこの老人は、祖母が話題を避けるこの老人は祖父ではないか。

二人して父の6つの留守電を聞く。しかし死にゆく父に、老人もオスカーも平静ではいられない。だから5つ目が終わったときには老人は去る。これ以上菊菜、これ以上調べるなと書いて。

その日の夜、老人は街を去る。手助けしたいが、一緒に居てもオスカーを傷つけるだけだからと書いて。

ある日、父が印をつけた新聞の裏に、遺品整理の電話番号があることに気が付いたオスカー。それは当初訪ねていたブラックの一人の旦那。彼もまたそのカギを探していたのだった。彼の父が残した最後の遺品が入った金庫の鍵、それこそが件の鍵だった。

思っていたものとは違う結果に落胆するオスカー。そんなオスカーは彼にだれにも話したことのない真実を話す。6つ目の留守電。それはとれたはずの電話。怖くて取れなかった電話。

家に帰り癇癪を起こすオスカー。そんなオスカーを母は優しく抱きしめる。すれ違っていた二人はようやく心通わせる。オスカーのたくらみに気づいていた母。だからもう会った人には電話を、まだあってない人には先回りして挨拶をしていたのだった。

これからはもう大丈夫、立ち直った、成長したオスカー。祖父に帰ってきてほしいと手紙を出す。そして父と最後にしていた幻の行政区調査を完了する。そこには父が調査完了を褒める手紙があった。

 

ー感想ー

不器用な愛を描いたハートフルストーリー。

理屈こそすべてと考えるオスカーですが、心の内には人の感情が大切なものだと物語当初から気付いている。理屈だけじゃないことに気づいている。だから父の残した鍵を捜索する理由が、9.11の真実だったり突拍子のないものになっているのだと思います。その矛盾に耐え切れないから、老人に泣きながら日々苦しむたくさんの人のことを、そして自分のことを話したし、老人の誘いを受け入れたのでしょう。ここが転換点ですかね。

結局鍵は物理的意味を持たず、精神的成長への鍵として描かれました。

タイトルの意味は一つじゃない気がします。オスカーの病状、家族という意味、訪ねた人々の意味etc…

 

結局嘘を数えていた設定はなんだったのか、どうして答えがブランコの裏にあったのか(父はブランコに乗ってみようとさそったことがあったがそれだけ?それならそれで調査をクリアしたからと言って乗れるわけでなし。今回乗れたのは父の愛を、残り香を確認できたからである)など疑問が残る。

あえて疑問を残しているの?

個人的には何故評判がいいか理解しかねる。はっきりいっていまいち。必要性の感じないシーンが多いわりに、必要性を感じる描写に欠けているように感じた。

 

以上