えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

できない私が、くり返す。(詩乃ルート)

=詩乃ルート=

ー8ー

入院してから2週間.まだ床に臥せたままの詩乃.

当初は剥けていたリンゴももう手が自由に動かないから剥けない.

 

生きるということを諦めているような詩乃.そんな詩乃が持つ生きている間に叶えたい願望.やり残したことをいくつか残している.些細だけれど,それでも今はもうできない.漣さんと繋がる.もし過去に戻れたら.そんな話をする.やり残したことをやり切りたい.

 

ー9ー

やり残したことを聞き出して,過去に戻って叶えてあげよう.そう思っていると藍里が訪ねてくる.詩乃が死んだ.ふと思い出すのは漣さんとの最期の記憶.もう二度と会いに来てはいけないという約束.

藍里から渡された詩乃の手紙.そこには今までの感謝と,もうちょっと生きたかったという願望.それとやり残したことをやりたかったという後悔が震える文字で綴られていた.理由はわからない.強いて言うなら漣さんと似ているから.詩乃の死は避けられないだろう.それでも詩乃の願いはかなえられる力がある.そう決意して過去へと戻る.

 

ー3.2ー

病気のことを言い当て,やりたいことを聞き出す.やりたい7つのこと.

・恋愛がしたい

・親孝行がしたい

・海に行きたい

・部屋を片付けたい

・お世話になった人にお礼を言いたい

・1日中遊び回りたい

残り一つはこの6つを全部叶えたら.

 

まずは1つ目,恋愛がしたい.陸は自分が彼氏でどうだと提案し,その案で進める.

明日はお世話になった人にお礼を言う.

 

そんな軽いノリでいいのかい,詩乃...

 

別れ際,いつも通りで接してと頼まれた.

 

ー4.2ー

岩出山兄妹,藍里,そして両親.

 

どの人も最後に紡ぐ言葉は「また」だったりして,特に藍里と は胸が締め付けられた.詩乃がお礼を言うことで救われている(ちょっと違うか)ように,詩乃が一言一言声をかけて,藍里の腕だったりがいい方向に転がっているのかもと思うとまたジーンときます.だってこの段階ではまだ藍里の腕だったり,香澄さんの告白だったりの未来は確定していないじゃないですか.いまはフーンと思っていても,きっと詩乃が亡くなったらこの時の言葉を思い返すと思うんです.多くの人の未来を良い方向に導いていると思います.

 

明日は親孝行のための買い物に行く.

 

ー5.2ー

買い物帰り,体調が悪くなる詩乃.それでも入院はしたくないからと救急車は呼ばないでくれという.せめておぶるといって家まで送る.両親からは叱られる覚悟の陸だったが,むしろ感謝された.

 

この感謝っていうのも辛い...両親はもしかしたら医師から病状を聞いているかもしれない.少なくとも残り3か月っていう診断は聞いているはず.もう長くないと知っているからこその感謝と思うと...

 

ー6.2ー

あれから1週間.詩乃からの連絡はない.詩乃の死まで1週間ほど.

 

詩乃一人の家に御呼ばれする.今日は部屋の片づけをする.所有物の整理.必要な人に引き渡す.CDは岩出山兄妹,漫画はゆめ,ぬいぐるみは通っていた幼稚園,小説は図書館.何もなくなった詩乃の部屋.

陸を誘惑する詩乃.死ぬ気だから.

 

ピロートーク.二人はお互いの秘密を話し合う.

陸はどうして旅をして,人助けをするか.漣さんのことを話す.助けたかったけれど,どうにもできなかった過去の自分.だから今人助けをする.旅をしている理由は伏せた.漣さんに会わないという約束を守るため.

詩乃は癌の話.辛い治療の末,一度は寛快したはずの癌.しかししばらくしての再発.心が折れてしまった詩乃は治療はしないという選択を取った.それでも陸に会えたからその選択に後悔はないという.

 

もう耐えられなかった,いろいろと.

 

次は1日中遊び回る.土曜日に約束をした.日曜日は藍里の応援.そして月曜日に詩乃は倒れるはず.

 

ー7.2ー

ウェディングドレスを眺める詩乃.口ではどうとでもないというが...

 

少しずつ,わからないほどであるが気弱になっていく詩乃.

 

ー8.2ー

月曜日.詩乃が倒れるはずの日.詩乃が倒れない未来を期待せずにはいられない.

朝から海に向かう二人.

 

病気を一発で当てたら手料理をプレゼント,その約束のお昼ご飯.二人はまるで止まったかのような穏やかな時を過ごす.

詩乃が海に来た理由.それはなんとなく.強いて言うなら母なる海への回帰願望.

 

あぁ...もうなんとなくで行動できる機会も残されてないもんな...と思うと…

 

詩乃に聞かれ,漣さんの話もする.詩乃が部屋で一人,陸のことを考える時と似た表情を浮かべる陸.そんな表情を見て,詩乃は漣さんへの片思いを見抜く.

 

帰り道も元気な詩乃.未来が変わったかもしれないという期待を止められない.

突如倒れる詩乃.

 

ー9.2ー

面会謝絶が解かれた.

 

海辺の料理と言い,リンゴの味といい,もう味覚も...

 

7つ目のお願いは明日教えてもらう.

 

ー10.2ー

最後の願い.それは「生きたい」叶うことのない願い.それなのに詩乃は笑顔でそれを告げた.こればかりはどうしようもない.だからといっては語弊があるが,陸は詩乃に自分にしてほしいことがないか聞く.自分にできることならどんなことでもすると言って.返答は「できるだけ会いにきてほしい」というもの.会いにきて,これまでのように陸の昔話をしてほしい.

 

ー11.2ー

徐々に弱ってきた詩乃.お見舞いも毎日だったものが詩乃の体力を考慮して,数日に一回は行かなくなっていた.

 

死が近づくにつれ必要なものがなくなるという詩乃.それでも,最後の最期まで手放したくないものは陸.

 

もう涙ぼろっぼろ.

 

ー12.2ー

詩乃の死まで2週間.

モルヒネの投与を医師から提案された詩乃.詩乃は陸に,もし陸のことがわからなくなっても最期までその手は離さないでとお願いをする.

 

ー13.2ー

眠ることが多くなった.薬の影響で朦朧とした意識.

 

ー14.2ー

眠る時間がほとんどで一気に時間は加速する.気づけば詩乃の死の前日.

 

最後の最期まで,手を握る決意をして家を出る.こんなにいい天気なのに.

 

今日は意識もあり,調子のよさそうな詩乃.今日が最期かもという予感があった.

二人になり,呼び方が「陸さん」へと戻る.生に対しては負けが確定しているかもしれないが,今日は来てくれて少し負けず嫌い根性が満たされたという.

無意識だからこそ質が悪い.

引き出しの中のメモを見てほしいと言われる.そのメモは6つの願い事が書かれたメモ.しかしそこの1つ目の項目,恋愛がしたいに赤線は引かれていない.

「クリアした」はずの項目に線が引かれていないことに疑問を呈する陸.詩乃は言う本当はその願いはかなっていない,ただ陸が「クリアした」と思っていただけ.ずっと詩乃に重ねていた漣さん.詩乃でなく,大好きだった漣さんを助けるために,義務感と自己満足のために「恋愛ごっこ」をしていたにすぎないと詩乃は言う.重ねていただけならよかった.だから本当に最期まで手を握ってほしかった.しかし,その始まりすら漣さんに重ねたからであって,最初から陸は詩乃の手は握っていなかった.

最初の願いすら叶えていないって伝えるため,負けず嫌いな詩乃の最期の抵抗.

本当に最後の最期のお願い.「死ぬ瞬間は見ないでほしい」寝顔を見られたくない.それは以前言っていた,寝顔を見せるのは信頼の証という言葉の裏.

 

心がもうぐちゃぐちゃだ…

 

ー15.2ー

朝になった.

 

ないと思っていた,詩乃からの最期の手紙.

そこには陸が大好きなこと,それでも陸の1番が自分ではないことが書き綴られていた.

 

叶えられなかった二つの願い.そのうちの一つ,恋愛がしたいは陸が踏みにじってしまった.だからもう一つ,生きたいという願いを叶えるため,過去に戻る.詩乃の生をつかみ取るため,今までで一番昔に戻る.賢くない方法かもしれないけれど,それでも「詩乃のために」,漣さんとの約束を破る.

 

 

EDの演出といい,ホーム画面に戻ってきた演出といい,涙が止まらない...

 

つづく,,,