コンフィグの設定に結構時間取られてしまった...メーターを0にするの難しすぎでは.それでにしてもマコト続きですね.
=第1話 織部こころ ー絆ー 穏やかな時間=
ー1ー
野垂れ死にそうになっていた誠は,織部こころという少女に顔を踏まれたのち保護された.こころとその母あずきは喫茶おりがみを営んでいた.
言霊使いの力をもつ人々が暮らすこの里に隠れ住んでいた誠は,ずっと外の世界に憧れていた.ここにはない人と人の繋がりに.時折聞こえる「行きなさい」という言葉に従うように,許嫁である恋塚愛を残して誠は里を逃げ出したのだった.愛は雪の言霊に囚われた,人一倍力の強い少女だった.嫌いなわけはなく,むしろ好意を抱いていた,抱かれていた.だから愛も外の世界に誘ったことはあった.しかし乗り気でない彼女を無理に巻き込むことはできなかった.そして誠は好きだからこそ人生の岐路の選択をした.進んだ先に何があるのかは進まなくてはわからない.
あなた陥没好きねえ...と口から出てきそうだった.じゃあメインヒロインは愛なのかな?
行きなさいと生きなさいの入れ替わりというかなんというかは絶対来るだろうな.
二人には言霊以外の感想を話し,店の手伝いとして居候させてもらうことになった.誠が使わせてもらうのはずいぶん前に亡くなったこころの父のものだった.亡くなってからも掃除し続けられている部屋.様々な想いが伝わってきた.
ー2ー
こころに町の案内をしてもらう.途中,こころの親友である水無月ほたるを紹介してもらった.病院の院長のお嬢様.ほたるには言霊の力が通用していない可能性があった.「あなたは,まだ,何色でもないのね」そういうほたるにはどこか吸い込まれそうなものがあった.
午後からはバイト.男の子というワードに何かを隠すあずき.何か助けになりたいという思いから言霊の力でそれを聞き出す.こころの生まれる前に流産した長男の話.ついでに呼び込みで力も使って,あずきさんの希望の人数の集客もした.
そして夜.再び行きなさいと言う声を聞く.これ以上どこに行けというのだろうか.
里にこもっていたからか,自分のもつ能力の怖さ,失礼さに気づいてないのかあ.ほたるに能力が効かないってことは,メインの可能性高いな,意味深な言葉といい.陥没なら確実なのに.
ー3ー
あずきは誠がやはり見知らぬ異性であるという点には少々心配しているようだった.だから誠はあずきに,自らが本当の息子であると,こころの兄であると言霊の力で言い利かす.ひと夏だけ.この心地よい関係はひと夏だけ.そう決め,常連さんたちとこころ,そしてほたるにもそう言い聞かせた.こころには当然のように力が聞いた.問題だったのはほたる.昨日のように力がほたるには効かない.特別な存在である自分の力が聞かないほたるは一体何者なのだろうか.
力が効かないとなっては仕方がなく,正直に力のことを,そして今までの話と意図を話した.ほたるは案外すっと納得し,協力までしてくれるらしい.なぜならおもしろそうだから.そして第一の協力として,学園に入るにはどういう人にどういえばいいかを手伝ってくれた.ほたるは力の恐ろしさ,誠の恐ろしさについて教える.なんでもできる能力.そしてなんでもできると当然のように思っていることの恐ろしさ.
ほたるは1つお願いをした.能力が効かないことを確認した上で「死ね」と言ってほしいと.誠ははじめてほたるの言うことが聞けなかった.誠さんはいい人だねとほたるはいう.だから怖いと.誠さんはいい人で,その力は確かにすごいけれど,里の掟からその感情は薄く,だからこそ外の世界できっと芽生えるであろう普通の人が持つ黒い感情が芽生えた時に恐ろしいことになると言う.悪意を持った誠を止められる人は誠自身しかいない.それがかわいそうで仕方がない.誰も助けてくれない.自分の善意と悪意に押しつぶされかねない.言霊の力とは個人の心の上に成り立つすごく怖い力なんだよと.誠は正直に答えた.まだそれがどんなものかはわからない.それを聞いたほたるは笑って今はそれでいいという.
ほたるは1つ本当のお願いをする.それはほたるたちにも使える言霊,約束でもあった.その力をみんなのために使ってあげてほしい.みんなの笑顔と幸せを守るために使ってあげてほしい.いつか目の前でどうしても許せないことが起こるだろう.そういうことがあったとき今の言葉を思い出してほしい.その人を許す必要はないけれど,自分を赦してあげてほしい.誠はその約束を言霊のように復唱した.
自分にも力が使えるなら,普通に生きたく思えば「言霊を使うな」と言ってしまえば,生きようと思えば生きれるのかな?
ほたるは言霊の怖さについて言及しているし,メインにしろそうでないにしろ最後に回そうかな.こころはあずきとセットルートの可能性ありそうだし,アオイトリ的に.それにしても考えていた誠の力の強さとその認識の齟齬をこれほどまでにキレイに言い表してくれて感嘆.
こころに「あずきさん」って言ったときスルーしたのは気にしなくていいのかな?深読みしすぎ?
ー4ー
初登校.浅川光一という友人もできた.そして恥ずかしがりやな朝比奈響子という神社の娘さんとも友達になった.誠と違って血ではなく,体系的に言葉とよく似た言葉を使う響子に,好奇心から力を試してみるとなんてことはなく効いた.むしろ神に近い誠に,力ないまま跪こうとしているようでさえあった.おどおどして変わっていると同時に,急に誠の後ろを見つめたりという変わった面もあった.
早速勇気を出した響子に誘われて,こころを交え3人で下校.どうやら響子にも霊感という力があるらしい.
響子苦手だから最初にしよう.響子が見ていた後ろの人物はだれなんだろう.もしも母ならそれ経由であずきさんとの関係の矛盾から力に気づきそうなもんだけど.
愛のことを忘れない描写はいいね.
ー5ー
響子を奇異の目で見る級友たちを言霊で何とかしようと思ったが,そんな時ほたるの言葉が思い出された.みんなと言われるとこの下種な級友も含まれるのかと.
ほたるを含めた3人と,学園内の教会に赴く.どうやらほたるは時折一人ででもここへきているようだった.
ほたるからの質問.誠を異性として意識しはじめているこころをどうするのか.
夜,こころからの一番好きなのは誰?という流れで出てきた質問.嘘はつきたくない.そう思い正直にこころと答えた.うれしそうなこころ.それでも二人の関係は京大なのだと,改めて言霊をかけなおした.しかしこころはそれでも誠にキスをした.
ー6ー
ぎこちないこころだったが,どうやらやはり本心のようだった.
そしてあっさりほたるにもバレた.面白そうな顔で1つ質問というほたる.目をふさがれてすぐ,キスをされた.初めてのキスの感触を質問しようと思っていたが,その前に応えないと言われていたからと.照れながら去るほたるは,メールでありがとうと言い残していった.
夜,喫茶店のではなく家の料理のレシピを残すあずき.それは自分が何かあったときのためのレシピ.今すぐどうこうというわけではない.それは頭でもわかっている.それでも声をあげずにはいられなかった.きっとこれが家族というものなのだろう.心配で心配で,乗り気じゃないあずきを言霊の力で,明日病院に行かせるようにした.
ずっと熱っぽいとか聞くと嫌な予感しかしないなあ.
ー7ー
2日経った.あずきさんも特に心配なところはなかった.
色々とほたるに相談する.といっても内容は愚痴だが,誠には愚痴が何かがわからない.家族愛と異性愛で悩む誠を肯定する.悩み続けるのがよいと.後悔してもいいから挑戦しようという広まった考え.いい話だが,もっと単純に成功したいという人の想いの強さに目を向けるべきだとほたるはいう.その言葉が,行きなさいという声と重なった.いろいろと話したが,自然と織部家が自分の家だと認識していることに気づいた貴重な一日だった.(話の中で,ほたるが先週の話を憶えていないことが発覚.)
こころとの散歩から帰ってくると店が閉まっていた.どうもあずきの体調が少し悪いらしい.自分の力ではどうにもできない.そういう無力感に苛まれる.きっと今日は心から家族になれた日になった.
ー8ー
あずきを病院に行かせ,こころも友人と遊びに行っているので店番が終わると暇になり,ほたるに連絡をかけると,やけに気落ちした声のほたるが誠を迎えた.ずっと眠れず,一人で礼拝堂に居続けたという.ほたるは一人でいることに耐えられないらしかった.そんな声を聞いていると動かずにはいられなかった.しかしそれをほたるは強い口調で止めた.今来られるときっと甘えて,傷つけてしまうから.そんな言葉を聞いて,はいそうですかと納得する誠ではない.
しかしすでにほたるはいなかった.きっとほたるのことだから誠にはわからないところにいるんだろう.それでも諦めず力を多用し,学校中を探す.
ほたるがいたのは誠の教室だった.解決しない悩みだから話そうとしないほたる.だから誠は以前自分がしてもらったように愚痴ならばと提案する.
明日大切な人を残して,自分が死ぬとすれば.それが今のほたるとほたるは言った.一日の記憶が翌日には続かない.そういう無意味で,無価値で,無駄な人生.かといって記憶喪失というわけでもない.そういうことを言って,世界への恨みを,そしてそんなことを考える自分へのつらみを零す.きっと僕とほたるは同じ,ひとつの命だと答えた.自分のことを「わたし」というほたるは,誠に会えてからの1週間は本当に幸せだったという.そしてこころと体を重ねていないことを確認したのち,電話でも言った通り,傷をつけさせてほしいと,傷をつけてほしいと願う.
ほたるの願いは今日あったことを忘れること.でも公開しているわけではない.むしろ幸せ過ぎて宝物のように閉じ込めておきたいほどだとにこやかに言った.ありがとう,私を傷つけてくれて,私に会いに来てくれて.あなたに会えて私,幸せになれました.そういうほたるはいつものようだった.
そんなとき,こころから電話がかかってきた.その内容はあずきが事故にあったというものだった.
ほたるを置いてついた病院で…あずきは笑っていた.つま先だけ.爪が割れただけ.しばらく体調のことも兼ねて数日入院するらしい.
入院の支度に戻ったこころと,あずきと話す誠.あずきはこれからの話をした.あの店は二人のもので,店はお兄ちゃんが切り盛りする.遺書も書いたと.本当は事故なんてなかった.おとといの検査結果はもう手の施しようのないことを継げていた.多臓器不全.あずきはそのことを寿命だといい,あと数日の命だという.いくら無駄とわかっていても,言霊を叫ばずにはいられなかった.あずきはずっと笑顔を浮かべながら話す.めちゃくちゃな味付けをこころに教えたのは,店に縛り付けないようにわざとで,お兄ちゃんも店に縛られる必要なんてないと,二人は自由だからなんでも二人で決めなさいと言う.
つい口から出てしまう,関係のない他者への恨み言を,ほたるは私になら言っていいと包み込む.だからこころには笑ってあげて,自分を赦してあげてと約束を再び告げた.
涙を流す,真実を知らないこころを抱きしめる.そんな時誠は気づいた.自分が涙を一切流していないことに.そんな自分の人間らしくない一面に.
ほたるを救う物語かーなんて思っていたら,ついに来てしまった…わかっていたとはいえ辛いなあ...涙が...
母さんが「また」死ぬのまたってなんなんだろう.ループ?
もしかしたらアルバムで誠が本当の息子じゃないって気づきながら,本当の子供のように接するのかもなあ.
ー9ー
昨日言霊を使いすぎたためかどうも言霊の効き目が悪い.
学園を休み,母のおみまいに.暗い話は嫌だと,退院後なにしようかとあずきに話しかけるこころ.3人で海に行く約束をする.自然と前向きに,そして物事の善い面を捕らえることができるこころを見て,再び救われた気持ちになる.
そして昨日,持ってきたアルバムにより,誠が実の息子でないと認識した.謝罪する誠だったが,あずきは叱るどころか,誠を叱ってあげるからと頭を撫でた.ようやく子供らしくなってきたと愛おしそうに頭をなでながら,何も聞かず,母として息子を迎え入れる.そうしてあずきが本当の母となった.
体調がすぐれないあずきに良くなれという言霊を残し,帰宅.そんなとき「私を認識できない」という愛に似た声が聞こえた.
硬く,曲がらない人間は手遅れになることが多い,だから柔らかくいてほしいと悩むこころを慰める.こころからの返答は意外なものだった.だからお母さんのことを気づかないふりをしていなくちゃいけないのか?長年二人で暮らしていた母の嘘に気づかないはずがなかった.言霊を使えばあずきの願う通りすべてを忘れられるだろう.しかしそれは里にいろということと同じ,幸せの押し付けに過ぎない.
放課後,ほたるが店を訪ねて来た.昨日のことは本当に覚えていない様子だった.3人を本心から心配するほたるはこころの顔をみて帰っていった.
ほたるに顔色を指摘されて,痛みを感じなくしていた言霊を解くと,もう建ってはいられないほどの体調だった.あずきのことはこころに任し,無理やり床に就いた.
誠を起こしたのは愛だった.愛は,神が人の世で生きようとするのが間違いだと告げる.死にたくなければ暫く言霊を使うなと言い残し,再び誠を眠りに誘う.
愛,ここで来るのか―
ー10ー
目に入ってきたのはこころの泣き顔.昨日の夜から声をかけ続けていたが,全く目を覚まさず気をもんできたらしかった.
昼休みまで登校する.笑顔を繕うこころに,ただ折れないように願う.授業中も,今この時にすらあずきが死ぬのではないかという恐怖に苛まれる.ただあずきのためにできることを探す.
神には力はあるが意志はない.他人には力はないが,意志がある.そういった響子の言葉から1つ矛盾に気づく.できないのに禁止される命に関する言霊の使用.勝手に勘違いしていただけで,命に関する命令も言霊で何とかできるかもしれない.
誠がたどり着いた結論は,言霊は命を代償にしているということ.だから使えば使うほど,大きな願いを願うほど体調も悪くなった.ほたるの言った通りだった.1つの命のために1つの命を使う.神として生まれ,10日間人として生きたこの命を,救ってくれた人たちのために捧げ,神へと戻る覚悟を決める.「行きなさい」そう頭の中に響く.もう行く決心はついていた.
最後の昼寝から目を覚ますと,こころがもう二度とこの家に母が帰ってこないだろうことを考え,泣いていた.きっと大丈夫だから,きっとこころの願いはすべて僕が叶えるから,そう抱きしめた.自分はこころのお兄ちゃんだから.誠までどこか行っちゃいそうだと言うこころに1つだけ嘘をついた.
夜中の病院で,眠るあずきの手を取りながら今までの感謝を,みんなへの好意を,死への恐怖を,そしてそれでもみんなを守らなければ生きているとは言えないことを伝える.ありがとうお母さん.
なんとか最期に月と湖を見れる猶予は神に与えられた.動かないからだ.それでも行きなさいという言葉が聞こえてくる.そんな誠を見守るのは愛だった.言霊の才能がなかったゆえに,たまたま生き残っているのだと誠に告げる.なぜそれを僕が知らなかったんだろうという,死に瀕して生じた純粋な好奇心.愛はそれをきっと誠に教えたら,思い出さなくていいことを思い出してしまうから教えづらかったんだという.亡くなった母のこと.行きなさいとずっと支え続けていた言葉.思い出せと言う愛の言霊ですべてを思い出す.病から死に瀕していた幼い誠.その誠の手を握り「いきなさい」と言い続ける女性.今も生き永らえられているのは,母の愛,間抜けな自分,そして今も愛が命を分け続けてくれているから.愛はそんな母からもらった命を無駄にしたバカといい,少しでもいいから里に戻ろうという.しかし誠はただバカなんかじゃないと言った.愛にお願いをした.ここにいたいから見逃してほしい.里を出て何かを見つけることができたのかという愛の質問.その返答は笑顔であった.これほどまでに笑えるようになったと返した.愛はずっと昔に失ったものを見つけられてよかったと嬉しそうだった.
こころに行き倒れていた時の記憶があるんだったら気づいてそうだけどな.
やっぱり来るよねえ...生きなさい...これは実の母の愛と,誠の間抜けさと,愛の愛のおかげであずきには元々あった誠の命の大半を,そして少々残った誠の命に愛の命の一部をもらって,二人とも「しばらく」生きられるってことでいいのかな?
ー11ー
こころの心配する声で目を覚ました.
あずきが退院してくる.誠の人としての生活はここから始まるのだ.
ーOPー
OP神.めちゃすこ.
OPで出てきた順番的に,それとOPのタイトル的にほたるんがメインっぽいっすね.
ほたるはある人にお見舞いをする.あずきのことを喜び,きっと言霊だろうと好奇心を露わにする.お見舞いをされた少女は,届きそうで届かない希望という絶望ををちらつかせるほたるに,ただ「早く死んじゃえばいいのに」そう思った.
ー12ー
戻ってきた日常.やってきた転校生(愛).織部の性を名乗る愛は,自称誠の妹で,誠以外には興味のない様子だった.愛はどうやら織部家で今日から暮らすらしかった...
こころの身体の強さっていうのはどうなんだろう.
ここでこころへの分岐かー.ということは共通はここまでで,ルートからだんだんとそれていく感じの分岐っぽいね.G線みたいな感じなら,各ルート見ていきたいし,続行しようかとも思ったけど,アオイトリの赤錆姉妹を考えると,響子は独立してそうだし,先にしよう.響子→こころ→愛→ほたる.
ほたるも絶望をちらつかせてるくらいなら,他ヒロインルートで邪魔とかしてきなさそうだし.
ー13ー
漫画をきっかけに愛とこころも仲良く.
ー14ー
兄妹だからこそ仲良くする.兄妹だからこそそれ以上の関係にはなれない.その覆すことのできない倫理がこころの頭を悩ませる.それは誠も同じだった.いつか,それも近いうちに言霊で作ったこの関係を解消しなくてはならない.
少々愛は疲れが出ているらしかった.
愛とこころのSDかわよー.
ー15ー
あずきは明日まで検査入院.
昨日のこともあり,そして母のこともあったのだろう.授業が面倒で早退した愛を涙ながらに心配するこころ.
兄妹という枷があろうと,二人の愛し合う気持ちは加速する.
ほたるのBGMのイントロ,ポケモンっぽくない?
たしかにこうみるとこころ,結構肉付きいいな.
ー16ー
あずきさん,完治.にぎやかな家庭.しかしそれも言霊を解けば終わってしまう.あずきとこころ,どちらが大切かと言われればこころと即答できるのに,この言霊を解除する踏ん切りはつかない.
ー17ー
兄妹は恋愛関係になれない.そんなこころの悩みを,愛は思わず言霊により決定づけてしまった.ひとまず言霊でその事実を忘れさせたが,誠にとっても愛にとっても居心地がよすぎる織部家で,誠のことが好きな愛がこころと誠のふれあいを見るということは複雑なものであった.
兄妹という家族の形と夫婦という愛の形.前者に愛はいるが,後者に愛はいない…例え言霊で愛だけを妹にしても,そんな辛いことって...そして愛の顔色の悪さ.愛する誠の幸せのため,自らの命を...なんて考え過ぎかな.
ー18ー
こころとお出かけ.不意に聞こえた,兄妹じゃなければ恋人になれたのになという呟き.愛するこころの願いを叶える方法はわかっている.
こんなにも言葉を紡ぐのがつたいのは初めてだった.真実を告げようとすると,愛も合流し,代わりに告げ始めた.こころ,あなたは私たちの妹ではない.混乱するこころは涙を流す.走り去っていくこころを追うことはできなかった.もう3人は赤の他人なのだから.愛はこれでもまだこころが誠を好きなのであれば認めると言った.
それでも自分のこころを愛する気持ちには偽りがないことを伝えたいと思う自分に反吐が出ながらも,こころを探すと先に帰宅していた.ずいぶんと顔色の悪い愛.
ー19ー
こころに避けられ,時間だけが過ぎる.あずきが受け入れた時のように,こころも受け入れてくれる.そう甘えていただけなのかもしれない.そう思い,町の人間の記憶をすべて消し,里に帰る決意を固めた.そんな時,ほたるに,公園で誠に会いたい人が待っていると呼び出された.
急いで向かった公園で,こころにすべてを告白する.生活のため,家族にしてもらったこと.その生活の中で異性としてこころを好きななったこと.こころと恋人になりたかったが,家族を解消する踏ん切りがつかなかったこと.それを解いたこと.そして明日里に帰ること.こころは自分が傷ついていないという.言霊が解かれても気持ちは変わっていなくて,それが恥ずかしくて,怖くて.だから帰らないでずっとうちにいてほしい.それがこころの願いだった.恋人か家族か,それを最初から選ぼうとしていたのが間違いだったのかもしれない.両方という選択肢をはなから捨てていた.そうして二人は自分たちの家に帰る.
ーEPー
以降何も変わりなく4人で暮らしている.こころに言霊はないけれど,あずきもクラスメイトもそのままで,こころは事実を知りながら兄として,そして恋人として誠との関係を紡ぐ.
うーん,やまなしたになしだったな.響子とどっこいどっこい?