えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

サナララRの感想(第1,6章)

ー0ー

願いを決めるタイムリミットが近づく.この時間が終わってしまうと二度と出会えない気がして,ずっと一緒になんて思ったりもする.彼女はいったい何を選んだんだろう.

 

ー1 プロローグ~月曜日~ー

いたって普通の一人暮らしの高校生の和也.ある日恥ずかしがり屋らしい少女は,和也に届けに来たという.一生に一度の願いを叶えるチャンスを...

 

ーOPー

アニメっぽくていいね

 

ー2 のぞみ登場~火曜日~ー

何を言ってるんだこいつは.椎名希未と名乗る少女は追い払っても接触してきた.どうやら一生に一度,どんな人にもチャンスがやってきて,自分の願いが一つだけ叶うらしい.がそんなのを信じられるわけはなかった.しかもそのチャンスを使うとすべてを忘れるという都合のいい設定付き.

 

ー3 一生に一度のチャンス~水曜日~ー

朝ご飯を食べている間暇だったので希未の話を聞いてみると,自分はナビゲーターと言われる存在で,次は願いを叶えたものがナビゲーターとなるらしい.それでその間は対象者以外からは認識されないので結構大変らしい.実際いくら注文を取ろうとしてもすぐに忘れられてる光景を目にすると信じざるを得なかった.

 

ー4 おためし~水曜日午後~ー

屋上であの少女と再会.風に流され飛び散ってしまいそうになった希未のバインダーを拾ってあげた.

どうやら失敗する人が多いので,数日という期限付きでお願いのおためしができるみたい.といわけでさっそくお願いをしようとする和也だったが,その方法が驚きだった.二人のおでこを合わせること.あまりに緊張する希未をからかいつつも,望みを願う...

 

ー5 いっしょに ~水曜日夜~ー

願ったのは一緒にいるというもの.冗談半分の願いだったが,二人の離れられない生活が始まることとなった.二人の距離は2m.ひとまずは本当のお願いが叶うまで,もしくは1週間程度.今日から希未の寝床はプリンス床ホテルに決定.

 

ー6 神の見えざるシステム~木曜日~ー

二人のドタバタ生活.この願いを叶えるシステムというのは結構うまくできているようだった.

 

ー7 ゆう子ちゃん~木曜日午後~ー

希未はかつて親友のゆう子に男子を紹介してもらったことを思い出す.彼氏が欲しい二人.けれど希未は性格からしても積極的になれず仕舞いだった.

 

友人と会っても喋ることもできない日々に,希未は少し悲しそうだった.早く願いを決めてあげなきゃなと思いつつも,一生に一度だし,こんな生活も悪くないと思う和也だった.

 

ー8 腕時計のアラーム~金曜日~ー

変わったアラームに起こされる日の日常.

 

ー9 癖と伸びる服~金曜日午後~ー

ゆう子に付き合ってもらっていた目を合わす特訓.その時使っていたちょっと変わったアラームを希未は気に入っていた.1分間,目を合わせることができたらあげる.そんな約束をした虹のかかる日のこと.

 

校舎の前で彼氏を嬉しそうに待つゆう子.そんなゆう子を眺める希未はなんだか少し寂しそうだった.すぐに離れて,忘れてしまう二人だけれど,この数日を一緒に過ごしてそんな顔を放っておくことができなかった.人の目を気にせず頼んだ二人前の料理.そんな簡単なことで笑顔になってくれるなら安いものだ.恥ずかしがり屋だから横でなく,前と後ろの二人の立ち位置.服をつままれてちょっと服が伸びる関係.何でもかんでもは無理だけど,ささやかな幸せなら叶えてあげたいと思う.きっと希未はほんの少し笑えるようになるだけで,人気者になれるはず.

 

設定自体は特異なものですが,描かれるのは日常の中の心情でとっても感動.お風呂の外で眠ってるところでBGMのサビが来たのが完璧すぎた.たまたまだけど.

 

ー10 水たまりに映る空~土曜日~ー

雨上がり.彼女に連れていかれたのは屋上だった.風に流され飛び散ってしまいそうになった希未のバインダーを拾ってあげる.満点の青空にかかる虹.少し寂しそうで哀しそうな表情を見て何も言えず,ただ横で一緒になって空を眺めていた.

 

男性と目を合わせていた最高記録は3秒.だから永遠に恋人なんてできないんじゃないかと希未はいう.今慣れてきているよというと,それはどうせ忘れるから気が楽になっているせいだと答える希未の言葉を聞くと胸が締め付けられる.残り2日.いったい希未の願いは何だったんだろう,そう思った.

 

自分の意思を強く持っている立派なお姉さんがナビゲーターだった.いっぱい悩んだお姉さんは好きな人と巡り合えますようにと願ったという.出会い以上を願ってそれが叶っても虚しいだけだから出会えるだけでいい.

 

目に見えないものを選べる人間って幸福なんでしょうね.私も当たり前のようにきっとそういった残るものじゃないものを選ぶものだと思います.けれどそれは今十分に満たされた日々を過ごせているからで.きっとだんだんと貧しくなっていく日本ではそんなもの以外を選ぶということもできなくなっていくんだろうなと思うと,普段思っている以上に悲しくなります.

好きな人と出会えますように,かあ.なんて素敵な願いなんでしょうね.そうですよね,本当に心から愛せる人と出会うっていうこと自体最高に幸運なことですもんね.私の人生が陳腐なだけかもしれませんが,こんな短い間にいろんなことが伝わってきて,なんだか良いなあと思うシナリオ.

 

ー11 ヒューヒュー~日曜日~ー 

せっかくの日曜日.天気もいいので出かけることにした.希未は道中,自分のナビだったというお姉さんを見つめている.幸せそうに歩く二人を見て,希未は勇気を出した.単なる冷やかし.それでも今はナビだから見えないとわかると今度は和也にお願いしてきた.そんな必死にお願いをする姿を見ると足は自然に動き出していた.シャツの後ろをつかませながら,焼きそばパンを買って帰った.

 

恒例となった夜寝る前の会話.ナビだったお姉さんの話をする.好きな人と巡り合えますように,それだけをお願いした.そのお姉さんが今日幸せそうに笑っていてそれが嬉しくてたまらなかったと希未は言う.

60億分の1よりも低い確率の再開.ずっと一緒になんて願いはルールから反してしまうだろう.今はそのお姉さんの気持ちがよくわかった.

 

ー12 虹が見える筈~月曜日~ー

いろいろ考えてみたけど,普通に恋人が欲しかった.愛してくれる人が欲しかった.お姉さんの考えは立派だけれど,そんな風に私は慣れない.でもそのあとに言われた言葉に心が動いた.チャンスはチャンスだから.私の人生は私のもので,そんなもんに頼ったり,振り回されたくない.自分が酷くみじめなものに思えて涙が出そうになる.

もし街で彼と幸せそうだったら冷やかして,一人で寂しそうだったら励まして.そう約束をしてお姉さんと別れた.

 

通り雨に降られた.また何も学習せず,走り出した希未.そしてそのまま走り続ける.2m.二人の距離はなくなっていた.もうお願いのリミットは近いのだろう.でも願いを叶えることは二人が離れ離れになり,忘れることを意味する.忘れないなんて願いはできない.だから再開を願おうとする和也.しかし希未はその願いに消極的だった.だって自分はすべてを忘れて元に戻ってしまうから.今の私は本物じゃないから.仮に本物でも元に戻って,2mという距離が亡くなってしまったら,仲良くなんかなれっこないから.

だったら何か記念に残ることをしようとしたいことを聞くと,彼女は虹と答えた.初めて手を繋いで歩く.なくなってしまった2mを確かめるように.まるで恋人のように.

 

彼氏ができたゆう子.仲が悪くなったわけではないけれど,二人の時間は減っていった.それは当然の事,納得はできる.それでも悲しくて哀しくて.ゆう子に渡された腕時計.悪気なんてないはずなんだれど,自分すごくみじめに思える.傷は傷ついた時間に比例し治るのに時間がかかるけれど,物心ついたときから傷ついた自分はどれほどの時間がかかるのだろうか.

 

二人して虹を見る.希未は1つ憧れが叶ったと言った.願いは決まった.希未のこの恥ずかしがり屋の癖を失くすこと.希未が笑えばこんなにも素敵な人だと俺だけは知っているから.悲しい顔をするよりもずっとそっちの方が嬉しいから.

初めて希未が泣いた.初めて正面からぶつかってきた.

 

ー13 Hシーンー

最後の夜.目をあわし,唇をあわせる.

 

ー14 おまじない 火曜日ー

ずっと一緒になんて願わない.それは希未のこれからまで否定してしまうことになるから.希未から子供っぽい時計をもらう.大切にしていた腕時計.ただのおまじない.

額を合わせ,希未を願う.希未が,希未のことを幸せにしてくれる人と巡り合えますように.これだけは俺にしかできないことだと思った.

 

翌日.ナビゲーターをそていると希未を見かけた.返される反応を考えると財布もまともに返せなかった.そんなことをしていると2時にアラームが鳴る.虹,2時.バカみたいな再会のおまじない.心から彼女の幸せを願った.

 

ー15 エピローグ ずっと一緒にー

わけのわからない荷物が増えている,しかも机の横には誰かが置いた椅子.やけに良い点数.訳の分からない時計からアラームが鳴り響く.

 

雨が上がった日.こんな日は屋上だよななんて何故だか思う.思うだけ.無性に焼きそばパンが食べたくなった.焼きそばパンを潰しそうになりながら屋上へ走る.

誰もいないはず屋上と虹.そして名も知らぬ少女.会話も続かなくって気まずくなり帰ろうとする和也.そんな和也の服の裾を少女は掴む.もっていたプリントが風に舞う.2時のアラームが鳴る.プリントを拾おうとせず,その少女は何か頑張っているようだった.偶然,この腕時計に詳しくて,偶然同じシャンプーの匂いがするこの少女が時計を止めてくれるまでアラームは15分間鳴り続けた.

 

完璧では.願いの話の前からずっとその時計をつけていたから詳しいのも当たり前.だからちょっと偶然に願いと想いが詰まった二人の再開.すこすこのすこ.泣いた.

 

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=かな恵と美玖=

はじめは変わった女の子だと思った.けれどふざけながらも,私に後悔をせず生きて欲しいという気持ちは伝わってきた.人の生死に関する願いはできない,それに彼女は私自身のためにチャンスを使ってほしいと思っている.だから素敵な彼と巡り合えますように.そう願った.ほんの少しの後押しだけでいい.あとは自分で頑張るから.

今度は私がナビゲーターの番だった.ちょっと控えめな女の子はすんなりと状況を受け入れてくれたので,彼女の病院を探す時間ができた.思っていた通り,もう長くはない命.

少女はお試しのお願いを私の為に使ってみたいと言う.人の命を左右する願いは叶わない.だけどほんの少しの後押しなら.とびっきり濃いエスプレッソを.明日だけあの喫茶店で出してほしい.二日酔いも,弱気な心もすべて吹き飛ぶような濃いエスプレッソを.

見知らぬ男の子に彼氏とのデートを揶揄われた後,公園で頭に何かがコツンとぶつかった.紙飛行機.飛ばした少女は松葉づえをつきながら謝る.どうやら可能性の低い手術が成功したらしい.1秒でも多く人生を謳歌したい.だからちょっと我儘に病院を抜け出してきたらしかった.よろけながら帰る彼女を私は支えなかった.それは彼女の頑張りだから.後押ししてあげたい.

これは7章で完結だなあ.飛び切り濃いエスプレッソをのところで,幕間の話もすべてが繋がってきてわんわん泣いた.ライターさん違うらしいけど,完璧.