=共通=
ー続幼少期ー
きっと兄妹になるまでは身近な異性に淡い恋心をお互い抱いていたことだろう.それも兄妹になってからの何をするにも一緒なことが多い毎日のうちに変わっていった.二人は夏休みに,沖にある大きなブイまで行こうと約束する.二人だけのチャレンジ.
しかしそう思っていたのは,思い込もうとしていたのは健士だけだったのかもしれない.愛衣との二人の時間をつばめが来たからと止めた時,愛衣は一人用事があると嘘をついて抜け出した.水着のまま,昔も迷子になったとき迎えに行った道に一人夜までいた愛衣は高熱を出し,その後遺症で兄妹となる前のことを一切忘れてしまった.愛衣にとってはそれ以来,二人は本当の兄妹となった.
夏休み最後の日に,ようやくたどり着いたブイ.終わってしまった二人の冒険.健士はそのことに焦り,必死になって何かを探した.この寂しさを埋めるものを.さらに沖に小さな島が見える.今度はあそこを目指そう.その提案に愛衣は嬉しそうに頷く.愛衣が二人の本当の関係を思い出さなくてもいい.それならそれで自分は良いお兄ちゃんになろう.そう決意した.二人の関係の新たな始まり.
ええ…花子ワールドと打って変わって,幼少期からめちゃくちゃ心に来る話になってるぅ…最高かよ...
ー7/1ー
今日から7月.また夏が来た.かわいい妹と寝相が悪いドジっ子の幼馴染とうるさい後輩と.
愛衣は健次が他の女の子と仲良くしているとやきもちを焼き.みゃーと鳴く.それもあの時の出来事がきっかけだろうか.
どうやら花子は風邪で休んでいるらしい.
あの時のブイが目に入る.今なら時期も体力も問題ないだろう.それでも行く必要はないと感じる.それほどに,二人はツーカーの仲だから.
このルートでのつばめはやたらに明るいし早口だな.花子が幼少期,愛衣のようになれば健士に好かれるかと言って愛衣になろうとしたから,その分はっちゃけキャラがつばめによった形かな.
やきもちが頂点にくるとみゃーと鳴く愛衣.ゲームだから許される行動...心に何かしら抱えてるだろう…いや抱えてるのか.忘れてるし.
ー7/2ー
は,は,は,花子がおどおどキャラになっている…そりゃつばめも元気キャラになりますね.愛衣みたいな性格を目指す,がちょっとずれちゃいましたね.変わらないようで変わっていく毎日.いいですね.
ー7/3ー
つばめと花子を巻き込み,兄妹離れさせようと企む新谷.それは二人の健士への想いを気づいてのことでもあった.狙いは林間合宿…
一方そのころ,愛衣と健士は林間で着る水着を買いに行ったのだったぁ~
ー7/11ー
テストも終わり,今日から林間学校.いつもと違う二人と,それに引っ張られる愛衣に振り回されてんてこ舞いだった.
先生に声優ついてるんですか...?
ー7/12ー
理沙美沙先輩に迫られ,キスしそうになっているところを3人に見られる.
キスしたいならみんなもすればいいじゃないと言いながらも,兄妹だからあなたは無理よねと言われ愛衣は動揺したようだった.
なんでこんなに理沙美沙積極的なんだろう.
=つばめルート=
毎年恒例のフォークダンス.オクラホマミキサーが流れる中,新谷に背中を押され無意識に探した相手はつばめだった.なんでつばめと,そんなことも思ったが,それでもつばめが他の誰かとと思うと話しかけていた.お互い初めてとは思えないほどうまく踊れる二人.
つばめは周囲のカップルたちに絆され,健士に接近しようとする.足を取られた二人.そのままつばめを押し倒し,目を開けると二人の唇は触れ合っている.
女将多恵先輩...ここにきてまでみんなを躍らせるために囃し立てるのか...
まあこのつばめを急に見せられて恋愛しろっていうのは難しい人もいるだろうし,良い分岐なんじゃなかろうか…
ー7/13ー
俺とつばめは幼馴染だから,きっとその関係は変わることはないと思う健士だった.
昨日のことが尾を引いているような感じのつばめと二人きりで話すと,つばめはわかったかのように,私たちは幼馴染だからと健士に話しかける.二人は幼馴染.だから許す.
そんなあと,新谷からけしかけられた話をするつばめ.私なんかじゃだめだよね.だって私は健ちゃんの…そういうつばめは少し悲しそうに,しかしいつものように笑っていた.
林間合宿も終わり,そろそろ夏休みが始まる.いつもと同じ夏休み.つばめとも同じ時間をきっと重ねていく.
ー7/21ー
あの日のキスは二人にとってなんともなかったことになっている,表面的には.むしろ問題だったのは周囲で,あまりに気を遣われる日々.
つばめは兄妹離れ作戦を逆手にとって,あの日のキスもなかったことにしてしまう恋人のふり作戦を提案する.愛衣の兄離れのため,みんなを巻き込んで恋人のふりをする.そしてあのキスもその作戦の一部にする.確かにうまいこといきそうな作戦.健士の気持ちを除けば...
理沙美沙先輩に流されて,彼氏だからと奢ることになったドリンク.今までだって何度も奢ったり奢られたりすることはあった.なにもおかしいことはない.だけど,嘘でも言われた彼氏というその一言で,ごっこだからと確認しなくては不安になった.二人はこれからも変わることはない.そう信じたかった.
愛衣のほかに勘違いしてる人がもう一人二人.友坂七海と友坂健次...
ー7/22ー
案外うまくいきそうな兄離れ.兄妹としての愛との関係も変わっていく.そんなことを少し寂しく思ってしまうのは,愛衣が離れるからか,それとも愛衣が離れると今のつばめとの関係も終わりを迎えるからか.
デートだって,二人が会いに勧められて断らないのは愛衣にばれないため.きっとそれ以外に理由なんてない.
結局デートなんてうまくいかず,辿りついたのはいつもの砂浜.つばめと出会った場所.少し残念そうにしていたつばめを見て,明日は本当のデートに連れて行こうと決意した.
ー7/23ー
子供ぶり以来に手をつないでみる.昔はしていたのに,いつの間にかしなくなった変化.そんな関係の変化が無性に悔しくって.
恋人ごっこ,愛衣のため.そんなのはただの口実に過ぎないのだろう.あの日してしまった偶然のキス.しかしそんなことでは二人の関係は何も変わらなかったから.そんな意味のない意地.自分が何をしたいかもわからないままの行動.きっと恋人と言う関係に向かう分岐点はこれまでの長い長い積み重ねの中にあったはずなのに.
この1.2mの距離がどう作用するんだろうか.
ー7/24ー
家庭菜園に行って泥だらけに.普段と変わらない日.しかしそんな当たり前が,恋人ごっこなんかよりもずっと楽しかった.
はじめはキスから関係が壊れるのかと思って怖かったけれど,そんなことはあるはずもなく.自分が本当におそれていることにようやく気が付いた.
チャーリー浜にDQにジョジョに.パロディっていうのはこういうくらいであるべきもんだよ~.
ー8/11ー
当たり前だけどちょっと特別な日々が過ぎていく.花嫁修業のようなことに精を出すつばめ.それはとてもありがたいことだけれど,素直にそれを示すことができない.そんな何かが積み重ねてくる必要があったのに,悉く躱してきたものなのかもしれない.
新谷に連れられ愛とつばめと4人で海へ.泳げないつばめに水泳トレーニングをする.目標はあのブイまで.そんなブイを見て,つばめは自分の知らない健士に想いを馳せる.
そして愛衣にばらされた恋人ごっこの話.ばれたことを話すかどうかは健士に託された.
そんな話をしているとつばめが溺れ,意識を失っていた.大事には至らなかったが,泳げないのを知っていて目を離した健士の責任で.それは結局のところ今の恋人ごっこという中途半端な関係が原因なのだろう.
謝る健士に,むしろ感謝するつばめ.それは健士が人工呼吸したおかげで奇跡的に助かったから.二度目のキス.
夏休みももう終わり.それは恋人ごっこの終わり.それは本来なら意味がもうなくなったごっこ遊びだけれど,それをわかっていながらつばめはつばめで何か意味を見出そうとしていた.ずっと隣にいることが当たり前だったけれど,そうではないと思い知らされた夏.ラストスパートに向けて意気込むつばめに健次も乗ってみたくなった.
ー8/29ー
理沙美沙先輩に嘘を言われ,つばめの父に荷物を届けに行く.久しぶりに二人乗りした自転車.きっとつばめも昔出来たことができたくなった関係が悔しかったのだろう.
嵐が近づく.それでも二人は突き進んだ.今帰ってしまうと二度と一緒に乗れない気がして,恋人ごっこが終わってしまう気がして,まるで帰るのを嫌がる子供のように雨に打たれながら自転車をこぎ続ける.
閉まっていたつばめの父の店.このままだと帰れないから二人は旅館に泊まることにした.こんな状況に至っても愛衣にばれたことは言えなかった.すべてが嘘の関係.自分たちの関係がわからなくなる.それでもつばめを連れてきたのは自分の意思に違いないことは確かだった.
ただ幼馴染ができたことが嬉しかったのに,男女の壁でだんだんと溝ができて行って,それが悲しくてこの夏は頑張ってみた.そういうつばめは自分の気持ちを健士に打ち明ける.好き.ずっと好きだった.それでも好きとは違う.どうすればよかったんだろう.それは健次も同じ気持ちだった.
健士も決意を固める.今までの思い出が全て壊れたとしても,これから先一緒にいるために.三度目の正直のキス.
それでも決意とは裏腹に体はうまくいかなかった.それ以上は良いとつばめは言う.思い出はきれいなままのほうがいい.昔,今日のように台風が来た日の事,なんども健士の名前を叫んでいたことがあったと言うつばめ.もしその時に気づいていたら,今の関係は変わっていたのだろうか.きっとつばめは喫茶店を継ぐ.しかし健士はそうはいかない.場合によっては町を出ることもある.きっとこれからも二人の溝は広がり続ける.
へー健次はバイク屋になったんだ.ていうか健次そんなご尊顔だったのね.
この横向きで二人乗りってかなり危なくない?と思うんだけど…
後悔は計画を立てているものしかしないっていうのはどうなんだろうなあ.捕らぬ狸のなんとやらも計画に入れるならそうだろうけど,それは計画というより欲望だしなあ.
ー8/30ー
帰路.道が崩落していた.ちょっと時間がずれていたら事故にあったかもしれない1mの距離.そんな崩落をつばめは乗り越えた.運動音痴で危険だったはずなのに.それでも飛び越えたのはけじめをつけるため.昔,台風が来た日から広がり続けていた溝を,この夏何とか埋めようとしたけれど,二人は埋めることができなかった.だから今度は別れ話ごっこ.それでも健士は足を前に踏み出した.かつては飛び越えられなかった1mの距離を健士は飛び越える.10年で空いた溝は超えられなかったけれど,そんな溝を後ろに置き去りにして,つばめのもとに向かう.これからは燕が泣いているときはすぐに駆け付ける.そう約束した.すぐには無理でも,長い時間をかけてその溝を埋めていくのだとそう信じられた.
なんだか微妙だなあと思っていたつばめルート.しかし最後はめちゃんこ好きでしたね.絶対そんなことはしないでしょうけど,なんならBADのまま大人になって再会でもよかった,というか個人的にはそういうのが好き.さらになんならつばめは結婚して健士は取り残される.けれど幸せそうなつばめを見てようやく健士も踏ん切りがつくとかもすこ.
きっと健士が不能になってしまったのも,近すぎる距離間故なのかなあ.
1.2mの距離と二人の溝の類似はよかったんですが,途中がなんだか好きじゃなかったのはなんでだろう.そんな変わらないはずなんだけど.うーん,健士が内心自分の気持ちに気づいてるじゃんってなってしまったからでしょうか.それかあまりに恋について考えないようにしているからとか...
まあつばめが崩落を乗り越えて,立ちながら泣く美しいシーンだけでもやった価値はあった.なんていってもあの時のもしもが積み重なった末今になるっていうのが伝わってくるのが最高.8/30のためのシナリオだなあと個人的には思いました.
=花子ルート=
踊るならあの3人で,そんな中で女の子らしい子といったら…
自分に自信のない花子にそのこと,そして自分はきっと花子のことが好きなことを伝える.自分が本当に好きかには自信がない.それでも今汗を流しながらつなぐ手のひらや,いつもの日々が愛おしくて大好きなのは間違いない.
なんか早いな.まあこのルートだと真っすぐ恋愛関係になれるのは花子くらいだし.
ー7/13ー
このまま町に戻ったら,また何気ない日々に戻ってしまう.だからちゃんと交際を申し込もうと決心し,ちょっと情けない形にはなったが,ちゃんと交際することになった.
ー7/24ー
毎日のように花子がうちに来て,食事や洗濯の世話を焼いてくれる.
つばめ,旅行によりフェードアウト.
ー7/27ー
理沙美沙先輩に呼び出され任されたのは,トレジャーハンターイベント(商店街主催)のテストプレイ.バイトくらいのお宝も用意されているらしいし,なにより暇なのでもちろん参加することに.
配布された物資からチームは2チーム.チームは健士,花子,愛衣,チームと新谷姉弟チームに.
こういうのやるとすごく楽しいんだろうけど,最近は危ないからか見ないよねえ...
ー8/2ー
そろそろ飽きてきたという新谷姉弟や愛衣.というわけで今日は海水浴に.理沙美沙先輩のたくらみのおかげもあって二人の距離はぐっと縮まった.
ー8/6ー
すっかり忘れていた宝探し.そんな中,花子は最後のヒントが解け,一人でその場所に向かっているらしかった.地元から少しとはいえ離れて,そしてこんな時間なこともあり,理沙美沙先輩の端末を頼りに健士は焦って花子を追いかける.バスに追いつける手段もない...そんなとき理沙美沙先輩は笑いながら覚悟を問いかける.
荒い運転のバイク.命の危機を感じながらもようやくバスに追いつく.
最後は一人で花子を探す.洞窟の中.ここがどこかもわからない場所に花子はいた.
ようやく脱出できた洞窟.そこは蛍が飛び交う湖だった.昔元気だった花子.いろんなもしもはあるかもしれない.それでも今自分を好きになってくれたのは,横にいる花子だから.そんな悲しいもしもは考えたくなかった.
やまなしたになしおちなし.短くて助かった.
=愛衣ルート=
気軽に踊れる相手と言ったら愛衣しかいなかった.久しぶりに握った手を懐かしく感じる.まだ二人が兄妹でなかったころのことを思い出すけれど,当然そんな話はできない.
ー7/13ー
愛衣と散歩.どうやら愛衣は花子とつばめから作戦について聞いたようだった.みんなの言う通り兄妹離れしたほうがいいのかな.そう悲しそうに言う愛衣に,健士は否定の言葉を返す.二人が兄妹じゃなくなれば,いくら親戚とはいえ本当に兄妹じゃなくなってしまうから…お兄ちゃんと何度も言いながら抱き着いてくる愛衣の身体に小さな屹立を感じた.
描いてて屹立って言っていいのかは悩んだ.
ー7/14ー
普通の兄妹というにはあまりに近すぎる二人の距離,そして愛衣から香る甘い匂いに,もやもやを抱える健士.そんな気持ちを抱えながら,愛衣に今年は久しぶりに小島へと泳ぐチャレンジをしようと提案される.どうしてだろう.愛衣だってあの小島に何もないことはわかっているはずなのに.胸のもやもやで愛衣を傷つけまいか心配だったけれど,それでも満面の愛衣の笑顔を見ると断るわけにはいかなかった.
ー7/22ー
今年は愛衣も泳ぎで島を目指す.とはいえなれない泳ぎに,愛衣を休ませるため体につかまらせる.いつもより肌に近い密着に胸がどきどきと鳴る健士だった.
ー7/27ー
つばめ,里帰りのため離脱.
二人で遊びながら水泳の練習.日に日に胸の鼓動は高鳴る.一瞬飛びそうになる理性.その気持ちに気づかないふりをする.
夜,初めて最終面にまで至ったシューティングゲーム.ついにクリアが目前に迫ったところで愛衣はゲームオーバー,そしてつられて健士もゲームオーバー.明らかに業との失敗.おそらくそれはクリアしてしまえばこうやって寄り添ってゲームをすることがなくなってしまうから.しかしそんな理由を認めるわけにもいかない.
つばめこのルートでは本当に軽視されてて,性格変わる分岐自体は好きだけどそれが嫌いだなあ.花子は出てすら来ないし.まあ愛衣ワールドだから仕方ないって思うしかないのかな...
ー7/28ー
風邪.寄り添って看病してくれる愛衣.ああやっぱり家族なんだなと思う.愛衣にとって最高の兄になると決意したんだから,ああいう感情を抱いてはならないと決意しなおす.
そんな時,愛衣は寝言で,帰っちゃうの,また来てくれるのかと呟く.家族,そして友達にすらなる前の記憶.健士の胸はまた違う意味で高鳴った.あの時,家族にならないまま一緒に暮らしていたとしたら...そんなもしもを考えてしまう.初めて異性を意識したあの頃.ようやく健士は自分が愛衣を異性として見ていることに気が付いた.しかし愛衣は二人の本当の関係を知らない.だからこの気持ちを知られるわけにもいかない.だとしたらいつまでこの気持ちを抱き続ければいいんだろうか...
良い葛藤.こういうの好きだー.
ー8/2ー
今日初めて愛衣はブイに到達した.その満面の笑みに心が揺さぶられる.それでも妹といつまでも一緒にいるためこの気持ちは殺さなくてはならない.
ー8/12ー
両親が久しぶりに帰ってくる.当たり前となった酒盛りの風景.すべての始まりとなった風景.しかし愛衣は前者は当たり前でも後者をおぼえていない.そんなことが少し悲しかった.
母さんは二人の微妙な関係に察するところがあったようだった.昔の選択は二人には酷なものだったかもしれない.なによりも大切なのは,健士だけでも,愛衣だけでもない二人の幸せだから,それがたとえ理解されない関係であっても...
ー8/17ー
幼少期,ブイを目指す中で愛衣に芽生えた恋心.そして愛衣をひどい目に合わせ芽生えた兄としての自覚.この夏はあの時と同じようだった.小島を目指す中で芽生えた恋心.今度はひどい目にあわせたりなんかはしない,したくない.
ついにクリアしたゲーム.きっともう愛衣とゲームすることはない.新しいのを買ってくればなんてそんな単純な話ではなくて,これまでの10年が詰まったゲームだから.
お兄ちゃんはどうしてそんなに優しいのか,妹だから?その言葉がいつまでもひかかった.
ー8/20ー
ゲームをクリアして以来,何かが終わる予感がしていた.
遂に今日,小島へと到達した.子供のころ描いたおとぎ話に終止符が打たれる.ゲームも,探検も終わってしまい,これからどうなるのだろうか.
一通り見ても,島には何もなかった.すべてを話すなら今しかないと思った.今はな最中れば二人は永遠にニセモノの兄妹のまま.
兄として愛衣を守りたかったこと,そしてそれを打ち明ける気はなかったこと.それでもいつの間にか愛衣を女性として見ていて,それをし続けることが難しくなってしまって,それで...
愛衣は困惑の表情を浮かべる.今までたくさん愛を傷つけていた.愛衣から傷つけられる覚悟もついている.
愛衣も健士のことが好きだという.困惑していたのは,健士の方がそのことを先に逝ってしまったから.ずっとずっとお兄ちゃんのことが好きだったのに.
まあこのままでは終わらないよね~愛衣のメインのメインなんだし.
ー8/24ー
登校日.あの日以来二人の関係は変わったが,恋人といっていいのだろうか.
一緒に帰る約束をしていたが,理沙美沙先輩にどうしてもと図書委員の仕事を頼まれ,その約束はおじゃんに.
しかし夕方になるまで待っていた愛衣.そんなけなげな様子に,妹としてではなく,また違った情動に駆られる.
無言でキスを強請る愛衣に,健士は頭を撫でて誤魔化す.恋人同士になってしまったら,妹で無くなってしまう気がして.
帰宅と同時に押し倒される健士.こういう関係になって本当は嫌だった?そういう愛衣は自分が卑怯で汚いと言う.健士はそんな愛衣に,どんな愛衣でも好きだと言った.
花子,久しぶりの登場.そしてあまりに空気なつばめ.
ー8/26ー
一昨日の埋めあわせがてらデート.
寄ったこのえで,理沙美沙先輩は二人の関係について言及する.たとえ義理の兄妹でも普通に暮らしていれば,もっと関係は遠いはずなのに.それでも何があっても二人は兄妹なのだと.
それを聞いて急に帰っていく愛衣.昔,つばめと遊ぶことを優先して熱を出したの事が思い出されて,急いで追いかけた.
夜,仲直りしようと話しかけて,つい記憶にないことを話してしまったり,すれ違いが生まれ始める.
ー8/27ー
今日は朝に洗濯機の音がしない.嫌な予感がして愛を探すもどこにもいない.いつまでも帰ってこない.携帯も置きっぱなしだった.
しびれを切らし町を探し始める.偶然出会った花子を見て,昔のことを思い出す.きっとあそこに...
苦手じゃなかったやどかり.ただちょっと怖かっただけ.でもヤドカリはお兄ちゃんとつばめの特権のように思えて,触れないままで,それでも何かお兄ちゃんとの特別な何かが欲しかった.
ようやく見つけた愛衣は,浜辺で水着姿だった.丹丹と昔のことを話す.ある日,沖に浮かぶブイを見て秘密の入り口だと思うようになった.お兄ちゃんが同じことを考えて嬉しかった.でも本当に欲しかったのはそんなものなんかじゃなくて...
愛衣は泳ぎ始める.夕方からの遠泳は無謀極まりなく,健士もそのあとを追う.
足をつり,ようやく止まった愛衣.今日は小島で一晩過ごすことになる.
愛衣はぽつりぽつりと理由を話し始める.本当は今日のようにうまく泳げていたこと.それはチャレンジをどうしても終わらせたくなかったから.お兄ちゃんと一緒にいたかったから.けどいつまでもそうはしていられないから,今年それを終わらせてけじめをつける決心をした.ゲームとかチャレンジとかそんな口実なしでいつまでも一緒にいられるように.それだけじゃない.本当は実の兄妹じゃないことを忘れてなんていなかった.ずっと騙していた.そう涙を溢しながら話す.ずっと,家族になる前から好きで,家族に慣れて嬉しくて.でもいつしか気づいた.もうこれ以上お兄ちゃんのことを好きになってはいけない.幼馴染にはなれない.それでもブイへのチャレンジを始めて,その気持ちも再燃してしまった.だから熱を出したとき,すべてなかったことにしてしまおうとしたのだった.
子供の芝居に,母たちも気づいていた.だからこそこの前もあんなことを言ったのだろう.
本当はあの時島に来た時点で,すべてを告白するつもりだった.それでも思いもよらない告白がどうしてもうれしくって言いだすことができなかった.ずっと隠そうと思った.しかし幸せな時間を過ごすほど,騙しているのが辛くて,昔の幸せな思い出を忘れた振りし続けるのが悲しくて,朝,気持ちの整理をしようと思って散歩に出た.そうしたらいつの間にか浜辺にいて,今度こそ一人で島まで行って,ケジメにするつもりだった.
お兄ちゃん,今まで嘘ついててごめんなさい.
昔のことが思い出される.仲良くなんてしてないのに,母に仲良くしていたと嘘をついたこと,愛衣もそういう風に言ってくれたこと.
あるのはただ愛衣への罪悪感だった.しかしそれを言っても愛衣には伝わらないだろう.だからただ手を差し出す.愛衣悪かった.昔,無視したことも,そして今までも.だから今から遊ぼう.あの日からやり直すなんてことはできないから,あの時の分まで思いを込めて手を突き出す.二人でヤドカリ探し.王様健士くんと,お姫様愛衣ちゃんの2匹を捕まえた.
太陽とともに変わりゆく水平線.親戚から友達へ.友達から兄妹へ.兄妹から兄妹であり恋人へ.変わり続ける二人の関係を象徴しているような太陽を背景に二人は初めてキスをした.
なんだろうなあ.何か惹かれないなあ.いや良いんだけど,うんうんそんなかんじだよねえ,みたいな感じ.
愛衣ワールドはちょっと微妙だったかなー.