=第三編 逆襲騎=
ー1ー
件の事情聴取のため,拘置所から移送された景明は鎌倉署署長である菊池に卵と銀星号のことを報告した.
香奈枝が異動したのは情報収集局.大尉となった香奈枝は雪車町と関係ある隊のもとで働くことになった.
ー2ー
署長に連れられて行った先で,舞殿宮殿下にこれまでのことを報告する景明.景明の事情を知り,自由な行動を取れるように配慮してくれる殿下のもとに今日赴任してきた将校は香奈枝だった.
国を憂う者とGHQと六波羅.三者の思惑がぶつかり合う末,香奈枝は景明の銀星号対策のサポートをすることになった.
香奈枝とともに署長の役宅へと帰宅した景明を待ち構えていたのは一条であった.要件はやはり昨日も言った景明に協力したいというものである.その眼差しから一条の思いは痛いほど伝わってきた.期待,羨望.雄飛を主追いださせるような目.その気持ちが景明には何より辛かった.思わず怒鳴ってしまう.俺は人殺しだと.あの村も結局誰も救えなかったと.それでも一条はあなたは私を救ったと引き下がるところを知らなかった.結局一条は香奈枝の策略で景明に与することになった.二人から向けられる好意,尊敬に景明は取り乱した末意識を失う.夢に現れる蝦夷の姉妹,雄飛.殺す.夢の中であろうと...好意を露にする3人に,許しを請いたくてたまらなかった.最後に見たのは銀星号だった.
意識を取り戻した景明は銀星号について語る.
銀星号に乗るは妹である湊斗光.家に伝わる銀星号に乗った光はその瞬間から狂ってしまった.だからもう一騎あった村正に乗り,景明は捕縛しようとしている.光に掛かった呪いが自分にもかかっていることは言わなかった.そちらへの贖罪はすべてが終わった後でよい.今は協力を得られればそれでいい.光は使い手として景明よりも数段上で,さらに精神汚染の能力,つまり殺戮の鬼と化させる能力を持つ.さらにそれが武者の場合,卵を植え付けることができる.そして伝承ではあるが,孵化したものは銀星後と化す.
香奈枝の帽子かわいいね.おしゃれ.
ここまで何の不満もないけど,香奈枝の英語の発音というかなんというかだけなんとも.
村正との会話からして,殺さなくてはならない相手は景明との接触の多さかなあ.
ー3ー
次なる卵の反応はレース場から発せられていた.今まで寄生させられた3人はみな,力を求めていた.村正によると前回,卵がばらまかれたときそのような傾向はなかった.もしかすると今回は選ばれているのかもしれない...
一人の候補であったタムラ所属,皇路操.戦争により世界への夢を絶たれた父,卓とともに世界への切符のため,今回の大会で優勝する.力を求めるという点で十二分に可能性はあった.
加えて賭博反対派のタムラと推進派の翔京の対立.いずれにせよ明日以降すべてがわかる.
そして始まる操の枕シーン.資金のためかあ...そして父の夢のため.何より許しがたいのがその父がそれを認め,傍観しているということ.自らの利得のため弱者を利用する,六波羅と変わらんな.
ー4ー
金にものを言わせた翔京,そして今までにないタイプの劒冑を作り出したタムラ.美しく速い走行を見せる翔京と汚くそして何よりも高速なタムラ.明日の決勝は両者のみの戦いになるだろうことを予期させる.
調査の隠れ蓑として使っていた警察チームの機体が破損し決勝には出場できず,しかし卵を見つけることができず万事休すであったが,そこへ僥倖が訪れた.貴賓である足利茶々丸が景明が乗るなら機体を貸し出すという.景明にそれを受け入れるつもりはなかったが,明日まで時間稼ぎができれば十分だったし,予備機に卵を植え付けられた際にも備えることができる.返事は明日,機体は自前のということで話は落ち着いた.
部品を他チームに分けてもらいながらの調査.その最中,事件は起きた.タムラへの襲撃.間に合わなかった.が壊されたのはあくまで予備機.寄生体が手榴弾一つで破壊されるわけがない.景明のレースの参加は決定的なものとなった.
一見仲のよさそうな親子.けれど完全に父とその道具...世界を取るためなら危険な走行もさせるんでしょうね,卓は.
F1とかみたいに資金の上限を設けるべきだよねえ.まあ六波羅との癒着とかを考えると中抜きしにくくなるし,上限ない方がいいんだろうけど.
またしても?の好感度が上昇しているけれどこれはなんだろうね.その章ごとの,結局景明が殺してしまうヒロインなのかな.
ー5ー
卑怯な手を使う翔京.しかしそれを防ぐは村正.それでもわずかに届かないタムラ.だからレーサーとしての矜持も何もかも捨て,タムラは悪事に手を染めた.観客さえ巻き込んで,翔京を事故らせる.機体表面の鏡面化による視覚障害の誘発.もうこの会場にレーサーはいなかった.
卵は結局タムラのものであった.その境遇も挫折も努力も理解できる.確かに翔京も汚い手を使った.それでも人を,無関係な観客を殺したのだから許すわけにはならない.
操は父に従い,劒冑を纏う.真打に敵う筈はない.理由はわからないが孵化の寸前でとどまっていた卵.それは寄生させられることなく,卓が所持していた.すべてを失う強大な力.しかし矜持を失った卓にその甘言はなによりも甘い誘惑となっていた.
卓は殺した.しかし間に合わなかった.だからこそもう一人,切り捨てねばならない.
操は大戦が始まってすぐ生まれた卓の妹だった.父を亡くし,母が家を出,卓はレースの才能しかなく,不幸といえる幼少時代.それでも兄からの愛を感じていたから,必要とされていたから操は常に幸福を感じていたのだった.たとえ愛でなかったとしても.
たった二機だけのレース場で操は加速し続ける.村正でも及ばない速さ,一分二十五秒一三.卓が超えられなかった世界の壁を越えたゴールで,待ち構えていた村正により切り捨てられた.
それでもなお,劒冑に守られたがごとく,操は息をしていた.これから景明のやるべきこと,それは殺戮.彼女を殺した.
そして何故か殺される一条...どこで分岐したというのだ!このままどこへ向かうのか...香奈枝ルート?今後のこともあるし分岐を確認...
たぶん直前のライガー,香奈枝,一条の3択かな.tぽいうわけで私が選んだのは操の命でした.