えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

装甲悪鬼村正の感想(第四編 震天騎)

=第四編 震天騎=

ー1ー

銀色の怪物を見たという報告があった.あまりにも杜撰な報告.まるで銀星号を追う景明を誘うかのような.明らかな罠.それでも僅かでもその可能性があるのだとしたら,景明が無視するはずもなかった.

 

江の島にて不穏な動きをする六波羅.現地の快活な芳養という少年によると,やはり銀色の化物はいるらしかった.

 

島の中心部に行くほど荒廃していく草木.銀星号による重力異常という可能性も十分あり得る惨状であった.

 

ー2ー

芳養の子供たちがいなくなったという噂を聞く景明.時を同じくしてGHQも江の島の研究所へと乗り込んだ.

 

島にて景明たちを待ち構えるはまさしく銀色の怪物.ただしそれは銀星号ではない.そして寄生体でもない.逃げれるものなら逃げたい.

巨体に加え,熱を吸い取る性能.少なくとも香奈枝と一条たちを逃がすまでの時間すら稼げるかわからない戦闘である.しかし目指すは勝利.それにもともと罠の臭いがしていたのだから逃げるのは危険であり,また芳養一家のこともあった.一方で相手は寄生体ではない.だから殺せない.自身が罪を裁くなどというのはあまりに傲慢であると景明は考える.

出した答えは持久戦.これだけの巨体に必要な熱量.そして陰業で吸収する熱も周囲にはない.それでも覆せない物量.迫る死についには切り捨てる覚悟を持つ景明だった.正しくはない,しかしそれ以上に銀星号を撃つまで死ぬわけにはいかない.結果は相打ち,ともに死には至らなかったものの戦闘不能

当然のことながら敵機は補給を行う.その熱源,それは人間だった.人間そのものをバッテリーにあの巨大な劒冑は動いていた.ただただ憎かった.今使い果たされた人間はだれが殺したのか.敵機であり,また持久戦を敷いた自分である.どこをどう進もうが湊斗景明は人殺しである.憎悪から立ち上がる景明,そして憎しみを抱くは景明だけではなかった.

しかし相手が反撃を黙ってみているはずもない.村正の進路に立ちふさがるは雪車町だった.GHQに与する雪車町.彼に巨大な劒冑との戦闘を止めるメリットはないはずだった.景明が銀星号と関係ない雪車町を殺せるはずはなかった.それを看破したのか自ら首を差し出そうとする雪車町.すべてを見抜かれていた.一人殺せばもう一人無関係な誰かを殺さねばならない,景明と村正にかけられた呪い.善悪相殺.

雪車町が許せなかった.雪車町の言う通り,山にでも籠れていたならどれほどよかっただろう.自分の何を知ると言うのか!本能が告げる湊斗景明の敵は雪車町一蔵なのだと.

敗れたのは景明.その敗因を雪車町は嫌々やっているからだと告げる.納得していないのだからと.誰もが懸命に生きるこの世の中で,唯一おちゃらけた景明が気に入らなく,さらに本気で生きる奴らを嫌々ながら殺しているのが我慢ならないと.その一言一言が,景明の心臓を強く脈動させる.景明は悪鬼である.まともな親とまともな教育を受けたうえでその親を殺した悪鬼.己の目的のために人を殺し続けてきた悪鬼.

全てが終わりを迎える.六波羅と村正の相打ち,GHQが最も望んでいた展開となった.それでもGHQは満足しない,最初から最後までやりあってもらう.そうして巨大な劒冑を身にまとう.

刹那,銀色の星が鉄槌を下す.江の島そのものが移動するほどの砲撃.状況を理解する数秒がその地に残された者の最後の時間だった.精神汚染.銀星号により一時命は伸びた.しかし芳養家の救出,そして狂った兵を渡らせないこと,その二つを熟さねばならないという任務は増えた.さらにはあの巨体への産卵.

 

一条は狂った兵を止めようと走る.道中出会った雪車町に与えられそうになった力を受け取らない.しかし力は,弥源太から引き継いだ劒冑は覚醒する.装甲大義正宗.

 

間に合わなかった.卵は孵化し,二重の精神汚染が行われる.その地に残されたのは芳養一家のみ.彼らは肉親を貪り続ける.

孵化したものを自分たちの娘と銀星号は言う,しかし景明は認めない.父と呼ばれようと切り伏せる.先ほど一人殺していたためちょうどよかった.ただそれだけである.

噛ませ犬の所長の最期,中々にクールだったな.

悪であろうと信念を通すっていうのはやっぱりかっこいいな.現実にいたら迷惑極まりないけれど.

香奈枝はたぶん雄飛の死を追っているんだろうな...

それにしても正義の一条と悪の景明.アツいな.