えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

Treating2Uの感想

ー総評ー

名作,神作になり損ねてしまった良作.個人的にはめちゃくちゃお気に入り.せめてボイスがあるか,もうちょっと個別が長ければ余裕で名作,神作になっていた気がする.これが売れなくて路線変更してしまったブルーゲイルが惜しい.悲しい.この世は金だけでないといえ,金かあ...と悲しくなる.

システム面はボイスがなかったり,オートモードがなかったり,下マウススクロールで進行しなかったりと,まあ昔のゲームだなあという感じ.

しかし!癖になるというか,昔さを感じさせるのにしっくりとくる絵.

伊之助も評判通りめちゃくちゃかっこいい.理想的な男性像ですよね.きっと両性から.なんだろうな,MuvLuvみたいに発起してかっこいい!って感じじゃなくて,安定してかっこいいんですよね.武みたいに命を懸けたりはしないけど(普通の世界だし),人の心に寄り添う,そして自らは理想的な生き方をする,そう意味で.

ボイス付きでリメイクしたら話題になりそうなんだけど,さすがにしないよなあ...

正直進路というか,行く道を悩んでたけど,ちょっと夢を追ってもいいかなと思えてしまうゲームだった.

おすすめ順はまあ伊之助ルートを最後に回して,愛→郁乃→霞夜→(杏菜,伊之助)の順が強いて言えばかなあ.

好きな順は

伊之助,杏菜>霞夜>愛≧その他

かな.やっぱ伊之助がかっこいいゲームなので伊之助,杏菜ルートが一番で,そのあと下に書いてある通り,立場が逆転する霞夜ルート.それに続く形で,私的に好きなテーマ(ギブアンドテイクlike)な愛ルート.

明日が午後からで助かったー的なゲーム.これこそが隠れた名作なんだろうな.

 

=共通=

ミュージシャンを目指す堤伊之助は,友人により半ば強制的に入院することになってしまう.

担当医の志摩先生.しっかりした河村愛,ドジな沢田杏菜.二人の担当看護師と,面倒を押し付けられた建というガキとの出会いから入院生活が始まった.

 

同じく入院患者の先輩の桧浦霞夜.彼女と出会ったのは,病院食が嫌になり抜け出そうとした寒い日の夜のこと.何気なく,美人だから,そんな理由で彼女を行きつけのおでん屋「酔客」に誘った.それがいけなかったのかもしれない.寒暖差からの発作,志摩先生には二度とこのようなことをするなと釘を刺された.同時に,病人だからと気を遣ってほしくないとも.孤独な,そして長い入院生活で必要なのは対等な関係の友人だから.そんなこと言われるまでもなく,伊之助は霞夜とはすでに友人のつもりであった.

 

霞夜のお見舞いに行く道中,建に捕まってしまった.売店で転んだ建.そんな建をあやしてくれたのは上山郁乃という美しい少女だった.その美しさから笑顔に見惚れてしまう伊之助だったが,それがどうも郁乃に嫌われる理由となってしまう.顔の大きな傷,それが彼女の心をひどく傷つけてしまったようだった.

建が持ってきたおまけのプラモデル.どうやらあと二つで揃うらしかった.じゃあ俺といる間に残り二つをそろえよう,そんな約束を交わす.

 

今日は建の母の藤倉誠美と出会った.

霞夜のこともあったので確認のつもりだった.建は心臓が悪い,そういう誠美の表情は会ってから見たこともないほど曇っていた.そんな様子を建が見せなかったのは,建が自身の限界を知っているから,そう誠美は語る.こんなに小さいのに,自らの限界を見極め,他の子のように遊びつくすことはない.その事実は伊之助の胸を締め付けるには容易だった.夫に先立たれてもいる.それでも母は強かった.

 

竹内蛍子,略してル子は伊之助の髪が気に入ったらしく,恥ずかし気に今度伊之助のお見舞いに来ていいかと尋ねた.きっと彼女なら建の良い友人にもなってくれることだろう.

 

一連の検査結果が出たが,なお退院はできないらしい.不安を残さず音楽をしたいなら再検査をしろ,そう言われると何も言い返せない.

売店のおばちゃんに半ば強制的に,郁乃に声をかけさせられた.どうせならと思い切ってこの前のことを謝罪してみるが,あっさり撃沈.噂婆によると祖母のお見舞いに来ているらしいが,年齢のわりに,1日中毎日というのはおかしな話である.どうにも他に行くところがないらしいが...建となら普通に話せていたのだから,そう思うと居ても立っても居られなかった.

建にお使いを頼み,手紙を届ける.文字通り1日中ロビーで待ち続け,どうやら一応は友達になれたようだった.

 

眠れない夜,愛と志摩先生が行為にふけっているのを目撃してしまう伊之助.医師とナース,ありがちだけど,夜勤のときにやるなよなあ.なんて冷静に考える伊之助であった.

 

久しぶりの外泊,バンドメンバーとも都合がつかず,一人酔客で飲んでいると,愛と杏菜も飲みにやってきた.どうやら精神的なものにより愛は味がわからないようだった.

 

屋上でギターを弾く.そして久しぶりに歌う.病気と闘う霞夜と建に,これから自分を変えていかなければならないル子に,足止めを喰ってしまったbulletに.みんながまた立ち向かっていけるなら何度だって歌おう.

そんな楽しい時間もつかの間のことだった.冷たい風に当たりすぎて,霞夜は再び体調を崩してしまった.

 

バンドメンバーの強い要望により,クリスマスパーティーを病院で開くことになってしまった.とはいえ談話室では無理なので霞夜の部屋で.伝言を頼んだ愛が,杏菜に二人きりといたずらで伝えたりはあったけれど,無事集まりそうなイツメンであった.バンドメンバーが来られなくなったのはまた別の話.

 

レッツパーティー!伊之助から広がった輪はこんなにも暖かく皆を包む.

クリスマスプレゼントというには少々ちゃちなものかもしれないが,伊之助が持参した飾りを配る.そして中でも天使二人の飾りの一つを彼女に渡した.変わらぬ友情を誓って.

そしてサンタを今年初めて知った建には特別なクリスマスプレゼントも.これでようやくおまけのフィギュアがすべてそろい,気づいた建も喜んでいた.

ここで分岐決定かな~ほぼノンストップでやってしまうくらいには気に入っている.今のところ郁乃が一番好きで霞夜,誠美>看護師sなので,ひとまず誠美さんからにした.並びはまあ好きな順に直すかー.

 

しばらく時間は過ぎ,年も明けたころ.その日ル子は泣きながらお見舞いに来た.急に決まった引越し.明後日には遠くに旅立ってしまうらしい.

きっとまた会える,俺はテレビにもきっと出るから.そうル子を励ます.ル子の夢は?そう聞くとル子はお兄ちゃんのお嫁さんと答えた.それを聞いた伊之助は引っ越す前に二人の式を挙げることにした.

悲しみをこらえ,最後に話をする建はきっとまた一つ大人になれただろう.言いたいことが全部言えたのなら,最後はきっと笑顔で別れられる.

 

あれから一週間ほどが立ち,少しずつ建も立ち直り始めたころ異変は起こった.今までに見たことがないほど容体が悪くなった.志摩先生が言うには,しばらく自分で遊びまわれない程度らしい.あまりにも無力な自分が嫌になる.自分にできるコトハやはりこの歌しかなかった.聞いた人の気持ちが暖かくなるような,そして勇気づけられるような.これからは伊之助が建の元へ遊びに行く日が続くだろう.

わかる.自分の無力さから医者になろうと思うけど,冷静に考えて,人を救うというのは医者以外でもできると思い,今から道を変えるよりも邁進する方がいい,そう思いなおす経験はある.

ちなみに,これはもう分岐に入ってる?誠美さんルートだし入ってそうだけど.

私は建に新しい食玩も揃えたいっていってほしかったよ...なんだか嫌な予感をさせる...

 

=伊之助ルート=

翌日になるとすっかり体調が戻っていた建.誠美さんによると,心移植のために明日にでもアメリカに移住するということだった.

 

まだよく理解できていない建に言い聞かせる.しばらく帰ってこれないたびになること,そしてしばらくはみんなと会えないこと.しかしそれでも,未来のために行かなくてはならないこと.そしてきっとまたいつか遊ぶ約束を結ぶ.一人一人建からもらった食玩は一生の宝物となっただろう.

 

建がいなくなって寂しい思いをしている伊之助以上に,落ち込んでいるのが杏菜だった.

てっきり建が原因だと思っていた.しかし噂婆によると,それは一人の女の子の患者が原因だと言う.その少女はもう助からないから.本人に真実をつけないことが一層彼女を苦しめているらしかあった.優しいが故の苦悩,きっと看護師なら誰しもが通る道なのかもしれない.生と死,やはりここは病院なのだ.

ところで何でここの病院はスカートなの?普通ズボンじゃない?

 

その少女の病室の前を通りかかると,杏菜が怒鳴られていたところだった.どうやら命が助からないことがばれ,その八つ当たりとして嘘をついていることを責められていたようだった.

ナース,やめようかな.そんなことを言う杏菜に,伊之助は自然と怒鳴っていた.自分が役に立たないかなんて自分で勝手に決めるなよ.夢なんだったら簡単にあきらめるなよ.あの女の子を見捨てるのかよ.助からなかったとしてもまだ生きてるだろ!.

それから杏菜は毎日,どれだけ拒絶されてもその少女の病室に通い続けた.しかし現実は残酷にも訪れる.最期を前に,その少女は杏菜を呼んだ.今までの謝罪と感謝を伝えるために.

他人のために泣ける人は誰しも素晴らしい人物になれると私は思う.

 

志摩先生から病について告げられた.このままなら持って30まで.生きるための代償.それは何よりも大切な声であった.もちろんポリープの切除だから日常会話くらいはできるだろう.それでも今のように音楽は...三日.それが選択に与えられた猶予だった.

仲間たちはどんな選択をとっても最後まで一緒にやろう,そう言ってくれている.それでも何も口にできないほど,伊之助は追い詰められていた.いつの間にか好きになっていた杏菜を悲しませている,その事実もまた伊之助を追い詰める.

八つ当たりのように押し倒してしまった杏菜は,それでも伊之助を受け入れてくれた.それでも涙を拭ってくれた.それでも抱きしめてくれた.杏菜はナースとしてはもちろん,個人としてここに来たのだと言う.好きな人が苦しんでいるのは嫌だからと.

 

伊之助は歌い続けることを決めた.たとえそれが10年生きられない未来だとしても.生きるよりも歌いたいから.きっと杏菜に届くような歌を歌って見せる.

みんなに,思っていたことをすべて伝える.みんなが各々の道を進めるように.前を向いて生きられるように.生きることを諦めるな.人と関わることを怖がって,大切なものを失うな.まるで自分にも言い聞かせるように.今日からbulletは再始動する.命を懸けて伝えたい想い,命を懸けて歌いたい歌,Treating2Uとともに.

 

5年後.一人の女性がひとつの墓の前に立つ.CDと花束供え,伝えたかった人に歌が,想いが伝わったことを伝えに.

杏菜ルートに行こうと思って,自然とこっちを選んでいたのは,結局のところ私も自分の夢と言うか好きなことを追いかけるからなんだろうな,伊之助と同じ立場に立ったら.それは私がまだまだ若造だからで,まだ自分より大切なものがないからなんだろう.家族も友人もその他もろもろも大切だけれど,やっぱり自分が一番優先で,自分を中心に世界が回っている,自分が主人公なんだと思っているところがまだまだあって.そんな青臭いものは好きだけれど,だからこそまだまだ子供なんだろうな.それでもその若さは若いけれどカケガエノないものだと思う.

きっと長さや,EDがないことからしてもサブルートなのかもしれない.それでも大切なもののために命を懸ける伊之助を私は誇りに思う.

杏菜ルートはまだだけど,きっとこのルートは霞夜ルートの後にこそ輝く.霞夜には長生きしてほしいと言いながら,時分はどうするのか.もちろん霞夜の夢は生きることと直結しているという点で違うけれど,それでも他人に生死を選ばせ,今回は自分が生死を選ぶ.その点でこの流れは必要だと思う.

 

=杏菜ルート=

声を失くしても,杏菜とともに生きることを望んだ.杏菜と共に生きたい,杏菜のために生きたい.その想いを彼女は受け入れてくれた.伊之助を許してくれた.

それにしても志摩先生は何医だよ...心臓に,喉に,果ては霞夜の(おそらく)多臓器不全.

 

最後に,いつもの屋上でみんなに歌を捧げた.命を繋げればこそだと信じ.音楽は諦めない.ギターとして続ける,その意志を胸に.

 

手術の前日,紅葉と三千年に曲を披露した.最後に歌う曲を.二人だけに聞かせるつもりだったが,紅葉はそれを認めず,杏菜を連れてきた.堤伊之助のラストライブ.この病院で経験したことすべてを込めた,温かさや勇気を伝えられる,そんな曲.Treating2U.

どっちのルートを選んでも伊之助がかっこよくて仕方がないところは本当にすごいと思う.どちらを見ても逃げとは思えない.どちらを見ても挑戦だと思ってしまう.そんなところが本当にすごい.

 

俺の声を忘れないでほしい.そう杏菜にお願いをした.愛してる.もう二度とは戻らない声で最後にそう伝えた.何度も何度も,ありったけの感情をこめて.

 

あれからひと月,やはり声はほとんどでなくなっていた.それでもbulletの曲を考える毎日.杏菜はすっかり通訳になっていた.杏菜が憶えていたTreating2Uはきっとbulletを代表する曲になるだろう.

本当によかったゲームだったな.伊之助が本当にかっちょいいし,前を向くことの大切さを伝えてくれるゲームだった.相対する伊之助ルートと杏菜ルートだけど,どっちも納得できるってのがすごいと思う.もちろんどっちも説得力があるというか,あり得る未来なのだけれど,それでも伊之助のがんばりが伝わってくるという点で私は大好き.

 

=霞夜ルート=

翌日,建のお見舞いに行こうとすると,調子がよくて散歩している霞夜と出会い,そのまま建の病室へと向かった.

やはり苦しそうな建だったが,霞夜はその気持ちがわかるらしく,その介抱もあり少し楽になったようだった.

誠美さんによると,建は心移植のために近日中に日本を発つらしい.その事実を知った霞夜はどこかいつもと違う気がした.

 

翌日,霞夜は体調を崩していた.それでも残されたわずかな時間を建と過ごしたいと言う霞夜を伊之助は車いすで連れて行った.自分が霞夜の立場でもきっと同じようにしたから.

霞夜は病室の前で立ち上がる.できるだけ元気な姿で,元気なお姉さんとして建と別れるために.辛そうにする建と霞夜に対して何もできなくて,改めて自身の無力さが情けなく感じる.明日,建と誠美さんは日本を離れる.

自分の元気な姿を憶えていてほしいというお願いが,なんとも刹那的で胸が締め付けられる.きっと昔から体が弱かった霞夜は,ずっと死を意識し続けて生きてきたんだろうな.死を意識して初めて人生に向き合える,なんていうけれど,死を意識しないで笑って生きていけることはとてつもなく幸せなことなんだろうね.

 

まだよく理解できていない建に言い聞かせる.しばらく帰ってこれないたびになること,そしてしばらくはみんなと会えないこと.しかしそれでも,未来のために行かなくてはならないこと.そしてきっとまたいつか遊ぶ約束を結ぶ.一人一人建からもらった食玩は一生の宝物となっただろう.

 

あれから数日,霞夜の体調は戻り,郁乃のおばあさんの退院とともに,郁乃とも連絡が取れず仕舞いだった.伊之助自身もいつかはここを出ていく.そのことを言わないまでもその未来を霞夜は悲しんでいる様子だった.これから毎日,霞夜のお見舞いに行くよ,そう霞夜に決心を伝えた.

 

翌日は約束通りだったが,さらに翌日は病室に入る前に霞夜に断られてしまった.

その日の夕方,バンドメンバの一人,三千年がやってきて要件があるから明日の夜,酔客に来てくれと勝手に言い残し帰ってしまう.

その外出許可を取ろうと愛さんを探していると,霞夜を連れていた愛さんに出会った.どうやら,昨日の夜,熱が出てしまい,入浴日なのにお風呂に入れなかったことが断った原因のようだった.また明日,そう霞夜と約束をする.

 

予想外に相談は深刻なものだった.伊之助が入院している間動けなかったbullet.その間ヘルプとしては言っていたバンドにプロの招待が来て,三千年もそれに誘われている.もちろんbulletが一番好きだった.それでも今音楽ができていないから,どうしていいかわからない.伊之助は素直に,そして自然と祝福していた.三千年がどれほどbulletを愛しているか知っているから,そしてプロになるのがどれほど難しいか知っているから.いつかbulletが同じ舞台に立ったそのときは戻ってきてくれ,そう約束をして三千年を送り出す.

深夜,霞夜の枕元におでんと紅葉に買わされたルージュを置いてその日は終わった.

素直に祝福できる伊之助もかっこいいし,それを祝福してくれるおやじさんもかっこいい…

 

てっきりルージュをつけた霞夜が出迎えてくれると思ったが,そんなことはなく.どうやらルージュをつけた経験がないようで,伊之助が塗ることとなった.

この数か月の間で愛に変わっていた気持ちのまま霞夜を抱きしめる.もちろん嫌なら逃げられるほどの強さだったが,霞夜もそれを受け入れてくれた.

その後志摩先生に呼び出されて離されたのは,伊之助自身のことではなく霞夜のことだった.手術をしなければ長くはない.しかしその手術の成功率はよくて2割.だから霞夜はその可能性に賭けるくらいなら,残された時間を伊之助と過ごしたい,そう思い手術を拒否していた.

 

翌日,霞夜を訪ねると,霞夜は伊之助が事実を知ったことに気づいていた.両想いに慣れたのは嬉しい.だけどもう一緒に長くいられないから.そういうと霞夜は涙を溢す.

諦めるなよ,霞夜は今を美化しているだけだ.どんなに怖くてもあきらめず,生きていたいと泣きわめいて.どんなにかっこ悪くても,前を見て生きることが人間の義務なんだ.可能性に挑戦することが生きるってことだろ.そう支離滅裂なことを言った.考え直してほしい.考え直してそれでも考えが変わらないなら,霞夜の願う通り,最期まで一緒に居る.

伊之助との未来のため,手術を受けることにした霞夜のために,伊之助は曲を作ることを約束した.

自分的には可能性に賭けるタイプだと思うけど(なってみないとわからないけど),実際霞夜みたいな恋をしたら考えが変わるのかなあ.支離滅裂だけど,この伊之助の言葉は好きだな.可能性に挑み続けることが生きること.前を見て生きることが人間の義務ってのは少々難しいと思うけど笑

 

三日後,伊之助の退院が決まった.どうやら霞夜の手術は十日後を予定しているらしい.退院した足で,バイトの復帰のお願いをしに行く.霞夜の手術まで,朝は曲を作り,昼は霞夜に会い,夜はバイトをする眠れない日々が続くだろう.それでも...

気になってた霞夜の家族についても触れてくれて助かった.そういう細かいところ好き.

 

情報の伝達不足で,霞夜の手術の日に復帰ライブが決まってしまった.

そのことでライブはキャンセルするつもり,そう霞夜に言ったが,それを霞夜は認めなかった.そこに伊之助を待っている人がいるなら...

 

手術前日,時が夜に近づくにつれ二人の不安は大きくなっていく.そんな不安をかき消すように強くキスをしたる,強く抱きしめあった.

不安を伝え合って,ようやく本当の意味で二人は結ばれたんだね...

 

ライブを終え,急いで霞夜の病室へと駆ける.手術は成功,そう志摩先生は言うが,どうにもひかかることがあるともいう.今日は目を覚まさないし,面会謝絶になっているから帰れ.そう言われしぶしぶ病室を後にする伊之助だった.

 

一日経ち,二日経ち.それでも霞夜は目を覚まさなかった.

時間が空けば必ず病室に訪れている.相変わらず病室の霞夜は眠ったままである.あの曲でプロになることはできた.しかし一番その曲を捧げたかった霞夜が目を覚まさない.今日はあれからちょうど三年の日.そのせいかいつもよりも辛く,その痛みを紛らわせるためギターを手に取る.そして霞夜の前で初めてその曲を歌った.Treating2U.

ここでEDに入るとか神かな?いつの間にかTreating2Uが大好きになっていた.ここまでED飛ばせないノベルゲームも珍しい.

 

病室から帰ろうとするとき,確かに彼女の声が聞こえた.霞夜は眠っているように見えたが,たしかに聞こえたのだ.初めて想いを打ち明けた.待ち遠しかった未来を涙を流しながら伝えた.そして霞夜はようやく目を覚ました.何度も何度も歌った.

もちろんあっさり感はあるけど,その中でも霞夜ルートは泣けたなあ.

 

=愛ルート=

翌日になると,すっかりとは言わないまでもある程度建の体調は戻っていた.誠美さんは移植手術のためもう少しでこの病院を発つことを伊之助に告げる.2,3日のうちに訪れる別れ,きっといつか再会することを深く約束した.

愛さんが言う通り,建にとっては必要である意味幸福なこと,そんな理想的な看護師になろうと努力する愛さんを見て,自分の至らなさを知る.

愛さんと志摩先生,ずるずるとした関係かと思いきや,正式に一応は付き合ってるんですね.伊之助はどの立ち位置で愛ルートに入るのか...

病院にはさまざまな別れがあるって聞くとやっぱり,さだまさしサナトリウムが浮かびますね.

 

建の出立の日.まだよく理解できていない建に言い聞かせる.しばらく帰ってこれないたびになること,そしてしばらくはみんなと会えないこと.しかしそれでも,未来のために行かなくてはならないこと.そしてきっとまたいつか遊ぶ約束を結ぶ.一人一人建からもらった食玩は一生の宝物となっただろう.

 

あれからしばらくたった.今日,偶然志摩先生とその元患者が懇意にしているところを目撃する.何も疚しいことのない,ただのお礼を言い,言われる,そんな関係にどこか気持ちの悪さとひっかかりをおぼえる伊之助だった.

 

翌日,久しぶりの外出許可を得て酔客へ行くと,そこにはもう出来上がっている愛さんがいた.前回は自身が味がわからないと言っていた.それをおやじさんが知っているのも知っているはず.それなのに愛さんは自身の好物を見繕ってくれと,おやじさんに無理難題を投げかける.普段の愛さんからは感じられない,嫌な感じのする愛さん.それでもその表情からは申し訳なさそうな感情も読み取れる.

タクシーに乗せると,一人になりたくないと言う愛さん.どうしてあれほど志摩先生との関係に気を取られていたか漸く分かった気がした.きっと愛さんのことが好きになり始めている.

愛さんの家につくや否や,愛さんは眠り始める.それでも寝言でも一人にはなりたくない,そう言われ一晩中横に付き添った.

 

昨日のことはあまり記憶に残っていないようだったが,一人になりたくない,そう言ったのには確信があるようだった.今はまだ話したくない,そう言われてしまうともう伊之助にはどうにもできない.味の分からない愛さんの作る朝食はおいしかった.

 

あれから数日,愛さんを避けるような日々が続いていた.そしてふと覗いた談話室で,この前の患者とキスをする志摩先生を目撃してしまう.それだけならまだしも,その場に愛さんがやってきてしまった.

愛さんはその事実を別にいつものことだと,辛そうな顔をしていった.かつて自分の体質のために流産し,本気で愛していた男性に捨てられた.それ以来,一人で生きていくと,結婚も何もしないと決めた,だからギブアンドテイクの関係で,自分が寂しいときにいてくれればいいんだから,そう愛さんはまるで自分に言い聞かすように告げる.

伊之助は我慢できず,言ってしまう.それは単なる逃げだと,臆病なだけだと.愛さんの平手が来る.それでも間違っているとは思いたくなかった.目の前にいる大好きな女性に本当に幸せになってもらいたい.たとえそこに自分がいなくても.人に怯え,それでも一人が嫌で,人を欲し,辿り着いた答えがギブアンドテイクなんて冗談じゃなかった.本気で幸せになってほしい.そして自分はそこにいなくてもいい.そう思っているのに,そこに自分がいない事実に,割り切れなさに涙がこぼれた.

もう私は志摩を許さないね.いい人と思ってたけど,良い人じゃなかった.いい医者ではあるかもしれないがいい人ではないね.

 

あれから三日.今度は愛さんから避けられる日が続く.杏菜も心配するが,きっとすぐ愛さんは元に戻る.だって今日,退院を志摩先生から告げられたのだから.

最後にけじめとして愛さんと話す.会いたいけど会いたくなくて.話したいけど話したくなくて.期待と恐怖が混じる気持ちのままに,きっと否定されるだろう想いを話した.きっと否定されることが愛さんを思う自分の義務だから.愛さんを心から愛する人がいるんだと伝えるために.愛さんの返事はさようなら,その一言だけだった.それだけでいい.この寂しさ,愛さんの寂しさ,辛さを癒せる,そんな曲を作る,そう決心した.

 

あれから一か月,私生活は順調に見えて,気持ちはどんよりとしたままだった.それでも夢のために前に進み続けなければならない,そう決意しなおした雨の日に,彼女はずぶ濡れのまま家のドアの前に立っていた.ただ泣いていた.

志摩先生と喧嘩して飛び出してきて,愚痴を聞いてほしい,そう愛さんは言う.伊之助には酷な話だった.それでも,愛さんには幸せになってほしいから,その一歩となるのだったら.

物心ついたときには亡くなっていた父.その父がいないぶん大好きだった母は,理想だった母は,憧れだった母は一生懸命愛を育ててくれた.二十歳になって,母は再婚した.今思えば母も頼る相手がおらず,寂しかったのだろうが,尊敬していた分,大好きだった分盗られた気がして,その時付き合っていた男性と家を飛び出した.幸せだった生活.しかし流産し,さらにその男性にはほかに好きな人ができ,捨てられてしまった.だからもう傷つかなくていいように,一人でいるって決めた.けどあの時伊之助に想いを伝えられて,自分の感情に気が付いて,いつの間にか伊之助に隣にいてほしいともうようになっていて.そう愛さんは言う.

気が付くと抱きしめていた.ずっと,いつまでもそばにいる,気が付くとそう言っていた.一緒に飲んだコーヒーを,愛は苦いと言ってくれた.

このひと月の間に作ったけれど,気持ちが込められず歌えなかった曲,その曲を愛に捧げる.Treating2U.

ううううううううううう.めちゃくちゃ好きな展開なのに駆け足過ぎて辛いいいいいいいいいいいいいい.もっと愛視点の葛藤とか見たかったよおおおおおおおおおおおおおおおお.伊之助のことを考えていたひと月の話を希望します.

 

翌日,志摩先生に愛と別れろと命令した.あっさりとした志摩先生に伊之助は怒鳴ると,珍しく志摩先生も声を荒げる.志摩先生も志摩先生で愛を愛していたようだった.彼女を頼む,先生はそう伊之助に頼んだ.

事実を知った愛はそれでも伊之助を選んでくれた.初めて食べた酔客おいしさに涙を流しながら.

キスは挨拶みたいなものってねえ...さすがに付き合っててそれはちょっとねえ...

 

あれから7年.今日も青い紙をしたひげ面の男性と,よく似た男の子が私を病院まで迎えに来る.

これルートごとに伊之助の髪型違うのか,今回のはめちゃくちゃかっこいいね.タツルからもらったタケルという名前,一瞬嫌な予感がしたけど,普通にアメリカで暮らしているようでよかった.

女性目線のエピローグなんだろうな,めちゃくちゃ良い.ほんとに好きすぎる.

 

=郁乃ルート=

翌日,建のお見舞いにジュースを買っていると郁乃に出くわす.建へのお見舞いの道中,ついでに郁乃のお婆さん,トキさんにも挨拶をした.

建の体調はやはり本調子とは言えなかった.話をするのもやっと.そんな建が異色のためアメリカにいくことになったのはある意味必然だったのかもしれない.

微妙に話違うの凝ってるな.もっと他のところ増やしてほしかったけど.

 

さらに翌日.建は今日にでも旅立つことになった.

まだよく理解できていない建に言い聞かせる.しばらく帰ってこれないたびになること,そしてしばらくはみんなと会えないこと.しかしそれでも,未来のために行かなくてはならないこと.そしてきっとまたいつか遊ぶ約束を結ぶ.一人一人建からもらった食玩は一生の宝物となっただろう.

 

ル子と建がいなくなってから胸になんだか穴がぽっかり開いたような気がして,虚無な時間を過ごす.曲作りもなんだかもうワンピース足りない気がする.

以前あったファンだという少女に偶然出会う.その友人がガラの悪い男とともに病院に来ていたものだから,付き添う形でそのあとを追うと,向かった先はトキさんの病室だった.

少女は行くのに謝りに来たと言うが,一緒に連れてきた郁乃の元彼と言うガラの悪い男は面白がって郁乃のガーゼを引きはがす.心配する伊之助を郁乃はただ拒絶した.

少女の友人,つかさによると,学校の実験中,強い酸で遊ぶ男子生徒とそれをたしなめる彼女の間に入った郁乃が,押されてしりもちをついた拍子に酸を被ってしまったということだった.

郁乃をもう二度と一人ぼっちにさせたくない,笑顔を絶やさずに入れるようにしてあげたい,そう思っていたのにできなかった.明日から伊之助とつかさは郁乃のいる病室へと足を運ぶことにした.クリスマスの時のようにまた笑顔を浮かべるまで.

私がお前は今まで郁乃ほったらかしてなにやってたんだよお!!って切れたら伊之助も切れてくれて助かった.

男の方に関してはやばすぎて感情が出てこなかった.人とは思えない.

うーん,濃硫酸とかかな?蓋を開けたまま置いとくなよ.

毎日ガーゼを貼っているってことは,毎日避けるということを意識的にしている(慣れることがない)+だからこそ毎日鏡を見つめなければならない,ってことだよなあ.それを思うと…

 

一週間がたったが,取り付く島もなかった.信頼と言うものはいかに構築が難しく,壊すのが簡単かが身をもって分かる.つかさもまじめで,真剣に郁乃のことを考えている.ただ運が悪かっただけなのだ.それなのに二人は人生で一番輝かしい時間を辛い顔のまま過ごしている.あの時は建に頼ったが,今はもうその建もいない.二人でなんとかしないといけないのだ.

涙を流すつかさを見て,伊之助は走り出す.郁乃の気持ちもわかるが,郁乃自身,親友だった少女を泣かしてまで感傷に浸り続けたいのだろうか,それが郁乃のためとなるのだろうか.

担ぐようにつかさの元へと連れていき,思っていたことをすべて伝えた.

伊之助が傷を間近で見る絵,舐めてんのかと思ってびっくりした.

 

あれから数日,互いに心の整理がつくまでは合わないことになっていたので,再び虚無な日々に戻っていた.よくよく考えてみれば,郁乃に言ったことは完全に告白である.いつの間にか郁乃のことをそういう目で見るようになっていたのだろうか...

何かをつかまた気がしたので,曲を作っていると郁乃がお茶の誘いに来た.トキさんは郁乃に飲み物を買いに行かせた隙に,お礼を言う.生きているうちに,郁乃の笑顔をもう一度見せてくれてありがとう.そう縁起でもないことをいうトキさんの命は持って今月らしかった.郁乃のことを託すトキさん.俺なんかでいいのか,そういう想いはあったが,伊之助は誠心誠意引き受けた.

あーまだこの後トキさんの死と,あの男のことがあるのか.どうせダブルで来るんだろうなー胃が痛い.

 

数日してトキさんは退院した.容態が急変し,最期を家で迎えるために.そしてその三日後,退院を告げられる.

そのころ郁乃は,唯一の居場所だったと思っていた場所を失くし,気が付くと病院へと足を運んでいた.ただ彼に会いたかった.しかしその彼ももう病院にはいない.

偶然会った志摩先生はそれを見通したように,伊之助からかつて取り上げたピックを忘れ物として郁乃に託す.

邪見にされないか怖い,それでも会いたい.そう思いながらチャイムを押して出たのは女性だった.中からは彼の声もする.気が付くとピックを押し付けて逃げ出していた.

公園で一人,ガーゼを撫でる.もう涙も出なかった.そんな時に,目の前に現れたのはかつて付き合っていた男性とその取り巻きだった.

あの直後,郁乃を追いかけていた二人.遅れてやってきた紅葉は時間を稼ぐ,そして追いついた伊之助は奴らをぶん殴る.もちろん殺すつもりでぶん殴った.

結局,多勢に無勢,ぼこぼこにされたのは伊之助の方だった.といっても取り巻きなんか目に入らず,奴だけを殴り続けたのだから当然だったけれど.ギターも再起不能.けれど郁乃を守れたならギターも本望だった,そう思う.

自分は一人だと胸中を溢す郁乃を気づけば抱きしめていた.郁乃の傷がいえるまでいつまでかかるかはわからない.けれど癒えるまで,そして癒えてからもずっと,ずっと傍で支え続けたい.郁乃は傷は顔だけじゃない,と申し訳なさそうに体の傷も見せる.しかしそんな傷なんか関係なかった.堤伊之助は上山郁乃が好きなんだから.

こういうのでいいんだよ.今までの人生も含めてあなたが好きだから.処女厨がよお.

よくやった志摩!見直した.

あれから1年.ずっと二人は同棲していた.寝坊した郁乃を迎えに来たつかさと二人で行くのは学校へ向かう.昼は一日,曲を作り,気づけば郁乃が帰ってくる,そんな理想的な生活の中で,ようやくあの時の曲が完成した.Treating2U.もう郁乃の頬にはガーゼはない.

やっぱりあっさりしている感はぬぎえないけど,いいね.Treating2Uも大好きになってきた.

 

=誠美&建ルート=

一日経ち,二日経ち,建はまた元気になり始めた.今日は検査だという建だったが,付き添う筈だった誠美さんが心細いというので,一緒に付き合うことになった伊之助.やはり検査は不安で,特に今回は発作が多く不安だと誠美さんは言う.伊之助にはただ励ますことしかできなかった.だから精いっぱい励ます.

検査結果を聞いた誠美さんは泣き崩れ落ちた.愛さんから話を聞きだすと,建には移植手術が必要でアメリカに行く必要があるようだった.

病室に戻ると,誠美さんは建に頭を撫でられながら眠っていた.その姿に自然と涙がこぼれる.最初はいたずら小僧としか思っていなかったけれど,いつの間にかこの親子に想像以上に入れ込んでいたらしい.弟と言うよりは息子として,母と言うよりは女性として,そう感じている気持ちに気づく.

 

手術の成功の確率も低ければ,ドナーがくる可能性も低い.そのあての無さがなによりも誠美さんの頭を擡げていたようだった.異国での先の見えない二人暮らし.気持ちは痛いほどわかった.だけど,伊之助はただ激励することしかできない.本当なら言わない方がよかったのかもしれない.それでも気づけば口から出てしまっていた.あんたは建の母親なんだから,建の未来のために,不安でも立ち上がれと.

建は母が虐められていると思ったのだろう.伊之助の前に立ちふさがり母を守る.そんな姿を見て,誠美さんの気持ちも固まったようだった.

 

数日たち,誠美さんは仕事を辞めて報告にやってきた.自分にできることはない.大好きな建と,目の前の大好きな女性のために自分にはできることは何もない.その事実がより深い責任感を伊之助にもたらした.

 

二日後,ようやく伊之助自身の検査結果が出た.待ち望んでいた退院.しかし今はもう少し伸びてほしい気持ちでいっぱいだった.この退院が,志摩先生の頼みが伊之助の気持ちを後押しする.二人が日本を発つまでは,きっと.

帰宅し,さっそく曲を作り始める.この入院生活で感じたこと,得たもの.すべてを二人に捧げる曲を.

あれ?伊之助.お前喉の大病ってどこかで見かけたんだけど,もしかしてあれは嘘なのかい?

 

お見舞い生活は長くは続かなかった.発作のペースは速くなる.一日でも早く,移植が必要,それが下された診断だった.幸運にもドナーは見つかった.3日後,二人は日本を発つ.建は幸せにならなくちゃならない.なってほしいとか,なるように周りと本人が頑張るとかじゃなくて,心臓をもらう人の分まで幸せにならなくてはならない.それが義務だと思う.

三人が言うように,生きている人の死を期待せねばならないっていうのは待つ人,その人が優しい心を持てば持つほど,なんというか酷っていうのも違うと思うけれど...

そういう点で伊之助の幸せにならなくちゃならないってのはグッとくる.よくお幸せにとか言うけれど,この言葉のほうが好きだな.

 

あれから二日寝ずに曲を書き上げた.後の時間はどれほど心を籠められるかの時間だった.そんな時チャイムが鳴る.そこには誠美さんが立っていた.これまでのお世話になったお礼にご飯でもと,先日渡した連絡先を頼りにやってきてくれた.

感謝を伝える中で誠美さんの気持ちが伝わってくる.二人はともに愛し合っているだけれど,愛し合うことはできない,一緒にはいられない.それはお互いがお互いに重荷になるからで,それがわからないほど青い二人でもなかった.だからただお互いの強さを,弱さを伝え合った...

息子死にそうなときになにやってんだいって感情と,いやまあ誠美さんもひとりの人間だし,心細さはわかるし...っていう相反する感情がせめぎあった...

 

出発の直前,漸く伊之助は到着した.状況を理解してなかった建に,遠くに行くこと,しばらく会えないこと,けどきっとまたいつか遊べることを伝える.

建は宝物だったフィギュアを伊之助に,郁乃に,愛に,霞夜に,杏菜に,志摩先生に,そしてル子用のものを伊之助に手渡す.

そして屋上で伊之助はただ唄った.Treating2U.

ここで題名曲かー.いいねー.あんまり歌い方好きじゃないけど,ねっとりしてて.でも歌詞好きだから,きっと他のルートしてるうちに大好きになる予感がある曲.

愛が言う通り,真剣に二人のことを考えて,それでも歌うことしかないっていうのはかっこいいよな~

 

建の手術の成功から3年.アメリカでの生活もようやく落ち着き始めたころ.彼はテレビであの時の歌を歌っていた.そんな時けたたましくなるベルの音.玄関にその彼が立っていた.約束を果たしに,そしてこれから3人で生きていくために.

最後ほろなきしちゃったけど,その髪型はなんだ笑時代を感じる,ビジュアル系.XJAPANとかのころかな?

 

=ル子ルート=

ル子が引っ越して一週間ほど,伊之助はついに退院することになった.建も近々異色のため病院を出るらしく,少し早いお別れになった.みんなに捧げる歌.Treating2U.

 

あれから何年たっただろう,今日久しぶりに建が会いに来る.そんな時チャイムが鳴った.玄関には見たこともない綺麗な少女が.首にかかったリングを見てようやくル子だと気づく.

伊之助が志摩みたいになってて笑う.外見ね.幸せってこういうことなんだろうなってEND.