えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

サクラノ詩の感想

 

=全体の感想=

傑作…だと思う。というのは私は芸術的素養や知識が少なすぎて、サクラノ詩を完全に理解することは不可能だからです。前作の方がまだ理解に容易い。ただそれでも、その芸術的部分からすらも心を打つ何かを感じ取れるくらいなので、そうなんだと思います。

 

好きな順は共通のⅠⅡを除くと 

  ZYPRESSEN(里奈&優美)<<<Olympia(稟)≦ZYPRESSEN(里奈)<<A Nice Derangement of Epitaphse(雫) < Ⅳ以降 || PicaPica(真琴)

正直PicaPicaは面白さというより、美しさ。サクラノ詩という作品の中においては浮いていて、ここに並べるのも違う。PicaPicaはPicaPicaとして成立、評価されるものだと思います。そういった意味で||

おすすめ順は

 PicaPica→Olympia→ZYPRESSEN(里奈&優美 下の選択肢)→ZYPRESSEN(里奈 上の選択肢)あとは一本道

 

もう一度やるときは雫編からやりたい。

 

=プロローグ=

偉大な芸術家であった父の死と残された一篇の大作。生と死と、そして美しさとは。

芸術は本当に無知で、フェルメールが唯一好きで画集もフェルメールの1冊しか持っていませんが大丈夫でしょうか...ただ不思議な能力がなさそうな世界でよかった。

 

藍が直哉の誕生したときに咲き誇った満開の桜を見た時、嬉しさと同時に悔しさを感じたのは何故だろう。きっと忘れてしまうからメモ。

 

きっとメインヒロインは御桜稟だろうけど、今のところ私は藍先生がすこ。雫も出あい方はメインぽかったけど...

夏目と草薙の血縁関係はどうなっているのだろうか。

 

素晴日々をした方がいいという前情報+OPを見る限り、幸福に生きよが真として、では幸福とはなんなのだろうか?というのが命題でしょうか?ベンタムから続く幸福論。永遠の命題ですね。

 

=Ⅰ Frühlingsbeginn=

ヒロインたち勢ぞろいの章。タイトルは文字的にドイツ語ですか?意味はまったくわかりませんが。

才能があるけれど描かない直哉となんとか描かせようとする真琴。1√目は真琴かな?固定化までは知らないけれど。

 

きっと稟はやってないだけでものすんごい才能があるんだろうなあ。それに絶望した直哉が...みたいな展開は望んでないです...

画材屋のおじさん、そして真琴がただ直哉の絵を待ち続けてくれている事実が嬉しい。

言葉、約束には有効期限があるから価値がある。いい言葉ですね。

 

=Ⅱ Abend=

春が終わり、夏の到来。1章ではわからぬことが多いままだったわけですが、そろそろ教えてくれるのでしょうか…

 

圭が本当に直哉を尊敬してて、才能を認めてて、だからこそもう一度絵を描いてほしいと思っているのが伝わってくる。

直哉は自ら絵の道を上っていくことを禁じた、っていう設定好き。禁じた。自分よりすごくて、仲のいい人がその道を進まずやめてしまったのは悔しいだろうなあ。

それにしても素晴らしき日々と同じように、過去をぼやかすなー。憶えてられるかな?素晴らしき日々も「後半から神」ってよく言われてたけど、それは誉め言葉なのだろうか…

 

そして現れるなぞのロリータ、吹。

 

それにしても明石はいったいなにをしようとしているのだろうか。

父と圭という天才と、また別の才がある明石…直哉の「天才どもめ」っていう言葉が好き。天才を正しく天才と認識できるのは才のある人物だけなのでしょう。

 

明石の目的とこれまでの行動は美しい物語でした。ただただ妹たちを救ってくれた神父のために、自らの美のために、草薙健一郎の作品、真夏の千年桜を完成させる。すべてはそのために。そして明石の物語であると同時に、草薙直哉が再び筆を執るための第一歩。真琴や圭、藍たちの願いの始まり。

はじめは稟がメインヒロインかと思ったけど違うかも。いや過去がまだ不明だから何とも言えないけど。

いやー本当にきれいなきれいな物語で大満足。これまだ序盤ってまじですか…日常パートが長くて牛歩なのが申し訳ないというかなんというか。

「我々が何のために作品を作るのか……それさえ見失わなければ問題ない……。そこに刻まれる名が、自分の名前では無いとしてもだ……」って言葉すこ。

 

というわけで夏の終わりまでの2章でした。真琴が美術部として狙う賞を直哉が取る展開でしょうか?

 

=Ⅲ PicaPica=

名前的に真琴ルート入ったな。天才である直哉、圭、明石。対称的に納得するまで続けるのが当たり前という努力の人、真琴。おそらく稟はこの間と思うけど、そういう意味では真琴は好きかも。

 

真琴が言うように明石はすべて結果論の人。それはとてつもなくカッコいい。少なくとも私からすれば。すべては結果だ何ていう人は多いけれど、その大半は結果を出した人なわけで、言ってしまえばカッコつけてるだけの人も多いですから。明石のように体現してる人はカッコいい。

 

圭と真琴は異母姉弟で、直哉もまたその血縁の関係にある。圭と直哉はともかく、真琴は予想してなかった...直哉や圭の父、曾祖母と対立関係にあった真琴の中村家...貸し借りというつながりを頑なに作らなかったり、どこか絶対的な壁を作ったり。そして肉親すらも切り離し一人で生きていこうとする意思。本当に強くて弱くて不器用なんだから...

 

校長の健一郎に対する想いの描写めっちゃ好き。今となっては何だったのかわからないが大切にしたい想い。真琴や鳥谷家が大切でないとかではなく、健一郎を独占しただとかそういうものではなく、普通に生きていて感じる筆舌し難い、もやもやとした、恋心ともまた違う感情。振り返ってみれば達観した微妙な感情の機微といいますか。なんだからわからないけれど、その感情はとても大切。好き。

 

真琴は自身の中から憎しみが再び出てくるかもしれないのが怖いっていうけれど、それはなんか違うと思うなー。どんだけ善人にも憎しみとか嫉妬があって、それをグッと我慢して外にださないでいれるか、出してしまうか。憎しみに囚われてしまうか、昇華できるかだけだと思うので。

 

特筆したいのは「量産できるものを作りたい」という真琴の志向。芸術家というよりは科学者に近い考え方をしたもので、本当にムーア賞取るきあるのかとすら思ってしまう心優しき考え方。少なくともこの考え方を持つキャラクターというだけで存在価値があると感じました。

 

上述した校長の感情描写があったし,真琴親子はもちろん、寧親子、圭と校長親子、寧母と圭の親子愛もあったしストーリー的には大好きでした。面倒くさい序盤の恋愛描写さえなければ...

一見霧乃がひどい母親だけど、彼女もまた若いころから搾取されてきた側の人間で、こうなってしまうのも仕方ないと思わせてもらってありがたかったです。最初から最後まで真琴の人間的良さが一貫していたのもまた最高。

なにより、直哉が絵を描かなくなった原因の、右手に力が入らないという事実が判明してすこしすっきり。ヌードデッサンをする、で再び筆を持ってほしくはなかったけどね。

 

ライターの方、本当に博識ですよね。月とウサギ、理想と現実の対比から始まり、モネのカササギの話と言い。それをまた鳥谷真琴(校長)の物語に落とし込むのもすごいなあと...

月を熱望するが才能がないと諦めてしまう真琴。きっと真琴は寧に譲られた絵本のウサギのように、ただ愛する者、母に抱きしめてほしかった。ただ真琴は誰かさんに似て不器用過ぎて、すれ違い、今のようになってしまった。ただその反省を生かし、寧たちはただ愛し合うことができる。霧乃に何かしらの才能はないかもしれないけれど、作中のように寧にとっては本物と同じくらい輝いた月を取ることができる。

モネあたりは正直私が無知すぎてついていくのに時間がかかった。

 

そしてその後の真琴の過去とムーア展の話。どうしてそこまで直哉と圭に拘るのか.どうして絵本のウサギのように愛する者に抱きしめられなかった真琴がムーア展という諦めたはずの月に拘るのかもこれ以上ないほど理解できる。苦境の中、直哉の絵を見た時の衝撃がありありと伝わってくる。なぜそこまで描いてほしいのか。ムーア展に決して出さないという直哉の覚悟も。なんでヌードの時に筆持たせたの!ムーア展には出さないけれど、そこまで思ってくれる真琴のために描く、それだけの方が好きだった...

さらに恋愛ものとしても後半は素晴らしく、稟との対峙をしっかり描いてくれて大好きでした。まあなあなあにしといたらいいじゃないと真琴。けれど、たまたま(?)居合わせた稟の顔を見るとそうは言えなかった。女性同士の友情。失恋。勝利宣言。恋敵である稟にだけは誠実でいたかった。

最後に二人の天才のために作った真琴の作品、月の裏側。月には届かないけれど、決して見えないその裏側なら。その希望は儚くも敵わないのが好み過ぎ。絶対的にこれは万人の満足の行く結末ではなく、あくまで真琴ルートはTRUEまでの個別なんだよというもの。だけどこういう寂寥感を残す終わり方が好きなのだ。というより真琴は最初に求めていた愛をたくさん手に入れたのだから、この終わり方でいいんだろう。圭...待っててくれ...

 

私が言うのも烏滸がましいですが、本当によくできた物語。美しい。

 

=Ⅲ Olympia=

稟、想像以上に前半だった。

稟と雫の関係とは…雫は憶えてるのに、なんで稟は…?圭がもともと中村の人間なのだとしたら雫もまたなにかありそう。藍とは血が繋がっているのだろうか胃が痛い…

健一郎の唯一の弟子の話からして、稟がそれで記憶を失ったのかなあ…いや本命吹かあ。大穴稟という感じで。

 

Ⅱの稟個別で明石が留年してなかった話だの、吹の違和感だったりだのに触れられているのでPicaPica最初でよかったぽいな。

 

稟ルートに入ってわかる稟の本性かわよ~。ついでに雫もかわよ~。

 

直哉のお母さんは藍の姉にあたるんだあ。そりゃ藍が最初に家族とこだわっていたのもわかる。

 

ああ、直哉の腕は稟の父によってもたらされた不幸な事故だったのか…

 

吹という名前の母と稟。稟は父によって引き離されて、その数日後病で亡くなったというけれど、本当にそうなのか…亡くなった事実を受け入れられなかった稟に現実を突きつけたというのが正しいのではとか深読みしてしまう。オランピアは自動人形の話だし…

かつては引きはがした父を恨んでいた。今は何も話さない父を恨んでいるっていうのが好き。

 

ああ、そして予想通りの展開…わかっていてもつらい。。。

香奈はとてつもなくムカつくけど、必要な存在だよなあ…もし稟がいなかったら。もしそのまま直哉が才能を開花させることができたのなら。そんな輝かしい未来と稟との未来の比較。自ら気づくのではなく、突如香奈から知らされることもまた大切ですもんね。

稟とお母さんのところは泣いた。けど他はあんまり好きじゃないかも、面白いけど。死んで償うっていうのはあんまり好きじゃないんですよね。いや最後の香奈との対峙でちゃんとそれを否定してくれていたのでいいんですけど!わかっててもちょっと向かってしちゃうんです!これは完全に私が悪い。

 

圭は作品をまたも作品を作り上げることはできなかった。待っててくれ、、、圭。

夏目、吹とはなにものか千年桜とは、直哉の贋作、くらいですかね、今謎のままなのは。圭がメインかなー。

 

=Ⅲ ZYPRESSEN(里奈)=

稟ルートは6年以上前の事、里奈ルートは6年前からいままでのこと、って感じで、さらにその先が本番って感じかな。

 

二人の前世かなにかが関係するみたいだけどあまりに唐突過ぎて頭に入ってこない…

 

里奈を好きになってしまうと直感した、だから避けた。もちろんこの直前に同性愛への偏見に対する怒りは描写されているのだけれど、この一言だけですべてが伝わってくる。端的な愛憎描写。

メッセージウィンドウを縦横無尽に使ってそれもまたゲームの良さを引き出しているようでよかった。

 

里奈ってガンだったのかあ。色素系の病気と思っていたけど。

三人の関係を赤ずきんの少女、狼、狩人に例えるのは言わずもがな、全てに染まる印象を持たせる白い傘の比喩でドクツルタケやタマゴテングタケを使うのもすごいなあとしか思えない。もともとは逆だったんだろうけど。

 

里奈が直哉のことを好いていて、優美は里奈のことが大好き。それがはっきりしているのがギャルゲとして珍しいと思います。いいですよね。「好き」っていう気持ちを大切にしている気がします。エンタメの道具にしていないというかなんというか。

 

過去の誰かの想いと共鳴し、その願いを叶えるために咲く桜。しかし奇跡には代償が付きまとう。誰かの望みをかなえると同時に、誰かを不幸に貶める桜。伯奇の呪い、か...

わたしは同性愛者です。だから里奈が好き。この「だから」に優美のアイデンティティが込められていて、大好きな一文。

 

当初はこのルートおまけみたいなもんかなと思ってたけど、直哉の腕のことを鑑みるに大切なルートでしたね。草薙直哉最後の作品を送った二人。

 

終わり方には賛否あるかもしれません。完全燃焼とはいかず...細かな描写は好きだっただけに残念。

 

=Ⅲ ZYPRESSEN(里奈&優美)=

こちらを先にすべきだった...直哉と結ばれた結末を見た後だと、なんだか里奈の贖罪を見ているようで...(そんなことないのはわかっているけど)

これいるぅ...?なかったことにしたい。

 

=Ⅲ A Nice Derangement of Epitaphse=

雫が直哉や稟と出会ったばかりだという設定に固執しているのはなんででしょうか。

 

稟ルートで明らかになってなかった、主に吹との話の解明編かな?

わかってたとはいえ、体が人形の吹を見るとドキッとするものがある。

 

千年桜の奇跡が稟の記憶を奪い、更なる奇跡を雫が行使して吹が生まれた? 奇跡の上に成り立つ奇跡は世界を大きく歪ませる。。。

詳しい理由はまだわからないけど、やっぱり理由なく遺産を放棄したりはしないよな~やっぱり夏目家と草薙家の話が中心というのが伝わってくる。奇

 

心が云々の話はなんなのだろうと思ってたけど、夢呑みの巫女、伯奇の話がここで出てくるのか!あの話が里奈たちの話というのはミスリードなのか、それとも単なる偶然か、運命か。

 

雫との過去話に入って、ああ本当のところは直哉も健一郎もお互いに大好きだったんだとわかって胸が締まる。

それにしても中村章一があまりにもあほ過ぎてストーリーの質が下がってる気が…仮にも大手企業の社長としてやっていけてるなら、1000年続く名士ならそれなりの教育も受けてるだろうに…いやもしかしたらそんなこと風でもないのか?現実の大企業の御曹司というものを知らない。製薬会社の金儲けのシステムを考えると案外もつものかもしれない、運が良ければ。

 

やっぱり稟は絵の天才だったんだーーーあーーあーーーあーーーーー。ここから稟はその才能を取り戻すのだろうか。あまり望んでいなかった展開だけど気になる。。。。。。

 

腕を怪我してるのに、いざ描けば(スプリングを使ってはいるけど)完璧にこなす。実際、直哉の才能のためにそれは完璧からは程遠いのだが、それをやってのける直哉のカッコよさたるや。

唯一の弟子を稟とするならば、直哉は唯一のライバルなのかもとこのエピソードで痛いほど感じた。じゃあ結局は健一郎門の稟は直哉のライバルなのだろう。

 

巨匠、草薙健一郎の死から始まった物語。それが本当の意味で漸く始まった。今まで追ってきた物語の一つ一つの意味がついに理解され始めた。雫との出会い、再会。雫が直哉の手料理を食べて涙を零した訳。

このルートの素晴らしいところは真琴や圭、藍。直哉の周囲の人物は(おそらく香奈も含め)、あの贋作が直哉作だとわかっているのをほのめかしているところ。これからの展開に感情移入しやすい。

 

吹は稟の才能のようなもの。なのだとしたら、吹の消失が芸術家、稟の復活になるのだろうか。稟ルートで記憶のみ戻ったことを考えるとそうなのでしょう。いつかいなくなると思うと悲しい。

吹を忘れないために、そのために千年桜を描くために筆を再び執るっていうのは大好き。稟ルートではきっと忘れられてしまったんでしょう。稟ルートやっててよかった。

 

=Ⅳ What is mind ? No matter. What is matter ? Never mind.=

ついにⅣ。いつのまにかこの言葉が私も大好きになってました。

 

健一郎の過去。物語当初から草薙家と夏目家と中村家の話というのは強調されていましたが、ここにきてその色がますます強くなってきました。

ここまでくどい程強調されてきた3家の関係、対立に、草薙親子3者の関係。そしてオランピアに秘められた真理。加速度的に面白くなる。。。

絵描きは両手を殺さなければ死なない。この一言があるから直哉のことも忘れられない。

それにしても幼少期藍かわいい~。そして健一郎はどこまでもかっこいい。

 

ここにきて最初に若田が渡してきたウィスキーがなんだったのかがわかるのも神かよ。

そりゃ人気になるわ。

 

=Ⅴ The Happy Prince and Other Tales=

ああ、もうこの物語も終わりが近づいてきた。。。

 

俺たち二人なら世界の頂点を取れる。水菜を亡くし、頂点を取った健一郎との目に見えた比較は、圭の命すらを心配にさせる。いや死ぬんだろうな。私なら殺す。

 

そして、圭は直哉のために、直哉は圭のために描く。もちろんそこには相手の才能のためという大義名分はあれど、もっと純粋に清らかな友情が美しい。

 

吹との勝負、里奈との勝負。直哉は天才であったが、それはもしかするとともに走るものがいて開花する才能だったんだろうなあ。たとえその右腕が奪われたとしても、いやむしろ奪われたからこそその才能が輝く。里奈との公園での共作、健一郎との合作、みんなとの教会での壁画。作中で力作とされているものはどれも誰かとともにあったもの。草薙直哉という人柄をこれほどまでに表した芸術家としての才能。だったら圭と共に走ることで生み出せる作品はどんなものなのだろう。楽しみで仕方がない。

 

圭の作品の2本のヒマワリ。いいなあ。ムーア展とかそういうちんけなものじゃなくて、ただ一緒に走りたかった直哉に向けての作品。

圭が受賞して泣いちゃったよ。

 

分かったこととはいえ、圭の死が訪れました。素晴らしい死に方。私は大好きです。絵を描いた過労などではなく、死は誰しもが突如受け入れなければならないものとしての当然のルールを守っているので。

火葬場の煙と蝶を思わせる桜の花びらの一枚絵も素晴らしかった。

本当に素晴らしい物語。普通なら稟との、圭とのライバル対決が主軸となるだろうに、ただただ二人の天才、草薙直哉と夏目圭の友情を絵画を通して描き続けているのが好きすぎる。いや直哉は凡才というのがふさわしいかなあ。

 

=Ⅵ                   =

サクラノ刻につながるエピローグ。

ノノちゃんも寧ちゃんもおっきくなったねえ。。。寧ちゃん…圭は寧ちゃんとして生きるんだ!声優一緒だし!たぶん。

 

みんなとの軌跡を踏みにじられて、こんな胸糞悪いものを完結させられるのかと思ったけれど、やっぱり草薙直哉は草薙直哉。人とのつながりを基盤にした天才。

真琴が全部言いたいこと言ってくれたよ。直哉の才能は人に才能という概念を忘れさせる才能。

 

草薙健一郎の櫻達の足跡から始まったこの作品は、草薙直哉の櫻達の足跡の桜たちの足跡で終わりを告げる。きっとサクラノ刻は夏目圭に捧げる物語なのでしょう。なんて美しい物語だったのだろうか。あー読んでよかった、生きててよかった。サクラノ詩という作品から永遠の相を頂きました、ありがとう。

 

Ⅵ 櫻の森の下を歩く