=全体の感想=
異能バトルものとkeyの中ではかなり異色.個人的には不思議な世界とかが好きで,異能ものはあんまりなんですが,まあその中ではそこそこ好き.だけど作品としては普通かなあ.小鳥,ルチアルートは好きだったけど他は...
クラナドでは町,リトバスでは学校.規模が大きくなるほど心情描写は難しくなると思うのですが,規模が世界の本作はどうしてもその点が他作品と違ってしまっており,プレイヤーの期待通りのものではない可能性が高いと思います.
攻略順はなんでもいいんじゃないですかね?個人的にはルチアからスタートがいいと思いますが.ただ絶対に静流はちはやのあとにすべき!
好きな順番はTrueを除けば
朱音=ちはや<静流<<小鳥<ルチア
というかガイア側で物語を書くのが難しいんでしょうね.本心から地球のために人類ホロべ!なんて言うのは相当難しい考えの主しか...
まあやらなくてもよかったなあと終わってみて思います.ABは知りませんが,サマポケで盛り返して(私の好みに戻って)よかった...
=共通=
OPめちゃくちゃ好き.これみるとやっぱり(ノベルゲームにしては)金かかってるなあと思う.
システムは面倒かな.コンプしなきゃと思いつつも多い...
メインは小鳥いいのかな~?瑚太朗の気持ちはそっちにあるっぽいけど.
あんまり本筋と関係なさげな,キャラ紹介的な共通が長いからちょっとダレるかも.
ところで何故にちはやだけ苗字表記?と思っていたけどいつのまにやらちはや表示に.
井上クエストまでが共通.
11月に入ったあたりから話が急展開.一件緑豊かな風祭の裏に隠された汚染された光景.人はどこまで環境を守り,壊しても良いのか.
よくあるテーマですが,とはいえ10年前.どのように結論付けるのかが楽しみです.原発は確かに人が扱うにはあまりに危険で使うべきではないかもしれない.しかし現状では原発を使わなければあまりに温室効果ガスを排出し過ぎてしまう.かといって文明レベルを後退させることもできない.人類は地球にとってはいないほうがいいが,人類の一部である我々はそのように言い切ることもできない.まあニューテクノロジーに金を投じない政府が悪いと思いんですが.
=小鳥=
小鳥のしゃべり方が好きすぎて一本目は小鳥に.愛でる可愛さ的には静流なんだけど.
種まきは制覇してやったぜーい.
日常から非日常へ.心の底から欲していた青春と仲間たちの喪失.
風祭特有の植物の生態系とそれに詳しい小鳥のお話.何も考えてないように見えて命について日頃から深く考えている小鳥好き.小鳥も瑚太朗の気持ちに気づいていながらも,好意がありながらも,上手く躱す関係がどう描かれるのか...
なにがあっても小鳥が好きだって言う瑚太朗はかっこいいけど,その気持ちでオカ研への気持ちを断ち切るんだってのはカコヨクナイヨ!というか何かを得るためには,必ずなにかを犠牲にしなければならないんだってのが嫌いなのかもしれない.結果的に仕方がない犠牲はともかく.
井上から託されたメモリチップ.その文字通り命を懸けて取ってきたスクープをただひとり瑚太朗だけでも知ってくれればいいという取材者魂に涙.カッコいい.
自然は怖いですよね.海とか山とか,そういう夜行ってはいけない場所に,一人で,碌な明かりもなしに行ったとき本当に怖かった.
そしてやっぱりヨッシーノなんだよな~~.リトバスくらい男キャラ増やしていいのよ?クラスメイトも先生もいい人ばかり...脳の怪我(orオカルト)が原因で仲良くなっても記憶が薄くなってたんだろうなあ,みんなの名前を呼ぶシーンすこ.綺麗ごと過ぎるきもするけど笑.
<鍵>だったり,ドルイドだったり,後半急にファンタジーになってしまいました.1√目から結構真相が明らかになってしまっている気がしますが,中弛みしないかな?他のヒロインも秘密がありそうなので大丈夫と思いますが.
小鳥ルートとしては大満足がいくものでした.シナリオ読んでておもしろい.伏線は一気に明かしてくれて,はいはいって思うこともほとんどなかったですし(両親や瑚太朗もまた魔物であるというのだけは言えないというのは,逆に小鳥の心情を表すのにも,展開にも必要ですしし).背中を貸すことしかできないのを月と地球の関係に例えた一節は本当に好き.
鍵を守るために多くの魔物を使役しなければならない.そのためには生物の命に手を加える必要がある.描写はされていませんでしたが,数を増やすためには手をかけることだってあったのかもしれません.終わりの見えない役目を果たし続けることが,心優しい小鳥にとってそれがどれだけ辛いことだったか...ちびもすが消えてしまうシーンは本当に泣いてしまった.小説でなくノベルゲームのいいところ.ペロの鳴き声を出せるのは,不意に聞かせるのはずるい.
あとは小鳥の両親が正気に戻るシーン以降はあほほど泣いた.自分の力で歩いた小鳥と,そしてリハビリを終え,自分の力で小鳥に会いに行く瑚太朗.そんな対比も好き.
=ちはや=
ルチアと静流は敵対勢力(ガーディアン)筆頭っぽいので,小鳥後解禁と予想して先にこちらをば.と思ってましたが,ちはやと朱音もまた敵対勢力(ガイア)らしかった...まあ三竦みだったしね...でもこうなると小鳥が一人で可哀そうだよなあ.
こうなってくると次のルートが難しい...違う勢力に行くか,とりあえずちはや朱音勢力をコンプするか.予想では小鳥,ちはや,それにルチアが初期解放されてるので,ルチアかなー.
ガイアの立場としては<鍵>を守り,人類の選別を促すこと.個人的にはそれを打ち崩し,現代文明を守るガーディアンに気持ちが寄ってしまっているけど,鍵が不発に終わってもガイアを掃討しようとするガーディアンも好きになれない.
朱音もちはやも自分の命を削って戦っていると思うと不安になる.
ストーリにおける咲夜とちはやの関係ですが,これが序盤のMemoryUpdateで予想がつくってのはちょっと残念に思いました...
全体としては...微妙でしたかね...ストーリーとしてもバトルものとしても面白くなかったです.刹那の閃きで危機を回避!が多すぎるし,その大半のバトル部分を抜いたとしても説教臭いだけのストーリーで,瑚太朗やちはや達の心情の変化も単調で...瑚太朗の心に残ったミドウも結局何のために描いたのかわかりませんし(盛り上げるため?),ミドウの能力が使える展開に至っては意味が分かりませんでした.ぎるとぱにも都合の良い,感動のために殺すための存在にしか感じられなくって...
=ルチア=
駄菓子屋の水あめが食べられるんだから,ただの潔癖症じゃないよな~と思っていたルチア.部屋には造花やぬいぐるみがたくさんっていう描写,好き.ここはまだ共通だったけど.そしてやっぱりヨッシーノなんだよな~~.
そして分岐が他のルートより早い.井上さんの話とかどうなったのやら.
ストーリーとしては急に毛色が違い過ぎて,ここまでの3人とも違うライターさんなんだろうなと思います.私は小鳥ルートが一番好き.でもルチアルートも相当好き.rewriteという作品の中で浮いている感じはするから苦手な人もいそう...ルチアの話を長引かせずガーディアンの話にすっと移行したのすごって感じ.
前々からそういう節はあったけど,西九条先生が同僚以上の感情を持ってルチアや静流のことを考えているのがはっきりしてそれもまたぐっときた.
それにしてもでれたルッチーアかわいい!!ほんとにかわいい!!!初デートのところやばかった.いろいろやばかった.いやーこれを含めるとダントツで好きなルートかもしれない.幸せが肺からあふれて逃げていくかもしれないから蓋が必要だ,なんてロマンティックなセリフなんだ...
そしてそのあとの静流が倒れる展開.緩急のつけ方がうますぎて,このライターさん好きすぎる.いままで読んだことないと思うから田中ロミオではないと思うけれど,クリア後調べよう...
最初は異色さが出ていて不安だったルチアルート.終わってみれば...めちゃくちゃおもしろかった.終わり方も文句のつけようがなく,<鍵>とルチアの同一視という展開も,物語の根幹にある設定を隠しながらも,面白さを損なうことのない展開.もちろん,細かい部分で気になるところは残るでしょうが,それを一切感じさせないメリハリのあるシナリオ.るーすぼーいを彷彿とさせ,他作品も追っていきたいと思います.
ただし,keyらしいかと言われれば,その答えはNoであり,他のkey作品(ノベルでなくADVの)を丸々期待しないほうがいいとは思います.
いやー面白かった.最後の説得のところはまどろっこしい点がありましたが笑
=朱音=
能力的にはガーディアンである瑚太朗とガイアである朱音.ちはやはあんまりガイア中枢って感じでなかったが,明らか朱音はお偉い様.果てしてどうなるか...
ちはやルートで見られたような終末思想を抱かないように祈るばかり.
意思を持って瑚太朗が初めて人を殺した,それも一人や二人でないこのルートだからか,瑚太朗はガイアだ!っていう感覚が強かったです.静流ルートもかな?別にそれ自体はいいけど,ちょっとは後悔してくれ!瑚太朗!
ルチアルートでも思いましたが,もうこの星には時間が本当に残されていない,そう思わせる展開だったため,ガイアサイドにも埋没できて楽しかったです.
上の殺人も含め,ただ一つ大切なもの,朱音のために他のことには目をつぶる,諦める.そんな大人な感じはこれもまた異質さが感じ取られました.性的関係も明示されていたのはそんな異質さ,情けないどうしようもない大人っぽさを演出するためでしょうか.
現実,不思議な力がないにもかかわらず,奇跡を謳ってにお金を巻き上げている宗教団体は多く存在するわけで,センシティブさも感じました.それだけじゃなくて,先天的に脳が働いていない症例,自然災害.かなり手を広げたなあという感じ.
全体としては...普通~微妙?
上述の通り規模が大きいものになっている分,心情表現が小鳥ルートと比べて少ないため,個人的には好きになれませんでした.それにオカ研なんてものはとっくに消えてしまって...個人的にkeyの好きなところが...というか世界の終わりだとか,世界を救うだとか滅ぼすだとかは求めてない.友人や恋人や家族のために命を張る方が好き.世界のためなら命を捧げることは多くの人にできると思いますが,それが個人に対してとなると急激に減ると思いません?(戦闘描写はジャンプとかに勝てないと思うんですよ,どうあがいても)
=静流=
キャラ的には最推し.けれどちはやルートのライターさんかーという懸念も...まあ小鳥よくて朱音微妙でしたし,個人的に刺さるかは判断できなさそうですけど.
それにしてもぱにとぎる好きなのね笑
自らの超能力によって,幼い時分に親から自身の記憶を消してしまった静流.あかん...涙が...誰も悪くなくて,不幸な事故がきっかけで.ただただ家族を思い合っていただけなのに...
静流が意識を取り戻すまでのお話ですが,まあなんというか瑚太朗の行動が軽率だなあという感想しか...気持ちはわかるけど!
歌のプレゼントは読んでて恥ずか死するかと思った.
それ以降,後半は第一に西九条先生かっこいい...でした.
ストーリーは普通くらいに好きでしたが,それ以上に演出が好きでした.日記とか,消えていく皆とか.
咲夜の話を聞いて,きっと同じようにrewrite能力を使い切れば,人ならざるものになってはしまうけれど,咲夜のように永劫に生き続けることになってしまうことになってしまうけれど,唯一静流と共に生きることができるっていう展開は好き.ちはやが咲夜と契約してもそれほど寿命を削っていないように,rewriteによる魔物化はまったくべつの何かなんでしょうね.
お話自体は好きなのに,なぜかあんまり胸にこなかったのはなんででしょうね.やっぱり戦闘ものだからだと思うんですが...こういうタイプの日常ものはめちゃくちゃ好みですし.
=Moon=
物語序盤で匂わせていた世界を書き変える能力であることを回収.ようやく瑚太朗が脇役から主役へと昇華するところが見られるのか...!
人知を超越した篝がなぜ人類の生み出した数字を使っているかわからない.
最後の部活だ!って感じでみんなを呼び出して篝を護ろうとするのは熱い!けどここまで戦闘ものだったのか...みんなの年齢だけ一定だったり,急に出てきたり,みんながさっと納得してくれたり(特に朱音),結構あやふやな設定な気がする.どこまでの世界の記憶を集めたのかとか,そのわりに各ルートの記憶がないっぽいとか(いやあるからこそ信じたのかもしれない),どうしてこの世界が地球の中の風祭を模しているのかとか(それは鍵の出どころの話関連か).
きっと最後のTRUEのために,篝に感情移入させるためのルート.うーん,ここも他作品と違いますよね.
同じ地球だったはずなのに,別れてしまった月にただ一人残り,すべてを地球に返してしまった心優しき少女篝はどう救われるのでしょうか...
=Terra=
年を取らなくなる前までの瑚太朗のお話,そしてMoonでの篝との邂逅により得た新たな未来の物語.
うーん,どうなんでしょう.個人的には好きじゃない.結局静流ルートの結末と同じ展開で...いやたぶん咲夜を真に超えたっていうのを描きたかったんでしょうけど...静流と同じ樹の魔物になるっていうのは...
「良い記憶」ってのは結局なんだったんですかねえ.諦めず繁栄しようとする意思?例え地球から生命エネルギーがなくなろうとも,自らのエネルギーを使ってでも生き続けようとする意思?
結局アウロラとか篝がなんだったのかはMemoryの篝(地球)を読んでわかるんだと思いますが,
個人的にやってよかったなーと思うのは,小鳥とルチアルートだけだったかなー.中々篝に感情移入しようとするのは難しいと思う,少なくとも個人的には...