- =全体の感想=
- =共通=
- =莉寿=夜一人で眠れない義理の妹,過去に触れたくない過去アリ
- =未来=3年間同じクラスだった,主人公と同じく孤高なクラスメイト,意外と優しい
- =美桜=同じクラスの幼馴染で数少ない友人で元恋人,怪しいバイトの噂アリ
=全体の感想=
良作.とはいえ処女作(第二作?)なのもあってさすがにG線や車輪と比べると天と地の差.おもしろいですし,緩急もついてて涙は出るし叙述トリックもあるけどね.
さすがのるーすぼーい.叙述トリックにまた騙された.伏線ってのはこういう風なのを言うんだという(快音を殴らなかったり,惚れてんのかという疑問であったり)のをありありと感じさせられた...
Goto Happy TomorrowがただのGoto Tomorrowになったりそういう細やかな演出も好き.
2種類のENDがありますが,
莉寿はGOODから
未来はBADから
美桜はGOODのみ
がおすすめ.
=共通=
他作品と違って,それほど物語背景は突飛なものではない...がやっぱりいくつも秘密が隠されてそうで,るーすぼーい感満載.
・莉寿との過去,眠れなくなる原因,いじめの噂
・未来が真之に伝えたいこと.
・美桜のいかがわしいバイトの噂,現在幼馴染と言えない原因
いくつかの謎を与えながら,OPまでに事態は急変しました.
蔓延るの噂は本当で,莉寿への無言電話は彼女に嫉妬したことへの仕業であること.そしてその行為はエスカレートし,ついには莉寿が過去に真之を刺してしまった事実を学校にばらしてしまうにまで至り,OPへ.
今のところ未来が浮いている形になりますが,各ルートごとにストーリーが分かれる形ではなく,密接に関わっている形式なんでしょうか.
あまりに真っすぐである真之.真之への憧れは嫉妬へと昇華する.対称的な彼と自分を比べると自分を卑下してしまい,自分を保つために,生きているという実感を得るためにその庇護対象である莉寿へと矛先を向ける.後悔はあったが莉寿がまた兄に守られているのかと思うとその行為はエスカレートしていく...
こういう黒く黒く染まった嫉妬の感情は大好き♡.
=莉寿=夜一人で眠れない義理の妹,過去に触れたくない過去アリ
莉寿の本当の兄と義理の二人の三角関係.本当の兄のようになりたいという気持ち,本当の兄への嫉妬.そしてたとえ刺されたとしても何より妹を守りたいという気持ち.
最初は望まなかった,うざったいと思っていた縁でも,一度結ばれてしまえばその縁を一度は大切にしなければならない,そう思わせる素晴らしいシナリオ.
実の兄がこれまたいいお兄さんで,真之の心が折られる気持ちがわかる.だからこそ莉子さんの励ましが染みる.
おそらくルートは固定で,降霊の叙述トリック,莉寿,美桜,真之の過去も明らかになり「ああ,導入も終わって次からが本番か」というような気持ちが芽生えてくるルートでした.もちろんこのルート単体でも面白いですよ.他作品の叙述トリックは後半に出てくることが多いので,そういう感覚があるんでしょうね.
叙述トリック自体はさすがだなあとしか言いようがない出来栄え.物語の緩急が上手いからめちゃくちゃ騙される.
NORMALENDはNORMALでよかったなー.終わり方としてはこっちが好きかも.タイトル回収的にはGOODだけど.
=未来=3年間同じクラスだった,主人公と同じく孤高なクラスメイト,意外と優しい
今までメインとなっていた莉寿と美桜の話はなりをひそめ,未来の話のみの進行に…OPまでに未来の秘密が明らかになりますが,まあこれに関しては気づかない人いないだろうという感じかなあ.ただ同時にまだ演技なのではという可能性も捨てきれなくはある.
そんでもってその不安は的中してしまうわけですが,快音,勘いいなあ.
正直ここまで過去の陸上話を掘り下げると思ってなかったので結構新鮮でした.
ただ嫌われ役は片方の役に任せればいっかーっていう考えが理解できなくてあまり好きになれないルートでした.人間関係でそれはあまりに卑怯では...と.真之は好きって気持ちが伝わってきたからそれでいいって言ってましたが...
それでもなおラストには泣いてしまうのがるーすぼーい作品のすごいところというか,緩急あるシナリオらしさ.
未来ルートはBAD→GOODがいい感じ.BADからたまたまやってよかった.
=美桜=同じクラスの幼馴染で数少ない友人で元恋人,怪しいバイトの噂アリ
さてさてようやく本筋に戻ってきました.正直未来いらないまであるよなーと思ったり.
快音の,本気でその人を想うなら信じるのと同じくらい,疑わなければならないってのは少なくとも真之にとっては真だなあ.信じたいように周りを見ているだけ.これまでの2ルートで出て来た真之の悪いところが全部つまった言葉.気づけよなwコンビニの夜勤,さらには高校生がそのシフトに入るなんてありえないよ~
疑ったうえで信じ切るからこそ価値があるのであって,鼻からその可能性を考慮してないのは信じてないのと同じですよねー.100%白と思ってるのは信じる前に白なんですから.
それにしても美桜の家で悩みに気づくシーン,ものの見事に全部地雷踏み抜いていく励ましで笑った.
誰よりも優しいがために,他人に幸せに,気持ちよくなってもらうために自分が不幸になることを望む.例えウリをすることになっても,自分のような人間が周囲の人を,大好きな人を幸せにできるのなら.いつのまにか壊れてしまった美桜.グッとくる.
終わり方も「気持ちいい」で終わるのはよかった.全く質の違う快楽だもんね.
美桜ルートだけはBAD見なくてもよかったな.