=総評=
傑作。泣きゲーだとみてプレイしました。もちろん大泣きはしましたが、それと同じくらいSFとして面白い。整合性も取れてる。ほんとにいうことはない。傑作。
正直ファタモルガーナと似たようなものかと思っていたんですが、というか白い髪、輪廻転生からして、完全にパクりだと思ったんですが、、、違いと言えばこちらはどちらかといえばやはりギャルゲ。キャラの可愛らしさはこっちの方がいいかも。ファタモルやったのかなり前なんで、なんともいえないですが。
個人的にはファタモルかなあ。でもこちらも丁寧な物語で、めちゃくちゃ似てはいますが、こちらも好きです。音楽は断然ファタモルガーナの方がいい。
ファタモル以外にもいろんな作品を随所に感じられますが、どれも真似ているようには感じられない丁寧なつくり。
おすすめ順はCASE3→2→1の順。何故かはCASE0を読めばわかります。
好きな順はなし。全部合わせて1つの物語。
クリア後のおまけもよかったので、必ずプレイして欲しいです。
=だらだらと=
=CASE1=
主人公が妻帯者。どのCASEも癖があって好き。
不貞行為に加えて、執筆を笑うというので妻との仲を決定的にするのすち。
凛の大人びているけれど、実際は子供なんだ、それ以上に女なんだというのがめちゃうま。
言われてすぐバイト始める凛けなげ~。
終わり方はあんまり好きじゃなかったなあ。別に相談してもよくない?せんせが先生に拘っていないのは明らかで、お金もある。愛もままある。怖さがあるのはわかるが、せんせだけが壁を乗り越えて、凛が一人で逃げるというのは納得いかなかった。
=CASE2=
シェイクスピアが主人公だけれど、本当に酒場の倅でしたっけ?
→調べてみたら、父が失墜してたみたい。そこまでほんとで、そこからオマージュ。
すでにスペンサーに抱かれてるってのは最高ね。生まれ付いた貴族でなく、これほどの服を身に着けてるならパトロンがいて当然だし。
前半終わって訂正。完全にモノ扱いされててなおよい。そこまで強烈ではなかったが、主人公たちが味わっていた奴隷としての屈辱。それ以上の屈辱があったとなると入り込みやすい。
泥棒一座が最後に盗むのは座長ってのも綺麗。
後半は結構駆け足だったけど、女として舞台に立って宿命を乗り越えた終わり方大好き。世界一遠い恋文。
これが最初のルートだけど、悲劇で終わって良かった。3つのルートが悲劇で終わるだろうからこそ、TRUEが楽しみ。
ちゃんとEDで参考文献載せてて草。いや最高だよ。それだけで好きになった。ネットの情報だからと、有名な史実に近いからと黙って使わずちゃんと書くの尊敬。
=CASE3=
ハレー彗星。次は2061年なんですね。
OPは一番好き。
さて前半終わって、これから主人公たちによる執筆が始まるのか。この話だけ執筆が関わってなかったから異質さを感じて、(年代順に進めたのもあるけれど)最後に回しました。はてさて。
うーんちょっと微妙だったかな。別にそんな問題ないというか。いや問題なくていいのかな?めっちゃハッピーじゃん。何の問題もないじゃん。才能認められてるし、恋実ってるし。
満足できないのにはこれを読んでた時期がストレスフルだったのもあるかも。
=CASE0=
ー幼少期ー
ようやく本番。まあここまでは前座だろうしね。
世凪の人格は一番時代的に近いすもも風なんですね。と思ったけど、すももたちの記憶を見て、かっこいい人になろうとしてたんだね。この能力の根源が気になるところ。
というかもしかして、今までのはリアルじゃなくて、世凪とつくった物語?世凪が物語を作り、人に見せ、疑似的に地上に戻る、ってことかな。もしそうなら遊馬せんせも結構マッドね。
こういう家族愛ものにちょー弱いからやめてほしい。いやもっとしてほしい。
取りが飛び回って腕に乗ったとき、感覚がなくなってしまったことを悟り、涙を流すシーンすこ。
鳥さんのシーンはクレヨンしんちゃんを思い出した。
ー青年期ー
少しずつ3つのケースとリープくんや出雲の話が繋がっていくのはさすが。
自分は長くないはずだから、記憶を残すために物語を書く、っていうのは前の3ルートでの世凪を想起させてよき。物語と考えれば、ちょっと納得いかなかったのも許容できまくり。
白昼夢の青写真というタイトル回収も鮮やか。
遺伝性アルツハイマー。カイトの完全記憶に対する必要以上の驚きはこれのせいだったのか。。。
世界という不条理に幸せを奪われるくらいなら、自ら区切りをつけるっていう気持ちは非常にわかる。
出雲の正規登録を不正に行うということを、清濁併せ飲むと言うのもやべー。科学に対する信頼性の重要性をなにも理解していないライター。
それにしても理想的な研究という感じですごい。長い目でじっくりと大きなことを……陳腐だからと決めつけて廃止するのはやべーけど。
ところで、なんで下の名前のカイト研なんですかね。あれ?苗字ないんだっけ。
遊馬やべーやつじゃん、やっぱり。多くの幸せのために一人を実験に使うって、科学者の前に身に着けるべき倫理が。。。はじめからちょいちょいやばかったが、ここまでとはねえ。
まーじでやばくて草も生えない。どうせいつかそうなるから自我を先に取っておいたって……功労者と言いつつ下層に帰すのもまじサイコ。
世凪が残した自身の感情である3人が世凪を守り続けているところめっちゃ泣いた。3人は感情だったからこそ、3人の物語を遂行することで世凪の自我が戻るのかー。そのためには自分の完全記憶を完全になくすっていうのも美しい。
トライアンドエラーで物語が進んでいくっていうのなら、もっと選択肢を増やしてもよかったね。BADいっぱいで。それを補完する意味での前編後編なんだろうけど。
ー現在ー
記憶の次は母と同じ筋肉系か。。。世凪に対する救いがなさすぎる。。。
欲求が満たされると死ぬ割に、カイトの母が死んだのいみがわからないな。食料が足りていたのも地上から持ってきていたというのは面白い。
遊馬がサイコ野郎にも拘わらず、業績に目もくれず仮想空間に注力していたのも妻の、欲求欠乏症のためという、つまり紫外線が悪ということが嘘という伏線だったんだね。
悪とみせかけ実はっていう見せ方もうまい。
結局最後は世凪が自身の意志で自身の記憶を捨てるという執着点に持ってきているのもテーマがしっかりしてて最高だ。。。
最後は泣き続けてしまった。3人が別れを告げたところで泣いて、かつての世凪と再会できたところで大泣きした。
結局仮想空間にいた我々プレイヤーが世界になった世凪という少女の話を聞いていたということなんですね。神かよ。
ご都合主義嫌いだけど、ED後のご都合展開最高ですよ。今回ばかりは。
=幸せなエピローグ=
おいおいおい、ほんとに最高じゃん!こんなのがあるとは想像もしなかった。
自身の運命に照らし合わせて悲劇を書いていたけれど、自身の運命が喜劇に転じたクリア後だからこそ、幸せなエピローグが描かれる。。。神。