えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

pieces/渡り鳥のソムニウムの感想

 

=全体の感想=

良作.リトバスリスペクト感のあるストーリー構成.

前評判通り,TRUEと比べると個別ルートは退屈に感じるけれど,そうはいっても十分楽しめるレベルのものでした.ずっと真剣に読み続けてゲンナリしないかと聞かれれば否定しかねますが...

リトバスリスペクトと言ってもそれを超えるものではありませんのであしからず.

 

おすすめ攻略順は

ありす→深織→紬→結愛→TRUE

好きな順は

深織<<<結愛<ありす,紬<<TRUE

 

TRUEで伏線があきらかになりますとのレビューが多いわけですが,そもそも伏線というには大きすぎるものばかりなので,答え合わせという感覚が近いです.

 

万人にやってくれ!って感じにおすすめはできませんが,良作は良作です.

 

=共通=

人の夢を見る力のある燕.天使が眠り続けるという伝承があるこの街で,過去の記憶の多くを失った彼は他人の悪夢を引き寄せるという一人の少女,結愛と出会う.

 

えぇ...男友達の名前が吉川晃司...いいの,読み方は違うけど?これ?ロックに傾倒してるってところも完全に...

ヒロインは

幼馴染でちょっとヤンデレの気がある紬.

あこがれの昼寝部部長である深織.

あほっこ,元気っこ後輩のありす.

そしてメインヒロイン,他人に悪夢を見てしまう結愛.

OPまででは紬が一番かなあ.深織とありすは無を感じて,結愛はあまりにも情報がなさすぎる.

 

結愛に一目ぼれした燕が,彼女の屋敷に通い始めるところから物語は動き始めます.そして結愛の体質をしった燕は,それを解消するために,封印していたもう一つの能力である夢に介入する(ことで現実に介入する)能力を使うことを決心する...という流れ.

紬がかわいい.結愛については運命的なものがあるのでやっぱりメインは結愛だろうけど...

 

紬が夢で現実を予言したり。カセットテープが過去の遺物であったり、それにもかかわらずありすがそれを直せたり。結構全員が本筋と関わってきそうで、前評判通りTRUEのためのゲームっぽい。

ありすの夢と合わせるとありすは別世界の人なのか、それともこの世界自体が誰かの夢の世界なのか。胡蝶の夢的な。歌はうまいが身体が丈夫でないありすと、身体は丈夫だが音痴なありす。この話は泣いた。

もしかしたらみんな夢を見ていて、夢から醒めなければならないのかもしれないですね。

 

=深織=

他の√もたぶんそうなんだろうけど,結愛への一目ぼれが分岐後一瞬でなくなってるのはいかがなものか...

 

何年も眠り続けた深織.今も眠ることは好きだが,燕と一緒ならもっと楽しいから夢への侵入を許すっていうのは好き.

 

伏線としては,深織の夢に干渉し,デートを邪魔してきた何者か.そして夢の世界の何者かと深織との入れ替わり.

やっぱり誰かの夢の世界で,それを見る者が結愛(かつての深織)とかだと判明したパートだと思うんだけど,獏はなにものなんだろうな~.GM?なにであるにしても,獏が不遇な役割を押し付けられた深織の代わりに楽しい夢ばかり運んできたり,眠り姫として動けるようにしたり,その愛が感じられてよかった.

 

日常パートがちょっと退屈だなーと思うけれど,前評判ほど読んでて辛くはなかったです.というかむしろ好きな部類に入る.きっちりと結愛の行く先も明示されてたし.

伏線と言われているであろうものがまばらに散らばっているので飛ばすことも難しいと思います.

 

この伏線がどこまで説明されるか楽しみだ~.

 

=ありす=

吉川晃司ネタ擦りすぎて不快.面白くないネタ擦り続けるのは本当にどういう意図かわからない.

 

日常パートが長いって言うのはありますが,家族愛ものやちょっとしたすれ違い,そしてそのすれ違いを修正するために一歩踏み出すことには弱いのでありす√は結構好きでした.

 

もうひとりのありすの夢を見れたのはこの世に存在するからっていう部分が結局流されてましたが,この世界が元世界の中にあるってことなんですかね?

 

=紬=

布袋まで擦るのかよ...本当に不快...

 

案外はやく明らかになってしまう予知夢の話.その後はしばらく日常パートを挟むのでまた退屈な時間が続きますが,その後,病室で寝たきりの結愛の手を握る紬の絵の回想からは(おそらく)TRUEの伏線が散りばめられはじめ結構興味深くなります.これを伏線と言っていいのか,布石と言うべきかはアレですけど.

反応を見る限り現実で燕と結ばれてるのはやっぱり結愛なのかー.そういう意味では他のヒロインにとっても夢の世界だったんでしょうね.結ばれるはずのない相手と結ばれるそんな幸せな世界.

 

世界が登場人物を拒絶するっていうのは好きだけど,燕にもちょっと忘れてほしかった.それでもって日常から,幼馴染としての関係から思い出すみたいな.これは個人的好みですが.もしくは燕だけが忘れないっていうのは,それこそ伏線かもしれませんね.この夢の世界で結愛とは対称的な燕は特別な存在だという.

 

紬の単独劇からは涙が止まらなかった.こういう展開好き.

疑問としてはどうして燕が身代わりになれば紬が世界から許されるのかだけれど...

ただ現実から逃げてしまったという点ではあまり好きじゃない.いや結愛はあなたが存在するならここが現実といっているけれど,運命付けらている可能性が高いこの世界では生きたくない.偶然がひしめく世界に,その偶然の中から運命を見つけ出すのが幸福であるのであって,すべてが運命は嫌!

 

なんだかんだここまで前評判と違って普通に面白い.

 

=結愛=

デレるとかわいいなー.

 

あまりに年の離れた姉妹と子供を産めたことを夢のように語る二人.1√目ならワンチャン見逃してたかも.いやさすがにないか.何故二人がそのことを知っているのかは不思議だけど.むしろこの世界の秘密を知らないのは燕たちだけ?

ちなみに吉川の「武道館」って寝言は真剣に考えた方がいいの?

 

「夢渡り」「天使」そして「悪夢を引き寄せる能力」の交換.

断片的な情報の数々でTRUEは近いんだなという感じ.受け継いできたんならどこかで深織→結愛があったってことなのかな?カステラの正体もそろそろ?深織でいうバク的な存在と思うけれど.

二人が夢の中で役割を交換しなおしたあとから,視点が結愛になってるのは主役が「燕」というよりは,「天使」「夢渡り」側ということなのかな?もしくは最後の結愛の1枚絵から察するに,これは結愛の夢に過ぎないということの明示?

 

=TRUE=

結愛END後,というよりは結愛と夢の中で役割を交換しなおした後の事.いままでの4√でプレイヤーが予測した設定への答え合わせパート.燕(と結愛)の過去とこの世界の成り立ち.

 

 

TRUEのための作品と言われている意味は分かるルートでした.

深くは書きませんが,前世とまでは言わないものの,知らぬ間の過去の因縁は大好き.ずっとずっとただあなたに会うために生き続けていたみたいな展開好き.

さらに主人公だけが不遇を見るみたいな展開も好き.

特に別れでは,ありすとの別れのシーンもよかった.ネタバレにならないようによかったとしか書けないけど.

はじめは関係ないと思っていた紬もこの世界の成り立ちに関係していたり,ほんとにおもしろかったです.