=全体の感想=
良作。泣きゲー。
文章が冗長というレビューが多々見受けられますが、絶対的に冗長ではなく、ギャルゲの中で相対的に冗長というのが正しい(あたりまえか・・・ )。あーつかれた、今日もちょっとだけ、頭空っぽにして進めるかー、というのを期待してプレイすれば冗長になるし、がっつり腰を据えて読もうとすれば普通。ただエロゲ買っといて、がっつり腰を据えて読むぞ!なんて普通ないっすよ…重ねる言葉を2回目はひらがなにしたりちゃんとしてるなーと思いました。
正直言われれば冗長と言うよりはクドイっていうのが正確な気がする。同じ文句を2度3度言い換える癖と倒置を多用する癖があり、冗長っていうのはそこだと思います。まあ泣きながら読んでたら、気にならない。
ここまでは悪いところ。他は言うことがない。いいところだらけ(強いて言えば説明しなくていいことまで濁さずちゃんと描写するところ。これは美点でもあるが)。
なにがすごいって、もちろん他の名作と言われる作品のように後々明らかになる伏線っていうのはもちろん、すぐ先に明らかになる伏線というかむしろ展開ですかね、それがすごい。展開が読めるっていうの本来ほんのちょっと先のことを指すと思うんですが、その範囲が前にも後にも広い。それはもちろん先が読みやすいと点でよくないかもしれないけど、それでも泣いてしまう構成がすごい。偉い人は「神は細部に宿る」なんて言いましたけど、さくら、もゆ。はそんな細部を丁寧に描写した作品なんだと思います。ハルの太字の部分とか特にそう思いました。じゃあ他作品と比べて所謂伏線回収が乏しいのかと言われればそんなことはありませんでした。もうすでにわかってしまった事実。その裏側を丁寧に深堀していくことで、あるいは敵対(?)していたものたちの真意を描くことで十分すぎるほどの満足感が得られました。
もう一つ。最後に言いたいのはBGM、曲の良さ。これは単なる良さではなく、偶然か狙ってやったのか、それはわかりませんが、物語の長さがBGMの効果を引き立てています。長い長い物語の中で何度涙を溢したかわかりません。ただ一つ確実なのは涙を流す旅に聞こえてくるのはいくつかの絞られたBGM。最終、クロルートでもしくはもっと前から、そのBGMを聞くだけで心が締め付けられるようになる。そこに更なる物語がやってきてまた涙する。素晴らしい(ここまではハルルートまでで書きました)。
おススメ順は
姫織→千和→ハル→クロ
ですかね。姫織最初がまあ丸いかなという感じ。
好きな順は
姫織<ハル<クロ<<千和
千和に出てくるある登場人物たちが好きすぎたのが、理由ですかね。
ハル、クロはジャンル:タイムリープとしての色が強く(まあ千和もですが)、そう考えるとやはりそのジャンルとして有名な作品たちに劣る評価になるのは否めません。やはりアレやソレが思い浮かんでしまう。別種ではあるので劣化とかではありませんが(きっと私が理解できてないだけ)、というわけで感動を前面に押し出した千和が最も好きなルートになりました。
=共通=
櫻からのさくら(の開始だったんですがゼルダやらレインコードやらピクミン体験版やらいろいろ挟みましたが……。どれも本当に面白かったです)。
クロで人外といいますと、妖怪ギガという漫画が思い浮かびます。寡黙で主人のことを守り続ける。そっくり。どっちが先かは知らないけれど。
魔法少女ものはスマガ以来かな?魔法少女3人+クロの4ルートかしら。
目的はあくまで元魔法少女のヒロインたちの夢をかなえて救うことで、悪夢が蔓延る夜がなんたるかとか、それを解決するとかではないのかな?
個人的に、物語が終わってしまうと悲しいから、主人公かヒロインは死んでほしいという気持ちがあります。そんな中エピローグを描いた作品っていうのは結構好きかもしれない。昔からぼちぼち存在はしますが。
アサヒさんいい人過ぎて涙ちょちょぎれますよ…
なんで戦争を終えることができたのに、3人は魔法を外に持ち出せなかったか、だよなあ。あとはその戦争のもととなった最大の悪夢とはだれのものなのか。
この異世界を渡る猫にTRUEで力を借りるんですね。わかります。
とりあえず少女の悪夢、クマさんの話で1泣き。正直辛い思いもひっくるめて人に宿る心だと思うので、そういうのを切り離すのは好きじゃないんですが、クマさんの立たされた不条理な境遇があまりにも…生まれで差別されるみたいなもんですからね。
薄情だからこそ、忘れ去られることを不安に思う十夜に、無責任な言葉をかけられるんだって大雅はいうけれど、それは立派な優しさだよ。きっと本当に薄情ならどっちでも取れるような言葉をかけるはずだから。努力するよとか、頑張るとか。いつか来るだろう責任を理解しつつ、それでも慰めの言葉をかけられるなら、それは立派な優しさだと思います。
=姫織=
巫女服姿を褒めてほしそうにするのかわよ~
十夜の友達のお話で2泣きと。このゲーム、文章くどいっていうのはわかるけど、音楽とあいまって泣ける。最近忙しいのもあるかもしれないけど。特にその女の子のお母さんの対応がキタなあ。あとは「私たち」の真意がわかったときはもう涙腺崩壊ですよ。。。もう号泣。雨の代わりにお友達が降ってくる、なんておしゃれなんだ。人生を救ってもらった十夜に、次の人生を捨ててまでお返しをする。なんて悲しくも尊いんだ。
いやな人に好かれるっていうのは自分もその人たちと同じ嫌な人だから、嫌いな人には好かれなくていい。いい言葉。人生の教訓にしたい。十夜ルートキボンヌ。
年と共に人は子供に帰っていく、だから最後に十夜と会えた。さだまさしのサナトリウムを彷彿させます。というかこれは元ネタにした気がする。
姫織の登場も自然ですごい。最高。
どちらかが迷ったときは必ず見つけ出す。そんなありふれた幼き日の約束。いやー好みですねえ。自分にとっては何でもないけれど、誰かにとってはそれがかけがえのない救いになる。そんな言葉をかけられる人物になりたいと、目指したいとは思わないけれど、どこかこれからの人生で自分の言葉をそういう風に受け取って、生きる糧としてくれれば嬉しいなと思ったり。
何かを貰うためには何かを授けなければならない。一見真実だけれど、じゃあ一体そのやりとりはどこから始まるのだろうか。始まりは、例えどこかでお返しを期待していたとしても無償の愛なんじゃないかなあ。一方で、無償の愛の中にも、健康に育ってほしいなどといった期待があるわけで。難しい。けれど、今回の物語に登場する授受とそういった期待は全く別物ですよね。それだけは違いない。自らの幸せのための期待か、相手の幸せのための期待か。快楽説か欲求充足説か。
大雅の過去がわからないから何とも言えないですが、大泣き。叙述トリックをしようというのが強すぎたのは微妙。
ナナちゃんの正体とその話の流れ、迷子の性質の入れ替わり、見つける見つけられるの入れ替わりは本当にすこ、だいすこ。姫織が、神社にだけは帰れるよって言ってたのは伏線だったんですねえ。だから迷子力を受け継いだ大雅も帰れたと。
全体かこのルートだけかはわからないけれど、少なくとも今回は、大人になる=他人を優先する、っていう風に結ばれているんだと思いました。自らの夢を叶えるために姫織を見捨てて子供のままでいるのか、それとも夢を捨てて姫織を救い出せる可能性にかけるのか。
EPも粋ですよねー。ナナちゃんの話が回収(とまではいわないけど)されてよかった。迷子が元に戻るのも好き。やっぱりマイナスなものも自分のものっていう感覚は大事だと思います。
ナナちゃんも十夜も話が判明してしまってここから先どうなるんでしょうか。ナナちゃんに関しては複合体っぽいけど。とっても楽しみ。
忘れたわけじゃないけど、あさひさんや十夜の姿が見えないのは、見えないだけなのかそれとも何か理由があっていなくなってしまったのかも気になるところ。
=千和=
お兄ちゃん呼び千和かわよ~
クロからの大丈夫、大雅の選択は正しい、きっとうまくいく。根拠のない言葉だけど、どれほど心強いか。本当に信頼した、家族以外からの後押し程心強いものはない。
千和は元から大雅のこと好きだから進行が早い気がする~。でも話の流れがおかしいんだよなあ。姫織ルートからわかる作者らしさがないというか。作者らしさなんて知らんけど、早急すぎる。いったいどうなることやら。千和ルートだけが短いなんてこともないだろうし。
でも悪戯なんじゃない?はクズだわ。悪戯でも、いたずらと疑って相手を傷つけるより、ああ騙されてたのか、の方がいいだろう!
まあなんだかんだあって父親とパパの話へ。杉田おるやん。
千和が千和という名前を貰って、前にいた女の子のことはもう列車に乗れたと信じる件でもう涙腺が。。。家族愛はだめなんだよお。。。
ソルとの別れの時、三人の時間に「人生」っていうルビが入ってるのが最高。いくら化け物に、人外になったとはいえ、3人で過ごした時間は人でいれた時間なのだと。
未来へ飛んで、夜の王を倒してソルが出迎えたところはもう涙が止まらなかった。ここからが本番なんですよね。喫茶店で幸せな生活を送って、ソルはナハトに殺される。ナハトが千和を悲しませないため、ソルのふりをしたり、命みたいな何かをわけたりなのかなあ。殺したというよりはその限度を超えてしまったとか。
ナハトは千和を攫う。そのときナハトと千和はこれまでにないほどたくさん話すわけですが…ナハトがたくさん喋るときは何かを隠してるときなんだよっていうソルのかつての一言が伏線というか、ナハトの迷いの表れになってて良い。。。(あとでちゃんと明かしてた)
ナハト視点の物語が胸に刺さりすぎてきつかった。ほんとに涙が止まらない。ナハトの愛が底抜けに尊い。遠矢もでてきてさあ。。。ずるいよなあ。。。どこまでいって底抜けの娘から父親たちへの、父親たちから娘への愛。そして千和と大雅の愛。そこにクロが大雅の代わりに代償を払って…愛、愛、愛。愛に溢れたルート。もう何度も書くけれどずっと泣きっぱなし。それも大泣き。
ソルが絵画を描いていたのが伏線なのは気づかなかった。。。
もう主人公、ナハトじゃん!ソルとナハト大好き!!!!!」よかったね、最後に孫と触れ合うことができて。よかったね、千和が幸せになるのを確認することができて。千和は大雅たちがいるからもう大丈夫だよ。
こんなに泣いたのは久しぶりだ。本当によかった。
=ハル=
ここにきてまさかのあず咲が幽霊だったという事実。えぇ。。。まじか。これハルルート3つ目固定っぽいな。千和ルートで相談とかしてたし。急に透けててビックリしましたよ。
智仁が姉の力を借りて、その姉のために作った歌がタイトルの名前なのいいね。グッとくる。
自分のことを偽物だというあず咲に、あなたは偽物なんかじゃないんだよ!と涙をためて思っていたところに、智仁が走ってきて、私の気持ちを代弁してくれて、もう感情と顔面がぐしゃぐしゃになった。
もう離れ離れになってしまうかもしれないけれど、自分の想いを全部歌に乗せて、これからもずっとそばにいさせてほしい。素敵。。。
そして智仁がつけているあず咲とおそろいの髪留め。ここで回収来るだろうとは思っていたけど、やっぱりわかっててもこういう「引き継ぐ」モノはいいね。
ハル本番パート。安易に魔法使い過ぎでは?好きだからって駄目だよー。
そしてハル死す。安易が過ぎる。。。
ワタシハ タセカイカイシャクガ アマリ スキデハ アリマセン。今回の、ハルルートでのタイムリープは私が多世界解釈が嫌いな理由がメインとなっていて今のところとても期待している(反面おそれてもいる)。結局私がその立場になったと考えると、「納得はすべてに優先するぜ」とジャイロちっくになると思う。今回ならハルが死を選んだ理由が納得するものなら止めない。納得していない状態なら例え十夜やあさひさんを悲しませることになろうと、もちろん悩みながらも、過去に戻るだろう。
代償が「孤独」とされているのは。。。うーんどうだろう。別に忘れられてるわけでもなし。つらいのはわかるが、それほどの、過去に戻れる魔法に匹敵するほどのものなのだろうか…そういう立場になったことないのでわからなし。おそらくはその直後のあさひさんによる抱擁のシーンを引き立たせるためかなあ。大雅は孤独であったのではなく、あろうとした。はじめからあさひに、十夜に相談していれば。ちょっとでも周囲に頼る、事態を告白する勇気を持っていれば。好きですねえ…
千和の幸せを目指すことをきっかけに、ハルの母は父から構ってもらえず、結果、ハルは虐待を受ける。きっつ。そしてこの子守歌代わりの見知らぬ歌はまさか…時系列を考えれば、ハルは未来から来たのか。過去の千和、現代ながらも生を受けた過程が特殊な姫織、そして未来のハルとネコのクロ。
この電話の「ヒーロー」は大雅なんだろなあ。ついにヒーローになれるのか。
大人大雅が子供ハルに語る、誰かと食べるご飯のおいしさ。もう最高かよ。自分にはあさひさんがいたから今生きている。必要だったのは、悪夢を過去に撃ち抜くことでも、逃げることでもなく、ただ一緒にいることだったんだなあ。。。
それでもなお、大雅は最低な方法で死にたいという夢を抱き続けていたのか…
大雅を追いかけて来たクロのシーンでようやくわかった。孤独を代償とするのは、どちらかと言えば大雅の精神状態が大切で、孤独を代償とするほど大雅が孤独を嫌っていたというのが重要。そしてその直後にクロが追いかけてきたシーンで、もう…だって弾丸は一発足りないと悩んでた直後ですよ!?おんなじ回数追いかけて来たってことは黒も弾丸を1発残してるわけで、そしてそれを(たぶん)もらうということは、本当にこれでクロとお別れということ。追いかけて来たクロは一人では魔法は作れない。作る相手ももういなくなる。そういうこれから少し先の未来が全部すっとはいってきて。構成力すごくない?!いやクロの弾丸はちょっと違う理由らしいけど。
ハルが我儘を言って手に入れた携帯電話。それが時空を飛び越えて大雅に繋がることのできる電話なのだとすれば、それはたぶんクロに引き継がれたんじゃないのか?もしかしてクロルートには直接的に繋がるの…?と思ってたらすぐキレイに回収してくれた。
クロが言う「大雅はみんなの、全員の夢を叶えなくてはいけない」。それを叶えて来た。そして最後の、クロの夢をかなえるの最終、ってこと?!ハルが死ぬとしても夢を叶えようと固執していた理由も補強されてほんといいなあ。
変えようと働くのは自分ではなく、ハル。帰るべきは過去ではなく、未来。激熱。
今までは自分が過去に戻ることで、たとえその世界で自分が死んでも、自分はハルと一緒にいれた。でも今度は、ハルに魔法を使う今回はハルと別れることになってしまう。本当に孤独になってしまう。信ずべきは未来の戻ったハル。そしてそれだけではなくこれからの自分。かつての未来の自分は夜の世界に執着していたが、現在を生きて、執着がハルへと変わった今の想いを変わらず持ち続けること信じてハルを殺す。お前を信じる俺を信じろ!みたいなのをお互いにやってて好きですわあ。クラナドでやっぱり渚と出会ってしまうみたいなのを感じる。
ハルは自分に負けて当初の願いを叶えようとしたけど、未来のことを知ったままの大雅はずっとハルを想い続けてそれでも助け出した。神。クロが言っていたやっと追いついたを大雅がハルに言うのも神。
そして大雅のロリコン設定が生きてくるのも、ハル、魔法少女は想像力があるから未来の選択肢がたくさんあるって言う表現もすげーって感じだ…実際ハルは負けたわけじゃないし、そのフォローもしてる…ここまでくると私が信者になってるだけ説あるな…
ハルがたくさんの未来から正解を選ぼうとする途中で挫けてしまった後の展開すこすぎ。お母さんの虐待もただの症状だったんだで済ませず、ここで邂逅させることで本心を描写する。それを彩るのはハルルート冒頭から描かれていた智仁の歌。最高かよ。これは決して夢なんかじゃないよなあ。夢を叶えられるのは今を生きているイキモノの特権、っていう言葉からお母さんは亡くなってから、ずっとずっと、次の生も捨てて夜のイキモノになってしまったのだとわかる。すごい描写力。
もしかしてハルも智仁も金髪だったの、伏線だった!?
終わり方も神、エピローグも神。いうことねえや。
一個思ったのは、弾丸が6発しかないけど、それは変わった世界線で再び補充することで解決できない??
あと他世界解釈の話は本当に必要だったのか。いや必要だったか、孤独の表現のために。クロルートで中核を担いそうな設定だと思うけど…
あと大雅がハルとのことを忘れてしまっていたのはなぜ?他の未来なら憶えていたのに。世界線を移動した?つまりA世界に戻って未来を変えることで、ほかの世界で大雅が死ぬような未来がなくなった??そしてそれを思い出せたのは更なるクロの犠牲のおかげ??
=クロ=
ついにラスト…
ヒーローが夜の王になってしまった、ってこと!?
こういう時が経ったのをTRUEに持ってくるの、すこすこのすこ。最高ですね。3人の元魔法少女たちと絆を深めなかった果ての未来。幸せからは程遠い大雅を見てクロたちは、ヒトを好きにならずにはいられないイキモノたちはじっとしていることができるのだろうか。。。
昨年供えた花がどんなものだったか覚えていない。その行為がただの惰性になっていることが伝わってきて好き。
で、ハルを救えなかった、救おうとしなかった未来。いやー好き。
大雅の幼少期の話で、まず出てくる引き取った少年と結婚したがすぐ死に別れた話。めっちゃ泣いた。
そして子犬のような白い少女との出会いに二泣き。ここでこの曲入れてくるのずるい…
そしてこのOPの演出もアツい。ここにきて「(ノベル)ゲームとして」の完成度がぐっと上がった気がする。これはここまでやらないとだめだ。ここからスタートな気がする。
これは曲を作った大雅(たち)自身が大雅のいうヒーローだった落ちか…?俺がヒーローになんだーみたいな。
あず咲に智仁の歌がちゃんと届いたようでよかった…本当に。そして過去に戻れた(かまではわからないが)ことも。
大雅の幼少期が智仁の死んでしまったほどの未来なのなら、大雅はこれからどういう道を進むのだろう。ハルルートでも年齢以上に未来を生きていたようだけど。智仁が自分の父親って、どういうことなんだ!!!!お母さんはあず咲なのか!!!???
……あず咲がお母さんだああああああああ。これからはパパとママって言います。髪の色どうなってんだよ!
ママもいつしか狂ってしまったんだな。例えトロッコ問題を実践しても、そこに迷いは必要だよ。月の光のせいか、血のせいか、それとも心無い現実のせいか、それはわからないけれど理想が手段になってしまってはもう…確かに大雅はママを救えるヒーローだな。
ああ狂ってしまったハルのお母さんも全部月の、犠牲にされてきた子たちの想いのせいだったのか。ハルがもしかしたら認知症のごとくなってしまった未来も、千和が出産に耐え切れず死んでしまいそうになった未来も、すべてはじまりは一つだったのか。
マシロの過去。人を愛するのに条件なんていらないんだよ!あっちゃいけないんだよ!恋には条件があって、愛には条件がない。○○なら好き。○○でも好き。
そしてましろ。君はどれだけ優しいんだ。いやましろというよりはどこの家庭の子供もだろう。どれほど酷いことをされたって、まるで本能かのように幼い子供は親を愛してしまう。親の幸せを祈ってしまう。そんなことをする優しい子ほど、酷い仕打ちをうけることがある。許せない。声上げながら泣いてしまった。
大雅が刺されたシーン、そして見知らぬ黒髪の少年がましろを訪ねたシーンで鳥肌がたった。黒髪。たしかにおかしいとは思ってた。ママとパパから生まれたなら金髪に近い色のはず。そしてメタ的な考えだが、クロと結ばれる道で大雅の想いがましろに向き続ける展開はおかしい。
相棒は黒い髪の少年で、クロじゃなくて。存在すら描かないので叙述トリックとまでは言えないかもしれないし、騙されて当然だけどやられたー。
いやまあ赤ちゃんの大雅が黒髪だから騙されたのもあるなこれは。
夜の女王(女王?)を倒すため、その言葉をナナから聞いた時はつらかったなあ…噂が、噂を信じる心によって真実になる。だから夜の女王は倒さなくてはならない…大好きな夜の女王を勘違いのため殺す。いやー、ましろの言う代償はこれほどまでに、確かに重かったんだね・・・
人は誰でも誰かになりたい。男の子を救うためにましろになりたかったクロのように、男の子は大雅とましろを救うために大雅になる。最高かよ…大雅の言うヒーローは「大雅」。この考えはある意味で間違ってなかったと…
どこまでいっても優しさばかりで成り立ったクロとその魔法。はたから見ているとあまりにも残酷で涙。だって大雅の代わりに「病」を引き受けて、それで大雅と離れてしまって傍にいれなくてごめん、って…大雅が知らないとはいえあまりにも酷すぎる。クロが「もう大雅なんて知らない!」と怒って、未来で自分の生活を謳歌できるような人ならどれほど良かったのだろう。何があっても人を好きにならずにはいらればいイキモノ。。。ああ今までのルートはどれもクロの不幸の上に成り立ってた幸せなんだと気づく。もちろん幸せというもの自体が誰かの犠牲の上に成り立っているものなのだろうけど、それが誰よりも自身のことを愛しているクロだと思うと、プレイヤーとしては辛い。今まではクロがましろたちの記憶を引き受けてたんやね…
大雅がハルルートで犯した周囲を置いて黙って死ぬという罪をクロ視点で描くのすこ。
これ、てっきり他の世界線化と思ってたら、ハルルートを全うした先の未来だったのね。
だからこのルートの過去の話だけは夜の「女王」だったんだ。だよね、だっていままで王だったもんね。まあ時系列はわからなくなる(夜の王となっているなら3人のルートで好きに思われるの自体成立しなさそうという意味で)けど、まあ好きだからよし!
この男の子はどこまでも自分勝手だなあと思う。クロはもちろん、ハルたち3人との幸せな時間さえなかったものにする。自分勝手が過ぎる。でもその意志の強さは好き。
最後に残ってた疑問点、ハルとの未来を知る大雅がホンモノの大雅だとおかしいという点がようやく解消。なるほどなあ、少年を救うために少年が歩んだ道を歩んだ大雅だったのか。みんなを助ける物語から、みんなから助けられるための物語へ。激熱い。
ちょっと複雑だけど、まあクロルートということでクロを想い続けていたぼくが最後に主役となったのはまあいいのか(?)。少年に救われた世界線があったということから、将来不幸になる少年、おじさんを救うため、願いを叶えるため、話に聞いた少年の魔法を模倣し、かつてのおじさんの時を戻す。結構複雑だなあ。。。
もう私の頭では理解できないんですが、結局少年が大雅によって救われた結果、大雅とましろはどういう運命を辿るんでしょう?結局、ましろが女王となり二人は引き裂かれて、そして少年は二人を救おうとする。4人を救うにはどこかの時間軸、世界線に犠牲になってもらうしかないのでは?正直、個人的に他世界解釈でタイムリープは難しいと思う……
以降はただただクロが健気過ぎて辛い。これまで以上に健気。
よかった、大雅がクロのことを忘れたわけじゃなくて。同じ最期を、同じ時間を生きていける次を手に入れられて。最後にひと泣きさせてもらった。あさひさんと十夜の命という代償はあまりにも大きいけれど、、、いややっぱりめちゃくちゃ辛い。今までは夜のイキモノとして、大雅たちを、ヒトを好きなことを悩んでたけど、最期はそういいきれててよかった。
いいなー大雅。あさひ姉さんがいて。一番羨ましい。いいエピローグだった。こういう終わり方でいいんだよおじさん登場。きっと転校生はハルの転生だろうな~。
最終ルートこそ感情移入したいのに、次から次へと視点がかわり、誰に感情移入すればいいかわからなかった…なんというかゲームというよりも小説を読んでいる感じで(それも正しくない表現な気がする、なんといえばいいのか。。。ドラマとか喋るタイプのRPGとか?)、後半はあんまり好きじゃなかったです(あまりに説教臭いし)。個人的にはクロルート後半で評価が下がった気がする……