えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

アマツツミの感想(響子ルート)

=朝比奈響子 ー声ー別世界の友人=

ー1ー

友達?が増え始める愛と一方あいかわらずボッチな響子.

 

響子が誠には話しかけられたのは転校生であることに加えて,その守護霊が柔らかい雰囲気があったからだそうな.

 

整合性を考えない愛の後始末をしていると,言霊を使っているところを響子に見られてしまう.そんなことより立ち聞きしてしまったことを謝る響子.忘れさせる前に内容を話すと,怖がるどころか尊敬の眼差しに...怖くないのはあなたが誠くんだから,でも誠くんが周囲に隠してるならどうぞ忘れさせてくださいと言う響子の記憶を消す気にはなれなかった.

 

響子と下校していると,誠の目にも霊が見えた.それは響子に触れている間だけ起こることだった.それでも見え方は響子の方がかなりはっきりしているらしい.どうも今までこういうことはなかったらしく,響子の苦労や幽霊を感じる嫌な感じが伝わってきた.

 

週末に近づいた灯篭流し.誠さんにはもう亡くなっているけど会いたいひとはいますか?と響子は聞く.響子のそういう人は初めての友達だった.

10年ほど前,快活な鈴夏という1歳年上の幼馴染.ある日連れだされた湖で,溺れた響子は助けようとした鈴夏にしがみついた.そんな響子を無数の白い手が水中へ引きずりこもうとする.気を失い,目を覚ました時,鈴夏は行方不明になり,今も見つかっていない.

あの時死んでいたのは自分で,みんなは悲しむはずもなく,鈴夏が生きるべきだったと響子が叫ぶと,刹那,聖域であるはずの境内に霊が迷い込む.響子と呼ぶその少女を響子は鈴夏と呼んだ.

 

ー2ー

訪ねて来た響子の隣には,鈴夏が無言のまま寄り添っている.もしかしたら触れ合ってる時に誠の言霊を響子が使ったのだろうか.真実はわからないけれど,鈴夏は横にいる.それにどうやら響子との間に物理的な力が働くようになって,離れることができないようになり,しばらくは言霊を使って同じ家で暮らすことになった.

 

遊びに来たほたるにも鈴夏が見えるようだった.ほたるは鈴夏が自分のことを幽霊だとは思っていないように見えるという.生まれちゃったものだから尊厳を持ってほしい.それがほたるの願いだった.

 

ドーナツ作戦で響子と愛が少し仲良く.

別に49kgそんなにでは!!身長知らないけど!!

ー3ー

週も明け.人前で鈴夏に構う響子はかなり不気味だった.注意したのも時すでに遅く,クラスメイトからは奇異の目で見られる.しかし二人が付き合っていると勘違いした光一をはじめとするクラスメイトにその誤解を解こうと全員に話したことで,少々誤解も解けたようだった.級友に少しずつ話しかけられ始める響子は疲れているようだったが,満足げな顔だった.

 

訳ありげな光一と響子の関係を放課後光一は話してくれた.光一にいた1つ違いの姉.10年前に亡くなった鈴夏の弟.当時は響子にも強く当たってしまったらしい.仲直りはしたいが,それが自分勝手なのではないかと悩んでいた.光一はそのことだけを話し,朝比奈をよろしく頼むと去っていく.物理的制限からもちろん響子もそれを聞いていた.

 

ー4ー

二人を引き合わせる.二人は今までの心中を明かし,友達になった.

 

どうしてもお礼がしたいという響子に,この前の続きをお願いする.響子を抱きたいというのもあったし,この前の響子の言葉も本心だから問題ないだろうと.

 

愛にも鈴夏の姿が見えるように.どうも響子との関係が接近するにつれ,だんだんと生き生きとし,はっきりとし始めている節がある.言葉も話せるようになっていた.浮かれる響子に現実を継げたのは愛だった.過去は言霊の力でも変えられない.死んだ人間がよみがえることはない.いずれ終わりは来る,それは誠も同意だった.

悪霊っぽくなくてよかったよ.

 

ー5ー

誠自身もだが,響子も疲れた様子だった.

ますます鈴夏の存在感は強くなっている.誠は思い当たる節があった.

 

絶対生命エネルギーを吸ってやがる...響子が自身の命を鈴夏にあげているって感じが近いかもだけど.

 

ー6ー

暑いのが苦手という鈴夏.しかし光一が言うには鈴夏は夏が大好きだったそう.それ以外にも二人の関係が逆だった昔話を光一は話す.

 

光一と別れた後,響子には確認することがあった.鈴夏には離れてもらい,あの子は本当に鈴夏かと聞く.否定する響子にさらに踏み入る.なぜ食い違いがあまりに多いのか.響子はきっとあの鈴夏が響子自身が作り出したものだからという.誠の能力を借りた時,自身から大きく何かが抜けた感じがした.鈴夏に想いが届いたのではなく,自分の記憶の中の鈴夏を作り出したというのが正しかった.鈴夏は消さなくてはならない.しかし響子は鈴夏は鈴夏だといってそれを拒んだ.響子の意識は朦朧とする.そんな響子に鈴夏は一言あやまった.

 

ー7ー

鈴夏がいなくなったらしい.今になってあの時の愛の気持ちが分かった.ただ1つのあては,鈴夏自ら消えてもらうことだった.もう力は感じない.それだけ響子は弱っているのだろう.

 

鈴夏はほたると畔で話していた.もう誠にもはっきりと見える.鈴夏も状況は理解していた.それでも消える恐怖は受け入れがたい.受け入れがたいが受け入れなくてはならないこと.

ほたるは何故響子の願いを優先しないのかと聞く.誠の力でかなうはずのない願いが叶うならそれでもいいんじゃないかと.響子が死んでも,その響子の願いが叶って鈴夏が生きるんだからいいのではないかと.響子が本物だと信じていればそれでいいのではないかと.しかし鈴夏は言う.響子の理想の存在である私も響子に生きてほしいと思っていると.こうすることでまた響子は苦しむだろう.それでも響子には苦しんで生きて貰いたいという.それにきっと命をもらっても姿はおそらくこのままで,そんなのは生きているとはいえないでしょうとも.

 

響子にすべての真相を話す.はなから自分の死を受け入れていた.それはその言霊の時からだったのかもしれない.最初から自分の命は鈴夏からの借りものだったと思っていたのだった.命を返したいという気持ちは,誠には十分理解できた.

 

響子の気持ちは鈴夏の命と決まったようだった.それが響子らしさなのだと思う誠はみんなが幸せになる方法を考える.

これ,鈴夏の精神のでき方を見るに,完全に作りものじゃなさそうだな.

 

ー8ー

灯篭流し当日.二人はお互いにその命を捧げようとしていた.

 

死のうとする響子に,鈴夏は自分は響子を成長させるために,後悔と罪悪感から解放させるために生まれたのだという.そして何より,響子を死なせてまで私も,鈴夏も生き延びたくないという.しかしそれは響子も同じだった.何度死のうと思ったかわからない.それでも生きていたのは,これは鈴夏に貰った命だから,ただそれだけだった.

鈴夏は当時,響子を助けた時の心境を語る.死に往く中,どうも助からないと気づいた時,どうか響子だけは幸せにと願ったことを.それでも納得できない響子に1つ訂正をする.二人が友達になったとき,鈴夏が響子に話しかけたんではなく,響子が話しかけて友達になったこと.鈴夏の中にも初めは捏造されていた記憶.誠の力で思い出すと,確かにそうだった.それは本物の二人しか知らない記憶.泣いていたことを秘密にした約束を守り続けて忘れてしまった響子.鈴夏は響子のいいところをいっぱい伝えて,満足できたと言い残す.最期のお願い.それは自分の分まで生きて,幸せになって.まるで言霊のように響子に響く.それともう一つ.響子の口からお別れを聞かせてほしい.その願いを受け,響子は別れの言葉を,穏やかに眠ってほしいことを言霊のように放つ.

 

ー9ー

これからは私が誰かを助けたい.そう思いながら響子は日々を過ごす.そんな響子のずっと誠の傍にいたいという気持ちを,男性として受け入れる.

 

ー10ー

響子と愛に里のことも含めすべてを話した.2号でもいいという響子はお菓子でうまく愛にも取り入ったようだった...

 

ー11ー

言霊の力で響子の霊感を消す.

 

ー12ー

デート.どうも自分ではなく,周囲に不調というか不都合というかが多いそう.もしかして見えなくなった霊がいたづらしているのかとも思い,言霊を解こうとしたが響子はそれを拒否する.なので響子に触れて確かめてみると,以前とは違う善い気持ちになるものに響子は囲まれていた.

 

ー13ー

下校しようとする誠の身に降りかかる災難が続く.悪意は感じないのだが...

 

ー14ー

ボロボロになりながらもじゃ名をされていた折り紙にようやくたどり着いた二人.愛にも説得され,言霊を解くと,半狂乱になりながら響子は飛び出していった.

ずっとやばい悪霊が響子のまわりにいたが,守護霊がそれを守っており,それを気づかせようとしていたらしい.

 

ーEPー

 

 

これほどまでに自我のある存在に,これほど酷なことを言わなければならない,そしてさせなければならない.ほたるの言う尊厳を考えれば考えるほど,残酷な物語になってしまう.畔でのほたるの問いかけも重要ですよね.響子の命が風前の灯火という状況では,早く鈴夏には消えてもらわないと!って焦ってしまうと思うんですが,そこでほたるの様に冷静な考えに思慮を巡らせることができるのは本当に大切.

結局よく言われている話ですが,恩は違う人に返せっていうのは,理想論的には至言なのかもしれませんね.もちろんそれはこのストーリーで言うような話もありますが,個人的には恩をそのままその人に返すとそれはその人との太い繋がりが消えてしまうと思うんですよね.今回でいうと響子は自ら鈴夏との繋がりを断とうとしてる気がしました.その点,誠の行為と響子の行為が比較されているのは解せなかった.

これがもし本当の鈴夏の霊だったらどうなっていたんでしょう.誠は鈴夏の気持ちが響子から生み出されたものだということに重きを置いているようでしたが,元が何であれもうそれが響子から分離しているなら本物なんじゃないかなと思ったりもします.我々の抱く感情の中にはきっと,誰かから引き継いだ感情があるはずなんです.〇〇しなくてはならないという幼き頃から家訓が刷り込まれていたなら,その家訓だけが記憶に残り,まるでそれが自分の経験から考え出された教訓のように思っていることも大いにあると思います.そう考えれば,個人的にはそれが鈴夏の本物の霊であろうとあまり変わりません.だからこそ響子にとっての理想の鈴夏は自分よりも響子を優先したんです.もし響子の思うまま成長したなら鈴夏は響子の提案を受け入れるはずです.誠もおそらくは同じ判断をすると思います.すでに自分の命を犠牲にした人の願い(響子に生きてほしいという)を蔑ろにするのはあまりに不躾.

まあ結局本物の鈴夏が母体となっていたわけですが,それは直前なので誠の判断には関係ないでしょう.

 

その後はおまけですかね.G線とかひまわりっぽい分岐なので(厳密には違うけど),残っているこころルートもおまけっぽいですね.

続く.

アマツツミの感想(共通&こころルート)

コンフィグの設定に結構時間取られてしまった...メーターを0にするの難しすぎでは.それでにしてもマコト続きですね.

=第1話 織部こころ ー絆ー 穏やかな時間=

ー1ー

野垂れ死にそうになっていた誠は,織部こころという少女に顔を踏まれたのち保護された.こころとその母あずきは喫茶おりがみを営んでいた.

言霊使いの力をもつ人々が暮らすこの里に隠れ住んでいた誠は,ずっと外の世界に憧れていた.ここにはない人と人の繋がりに.時折聞こえる「行きなさい」という言葉に従うように,許嫁である恋塚愛を残して誠は里を逃げ出したのだった.愛は雪の言霊に囚われた,人一倍力の強い少女だった.嫌いなわけはなく,むしろ好意を抱いていた,抱かれていた.だから愛も外の世界に誘ったことはあった.しかし乗り気でない彼女を無理に巻き込むことはできなかった.そして誠は好きだからこそ人生の岐路の選択をした.進んだ先に何があるのかは進まなくてはわからない.

あなた陥没好きねえ...と口から出てきそうだった.じゃあメインヒロインは愛なのかな?

行きなさいと生きなさいの入れ替わりというかなんというかは絶対来るだろうな.

 

二人には言霊以外の感想を話し,店の手伝いとして居候させてもらうことになった.誠が使わせてもらうのはずいぶん前に亡くなったこころの父のものだった.亡くなってからも掃除し続けられている部屋.様々な想いが伝わってきた.

 

ー2ー

こころに町の案内をしてもらう.途中,こころの親友である水無月ほたるを紹介してもらった.病院の院長のお嬢様.ほたるには言霊の力が通用していない可能性があった.「あなたは,まだ,何色でもないのね」そういうほたるにはどこか吸い込まれそうなものがあった.

午後からはバイト.男の子というワードに何かを隠すあずき.何か助けになりたいという思いから言霊の力でそれを聞き出す.こころの生まれる前に流産した長男の話.ついでに呼び込みで力も使って,あずきさんの希望の人数の集客もした.

そして夜.再び行きなさいと言う声を聞く.これ以上どこに行けというのだろうか.

里にこもっていたからか,自分のもつ能力の怖さ,失礼さに気づいてないのかあ.ほたるに能力が効かないってことは,メインの可能性高いな,意味深な言葉といい.陥没なら確実なのに.

 

ー3ー

あずきは誠がやはり見知らぬ異性であるという点には少々心配しているようだった.だから誠はあずきに,自らが本当の息子であると,こころの兄であると言霊の力で言い利かす.ひと夏だけ.この心地よい関係はひと夏だけ.そう決め,常連さんたちとこころ,そしてほたるにもそう言い聞かせた.こころには当然のように力が聞いた.問題だったのはほたる.昨日のように力がほたるには効かない.特別な存在である自分の力が聞かないほたるは一体何者なのだろうか.

力が効かないとなっては仕方がなく,正直に力のことを,そして今までの話と意図を話した.ほたるは案外すっと納得し,協力までしてくれるらしい.なぜならおもしろそうだから.そして第一の協力として,学園に入るにはどういう人にどういえばいいかを手伝ってくれた.ほたるは力の恐ろしさ,誠の恐ろしさについて教える.なんでもできる能力.そしてなんでもできると当然のように思っていることの恐ろしさ.

ほたるは1つお願いをした.能力が効かないことを確認した上で「死ね」と言ってほしいと.誠ははじめてほたるの言うことが聞けなかった.誠さんはいい人だねとほたるはいう.だから怖いと.誠さんはいい人で,その力は確かにすごいけれど,里の掟からその感情は薄く,だからこそ外の世界できっと芽生えるであろう普通の人が持つ黒い感情が芽生えた時に恐ろしいことになると言う.悪意を持った誠を止められる人は誠自身しかいない.それがかわいそうで仕方がない.誰も助けてくれない.自分の善意と悪意に押しつぶされかねない.言霊の力とは個人の心の上に成り立つすごく怖い力なんだよと.誠は正直に答えた.まだそれがどんなものかはわからない.それを聞いたほたるは笑って今はそれでいいという.

ほたるは1つ本当のお願いをする.それはほたるたちにも使える言霊,約束でもあった.その力をみんなのために使ってあげてほしい.みんなの笑顔と幸せを守るために使ってあげてほしい.いつか目の前でどうしても許せないことが起こるだろう.そういうことがあったとき今の言葉を思い出してほしい.その人を許す必要はないけれど,自分を赦してあげてほしい.誠はその約束を言霊のように復唱した.

自分にも力が使えるなら,普通に生きたく思えば「言霊を使うな」と言ってしまえば,生きようと思えば生きれるのかな?

ほたるは言霊の怖さについて言及しているし,メインにしろそうでないにしろ最後に回そうかな.こころはあずきとセットルートの可能性ありそうだし,アオイトリ的に.それにしても考えていた誠の力の強さとその認識の齟齬をこれほどまでにキレイに言い表してくれて感嘆.

こころに「あずきさん」って言ったときスルーしたのは気にしなくていいのかな?深読みしすぎ?

 

ー4ー

初登校.浅川光一という友人もできた.そして恥ずかしがりやな朝比奈響子という神社の娘さんとも友達になった.誠と違って血ではなく,体系的に言葉とよく似た言葉を使う響子に,好奇心から力を試してみるとなんてことはなく効いた.むしろ神に近い誠に,力ないまま跪こうとしているようでさえあった.おどおどして変わっていると同時に,急に誠の後ろを見つめたりという変わった面もあった.

早速勇気を出した響子に誘われて,こころを交え3人で下校.どうやら響子にも霊感という力があるらしい.

響子苦手だから最初にしよう.響子が見ていた後ろの人物はだれなんだろう.もしも母ならそれ経由であずきさんとの関係の矛盾から力に気づきそうなもんだけど.

愛のことを忘れない描写はいいね.

 

ー5ー

響子を奇異の目で見る級友たちを言霊で何とかしようと思ったが,そんな時ほたるの言葉が思い出された.みんなと言われるとこの下種な級友も含まれるのかと.

ほたるを含めた3人と,学園内の教会に赴く.どうやらほたるは時折一人ででもここへきているようだった.

ほたるからの質問.誠を異性として意識しはじめているこころをどうするのか.

 

夜,こころからの一番好きなのは誰?という流れで出てきた質問.嘘はつきたくない.そう思い正直にこころと答えた.うれしそうなこころ.それでも二人の関係は京大なのだと,改めて言霊をかけなおした.しかしこころはそれでも誠にキスをした.

 

ー6ー

ぎこちないこころだったが,どうやらやはり本心のようだった.

そしてあっさりほたるにもバレた.面白そうな顔で1つ質問というほたる.目をふさがれてすぐ,キスをされた.初めてのキスの感触を質問しようと思っていたが,その前に応えないと言われていたからと.照れながら去るほたるは,メールでありがとうと言い残していった.

 

夜,喫茶店のではなく家の料理のレシピを残すあずき.それは自分が何かあったときのためのレシピ.今すぐどうこうというわけではない.それは頭でもわかっている.それでも声をあげずにはいられなかった.きっとこれが家族というものなのだろう.心配で心配で,乗り気じゃないあずきを言霊の力で,明日病院に行かせるようにした.

ずっと熱っぽいとか聞くと嫌な予感しかしないなあ.

 

ー7ー

2日経った.あずきさんも特に心配なところはなかった.

色々とほたるに相談する.といっても内容は愚痴だが,誠には愚痴が何かがわからない.家族愛と異性愛で悩む誠を肯定する.悩み続けるのがよいと.後悔してもいいから挑戦しようという広まった考え.いい話だが,もっと単純に成功したいという人の想いの強さに目を向けるべきだとほたるはいう.その言葉が,行きなさいという声と重なった.いろいろと話したが,自然と織部家が自分の家だと認識していることに気づいた貴重な一日だった.(話の中で,ほたるが先週の話を憶えていないことが発覚.)

 

こころとの散歩から帰ってくると店が閉まっていた.どうもあずきの体調が少し悪いらしい.自分の力ではどうにもできない.そういう無力感に苛まれる.きっと今日は心から家族になれた日になった.

 

ー8ー

あずきを病院に行かせ,こころも友人と遊びに行っているので店番が終わると暇になり,ほたるに連絡をかけると,やけに気落ちした声のほたるが誠を迎えた.ずっと眠れず,一人で礼拝堂に居続けたという.ほたるは一人でいることに耐えられないらしかった.そんな声を聞いていると動かずにはいられなかった.しかしそれをほたるは強い口調で止めた.今来られるときっと甘えて,傷つけてしまうから.そんな言葉を聞いて,はいそうですかと納得する誠ではない.

しかしすでにほたるはいなかった.きっとほたるのことだから誠にはわからないところにいるんだろう.それでも諦めず力を多用し,学校中を探す.

ほたるがいたのは誠の教室だった.解決しない悩みだから話そうとしないほたる.だから誠は以前自分がしてもらったように愚痴ならばと提案する.

明日大切な人を残して,自分が死ぬとすれば.それが今のほたるとほたるは言った.一日の記憶が翌日には続かない.そういう無意味で,無価値で,無駄な人生.かといって記憶喪失というわけでもない.そういうことを言って,世界への恨みを,そしてそんなことを考える自分へのつらみを零す.きっと僕とほたるは同じ,ひとつの命だと答えた.自分のことを「わたし」というほたるは,誠に会えてからの1週間は本当に幸せだったという.そしてこころと体を重ねていないことを確認したのち,電話でも言った通り,傷をつけさせてほしいと,傷をつけてほしいと願う.

ほたるの願いは今日あったことを忘れること.でも公開しているわけではない.むしろ幸せ過ぎて宝物のように閉じ込めておきたいほどだとにこやかに言った.ありがとう,私を傷つけてくれて,私に会いに来てくれて.あなたに会えて私,幸せになれました.そういうほたるはいつものようだった.

そんなとき,こころから電話がかかってきた.その内容はあずきが事故にあったというものだった.

ほたるを置いてついた病院で…あずきは笑っていた.つま先だけ.爪が割れただけ.しばらく体調のことも兼ねて数日入院するらしい.

入院の支度に戻ったこころと,あずきと話す誠.あずきはこれからの話をした.あの店は二人のもので,店はお兄ちゃんが切り盛りする.遺書も書いたと.本当は事故なんてなかった.おとといの検査結果はもう手の施しようのないことを継げていた.多臓器不全.あずきはそのことを寿命だといい,あと数日の命だという.いくら無駄とわかっていても,言霊を叫ばずにはいられなかった.あずきはずっと笑顔を浮かべながら話す.めちゃくちゃな味付けをこころに教えたのは,店に縛り付けないようにわざとで,お兄ちゃんも店に縛られる必要なんてないと,二人は自由だからなんでも二人で決めなさいと言う.

つい口から出てしまう,関係のない他者への恨み言を,ほたるは私になら言っていいと包み込む.だからこころには笑ってあげて,自分を赦してあげてと約束を再び告げた.

涙を流す,真実を知らないこころを抱きしめる.そんな時誠は気づいた.自分が涙を一切流していないことに.そんな自分の人間らしくない一面に.

ほたるを救う物語かーなんて思っていたら,ついに来てしまった…わかっていたとはいえ辛いなあ...涙が...

母さんが「また」死ぬのまたってなんなんだろう.ループ?

もしかしたらアルバムで誠が本当の息子じゃないって気づきながら,本当の子供のように接するのかもなあ.

 

ー9ー

昨日言霊を使いすぎたためかどうも言霊の効き目が悪い.

学園を休み,母のおみまいに.暗い話は嫌だと,退院後なにしようかとあずきに話しかけるこころ.3人で海に行く約束をする.自然と前向きに,そして物事の善い面を捕らえることができるこころを見て,再び救われた気持ちになる.

そして昨日,持ってきたアルバムにより,誠が実の息子でないと認識した.謝罪する誠だったが,あずきは叱るどころか,誠を叱ってあげるからと頭を撫でた.ようやく子供らしくなってきたと愛おしそうに頭をなでながら,何も聞かず,母として息子を迎え入れる.そうしてあずきが本当の母となった.

体調がすぐれないあずきに良くなれという言霊を残し,帰宅.そんなとき「私を認識できない」という愛に似た声が聞こえた.

硬く,曲がらない人間は手遅れになることが多い,だから柔らかくいてほしいと悩むこころを慰める.こころからの返答は意外なものだった.だからお母さんのことを気づかないふりをしていなくちゃいけないのか?長年二人で暮らしていた母の嘘に気づかないはずがなかった.言霊を使えばあずきの願う通りすべてを忘れられるだろう.しかしそれは里にいろということと同じ,幸せの押し付けに過ぎない.

放課後,ほたるが店を訪ねて来た.昨日のことは本当に覚えていない様子だった.3人を本心から心配するほたるはこころの顔をみて帰っていった.

ほたるに顔色を指摘されて,痛みを感じなくしていた言霊を解くと,もう建ってはいられないほどの体調だった.あずきのことはこころに任し,無理やり床に就いた.

 

誠を起こしたのは愛だった.愛は,神が人の世で生きようとするのが間違いだと告げる.死にたくなければ暫く言霊を使うなと言い残し,再び誠を眠りに誘う.

愛,ここで来るのか―

 

ー10ー

目に入ってきたのはこころの泣き顔.昨日の夜から声をかけ続けていたが,全く目を覚まさず気をもんできたらしかった.

昼休みまで登校する.笑顔を繕うこころに,ただ折れないように願う.授業中も,今この時にすらあずきが死ぬのではないかという恐怖に苛まれる.ただあずきのためにできることを探す.

神には力はあるが意志はない.他人には力はないが,意志がある.そういった響子の言葉から1つ矛盾に気づく.できないのに禁止される命に関する言霊の使用.勝手に勘違いしていただけで,命に関する命令も言霊で何とかできるかもしれない.

誠がたどり着いた結論は,言霊は命を代償にしているということ.だから使えば使うほど,大きな願いを願うほど体調も悪くなった.ほたるの言った通りだった.1つの命のために1つの命を使う.神として生まれ,10日間人として生きたこの命を,救ってくれた人たちのために捧げ,神へと戻る覚悟を決める.「行きなさい」そう頭の中に響く.もう行く決心はついていた.

 

最後の昼寝から目を覚ますと,こころがもう二度とこの家に母が帰ってこないだろうことを考え,泣いていた.きっと大丈夫だから,きっとこころの願いはすべて僕が叶えるから,そう抱きしめた.自分はこころのお兄ちゃんだから.誠までどこか行っちゃいそうだと言うこころに1つだけ嘘をついた.

夜中の病院で,眠るあずきの手を取りながら今までの感謝を,みんなへの好意を,死への恐怖を,そしてそれでもみんなを守らなければ生きているとは言えないことを伝える.ありがとうお母さん.

 

なんとか最期に月と湖を見れる猶予は神に与えられた.動かないからだ.それでも行きなさいという言葉が聞こえてくる.そんな誠を見守るのは愛だった.言霊の才能がなかったゆえに,たまたま生き残っているのだと誠に告げる.なぜそれを僕が知らなかったんだろうという,死に瀕して生じた純粋な好奇心.愛はそれをきっと誠に教えたら,思い出さなくていいことを思い出してしまうから教えづらかったんだという.亡くなった母のこと.行きなさいとずっと支え続けていた言葉.思い出せと言う愛の言霊ですべてを思い出す.病から死に瀕していた幼い誠.その誠の手を握り「いきなさい」と言い続ける女性.今も生き永らえられているのは,母の愛,間抜けな自分,そして今も愛が命を分け続けてくれているから.愛はそんな母からもらった命を無駄にしたバカといい,少しでもいいから里に戻ろうという.しかし誠はただバカなんかじゃないと言った.愛にお願いをした.ここにいたいから見逃してほしい.里を出て何かを見つけることができたのかという愛の質問.その返答は笑顔であった.これほどまでに笑えるようになったと返した.愛はずっと昔に失ったものを見つけられてよかったと嬉しそうだった.

 

こころに行き倒れていた時の記憶があるんだったら気づいてそうだけどな.

やっぱり来るよねえ...生きなさい...これは実の母の愛と,誠の間抜けさと,愛の愛のおかげであずきには元々あった誠の命の大半を,そして少々残った誠の命に愛の命の一部をもらって,二人とも「しばらく」生きられるってことでいいのかな?

 

ー11ー

こころの心配する声で目を覚ました.

 

あずきが退院してくる.誠の人としての生活はここから始まるのだ.

 

ーOPー

OP神.めちゃすこ.

OPで出てきた順番的に,それとOPのタイトル的にほたるんがメインっぽいっすね.

 

ほたるはある人にお見舞いをする.あずきのことを喜び,きっと言霊だろうと好奇心を露わにする.お見舞いをされた少女は,届きそうで届かない希望という絶望ををちらつかせるほたるに,ただ「早く死んじゃえばいいのに」そう思った.

 

ー12ー

戻ってきた日常.やってきた転校生(愛).織部の性を名乗る愛は,自称誠の妹で,誠以外には興味のない様子だった.愛はどうやら織部家で今日から暮らすらしかった...

 

こころの身体の強さっていうのはどうなんだろう.

ここでこころへの分岐かー.ということは共通はここまでで,ルートからだんだんとそれていく感じの分岐っぽいね.G線みたいな感じなら,各ルート見ていきたいし,続行しようかとも思ったけど,アオイトリの赤錆姉妹を考えると,響子は独立してそうだし,先にしよう.響子→こころ→愛→ほたる.

ほたるも絶望をちらつかせてるくらいなら,他ヒロインルートで邪魔とかしてきなさそうだし.

 

ー13ー

漫画をきっかけに愛とこころも仲良く.

 

ー14ー

兄妹だからこそ仲良くする.兄妹だからこそそれ以上の関係にはなれない.その覆すことのできない倫理がこころの頭を悩ませる.それは誠も同じだった.いつか,それも近いうちに言霊で作ったこの関係を解消しなくてはならない.

 

少々愛は疲れが出ているらしかった.

 

愛とこころのSDかわよー.

 

ー15ー

あずきは明日まで検査入院.

 

昨日のこともあり,そして母のこともあったのだろう.授業が面倒で早退した愛を涙ながらに心配するこころ.

 

兄妹という枷があろうと,二人の愛し合う気持ちは加速する.

 

ほたるのBGMのイントロ,ポケモンっぽくない?

たしかにこうみるとこころ,結構肉付きいいな.

 

ー16ー

あずきさん,完治.にぎやかな家庭.しかしそれも言霊を解けば終わってしまう.あずきとこころ,どちらが大切かと言われればこころと即答できるのに,この言霊を解除する踏ん切りはつかない.

 

ー17ー

兄妹は恋愛関係になれない.そんなこころの悩みを,愛は思わず言霊により決定づけてしまった.ひとまず言霊でその事実を忘れさせたが,誠にとっても愛にとっても居心地がよすぎる織部家で,誠のことが好きな愛がこころと誠のふれあいを見るということは複雑なものであった.

兄妹という家族の形と夫婦という愛の形.前者に愛はいるが,後者に愛はいない…例え言霊で愛だけを妹にしても,そんな辛いことって...そして愛の顔色の悪さ.愛する誠の幸せのため,自らの命を...なんて考え過ぎかな.

 

ー18ー

こころとお出かけ.不意に聞こえた,兄妹じゃなければ恋人になれたのになという呟き.愛するこころの願いを叶える方法はわかっている.

こんなにも言葉を紡ぐのがつたいのは初めてだった.真実を告げようとすると,愛も合流し,代わりに告げ始めた.こころ,あなたは私たちの妹ではない.混乱するこころは涙を流す.走り去っていくこころを追うことはできなかった.もう3人は赤の他人なのだから.愛はこれでもまだこころが誠を好きなのであれば認めると言った.

それでも自分のこころを愛する気持ちには偽りがないことを伝えたいと思う自分に反吐が出ながらも,こころを探すと先に帰宅していた.ずいぶんと顔色の悪い愛.

 

ー19ー

こころに避けられ,時間だけが過ぎる.あずきが受け入れた時のように,こころも受け入れてくれる.そう甘えていただけなのかもしれない.そう思い,町の人間の記憶をすべて消し,里に帰る決意を固めた.そんな時,ほたるに,公園で誠に会いたい人が待っていると呼び出された.

急いで向かった公園で,こころにすべてを告白する.生活のため,家族にしてもらったこと.その生活の中で異性としてこころを好きななったこと.こころと恋人になりたかったが,家族を解消する踏ん切りがつかなかったこと.それを解いたこと.そして明日里に帰ること.こころは自分が傷ついていないという.言霊が解かれても気持ちは変わっていなくて,それが恥ずかしくて,怖くて.だから帰らないでずっとうちにいてほしい.それがこころの願いだった.恋人か家族か,それを最初から選ぼうとしていたのが間違いだったのかもしれない.両方という選択肢をはなから捨てていた.そうして二人は自分たちの家に帰る.

ーEPー

以降何も変わりなく4人で暮らしている.こころに言霊はないけれど,あずきもクラスメイトもそのままで,こころは事実を知りながら兄として,そして恋人として誠との関係を紡ぐ.

 

うーん,やまなしたになしだったな.響子とどっこいどっこい?

なないろリンカネーションの全体の感想

ー総評ー

良作.一本道のストーリーに各ルートのキャラとの関わりが追加される感じなので分量は少なめ.

おすすめ順は

琴莉→あとは自由に

好きな順は

琴莉(GOOD)≦伊予<由美<梓≦琴莉(NORMAL)

賛否あるでしょうが琴莉はNORMALのほうが好きです.GOODは問題を先送りにしてる感が否めない.(書いてて思ったけど,GOODと思ってた方がNORMALかも.ENDネームからして.ENDネームがそれっぽいものの方が好きです)

梓ルートが好きなので,最後に梓ルートを持ってくるのが個人的におすすめ.

 

ー感想ー

なないろリンカネーションの名の通り,(4つだけど)なないろの生まれ変わりをそれぞれのルートで見せてくれました.中にはいわゆる生まれ変わりでなく,霊から鬼への生まれ変わりも.

一本道がゆえに,メインヒロインの琴莉が中心過ぎて他のヒロインが薄れてしまったなという気がすごくします.タイトル画面にすらいないしね.正直琴莉だけでよかったなあと思ったり.

なないろリンカネーションの感想(梓ルート,由美ルート,伊予ルート)

=梓ルート=

 

ほぼ一緒だなあ.要所要所にひろいんがはいってくる感じ.

 

ー9/13ー

西田宅へ乗り込む際,琴莉を任されていたのに止められなかったことを,結局事件を解決するのは1課であることを悔しがる梓.自分は何故刑事になったのかと.自分がしっかりしていれば,琴莉はいまもここにいた.琴莉も,きららも,百合子も死ななかった.

 

梓は軽率な行為とわかっていながら,一人西田に話しかけた.写真を見せると,それを笑いながら作品だと認める西田.支離滅裂な言動をする西田は梓の指を欲し,首を責める.

それを助けたのは真だった.罪状を認めた西田を梓は逮捕した.これでようやく終わったのだった.

 

ー9/16ー

今からやることはきららと小百合の願いを叶えること.そして琴莉を探すこと.

 

西田の場所を伝えると勝手にやるからときららは言った.

 

夜,一人になって琴莉を見つけた梓.琴莉は自分の居場所がないとつぶやいていた.私が好きだったのに,梓さんと,あなたさえいなければと...

そんな琴莉を梓は抱きしめた.私を好きにしていいよという.私が琴莉を悲しませてしまったんだから,私がすべて受け入れると.それを聞き,琴莉は正気を取り戻す.それでもこの腹に巣くう黒い気持ちは抑えられないから,そうなる前に逝かなくちゃ,そう自分に言い聞かす.そんな琴莉を受け入れ,すべてが解決したことを伝える.逮捕だけじゃ生ぬるいかもしれない,ごめんと言って.その言葉を聞いて,琴莉は成仏をした.生きているうちにみんなと会いたかった.生きているうちにこうやって抱きしめてほしかった.そういう琴莉に,梓は生まれ変わったら,自分と家族になるのは嫌?と提案した.琴莉の願うよう,自分と真は家族になるから,家族でずっと一緒にいようという.その言葉を聞いて琴莉は満足げだった.

 

あー琴莉ルート見てたからか,琴莉の無念の,恨みの涙で涙が止まらない.梓さんの正義感とやさしさにも.正直琴莉ルート以上に泣いた.

 

梓はまことに押しかけ,琴莉とのことを告げる.だから子供をつくろうとも.そうして二人は家族になった.二人が幸せになるために,琴莉を幸せにするために.

 

真と梓,そして伊予と鬼たちが暮らす家に新たな家族が一人.その名前は琴莉.ずっと前からの家族.

 

=由美ルート=

ー8/31ー

諸々のお礼として家にご飯の正体をされる.すぐに昔のような関係に戻れそうな雰囲気にどきまぎしていると,伊予の言葉が思い出される.由美との相性は抜群.そして由美の笑顔を見るたびに,芙蓉たちのことが思い出され,罪悪感にさいなまれる.ああきっとまだ由美のことが好きなんだろう.

 

ー9/1ー

由美と自然と話すためにアイリスとやるってのは最低だよ,真.

 

ずっとずっと由美は真のことを彼氏と思い続けていた.関係が疎遠になろうと,真が他の女性と体を重ねていようと.真のことだけを想い続けていた.

キュンキュンとなるねえ...

 

ー9/3ー

なにも捜査についてできることはないということを免罪符に,由美の部屋に入り浸る.

 

葵の発言から琴莉はその事実に気づき,一人落ち込む.

 

ー9/4ー

どうしても葵たちとの逢瀬のような状況を避けることは難しい.だから遂に由美にその仕事について話した.

そうはいっても霊感のない由美にはそれが信じられない.他の女の人との関係を許せと言われているようで,そのまま帰ってしまった.

 

ー9/5ー

梓さん経由で,由美がイケメンの弁当屋店員と話していたことを聞きジェラシー.

 

ー9/11ー

なんとか由美に西田のことを忠告しようとした.しかし自分は芙蓉たちとといって当てつけにその誘いを受けた様子だった.それを聞いて焦った真は西田を殺人犯だと言うが信じてもらえるわけがない,そう思った.しかし由美は真剣な目で自分に手伝えることがないかと聞く.冷静に考えれば,今までの話に真のメリットはない.それに真の嘘くらい見抜けるからと.

自分が真くんの一番近くにいたいと由美はおとり捜査を申し入れる.止めたのは止めたが納得していない様子だった.

 

ー9/13ー

全ての真相が明らかになった.放っておけば西田は捕まるだろう.それでももしかしたら本当に囮捜査をするかもしれない,そう由美のことを考えれば,じっとなんてしていられなかった.

ある意味自分のせいで責任を感じていた伊予は1つ提案をする.由美の望みも叶え,由美の安全も確保し,西田も速攻逮捕する,そして由美の留飲も下げる.

 

由美に被害者の遺体を見せる.ようやく本心から真の言っていることを信じ,恐怖もあらためて芽生える.それでも自分は真の彼女だから,真の役に立ちたいからと捜査に協力することを願い出た.

 

ー9/15ー

警察の護衛とアイリス,葵の護衛.

デート現場(仮)となった西田の家で作戦は開始した.それは鬼の力を使い,きららと小百合を呼び出すこと.死体のままの...ただ自分の死体を動かして二人が西田を驚かしただけだけど,これには西田もびっくり.これで由美が死体の目撃者となった.

二人も事の顛末を見届け次第,成仏するようだ.残る気がかりは唯一食卓から欠けた琴莉の姿だった.

 

由美の家を訪ねる首の切れた琴莉.しかしそれに由美が気づくはずもなかった.

 

ー9/16ー

やけにテンションの高い由美が訪ねてきた.違和感をおぼえるまことに,アイリスが真実を告げた.この人は由美じゃないと.そしてなぜかそこに懐かしさもあるとも…目の動きからアイリスたちのことも見えている.ふるまいからするにきっと琴莉なのだろう.そのことに伊予も気づいていた.やはり由美は琴莉に取りつかれている.何とか刺激せぬまま成仏させねばならない.それも琴莉が満足して.

そりゃそう来るよなあ...死んでいたのに生きた肉体も手に入って.

 

観察をしてみて,どうしても琴莉が悪霊になっているとは思えなかった.だからこそ話し合いで何とかしようという意見で一致する.

琴莉はためらいもなく由美に取りついたと言い,もう自分は悪霊なのかもしれないと悲しそうにつぶやいた.好きな真と添い遂げられる資格すらない琴莉は1つだけお願いした.1回だけ恋人にしてほしい.自分を由美と思ったままでもいいから.

簡単な願いだった.それでも真は首を横に振る.こんなやりかた琴莉のすることじゃないから.生きてるとか死んでるとか関係なく,琴莉の姿のまま会いに来てほしかった.そう伝える.自分は自分だと受け入れてくれて,たとえ真の1番じゃなくてもそれは幸せだったと,これ以上二人を不幸にしないために成仏するという琴莉は一方的に別れを告げてあの世へと旅立った.

役目は果たせたかもしれない.それでも最高の形で送ろうと思っていた相手を最低な形で送ってしまった.愛する真に迷惑をかけたくないがためだけに,成仏した.

そんなことを話しているとようやく由美は目を覚ます.一度憑かれたことで,由美は伊予たちの姿が見れるようになっていた.正確にはまだ由美の中にいる.琴莉の記憶も一部引き継いでいる様子だった.このままでは同化し,由美とも琴莉とも違った人物になってしまう.

琴莉と引き留めたのは由美.由美が読み取る琴莉の願いは真と結ばれる以上に,みんなと家族のように過ごすこと.でもそれが叶わないからせめて真とかと思い,由美に入ってしまったようだった.

伊予が言う唯一の方法は,琴莉を鬼にする方法だった.加賀見家が生み出した外法.使えば不幸になるだろう.その方法は真と由美の子供を贄にすることだった.本来なら時間は足りない.しかしすでに由美の中には真の子供が宿っていた.真にその決断が出せるわけもなかった.

すると笑い出す伊予たち.悩み続けることこそが答え.人と霊を対等に扱うその気持ちが最も重要だった.霊から鬼を生み出すのに贄が必要なのはほかに鬼がいない場合.今回は3人も鬼がいるからそれは必要がない.鬼に代えても愛するものと添い遂げたいという秘術.それでも外法は外法.琴莉は人の輪廻から外れ,永遠に鬼として生きていくしかない.ちなみにお腹の子供は嘘らしい.

ええ...でも血を贄にするとまずいんじゃ...

 

ー9/17ー

朝起きて居間に行くと,そこには仲良さそうに話す由美と琴莉がいた.琴莉はお茶が飲める喜びをかみしめる.新たに犬型の鬼と妻(予定)を家族に加え,加賀見家の日常は続く.

 

やはり血が必要らしい.伊予は血はできるだけ与えるなという.血の味をおぼえてしまうと,,,らしい.その代わり同時に与えた精液で代用.そして浮気の心配する必要もないと真実を告げた.もう二人は深すぎて,完全に分離できないほど混ざり合ってしまっていた.だからこそ外法を使わせた.身体は別かもしれないが魂は2人で1つ.真にできるのは二人を死ぬまで愛することだった.

事後,琴莉は自分のせいでもっと幸せな未来を壊してしまったと由美に謝罪する.それを聞き,由美は珍しく怒った.琴莉と会えてよかった.琴莉のおかげで本当に真のことを理解することができた.鬼との関係も納得することができた.他のみんなの姿も見えるよう事ができるようになった.全部全部琴莉のおかげで,琴莉がいたからこそ今という最高の結末にたどり着けたんだよと.

 

まあまあかなあ...特に何か感想があるかと言われればない.

 

=伊予ルート=

ー9/21ー

琴莉は見つからなかった.はじめは冗談のつもりで言ったが,本当に真が望むので伊予はその性欲を受け入れる.

その夜,琴莉は伊予と真をたずねる.あまりに不安定な状態だと伊予は思っていた.しかし琴莉は正気だった.返事ができなかったのは涙が止まらなかったからだった.琴莉はそのまま逝こうとする.真の声を聞けばきっと逝く気がなくなるから.逝くものは止められないという信念に従い,伊予は止めない.ただ1つ告げる.人には来世があること.たとえ生まれ変わったとき真がいなくても私はずっとここにいるから,今度は友達になろう,なりたいと.しばしの別れを告げた二人は静かに別れた.そんな別れを真も静かに偲んだ.じっと我慢し続けた.琴莉があの世に逝けるよう.小鳥の願いを叶えるよう.後悔はきっとあるだろう.これからもあるだろう.でもそれが真のお役目で,逃げ出すことができても,きっと真は逃げ出さない.たくさんの別れはあるけれど,それでも私だけはここにいる.幾千幾万の別れがあろうとも,私だけはずっと変わらず,この姿のまままこちゃんを支え続ける.伊予はそう約束してくれた.

 

役目に励む真はある日一匹の野良犬を見つけた.初対面じゃない風に懐く犬を真は家族として迎え入れる.そんな犬を伊予は愛おしそうに膝でなでる.

 

おまけっぽいなあ.ほぼ琴莉ルート.伊予の正体もルーツもほとんど謎のままだからうすくなるのは仕方がないか.惜しいですね.

なないろリンカネーションの感想(共通&琴莉ルート)

RIPPLEをやろうか悩んだ果てに.

 

ー8/19ー

大好きなおじいちゃんが生きていた時の遠い夏の日の思い出.

亡くなった祖父の家出念願の一人暮らしをはじめようと引っ越してきてみると,思い出の日々にいたはずの少女が一人...それも姿も変えず...

この家と土地と,そして霊視能力を受け継いだ加賀見真の使命は,この家に住み着く人ならざる者たちを率い,この町に漂う霊魂を沈め,町を守護することであった.近所に住む少女と思っていた座敷童の伊予,そして鬼の桔梗との生活が始まった.

 

ー8/20ー

幽霊探しの道中,真と同じく霊視能力を持つ少女,滝川琴莉と出会う.琴莉が探す飼い犬はすでにこの世の存在ではなかった.霊視能力を持つはずが自身の飼い犬が死んでいることには気づけない琴莉.

 

鬼は指定の能力を持った鬼を生み出せる.犬の残留思念を読み解くため,その能力を持った鬼を生み出そうとする.その代償は血液か精液.血液の場合,非常に危険なので...

 

ー8/21ー

新しく共に暮らすことになったのは,猫耳鬼の葵.

 

残留思念を読み取りにその場所へ向かうと,大学の同級生の由美と出会った.

犬から読み取られた思念.車に引かれた彼はきっと痛かったろう,無念だったろう.それでも残留思念は琴莉のことだけを考えていた.

琴莉は腐敗し始めた遺体をためらいもなく抱きしめる.ずっと一人で,暗い中耐え続けた愛犬に,寂しくさせていたことを謝り続けた.真も抱く.皮肉にも初めてぬくもりを感じた.

本当はそうじゃなかった.引かれた直後は息があったのだった.それでも犯人はとどめを刺し,溝に押し込んだのだった.こんな事実は伝えなくていい.真が忘れなければそれで…

 

夜,桔梗が挨拶に来る.祖父の血で生まれた桔梗.本来鬼はその主人と共に逝くもの.桔梗は真の役目を伝え,真の鬼を産むという目的があったから残っていただけの事.葵を産んだことで力を使い果たし,主人のもとへ逝く時が来た.80年後再会を約束して.

 

わんわん泣いちゃった...作られた真実と本当の真実の両方でそれぞれ泣いた...そして桔梗のところでも泣いた...

 

ー8/22ー

わんちゃんを火葬する.琴莉から真に1つのお願い.供養のお金は真の仕事を手伝うことで返済したい.お金よりも手伝いたいという気持ちが強かった.もし自分が真と出会えていなかったら.そんな不幸な人を,霊を少しでも減らしたい.一人でも多く,悲しみを笑顔に変えてあげたい.そういう純粋な想い.

 

火葬って苦手なのと,犬飼っているのとでまた涙が...

 

ーOPー

いやー冬からくくるのセットで買ったんですけど,こりゃいいなあ.

 

ー8/25ー

お金が!ない!ということで(元凶の)伊予の勧めもあり,家事特化の新しい鬼を産むことに...そしてその方法が琴莉にバレてしまった...

 

最後の晩餐にした琴莉おすすめの喫茶店は由美の勤務先だった.

 

ー8/26ー

新しく来た鬼は桔梗そっくりの芙蓉.能力は人に見えるというもの.これで家事だけでなく,買い出しも...

 

買い出しでさっそく由美と出くわす.気まずそうな二人...ふぅん...

 

伊予からの仕事の紹介.いらっしゃったのは霊の見える刑事の伏見梓さん.お仕事は警察にきた心霊現象の類の処理のお手伝い.最初の依頼は事故多発の現場調査.これを見事解決に導いた.

 

あまりに放任されている琴莉はみんなのおかげで家族を知ることができたと真に感謝する.そんな琴莉と家族の約束をした.

 

ー8/28ー

例の喫茶店で梓と仕事の話..

仕事のお話.それも結構やばめの.

当然由美もいて...霊能探偵の話を聞かれてしまう.めちゃくちゃ変な方向に誤解された.ある程度誤解を解くと,友人の依頼をされた.友人の家庭教師先の子供が行方不明.

 

ひとまず梓さんの依頼で出て来たのは変態の悪霊...そんな悪霊の精神と同化したくもないなあということで新しい鬼をつくることに.能力は精神感応,いわゆるテレパシー.

 

ー8/29ー

新しい家族の名はアイリス.

 

梓さんによると悪霊は変態プレイを通報され,その確保時の警察の不手際による事故.怨念は不手際か,通報そのものか,愛人への強硬的逮捕か,家族へばらされたことか...

 

実は紳士的だった霊.心残りは蹴ってほしいこと...?(嫌がる)琴莉の協力もあり無事成仏.

 

お礼はいらないと琴莉はいう.その代わり聞きたそうにしていた由美との関係について教えた.大学入るまで付き合っていて,二人して同じ大学に入って.そこから現状維持の自分とどんどんあか抜けていく由美.そこから自然消滅した.

それだけじゃだめだと1つお願いを聞くと,お兄ちゃんと呼びたいという琴莉.これからは兄と妹.

 

ー8/30ー

由美がやってくる.まったく霊は見えていないらしい.

行方不明の女の子の名前はしまきらら.嶋といえば昨日成仏させた変態も嶋だった.梓さんに確認してみたところビンゴ.ちょうど父の死からの行方不明...

 

今度の依頼は工事現場で目撃される女の子の霊.その少女は嶋きららの可能性が高い.伊予はこの霊はまだ真にははやいと止めるが,真は取り合わない.珍しく怒った口調で葵やアイリスに何があっても真を守れと命じ,真と琴莉にはなにかあれば逃げろと忠告した.

 

出会った瞬間に首を絞められる.本来なら鬼の力で守ってもらうべきなのだろう.しかし真がアイリスと葵に命じたのは,きららの心を読み取ることだった.

結局,なにも読み取れず仕舞い.葵とアイリスは伊予から本気で怒られていた.ついでに逃げなかった真も.伊予によると祖父も自分よりも霊優先だったらしい.そんな祖父をいつも不安に待つことしかできなかった伊予の気持ちも十分わかった.

反省した二人はもう一度だけきららの思念を読み取りたいと願い出た.

お留守番の真を,心配する琴莉は護衛.なんとお風呂まで...真が死んだら他の皆もいなくなる.なにより真に死んでほしくない.そんな気持ちが伝わってきた.

芙蓉を保護者に仕事に行った3人はしっかりと思念を読み取って帰ってきた.どうも男性に話しかけられた莉認識したりすると狂暴になる可能性が高いらしい.きららが残した,どうして私を殺したの?という言葉.おそらく,きららの心残りは復讐.そしてなにより時系列も話してる内容も無茶苦茶らしい.その中で唯一ぶれていないのが,日常を送っているという認識そのものと復讐心.葵がいうにはこの場所で殺されて,別の場所に運ばれてきたらしい.ついでにお風呂一緒に入ったこともバレた.

 

ー8/31ー

まずはきららの遺体を探す.事件を追うな,霊を追えという伊予からの至言だった.しかし葵によると犯人は琴莉の犬のときと同一犯.霊を追うことは忘れないが,犯人追及も決して忘れない.

 

ー9/1ー

とはいえ真が動くことはできないのでのんびりしていると,祖父のお役目についての記録を見つけた.

 

祖父の記録を見つけるってだけで涙腺やられる.

 

進展なし.

ご褒美と言って行為をしていると琴莉に見られた.

 

ー9/3ー

祖父の記録.あるかもしれない生まれ変わり.紡がれていく記憶の欠片.ますます事件の解決を強く思う真は,あれを見てから来なくなったことも気がかりだった.伊予や他の皆にに確認を取り,そういったことをするのはできる限り控えるように決めた.ここは琴莉の家出もあるから.

 

ー9/4ー

琴莉復帰.

 

ー9/5ー

きっと6冊構成のうち1冊の日記が見つからない.

 

あまりに進展がないので,狂暴化したあとのきららさんと会話しようと宣言した.これも祖父の記録からの受け売り.そこで反対の嵐かと思われたが,反対派琴莉のみ.他の皆は主人が決心したことならばと,そして伊予はもう悪霊を理解したのだからと協力.そうして琴莉もしぶしぶ賛成.

 

決定的な証拠は得られた.しかし心を覗かれた怒りから,金縛りに陥ってしまった.万事休す.そんな真を助けたのは琴莉だった.不思議な光が琴莉を包み込む.恨むべき相手が真ではなく,真こそあなたを助けてくれる人ときららに説く.それでも自分が好きだった人が,裏切った人が真と勘違いするきららに,琴莉は真を好きなのは他でもない自分だと宣言する.刹那,琴莉から不思議な光が放たれた.きららは消える,金縛りも消える.おそらく琴莉を恐れて逃げたのだろう.しかしこの力はもう使わせないほうがよさそうなほど疲れ切っていた.

そんな状況を眺める虚ろな少女が一人.

 

あの光は霊子といって鬼の力に近いものらしい.伊予によると…なんもしらんらしい.それでもそれが真を守った,優しい力ということは確実だと琴莉に感謝を示した.

そして掘り返される琴莉の告白...

 

伊予の嘘がわかったときは苦虫をかみつぶしたみたいになった...

 

ー9/6ー

おそらくは殴られたのは別の少女で,きららは自分で車に乗り殺された.梓さんは予想があたったと残念そうに言う.もう一人,同じ時期に,同じくらいの年頃の少女が行方不明になっていた.手がかりはなにもないが,今までの話を合わせるとおそらく...

 

由美に梓さんとともにいろいろ聞く.幸運なことに,由美の友達は犯人ではなさそう.

 

公園で改めて琴莉から告白された.返事はもちろんYES.

いつから琴莉ルートに入ってたんだ~~何も考えてなかったのが答えだけど…まあ今回の犯人は琴莉に関係するっぽいしこれでいいのか...?

 

ー9/7ー

帰宅すると,梓さんに見せられた女の子,そしてあの日真たちを見つめていた女の子が真たちを訪ねていた.伊予が応対していたということは彼女は死んでいる.彼女は声も出せない.アイリスの能力を使い,会話を試みた.

名は野崎小百合.真たちが死者の見える人間だと知って,依頼をしに来た.死因は首を切られたことにより出血し,自らの血でおぼれ死んだ.話そうとすると首が切れ,血が噴き出す.確かにそれでは声も出せなかった.その依頼は家に帰りたいというものだった.どこにあるかわからない自分の身体を探してほしい.ずっと不安に思っている父と母を安心させるために.必ず見つけ出すと約束た.

案内された殺された場所での思念を読み取る.葵によると,最初の事件は小百合のほう.そしてそれは衝動的なものだった.

 

小百合ちゃんのところ,辛すぎて涙がいっぱいいっぱい...

 

ー9/8ー

梓さんに琴莉の飼い犬の話をし,そちらの操作も頼む.

 

夜,葵とアイリスと買い出しに出かけた時,そのレジ袋から小百合に関する思念が感じられた.つまりこの店の店員に犯人がいるということ.そして店に停められた自動車から犯人がわかった.

 

ー9/10ー

弁当屋の店主の息子こそが犯人.名は西田巧.あと一歩.証拠さえあれば犯人を捕まえることができ,そしてきららと小百合も成仏させることができる.

 

西田の名を出すと,きららは意識をしっかりとしたまま真と話すことができた.ここにいる理由は,ここで待ち合わせしているから.愛していたからなのか,犯人をかばうきらら.きららのやり残したことは,デートの上書きなのだろうか.復讐したい気持ちはあるのだろうけど,それでも愛する者を信じて,信じたくて待ち続ける矛盾.

いつも通りに見せながらも,きららや小百合たち,そしてそうしたい真のために犯人を追い詰めようとする葵を見ているとまた涙腺が...

 

張り込みの末,次のターゲットが判明した.それは以前会話していた由美.

 

ー9/11ー

由美にはそれとなく伝え,梓さんの同僚を護衛に.

心の声に基づけば,西田はどこかに遺体を保存している.それさえ見つかれば...

 

待ち続けた末,きららは口を開く.それは殺されたのが自分だけじゃない,最初の人間じゃないという歪んだ嫉妬によるもの.歪んだ愛情表現だと信じていた一縷の願いが途切れたことによるもの.西田は勉強に集中するための部屋を借りていて,その場所も知っているが説明はしにくいからと,嫌がっていたのに心を覗かせてくれた.そしてきららから1つお願いをされた.それは西田が捕まる前に1度合わせてほしいというもの.黙っていればきららは幸せなまま逝けたかもしれない.それでも次なる犠牲者を出さないために,その幸せを踏みにじった.だからこそ,必ず西田を捕まえなくてはならない.

きららの,殺されたのが自分だけじゃないって聞いた時の表情がもう辛くて辛くて...

 

その家の思念からついに見つけた.きららと小百合の身体.

 

あとは令状を取って捜査する,もう真たちにできることはない.

来るんだろうなあ,由美襲われるパート…

 

ー9/12ー

進展なし.そこで梓さんは葵とアイリスに中に突入して写真を撮ってくるよう依頼した.しかし鬼の制約からそれはうまくいかないことが伊予からつげられた.捜査課の課長がその事実を知らないわけはない.つまり,表立って頼めないが真に突撃して来いと...あまりに危険な依頼に,みなは反対するが,真は受諾した.琴莉もそれについていく.

 

なんかすっごい嫌な予感してきた.いつも制服の琴莉...考えすぎであってくれ...

 

ー9/13ー

ついに決戦.

室内には大きな業務用冷蔵庫と小百合,きららの身体.その身体は一度解体されたうえ,接合されていた.それもちぐはぐに.小百合の頭に,きららの体.そしてそのさらに奥には,琴莉の首...

自分の顔と対面し,首から血があふれ出す.そして琴莉は消え去った.

 

あああああやっぱり...ミスリードがうまいよお...コタロウの話の.

 

最後の最後に失敗した.いま真のすることはきららの願いを叶えること.復讐心がないわけではない.しかしきっと琴莉ならそうするはずだから...

そう伊予に告げると,最後にのこった 祖父の日記を持ってきた.鬼の枷を解く.人の目には見えぬほど,力を抑え込むための枷.真を力に溺れさせないための枷.

 

真は西田の前で自身の手首を強く切る.真の血を覆った真なる鬼の姿.芙蓉の力できららと小百合を実体化させる.葵の力ですべての記憶を拾いとり,西田に伝える.アイリスの力で会話を成立させる.

これでおしまい.朦朧とする意識の中,きららは成仏した.

 

ー9/21ー

西田は捕まった.受験に対するストレスから自分を名医と思い込み,理想の女性を造ろうとした.顔が好みな小百合を衝動的に襲ってしまい,そしてそこからは計画的に,両腕,両足のためきららを.胴のために琴莉を.

3人はようやく自分の家に帰れた.両親と仲が悪く,友達が少ないと言っていた琴莉の葬儀にはたくさんの人が来ていた.それが嬉しくも悲しかった.

 

毎日を無為に過ごす.

 

小百合が挨拶に来た.別れの挨拶.きっとまたいつか会おうと約束して.笑って逝った.

 

今日も琴莉を探す.そして出会う.普通に.いつも通りの琴莉.それが嬉しかった.真は琴莉の飼い犬に琴莉のことをたのまれていた.

いつもの日常が返ってきた.しかしこの日常はきっといつまでもは続かない.

おそらくここまでが共通なんだろうな,細部を除き.あとは各ヒロインエピローグがあって終わりかな?それとも琴莉の成仏まで?

ご飯食べてるふりは気づかないようにしてたのね.そりゃプレイヤーは気づかんわい.

 

気丈に振る舞っていた琴莉も,真の前では本心を見せtあ.なんで私なんだ.みんなと出会えたのに.家族の良さを知ったのに.家族ができたのに.真さんの彼女になれたのに.涙を流す琴莉に,真はただ抱きしめることしかできなかった.

 

ー9/22ー

別れの時が近づく.

二人はデートをする.最期のお願いと言って連れていかれた場所は遊園地.楽しい時間は瞬く間に過ぎる.きっとここから帰るのは真だけなのだろう.

最後に乗ったのはメリーゴーランド.琴莉は語る.今までの感謝を,別れを.そして1つの質問を.真さんが私と付き合ってくれたのは自分が幽霊だったから?

 

=そうかもしれない=

そんなこと言いたくなかったよ!でも一応!一応見とかなきゃ!

 

少なくともあの時は.そう答えた.それはお役目を果たすため.琴莉の未練を少しでも残さず,あの世に送るため.最後に愛を伝える.真も愛を伝えるメリーゴーランドは止まる.抱きつきながら,その感覚は消失した.琴莉は消える.どれほど行かないでほしくとも,その言葉は言ってはいけない一言は口から出なかった.誰よりも琴莉が幸せになれますように.こうして真の最初のお役目は終わった.

 

ー9/26ー

無気力.梓さんも依頼は止めている.

伊予から琴莉からの手紙を渡された.真が立ち直れなかったときのための手紙.二人が出会ってからの一つ一つの思い出.あふれんばかりの感謝の気持ち.愛の気持ち.殺されたことは辛かったけれど,それでも真さんやみんなに出会えたことを想うとその憎しみも消え去ってしまう.そして本当はいつまでも一緒にいたかったこと.しかしそれは真を縛ることになってしまうから.そう思うと成仏することが嫌なことには思えなかったこと.悔いはない.ありがとう,私と出会ってくれて.ありがとう,私を彼女にしてくれて.ありがとう,ぬくもりをくれて.私の最期は幸せでした.そして追記で.次の人生で,真も次の人生を歩んでいた時,神様が二人を出会わせてくれたら,どうかまた,あなたの恋人になれますように.と.

 

どこかの幸せそうな夫婦と飼い犬.

 

予想はついてたけどわんわん泣いた...なんなら真より泣いてる.泣き止んだ後の1枚絵もリンカネーションかあ.タイトル通りの結末だなあ...メインヒロインは最後に取っておくタイプだったけど,今回はたまたま琴莉が最初にきてくれてよかったかもしれない.

 

=それだけじゃない=

そういう気持ちもゼロではないが,それだけではない.そう本心を伝えた.引き留めたい.しかしそんなことはできない.琴莉のためにも.最後に愛を伝える.真も愛を伝えるメリーゴーランドは止まる.抱きつきながら,その感覚は消失した.琴莉は消える.どれほど行かないでほしくとも,その言葉は言ってはいけない一言は口から出なかった.誰よりも琴莉が幸せになれますように.

その瞬間,真は思わずその手を取り,琴莉が逝くことを止めてしまった.琴莉も気持ちは一緒だった.いいはずがない.それでも止めずにはいられなかった.

これBADだろ...真が生きている間はいいけど,死んだあとどうするんだよ.鬼たちとちがって取り残されるぞ...

 

伊予は忠告をする.現世から取り残されながら現世に生きる琴莉が味わうであろう苦しみを.そして祖父も同じ道を通ったと.真と同じように霊に恋し,添い遂げようとしたが,うまくいかなかったこと.そして少しでも長く琴莉といたいのなら,性行為を控えるようにと.生を生み出す行為は霊を消滅させることになるから.来世もなく永遠に.伊予は伊予で応援する.悔いのないように精いっぱい生きろ.それが琴莉のためになると.私はずっといるから.

そして琴莉も真実に気づいていた.今が永遠ではないことに.それでも残された時間を二人は噛み締める.

 

こっちがGOODっぽいけど,やっぱりBADだよなあ...なんかこっちはもやもや...

伊予は最後にして次は梓さんかなあ.

続く.

ANONYMOUS;CODEの感想

ーー

すべての物理的現象のシミュレーションが可能になったら...カオス理論の限界を超えたGAIAを使えば,現在だけでない,未来にすら干渉できる.そんな何が現実で何が虚構かわからない世界で,困っている人を見過ごせない高岡ポロンは一人の世界を救おうとする少女を救うため,セーブ&ロードを繰り返し,シミュレーションを打ち壊す.神をハッキングせよ.

ーー

恒例の女性が苦手な,そしてかなり変わった,けれど決めるところは決めてくれる主人公.陰謀論がいつもよりマシマシの内容.「普通に」おもしろかった.「普通に」

なんというか,劣化版シュタゲ?よく言うならシュタゲリスペクト?面白さで言えば

シュタゲ≧カオチャ>越えられない壁>カオヘ≧アノコ>ロボノ

とにかく短~~~~い.7年の結果そぎ落とし過ぎたんでしょうか?これでオカンみたいに「実は完成版じゃないんです」とかいいはじめたらもう…ちょっと...5年以上延期して,その結果完成版じゃないまま出すんかい!ってなりません?

 

漫画でテンポが悪くなるかなあと思っていましたが,結構サクサクしてました.何故これをわざわざ使ったのかはわかりませんが(正直なくてよし).

ポロンの視点でないときはBACKLOGが見れなかったり,細かいところも作り込まれてたし,なにより,上位の世界層にいるプレイヤーである私と,ゲームの世界層にいる主人公のポロンがその世界層を越えて協力しているのは新鮮でした.メタ系のゲームが偶然続きましたが,こっちは明らかに意思を持っているので違って感じましたね.まあ言ってしまえばタイムリープそのものですが.だからこそ長過去への遡行で岡部のときのようになってしまったんですかね.面白いものの,1行でも早くハッキングトリガーを使うとだめ,みたいなところが多く不便さも感じました.その1行で何の心変わりがあったんだい?ポロン.

 

おすすめ攻略順は...なんてものはなく,1本道.おいおい...ハッキングトリガーを自由にさせてしまうと膨大な分岐になってしまう.だから(仕方なく?)1本道にしようって感じなんでしょうが,それで今までのシリーズではあった各ルートを失くしてしまうのは…これは規模を大きくし過ぎて,絶対に終末がくるから1本道になってしまうっていうのもあったのかなあと思ったり.でもシュタゲみたいに諦めて余生をサブヒロインと過ごすみたいなのあってもいいじゃないですか...主人公の葛藤が垣間見えて...なんというか主人公が強くて,弱さを見せる部分も,まあそうだよねってなる感じで...7年ですよ!7年!いや私は7年の間にノベルゲーム始めたので丸々待ったわけではありませんが,それでも7年の大作か~なんておもってしまうのは仕方ないでしょう.

 

以下さらなる具体的な不満点です.

まずは中弛みがあることですかね.ストーリーが終始二転三転するシュタゲやカオチャと違って,ある程度道筋に沿い続ける時があって,少しダレたかなと思うときがありました.

それに伴う形かもしれませんが,規模が大きすぎるのが必ずしも面白くなるとは限らないなと思いました.規模を大きくしたことで,デウスエクスマキナ感が強く感じられました.(個人的には作品で1つくらいまでなら,それこそギガロマニアックスとか,飲み込めるんですがそれが重なるとどうして...構図としては一人の,もしくは二人の女の子を救うことが世界を救うことになるっていう同じ感じなんでしょうけどなんでだろう)

キャラがいつもより多く登場しているのですが,そのせいでキャラの深堀りが感じられませんでした.そのせいか感情移入しにくい.

 

正直,SFで量子論を扱うのは限界が着ていると思います.「未来が過去を変える」言説があまりに多用されています.量子性がこれほど利用されているわりに,スピンとかほかの面白い議論使われないのは悲しいです.ゲルラッハの実験からはじまりいろいろあるのに.ロボノではモノポールについて触れられていましたが,あまりにお粗末な内容で悲しかったです.

 

カオスヘッドをはじめ,オカン以外の世界はシミュレーションされた世界なことが確実になりましたね.オカンはまだやってないんですが,たしか違う世界層の話ですよね?さすがにオカンの世界層もシミュレーション世界とおもいますが...科学ADVシリーズの最後は全主人公たちが集まって,300人委員会やらに立ち向かう構想があるらしいですが,そこに異なる世界層にいる私たちプレイヤーも参加できるかもしれませんね.

加えて気になるのは513聖務室のメンバーの超能力.ギガロマニアックスと関係があるんでしょうか.

 

まとめるなら,あまり期待しすぎず,過去作と比べず,また7年という歳月を考えずにやるなら良作だし,そうじゃないなら不満は「結構」残る作品.

シュタインズ○○が新作で出るらしいですが,もうシュタゲを擦るしかできないんですかね.アノコもシュタゲめっちゃ擦ってたし.そりゃ名作ですが,カオチャのような(カオヘ擦ってるじゃねえかっていうのはさておき)あたらしく面白い作品を待ってます.風呂敷広げ過ぎて畳めなくなっちゃった感が否めない.

 

以下ネタバレの文句.反転.

 

 

 

 

 

さすがに最後のモモがアップロードされたあとの再会はうるうるきました.

しかし!!しかしです.なぜあの2周目の世界のモモが1周目の世界の記憶を持っているのか...なんかみのがしたんでしょうか?2周目やる気にはなりませんが...

あとそもそもモモを形作るとまでいっている頬のコードはなんだったのか.はて…

あまりに過去作と比べて作り込みが甘いんじゃ...

君と彼女と彼女の恋。の全体の感想

ー総評と感想ー

傑作.

ネタバレを見てしまったのが悔やまれる.とはいえ有名なそのネタバレを見たとしてもやる価値はある.とても簡単で,大切なことをずっと難しく考えてずっと目をそらし続けてきたことに気づくまでの長くて短い物語.

もちろんこういった作風のゲームはこの作品以前からありますが,それと比べても群を抜いていると思います.