=総評=
ほぼ良作。
おすすめ順は奈々瀬→美岬→ヒナミかなあ。美岬とヒナミは好きなキャラ後回しでいいかも。それぞれ郁子と礼が対応しているのでそれもきにしつつ。
どっちも一緒なら奈々瀬→ヒナミ→美岬でいいかもしれない。
推し順は美岬<奈々瀬<ヒナミ=礼=文乃。なぜか礼だけは忘れられない。。。
=感想=
前作のテーマがアイデンティティの確立と独裁権力への反抗なら、今作はマイノリティに対する迫害(連作なのでこのテーマはヘンプリにも内包されていますが)。こういった超シリアスなテーマをおバカに、かつかっこよく描くのは流石だなと思います。
加えて良作とも快楽主義と非快楽主義、エピクロス主義とストア主義の対立構造があると思いますが(ストア派はいき過ぎですかね)、その両視点を描き終わったので次回作以降どうなるか楽しみです。お話の構造としてはぬきたしもヘンプリも似ているので、そこもどう変わってくるかが楽しみです。
全体としては、恨む理由はあるが決して人を憎まず共生を願う文乃、島を支配する仁浦、島全体と仁浦を恨む防人の3竦みにSSや893勢力が加わる構図。結局は文乃と淳之介は一心同体なので、描かれ方としては最終決戦のような3人になっていますが。文乃を含めた3人の対立だからこそ、GRANDまでの文乃の希望が現れない3ルートはGRANDでないのです。3者ともどの立場にもなり得て、特に淳之介は若いから仁浦や防人の考えに靡きそうになりますが、結局は仲間への信頼と愛を知り、文乃のもとへいくというものかな?
しかしながら、淳之介の価値観には少々疑問に思うところも多かったです。最終的には共存を目指すという意味で最初自らを正義と疑わないのはまだわかるのですが、それでも相手側(仁浦やSS、防人など)から自分の考えとは違う筋の通った論を展開されたとき、戯言と片付けてしまったのが度し難い。自らを悪と認めてもいいから真っ向から言い返してほしかった。
なので雰囲気として押し切っている感が否めませんでした。
決め台詞の有無があるので、それを含めると微妙ですが、私は今作のほうがやや好きです。ヘンプリと違ってハーレムルートでないのも推せる。。。しかも実妹には決して手を出さない姿勢もいい。。。
以上