えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

ぬきたし2の感想(礼ルート,郁子ルート,文乃ルート)

=礼ルート=

嫌だったが,家族のため性行為を受け入れて来た礼.解放されたはずなのに,またもとの条例のある世界に戻ってきてしまった.それでも礼は周囲のため,淳之介のため.自らが犠牲になればみんなが幸せに近づくならと考える礼.そんな礼の,真ドスケベ条例での世界の笑顔を失くしたくない,そう思う淳之介.

元の世界で性行為を免除してもらおうとしなかったのかという問いに,自分はその行為をしたくないものに強制してきた,免除なんてあまりにも虫がよすぎると答える.では条例に反対の意思をもつ礼がなぜ裁いていたのか.それは非生産者が憎かったから.その辛い行為から逃げるのが妬ましかった.ただの私怨.それでもヒナミは特別だった.

家族の食い扶持のため,年齢制限にかかっていたにもかかわらず,裏風俗で働かされた.それだけじゃない.まるで実験動物のように開発された.自分と,弟たちを守るため,自分をだまし続けた.理不尽な日々に,周囲にあたっていた礼.そんな礼は虐められるようになる.そんな時に手を差し伸べてくれたのがヒナミだった.本人にそんな意識はなくとも,無自覚のうちに礼を救っていた.だからそんなヒナミには自分の進めなかった道を進んでほしいと願う.

礼の母は,礼だけで飽き足らず,弟や妹まで,年齢に達していないまま使おうとした.それがSSに見つかり,頭をライオット弾に撃たれ,もう何も憶えていない.そんな風に,SSが未成年者に対する保護を徹底したのは,礼の指導のたまものだった.自らの家族を守るための努力で,母を撃った.そしてそんな母を恨めもしない.なぜなら何もかも忘れた母は昔のように優しいから.

礼は淳之介がヒナミと付き合ったらどうかとしきりに提案する.それは二人のため.しかしヒナミからは礼ちゃんがもっと笑顔になったらいいなという理由もあって,反交尾勢力に加入していたことを聞く.

たとえ心を入れ替えて,時間をかけて償ったとしても...犯してしまった過ちは,決して消えはしない.そう水引と自分に独り言つ.

 

元の世界に帰ってきた淳之介たち.前のような純粋な礼の笑顔が見れて満足すると同時に,新たに芽生えていた一つの想い.その想いを伝える.礼も好きだという.しかし同時に付き合うことができないとも.それは自らが犯してきた罪のため.非生産者だからと,自分と同じ苦しみを味合わせて来た.たとえ島を変えたとしても,それでも犯した罪は消えない.偶然そうならなかっただけで,NLNSの,淳之介の仲間を苦しめていたかもしれない.いや,正確には仲間になるはずだった人々を潰してきたのだと.そして何より,自分の体は汚れているから.何度も何度も望みもしない相手と身体を重ねて来たから.その過去は消えない.そのことを思い出させて,淳之介にこの島を嫌いになってほしくはない.B世界の自分も礼と同じだったからこそ,その気持ちが理解できる淳之介.ヒナミとの交際を勧めていたのもすべてこれが理由だった.だからそれ以上は何も言えなかった.

 

何故そんな過去なんて気にしないと言えなかったと自責する淳之介.しかしその過去が全く気にならないというのも淳之介にとって無理な話であった.

 

イベント.ハメドリくんの演技を指導する礼ハメドリ.うまい演技をしてもてはやされる淳之介と対照的に,その姿は寂しそうだった.

恋愛成就,告白成功と謳われたこのイベント.葛藤する淳之介.そんなとき奈々瀬はもしもの話をする.私は淳が好き,付き合える?と.断る淳之介.そしてどれだけ押し隠そうと,礼のことが好きでたまらないことに気づく.それでも淳之介は一歩踏み出せない.すると奈々瀬は,この島を出た時の話をする.もし引っ越してなかったら.そんなことはわからないけれど,最後に淳に会わなかった後悔だけが,淳のことを受け入れられなかった後悔だけがただ残り続けていることを.そしてもし.淳もその時のことを後悔しているなら,もう同じようなことを繰り返さないでほしいという.礼はまだここにいるから.間に合うから.自分といると幸せになれないという礼.しかしそれは本当なのか問いかける.もちろん嫉妬することも喧嘩することもあるだろう.礼を傷つけてしまうことだってあるかもしれない.それでも礼と一緒にいることが幸せだと信じられる.たった一人,家族や友人のため耐え続けていた少女を,心の底から愛し続けることができると信じられる.一番の不幸は,礼の傍にいられないことであると気づく.

このイベントだからと,ヒナミに淳之介との交際を勧める礼.それを断るヒナミ.だって淳之介は礼のことが好きだから.そのこと自体が間違いだと叫ぶ礼に,優しく間違いなんかじゃないと言いきかすヒナミ.隣にいる資格がないという礼に,好きな人の隣にいるのに資格なんていらないと伝える.礼ちゃんならきっと淳くんを幸せにできると伝える.だって私はこんなに幸せだから.それはきっと礼ちゃんのおかげだから.今の私があるのは礼ちゃんがずっと守ってくれたおかげだから.礼ちゃんは淳くんを幸せにできる,一緒に幸せになれる.私は誰よりも礼ちゃんに幸せになってほしいから.礼ちゃんじゃダメなんてことない,礼ちゃんじゃなきゃダメなんだよ.もし昔やっちゃったこととか,これまでしてきたことを礼ちゃんが許せないなら,私が全部許してあげる.頑張り屋さんな二人ならきっと困難も乗り越えていける.

ハメドリ号に乗り,上空から舞い落ちる淳之介.奇跡や運命のように空中で抱きしめあったりはできなかった.それでもいい.この恋は二人の意思で落ちた恋だから.ただ抱きしめ合い,愛を伝えあう二人.

 

ばちくそに泣いた...なんだこのシナリオ...私が礼推しだからなのか...⁉

 

ーエピローグー

風紀委員長をやめた礼.着ているのはずっとあこがれていた普通の制服.ずっとあこがれていた普通の恋愛を紡いでいく.ずっとずっと一緒に歩んでいく.

淳之介と普通は厳しいかもしれないけど,いいエンドだあ...

もう大好き.礼ルートだけで元取ったなこりゃ.

 

=郁子ルート=

絶対に,どれだけ時間がかかっても淳之介に好きになってもらうという郁子.

 

中途半端に賢いから淳之介たちのように後先考えずに,信念を突き通すことができない.そんなことができる淳之介を少し羨ましいという郁子.

ドスケベ条例に救われたという.しかしその理由は恋人になったら教えてくれると躱される.

 

麻沙音に拒絶され,それでも家に行ってしまい,でもそれ以上は何もできず,雨に打たれ項垂れる淳之介.そんな時,傘をそっと差しだす郁子.

ああ...美岬ルートと逆の構図だ…

郁子はその気になれば,この世界でもNLNSに戻れるかもしれない,淳之介くんのためならなんだって協力するという.大事な人たちと離れ離れになる辛さはしっているから.悲しそうな顔をしながら淳之介にそんなことを言う.淳之介は自分には郁子たちがいることを再認識する.麻沙音も大切だが,郁子たちも大切な仲間であることを.

 

淳之介のことが知りたいという郁子に,自分も郁子のことが知りたいと返す.単なる好奇心でなく,心の底からこの心優しき少女が,ドスケベ条例に救われた経緯を知りたかった.話を聞いても哀れんだりしないことを条件に話す郁子.

長崎の剣術道場の嫡子であった郁子.本来女人禁制だった女部田流.当初は男が多かった家系で,郁子は玉のように可愛がられた.男の子も授かり,順風満帆であった.しかし出産間近に急変.母子ともに亡くなってしまった.旧来の考えが根付いた女部田家.そんな女部田家が考えたのは,郁子を男として育てることだった...そこからは頭も刈られ,郁として生きていくことになった.優しくされたかった郁子は,また女の子の格好をすれば優しくされると思い,昔の格好をすると,当然のように拒絶される.それでも郁子が父や祖父を恨むことはなかった.小さかったが故に,しらない外の世界.少しずつ,力をつけ,父や祖父にも認め始められた矢先,はやり病に3人がかかる.旧来の考えと母を亡くしたからか,医師にかからなかった3人.そのうち2人は死んでしまう.右も左もわからない.そんな郁子を拾ってくれたのがこの島だった.女性として生きていけるこの島は幸福だった.

 

SSと敵対した今の状況,辛いわけではないが,以前と比べ物にならないほどマシだという.依然と違って,何もできないわけじゃないから.そして何より淳之介がいるから.依然と違ってずっと,本気に淳之介が好きになっているという.ダーリンを落としたいという気持ちはあるが,それよりダーリンのために頑張りたいと思えるという.淳之介くんが悲しいと私も悲しい,淳之介くんが嬉しいと私も嬉しい.淳之介も同様に思う.郁子が笑ってくれるならオレも笑っていよう.

 

境遇も辿ってきた道も違うが,同じように自らの望む性でいられなかった郁子と水引.

元の世界へ帰ろうと改めてその決意を郁子に言うと,様子がおかしな郁子.落とした郁子のタブレットには,私のダーリンという文字と,性帝じゃないという文字.それほどまでに記憶の定着が進んでいた.ずっとメモを取っていたのは忘れないため.それでも笑顔の郁子.ただ抱きしめる.もうすぐ帰れるからと.

改めて告白される.初めは恋愛感情がなかった郁子.そんな郁子に返事をしようとする淳之介を止める.今の自分の気持ちがどっちの世界の気持ちかわからないから.元の世界へ帰ったらもう一度返事が聞きたいと約束する.

ちょっとウル.

 

元の世界へ帰ってきたみんな.改めてやり直し.郁子からの告白.そしてあの時の続き.淳之介といる時だけ高鳴る胸の音を聞く.

 

方言とか,くせっ毛気にするところとか,可愛かった…ギャップ萌えというやつか...

 

ーエピローグー

卒業してから同棲する二人は久しぶりに島に帰ってきた.デート.楽しそうな二人.そんな郁子のお腹には新たな家族も.自らがいい母になれるか不安に思う郁子.淳之介は,母である前に郁子だから大丈夫,そして夫はなにより最強の男だからという.

 

=文乃ルート=

GRAND+異世界後の話.

 

文乃はかわいいなーまったくもう.むべむべ.猫をかわいがる犬みたいな文乃ぉ...尊い...

よっぱらった文乃もかわよ~~かわいいなのだわ.

ワンクリック詐欺にひかかって,信じる文乃はおバカだなあ...かわいいなのだわ.

贈った指輪を一人眺める文乃,尊い...

 

ーエピローグー

アルバムを眺める一人の少女文佳.株式会社NLNS.大学卒業後,みんなで立ち上げた会社.橘文乃と橘文佳,そしてNLNSやSSの仲間たちと楽しい日々を過ごす.もっとこの島が自由な島になるように.これからもアルバムに1枚1枚思い出を重ねていく.文乃の隣には淳之介が,淳之介の隣には文乃が,そんな写真を.

この株式会社NLNSがヘンプリに繋がっていくのか―.良いENDだった!

タイトルが最後の記念撮影になっているのもよきかな.

 

続く.