えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

omoriの考察

そこまでやり込んだわけではないので,間違いやこうではないか等あれば教えてください.

 

簡単に言えば,オモリとサニーの二面構造のゲーム.

 

オモリ:夢世界の人格.姉の死を責めた結果,自分は死んだほうがよく,友人たちも許してくれないと思っている.そんな現実を生きるくらいならばと楽しい思い出ばかりが詰まった夢世界を作り出し,眠っている間はそこで暮らしている.

 

サニー:現実世界の人格.姉の死を悔やんでおり,その所業がばれることを恐れ,引きこもっている.(夢世界であれほど具体的なストーリーが描かれるなら,現実世界のサニーは日中ぼーっとしたものだろう)

 

もちろんサニーもオモリも同一人物の中の人格であるので,オモリはサニーの記憶を引き継いでいるし,サニーもオモリの記憶を引き継いでおり,両者はある程度影響し合う.

 

夢世界において,唯一現実の出来事(姉を殺してしまったこと)を思い出させるのがバジルである(より正確にはバジルの撮った写真群).作中にも描写があるように,夢世界の中で真実が露呈したことは何度もあり,繰り返しオモリは夢世界を作り出している.

 

引っ越しが近づき,ケルが家にやってくることがこの物語のターニングポイントである.ケルが以前と変わらない様子でやってきて,さらにヒロが.オーブリーも内面は変わらず,昔の仲間たちを愛していたことが明らかになる.そうなるにつれ,サニーの中に「真実が判明してもみんななら受け入れてくれるのではないか」という想いができ始める.これはバックステージ(バイオリンを弾いてラスボスに向かうところ)で3人が肯定的な言葉を述べてくれることからもわかる.そこは夢世界なのであくまでもサニーの想いが影響したものである.

 

これまでは「引きこもっていたい,現実に目を向けたくない」と目的が共通していたサニーとオモリが,ケルの訪問をきっかけに,相反し始める.その行きつく先がラスボス戦で,オモリが勝った結果がバッドルート(死),サニーが勝った結果がグッドルート(告白)である.もちろん他のエンディングもあるが,これはサニーがケルの訪問で心を動かされなかったパターンだろう(面倒でやってないのでしらん,そこまで魅力を感じるゲームではなかった).

 

夢世界で,サニーと呼んだマリ.これは現実世界の影響で,「あの姉なら許してくれるだろう」という想いの現れ.もしくは幽霊や思念体だろうが,個人的には前者の考え(いきなり幽霊だとかが出てくるのは意味わからん).

 

また現実世界における黒の物体たちは,サニーの抱く恐怖の現れ(蜘蛛,水,高さ,孤独).目のついたバケモノはマリ(いつまでも見守ってくれているということで目がついている).ただしこれも幽霊では無く,サニーの妄想ではないだろうか(つまりマリが恨んでいるだろうという恐怖.これも夢世界に現れる).

 

最後にバジル.サニーが姉を突き落としてしまう現場にいて,一旦ベッドに移したものの死んだことが(ほぼ)確定したので,自殺の偽装工作をしようと提案した(周りから見ても変な自殺であったし,司法解剖等はなされなかったのか?親がこれ以上傷つけたくないといったにだろうか?不審な自殺はするように思うのだけれど.まあ異国の話だしわかんない).バジルはサニーのことを一番の親友と思っていたので提案したのだろうけれど,優しいバジルも罪の意識にさいなまれることになって,仲間たちから離れるようになった.唯一事実を知る親友サニーに今まで以上に依存するようになり,それがバジルとの戦闘である.

夢世界のバジルは,オモリが現実を思い出させるものとして消してしまった(マリのミッション確認欄にすらなかったし,結局いなかったもんね).

 

EDを見る限り,楽しい歌も流れてたし,まあ周りは許してくれたんでしょう.ハッピーエンドでよかったね.友達を信じたといえば聞こえはいいが,自分の妄想準拠で行動するサニーをあまり好きになれなかった.それほど絶賛する作品なのかな.戦闘もしょんぼりが強すぎたし.BGMはよかった.良作ではある. 以上