えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

装甲悪鬼村正の感想(復讐編)

=復讐編=

景明は一条を殺す.

 

ー0ー

彼女は目を覚ます.そして知る.彼がもういないことに.

 

ー1ー

親王,署長は勝手するGHQに危機をおぼえ,最後の手段に出ることを決意する.玉を取り,朝廷の権威を取り戻す.それは一見必要な殺人.しかし銀星号と関係のないところで人を殺すなど,今景明の中でもっとも善しとするものを殺すことなどできなかった.

景明を気遣って,すべてが終われば自由の身を保証するという親王,署長.しかしそれは景明に対する裏切りであった.すべてが終われば処刑に処す.そういうはずであったのに.どれほど二人が庇おうと,母を,署長の妻を殺したことだけは否定できない.いくら事故といわれようとも.死にたくないからこそ死なねばならないのだ.

 

雄飛たちの事件を聞いた香奈枝からは批判の声が上がる.,そしてその話を聞く景明.許せない.当然そうである,しかし最も許せないのは景明自身である.今の景明に耐えられるはずもない.どうして自分だけが生きているのか.慟哭する景明を香奈枝は優しい表情で見つめた.

 

ー2ー

護氏逝去.

あの日以来,無為な日々を過ごす.香奈枝に誘われるまま建朝寺へ向かう.GHQの不祥事,護氏の逝去,そしてこれから襲われるという親王.なぜ香奈枝がそれを知るかはわからないがひとまずは向かうほかない.

大鳥香奈枝は許さない.どのような理由であれ,彼を殺した景明を.

 

建朝寺に向かう中,背後からの奇襲.先日ほどでもないが今まであってきた中で最も大きな西洋風の劒冑である.

相手は素人.時間を駆ければ負ける道理はないはずであった.普通の素人ならば.相手は武者ではない.あろうことか毒を使う卑劣な相手であった.

相手はほぼ無傷.それなのにもかかわらず墜落していく.おそらくは薬か何かで無理やり熱量を底上げしていたつけが来たのだろう.

 

一向に来ることのない景明に痺れを切らした香奈枝は作戦に取り掛かる.香奈枝の劒冑はバロウズ

護氏を殺したのは親王たちではない.ということは香奈枝から報告を受けたGHQが手を下し,丸ごと擦り付けたことになる,そう考えていた.そして擦り付けたことに対処しようとした親王たちはGHQを買収し,それは失敗に終わる.結局,香奈枝は暗殺作戦を報告すらしておらず,つまるところ犯人はGHQではない.それでも責任は取らねばならない.署長の首は香奈枝によって打ち取られた.

 

毒に侵されながらなんとか奥へとたどり着く.武者の前で息絶えていた愛する義父.命の恩人.毒のため,景明は父の名すら叫ぶことはできなかった.意識を失いつつある今,目の前の武者に復讐を誓う.必ず殺す.

さよともども香奈枝の劒冑かっこいいなあ.声優だけ何とかしてくれればなあ.

それにしても選択肢面倒じゃない?

 

ー3ー

放置されるはずもなく,捕虜となる.香奈枝の表情から感じる憎悪が明確なものとなる.

~~

武家の名門大鳥家.極右的な立場の流れに異を唱えた香奈枝の父はおそらく汚い手も使ったのだろう,当主となる.しかし内部からの反発を押さえられるわけもない.そんなとき,頭角を現し始めたとは陽子として大鳥家に入った獅子吼であった.投手を倒し,ついには隠されていた嫡子を見つけ出す.それは香奈枝の従兄弟である.

~~

獅子吼を憎む気持ちがあったのはもちろんだが,香奈枝が大和に帰ってきたのは別の理由であった.一つはノブレスオブリージュ,もう一つは愛する従兄弟を守るため.雄飛を,守るため.

香奈枝の笑顔が,憎悪がただただ恐ろしかった.銀星号の件自体の解決は待つ.抵抗してもいい.劒冑で戦おうと言う.

景明が抱いた感情.それは感謝である.自らを裁く存在.完璧な,理想的な断罪者.自らが望むべき結末.この世に正義はあったのだ.すべてを香奈枝に差し出す.そう宣言する.生も死も.銀星号を殺しても,もう善を切る必要はないのだ.

 

香奈枝の案内のもと,ウォルフ教授のもとへ向かう.部屋には茶々丸を思わせる似ても似つかない少女がいた.

遅れてやってきた教授.彼の目的はさっぱりわからないままであったが緑龍という言葉が耳にとまった.

ほんとに香奈枝の声が鼻というか耳につくなあ...

感謝を示す景明,震えるくらい好き.

 

ー4ー

署長である父を殺されたことをしらない景明.そして殺した相手が景明の義父であったことを知る香奈枝.

 

評判が上がりつつある赤い武者を取り入れようとするGHQ.手を取るはずもない景明.しかし名さえあればいいGHQはそれほど急いでいる様子でもなかった.つまり,GHQ六波羅を滅ぼすまでの命である.

一方,景明の身柄を隠しつつ,その命を雪車町に奪うよう命令するキャノン中佐.

果たして香奈枝に景明を裁くだけの理由はあるのかいね.

 

ー5ー

教授立案の作戦が決行される.それは景明たちの作戦の開始をも意味する.GHQが投下する超巨大爆弾の阻止,それが目的である.

時同じくして標的に向かうのは銀星号も同じであった.

 

間に合わなかった...普陀楽城は跡形もなくなった.不幸中の幸いは獅子吼が邦氏を連れ出していたことだろうか.

ねえこの探索分岐いる!?

ところで銀星号はすでにもう亡くなった?

 

ー6ー

邦氏,そして予想以上の爆風のおかげもあって景明たちが逃げ込んだのは大鳥本家のある会津であった.といっても景明たちは永倉さよの実家へと身を隠していた.

香奈枝は敵兵の銃で撃たれたのであるが,それは景明を守ってのことだった.弱きものを殺したことのない香奈枝は,弱気ものまで殺してきた景明を裁かねばならない.それは双方からの道理である.しかしいつのまにか香奈枝はそこに迷いを抱いていた.憎悪の感情が深い人間ほど,また愛情の感情も深い.

いやー本当に香奈枝の声がなあ...苦手なんだろうな個人的に.

 

ー7ー

おそらくはあの爆発で銀星号は墜ちた.

どうやら獅子吼は三日と経たずうちに,六波羅の,大和の全権を実質的に掌握するだろう.そうなれば獅子吼の性格からしGHQとの全面戦争は避けられない.大和の命運は獅子吼の個人的な感情にゆだねられることとなる.そんなことは香奈枝には許せなかった.もし獅子吼が暗殺されれば,統率するものがいなくなった大和,六波羅GHQはわざわざ攻めには来ないだろう.

景明もその有効性は認めた.しかしこれはあまりに暴力主義的である.規模の違いはあれ,爆弾を落としたことと違いはない.多数を守るため,少数を犠牲にする.景明がしてきた行為,呪いに他ならない.香奈枝はそれを百も承知である.これは獅子吼との個人的な戦争.景明の助力は不要.それでも香奈枝は景明の断罪者であり,また銀星号の破片が運び出された可能性もある.助力はしないが同行はすることとなる.おそらくこれが最後の旅となろう.

 

ー8ー

旅の足とした電車に雪車町はいた.GHQは香奈枝を狙うのであろうが,雪車町が恨むのは景明である.近い将来の決着を告げ,雪車町は消えた.

連結器を解除された車両に襲い来る巨大な西洋風の劒冑.やつが狙うのはやはり目下の端の破壊であった.唯一助かる術は腕づくで列車を止めること.

間に合わなかった.彼女はもういない.怒りのまま切りかかる景明,怒りのまま殺す先に待ち受けるのは善悪相殺.村正の必死の説得で戦闘不能に留めることに落ちく,というわけにはいかず,自然と砕け散る.次いで来る敵機四機の襲来.あまりに大きな躯体.あまりに大きい熱量.その答えは複合騎であった.

 

雪車町の後ろを取ったのはさよであった.雪車町は景明の勝利を願いながら意識を手放す.

 

自滅するように特攻する四騎.墜ちる頭部は割れていた,そこから覗くのはかつ手の少女,来栖野小夏の顔だった.

 

自我が壊れた小夏の唯一の希望は雄飛との再会だった.辛さもわからないくらい辛い,それでも彼に会えることだけを心待ちにしていた.それなのに.両親はその話題を避けるように見舞いにも来なくなった.

また辛いだけの時間が繰り返されるようになった.見舞いにくるのは白髪の不健康な男性.彼は私に繰り返し雄飛の死を告げる.犯人は湊斗景明であると告げる.何度も何度も何度も.

 

彼女をなんとしてでも助けなくてはならないと思った.自分の身がどうなろうとも.

景明が墜落したすぐそばに彼女であったものはあった.他の三人も以前自らが殺したものに酷似していた.殺したものの写真を抱えていた.正当に景明を殺す理由を持つ者たち.ではなぜ彼女たちが死に,景明だけが生きているのか.彼らは自滅したのではない,景明が殺したのだ.もう景明には大鳥香奈枝しかいない.

このルートの村正,なんかおちゃめでかわいくない?

なるほど四機だから四つの武器があるのね.それに複合を殺せば4人の善が必要になる.対景明兵器だね.

それにしてもここの分岐もいるかね...

時間をかけてやっていたので,冒頭の声は香奈枝の聞き間違いだったのかななんて思い始めてたらこれだ.なんてむごいのか,それが好き.姫様といい声優の使いまわしがあるから油断してしまっていた.

 

ー9ー

獅子吼の権力掌握のため婚姻することとなった香奈枝の妹花枝と邦氏.どうやら香奈枝は間に合ったようだ.

二人は婚姻の阻止,景明は銀星号の調査であった.別れる間際,香奈枝がしたのは稚拙な口づけだった.訳の分からぬまま,何かを確かめる,そんなことを言って作戦が始まる.

 

花枝は3年後にはすべてを取り戻すから獅子吼は放っておけという.それは虚言だとは感じさせない物言いだった.きっと花枝は有言実行するだろう.それでも香奈枝が今獅子吼を殺そうとするのは妹の恋路のためだった.政略とはいえ好きだった雄飛と結婚できていたはずの未来.そして獅子吼を「今」殺せるのは香奈枝だけで,そうすることで救われる人はたくさんいるから.

しかし獅子吼は一枚も二枚も上手である.隙を突かれあえなく捕縛される.運よく割って入った景明が劒冑を装備していたため,獅子吼は逃げ出し,なんとか自由にはなった.

 

次に獅子吼と出会ったのは銀星号を継続して捜索する景明であった.今度の獅子吼は劒冑を携えている.結果は相打ち.ともに痛手を負ったが,その対価として銀星号への身とを発見した.

そこにあったのは銀星号だったもの.奇怪ななじれたオブジェクトから瞳だけがのぞく.よく見知ったその瞳は嬉しそうだった.兄との再会を喜んでいる.おそらくその発端であろう茶々丸は訳の分からぬことを言い,景明を逃がす.

 

事の結末は茶々丸が放った火で終えた.銀星号の消滅.花枝,邦氏,獅子吼の逃亡.そしてその獅子吼を追い詰めた香奈枝.獅子吼は虫のように死んだ.かつて許嫁であった彼を殺した.幼少期,唯一家族以外の理解者であった友を殺した.

ほんとに声が受け入れられない...叫び声が苦痛.

さよの方がキャラとして魅力的じゃない?

 

ー10ー

六波羅進駐軍の戦争も起きず,朝廷へと政治的権力は一部返された.未来はわからぬが,すべて終わったのだ.あとは裁かれるのをただ待つばかり.

 

最後に森を散歩していると,そこには義父を殺めた西洋の劒冑が現れた.裏切り者の香奈枝を狙う進駐軍,景明はそう思った.銀星号はもう存在せず,死を待つ我が身,殺すことに戸惑いはない.

大鳥香奈枝は極々普通に生まれてきた.しかし彼女の倫理観は生まれつき普通ではなかった.命が奪われるのを許せない,だから奪ったものは殺す,当然自分も.そう漠然と確信していた.この世には正義がある.父からの教えを真っ向から受けたうえでの歪みだった.実際のところ,彼女は正義というものを盾に自らの愉悦のため虐殺を繰り返していた.争いが始まり,その魔の手が人に向くのは自然な結果だっただろう.忌姫,そう称されるようになった彼女は実の父からも見放され,海外へと放逐された.それでも愛そうと努力してくれていた父に感謝することはあっても恨むことはなかった.それほどには自らのゆがみを理解できていた.彼女の中で歯車が狂ったのは他でもない景明である.感謝するものに刃を立てる,そんなこと経験したことはない.行き着いた結論は納得できない.そういうものであった.復讐は真っ向からなされるべきである,景明にも理はあるはずである.殺したくない.それでもこれは初めての自分自身のための復讐だから.しかし復讐をしても雄飛は帰ってこない.もう何もかもがわからなかった.この齢になってようやく香奈枝は復讐が何も生み出さないことを知ったのだ.ただ他のものより遅く.復讐の実態を知るため獅子吼を殺した.そうして知ったのだ.湊斗景明は殺せない.彼はただ不運だったに過ぎないと思う.これほどまでの不幸に見合うほどの幸福を得なければならない.

陰義に敗れ墜ちていったのは村正であった.復讐は死者のためのもの.それもまた獅子吼を殺して知った一つの真実であった.香奈枝が景明を殺したくないと思うなら,雄飛のための復讐は香奈枝の心ごと殺すまで.

それでも景明を奮い立たせるのは,義父のための復讐であった.香奈枝を信じ,目の前の劒冑を切り捨てた.切り捨てられた.

 

ーEPー

景明は村正が壊れようと歩き続けた.彼女に裁かれるまでは生きねばならないと.

死に瀕し,ようやく再会できた彼女から与えられたのは優しく柔らかいものであった.それが不満ではあったが,満足して景明は死ぬ.香奈枝は死ぬ.

 

うーん...微妙かなあ終わり方は好きだけど香奈枝のキャラが最後まで好きになれなかった...