えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

超電激ストライカーの感想

人を人たらしめるモノはなんなのか?ホンモノとはなんなのか?記憶?肉体?現実?虚構?

 

王道燃えゲー.途中の鋼の章が個人的に苦痛だったけど,それでもそのあとの真のTRUEは激熱で最後のムービーは涙なしには語れない.

もし途中のTRUE,空の章が完璧だ~と思うならそれ以降やらない方がいいし,ちょっとでももっといい未来が見たいなら光の章までやるべき.

 

=共通=

え?主人公...緒方...?EVAにでも乗るのか...?

 

憧れていたヒーロー.そんなヒーローになれるとしたら...?思い出と引き換えに,力を手に入れられるとしたら...?そして少年ヤマトはすべての思い出を失い,ストライカー零になったのだった.

もっと王道なのかと思ったら想像以上に重くてびっくり.一人の女の子を守るために,力を求め,でもすべてを忘れて,結果涙を流させてしまう,みたいな好きよ...OPも年代を感じるけどめちゃくちゃかっこいいな.ネバーギバー!

 

共通はそんなヤマトが記憶を失う前に大好きだった漫画の設定が,そのまま現実になり,そして登場人物たちがその事実に気づき始めるまでの物語.すっかりコメディ要素ばかりでだった話に暗雲が立ち込めるまでの...

 

=零の章(はるな)=

敵の能力でテロリスト本人だと誤解を受けながらも,ヤマトは日本国民を守る.それはそれこそが任務であるから.そしてただ一人自分を信じるはるなを守る.それはそれこそがヤマトの使命であるから.

 

記憶が無くなった代わりにヒーローになれたヤマトと,記憶以外すべてを失ったミラーの対決.きっとホンモノたらしめるものは思いの強さなのだと感じさせられました.

病気なんかじゃないのに,嘘なんかじゃないのに,そんな風に言われて...私たちが追っていた「ヤマト」にする仕打ちとしては悲しすぎるよ...大好きな母からも恐怖の目で見られて...ただ一人,悪者にされて...

 

愛する者のために死んでいく.それでもその愛する者も虚構で,実在なんかしない.そんな虚しさもいっぱい.

 

ヒーローは誰かのためのヒーローでなくちゃならない.はるなとの交流の末,ヤマトはそのことに気づく.そしてはるなもまたヤマトを守りたいと思ったからこそ,ストライカー烈になれたんですよね.それに気づけたからこそ,ヤマトたちはヒーローで,ミラーは悪役になってしまった.最後の展開も言ってしまえばご都合主義だけど,それくらい許してほしい.

もちろんミラーたちの行く末を考えると悲しさは拭えないままのENDだけれど,そこは他ルートに期待.零の章は衝撃展開というかで面白かったけど,ネタが明らかになってしまった今,この後楽しめるんでしょうか...?

 

ところで本物のはるなは一体…はるなと春奈の使い分けからも予測すべきだったか...

 

=愛の章(ヒルコ)=

まーさかヒルコルートがあるとはね.

お金目的で始めたヤマトへの奥様業をいつしか気に入り始めて,そんなヒルコに気づかう他のメンバーも優しいんだよなー.憎むべきは漫画の設定であって,彼らじゃないよなあ.

どれほど二人の心が接近しようと,愛し合おうと運命は残酷...ヤマトを愛し,自分の選んだ軍人というう道も進む.その先に待ち受ける現実は,ヤマトとの未来のため懸命にストライカー零を殺そうとするヒルコと,ヤマトの決着.真実を知るヤマトが勝てるわけがなかった.だから互いに死に往く相手の命が救われることを思い出コレクターに願う.全ての記憶と引き換えに...

ミラーとのこととかがあるからきっと正史ではないんだろうけど,こういうEND好きよ.やっぱりホンモノたらしめるのは記憶とか,肉体とかそういうのじゃなくて思いなんだと,そういうテーマがあると私に思わせてくれました.「思い」>「思い出」.

どうしても正史じゃないっていうのが残念で仕方ない.

零の章では気づかなかったけど,終わり方がTVの消す風になってるのが気になる...まるでこの物語すら虚構なんじゃないかと不安になる.

 

=天の章(さやか)=

選択肢スキップほしかった~.

 

ストライカー天という仲間と敵側のカーチス一味と異様なルート.でも...好感度の高いお隣さんと同じ敵なら...特にミラーまで仲間になったと来たら激熱.二人のヤマトの共闘なわけですからね.

記憶を封印されていたさやかは,カーチスの登場により,その因縁に巻き込まれることとなる.ついにはさやかの命まで奪われるほどの因縁に.

ほんとに貫かれたときは驚いた.驚きが勝って涙すら出なかった.まあちょっとして展開がわかってしまったのもあるけど.

それにしてもストライカー零の成長以上に,ヤマトの,ミラーの成長が感じられて好き.

ヒーローは正義のためになんだってできるんじゃなく,迷って,悩んで,苦しんでヒーローだからじゃなくて,一人の人間として戦っている.だから自分も!

いや熱いな.ストライカーシステムがなくても,戦ってる人はみんなヒーローなんだよな.私たちも,きっと.でも,きっと正義の心が芽生えたからミラーは怪物にならなかったんだよ.その正義は誇ってほしい.

カーチスとのラストバトル.もちろんミラーたちとの共闘はもちろん熱かった.でもそれ以上に,ストライカー天としてさやかがやってくるのはもうさすがに涙が...いや心臓移植とは思ってたし,やけにでかいと思ってたけど,でかいのは本当にでかいままなのか...だから天の,博士の心臓を移植するしかないとは思わなかった...別のストライカーの名前を使うと思ってたから,こういう展開好きで...

 

ミラーのことといいTRUEではなさそうだし,なんか消化不良なENDだったなー.

 

=空の章(春奈とヤマト)=

天の章の後,今度はストライカー零ではなく,ミラーと結城ヤマトの物語.思い出コレクターに力を貰った殺し屋,本郷春奈との,ストライカー空との遠い約束を守る物語.

いやいやいやここで来るんかい,いろいろと.

 

カーチスが最強の肉体と引き換えに渡したのは春奈の記憶.ここ数日積み上げてきたミラーとの楽しい記憶も,約束したこれから幸せな生活も,これまでの良かった記憶全てを.そして憎しみ以外を持たない春奈はカーチスに与する.

いやー王道だけど,辛い...それにしても二重契約はダメって言ってなかったか??

 

きっと力を使えばミラーは死ぬ.それでも春奈と交わした約束を果たすため,春奈のヒーローになるため,ミラーは飛んだ.カーチスを倒すことで記憶が戻ってくるわずかな可能性に賭けて.

ストライカー零から装備を受け取って,ミラーが結城ヤマトととして,本物の電激ストライカーとして春奈のために戦うのは激熱.

 

最後は誰が春奈に記憶を渡すんだろうと思ってたけど,やっぱりヤマト(ミラー)かあ...ストライカー零たちが物語の世界に戻るって決めた後の別れ,本来面識や思い出がないはずの春奈なのに,あの思い出がたくさんあるかのような別れだからこそ,ああ春奈の中にしっかりとヤマトが残ってくれたんだとわかって涙が出た.そしてそれは結城家の養子となった後ももちろんで,ヤマトは死んでしまったけど,でもヤマトは生きているんだって.悲しい結末かもしれないけれどきっとこれでよかった,と思わせてくれる.もしヤマトが生き残ってこの10年という月日を埋めることはできないだろうしね.

 

=鋼の章(リン,クリエ)=

たしかここからが追加ストーリーなんでしたっけ?ここまでで十分綺麗に終わってると思うけどなあ.

天の章からの未来でTRUEやったから,こっちの零の章からの分岐ってのはありがたい.あっちだとカーチス来ないのはなんでだったんだみたいな疑問は残ってたし.なんかはるな報われてなかったし,リンの失ったものはあまりに大きすぎるけど...

ここにきて新キャラなあ...それにミラーとヤマトもいないし...それに春奈の解決がどうなるかわからないし...読むのが怖い...

 

新たに登場したクリエは真実を知り葛藤する.が...あまりにもあっさりとした葛藤だったなあ...みんな性根が強すぎるんよ...自分が誰かの想像で生まれたものなんて知ってふつうすぐ立ち直れないような...最近はシミュレーション仮説なんても広まってきてるけど,それでも多くの人はショックを受けるはず.

 

まあそこからは残ったカーチスたちとの戦闘なわけですが.昔からの洗脳でクリエがリンを傷つけてしまったシーンとかは胸に来ましたが,まあ絵に描いたような蛇足ですわね.本当に苦痛.これまで以上に,輪をかけて説教的.まだこれはいいですけど,明らかな戦闘描写の繰り返しによる水増し.ものすごく好意的に書くなら二転三転する展開ですけど,普通にいうならダラダラと続く苦行.新キャラいれなきゃだめだった?

 

=光の章=

鋼の章までで誰ともくっつかなかった未来.バルボラ帝国が出現してしまった後の物語.

まあさすがに春奈回収するよね.

 

死んだと思ってた人もみんな助かって,協力して敵も倒して,春奈も思い出が戻って,元の世界には戻るけどきっと電激ストライカーの物語も書き替えられて.きっとすべてが上手くいった本当のTRUEEND.本来こういうご都合展開は好きじゃないんだけど,それでも最後のムービーは涙なしには語れない...ヤマトが子供のままなのは幸福かどうかわからないけど笑

子供ヤマトがストライカーシステムで戦うのは手放しで好きだし,光の章はやってよかったーー.最後ジャックに全部持っていかれたけど笑

ヒーローってのは,自分で道を切り開くもんだ.

人間は誰だって,望めば,望さえすれば正義の味方になれる.

二人のヤマトの最後の一言ずつにこのゲームのすべてが詰まっているような気がします.途中中弛みしたけどいいゲームだった.

 

以上