えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

シンソウノイズ~受信探偵の事件簿~(第5章,百合子END)

=第5章=

ー1ー

秋になった.萌花はあの事件を精いっぱい受け入れようとする.一方で一真は逃げ腰だった.

 

演劇部にはいった高永.そんな話をしていると,演劇部の顧問の藍原先生の姿を見ていないことに気づいた.

文化祭でやる劇は天使と悪魔.てっきり百合子はメイン役をやると思っていたが,どうやら端役らしい.高永からはあいつら本当にやり方が汚いという声が聞こえてくる.百合子も落ち着かない様子で納得がいかないと思う.重い空気に多感がはぶっちゃける.2年の大物女優の娘の緋村グループが最近入部して,数に任せて好き放題やっているらしい.その緋村にメイン役を取られた形になった百合子はやはりまだ未練を拭いきれない.それでも百合子は緋村の実力を褒める.まるで自分に言い聞かせるかのように.演劇が好きだから,感情に流されたりしない.舞い上がって買ったお守りを強く握りしめながら,そう自分に言い聞かせる.みんなの怒りを収めるための演技.きっとそういう点でも百合子は本当の役者なのだろう.そんな百合子を見て,一真は演劇の手伝いを申し出る.

 

主役は変わらず,女子部長,常盤昴.

あれ?あの時の少年?じゃあこの人が能力者?いきなり橘くんって一真の名前だけ知ってたのも伏線?あの少年の立ち絵憶えてないからなんともだな.

 

顧問の藍原先生はずっと入院していて,いまは村岡先生が代理をしているらしい.それでも今日は読み合せを見に来るらしい.

演技をみた一真の感想.それは緋村はプロであること.プロであるがゆえに違和感がある.その役らしくない.一真が遠回しに言っても伝わらなかった.続いての萌花の感想.それはもっと愚直に伝えた同じような感想.そのように演技しているのだという緋村.自分を見せるための演技.どうせ素人にはわからないというような口ぶり.それを聞いてぶつかる緋村と常盤さん.怒声を挙げる常盤さんは,まるでその劇に出てくる登場人物のようであった.

そんなとき,ようやく藍原先生が到着した.緋村がマリア役になったと聞いた藍原先生は2人にぶつかり合いの意見を百合子に聞く.的確な意見.そしてみんながプロのレベルになることは出来ないのだから,緋村が歩み寄るべきだとも.結局藍原先生も百合子に同意件だった.そしてどうしても歩み寄れないなら百合子に役を戻せという.病院に戻る藍原先生からは昔を懐かしむ気持ちが伝わってきた.

 

自分の演じる老婆に納得がいかないという百合子は藍原先生のお見舞いに行きたいという.各々の事情で一真が付き添うことに.

お見舞いの中聞こえる,本当はもう長くないという声に胸を突かれる一真.そんな無理する様子が百合子にも薄々伝わっているようであった.老婆の演技を質問する百合子.そんな今目の前にあることに集中する百合子が藍原先生は好きであった.藍原先生も若い時分劇団で同じ題目で老婆役をやったという.だからこそのアドバイスを拝聴する.もっと早く演劇に出会っていれば,もっと自分が長生きできたら…そう藍原先生は百合子の才能を惜しむ.

 

ー2ー

百合子のカバンに「マリアはあなたしかいない.マリアの準備をするように」という紙が入っていた.劇と同様の怪文書に,緋村のことを心配する百合子.

この日は特に何もなく終わった.というより緋村はプロスクールのほうに行って,練習にも来なかった.

 

ー3ー

激昂する緋村がやってくる.自身のカバンに,劇と同じ脅迫状が入っていたと.それでも真っすぐ老婆役に向き合う百合子に,緋村も落ち着きを取り戻した.

以前以上にぶつかる常盤さんと緋村.劇団の衣装を持ち込む緋村.それを手伝わされる一真には,プライドの塊であること,百合子に嫉妬していることが伝わってきた.

あまりに派手なマリアの衣装に疑問を呈する常盤さん.それでもオリジナルがこれだと言い張られると何も言えなかった.

そんなとき,百合子に痛い目を見せようとする声と,何か細工をしたという声が聞こえる.ちょっとした嫌がらせ,間一髪で百合子に害は無かった.小道具を壊したと責められる百合子をみて,自分が修理すると一真は言う.

聞こえてくる,緋村がマリア役をすることを恨む声.

 

面白いことがわかったと言われ咲綾に呼び出され,メイズに向かう.放送室から回収したピエタ像つきオルゴール.中身はある周波数の音を送り出していた.その音こそが能力者を目覚めさせる音.

ここでこの話か!すっかり忘れていた.やっぱり常盤さん,能力者っぽいなあ.

そして社浦が無罪放免になった報告も受ける.

諏訪部さんに頼んで小道具のレプリカを作ってもらった.

 

ー3ー

何ともないようにふるまうが,顔色の悪い百合子.

今日の手伝いは一真一人.教室に向かうと,マリアの衣装が切り刻まれていた.まるで劇が進行するように.ことのなかれ主義の村岡先生は怒る緋村に無断でそんな高価な持ち込むのはよくないというが,泣き始めてしまう.そして怒りは百合子に向かう.そして取り巻きたちは昨日体育館裏で脅したからかと,発覚したら緋村に怒られてしまうと思う.一方で百合子は緋村をフォローする.犯人はこの演劇部の中にいる可能性が高い,そうなると上演ができなくなる.そう聞いて怒りを抑え込む緋村.そして気になる声が流れ込む.昨日の晩の記憶がないということ.まるで音楽の天使のように自分がしたわけじゃないよなと.

常盤さーーーーーーーーーーーん!

一真が片付けようとすると,靴の中にはカッターが仕込まれていた.

 

常盤さんの演技はまるで本当の音楽の天使の様だった.聞こえてくるのも常盤先輩というより,音楽の天使だった.当の常盤さんはまた記憶がないと呟く.

 

そして百合子の婚約者が社浦という事実が明らかになる.

ああ...勘弁してくれ...

萌花は気を失いそうになる.それでもそのあと,一番にしたことは百合子の心配だった.

 

ー4ー

常盤さんと百合子と高永の3人は例の一件を藍原先生に報告へ.

 

萌花と部室に向かうと,今度は自宅にまで手紙が来たと発狂する緋村は,名刺をもらった人に違いないという.ただ前回までの紙もレイアウトも全然違う.それに,手紙の内容もオリジナルのもので,今回行っているものとは別らしい.

 

ー5ー

裏方の動きを決める日.3班以外の裏方は逃げたらしい.おわた.まあなんだかんだうまくいく.

練習をしていると一真と萌花のもとに証明が落下する.犯人の声は聞こえない.脅迫の時といい,犯人の声がないことがこの事件の違うところだった.

さらにしばらくすると緋村の悲鳴が.向かうと,緋村は気絶していた.落ちていたナイフ.おそらくはこれで襲われて...自分で転んだと,さらに舞台はおりて役は百合子に譲るという緋村.舞台を中止させまいとする緋村は心の中であきらめの言葉を口にした.

一真はもしかしてオルゴールで目覚めた人が音楽の天使に成り代わって,そう思い沙彩とメイズに行く.落ちて来た証明は自然落下らしい.

 

ー6ー

練習は進む.演劇部も盛り上がりを取り戻していた.

 

しかし常盤さんは百合子にさらなる完璧を求める.より音楽の天使なっているかのように.そしてさらにユーゴにのめり込もうとする.

 

北上は緋村が普通に歩いていたのを見たという.つまり嘘をついてまでやめる必要があったということ.

 

ー7ー

百合子に対し,自分に本気で恋をしてほしいという常盤さん.百合子の胸には一真がいる.しかし常盤はその薬指に輝く指輪の相手のことだと勘違いをする.指輪を外すことが怖いのではない.また次に嵌める時,自分が世界一惨めと思ってしまう気がして,セカイを憎んでしまう気がして怖いと.常盤さんは恋を知らないのでなく,恋に落ちないようにしているだけだね,でも落ちてしまうのも手かもしれないねと諭す.

 

ー8ー

本番前日.疲れているようなので先にあげさせられた百合子.萌花の助言で,一真は百合子と一緒に帰ることにした.気分転換に「天使と悪魔」のリバイバル上映を見に行くことに.

映画に集中する百合子.一方で一真は百合子のため,すべての真実へと足を進める.

推理パート.

今回は時間が空いたからか難しかった...そしてめっちゃオモしろかった.

 

映画をみて,百合子は自分の恋心に気づく.

一真は百合子を藍原先生のお見舞いに誘う.気づく百合子.

 

犯行を認める藍原先生.過去の劇団において,緋村のように緋村の母も夫の権力により,藍原先生からマリア役をうばった.百合子とまったくおなじ.気持ちも同じだった.そしてきっと百合子が辿るであろう未来も.明日の劇が終われば,自首をするという.

 

ー9ー

レナ役の藤崎が常盤さんにおびえて逃げた.そして白羽の矢がたったのは萌花.だがしかし,あまりにも棒読み...そこへ緋村がやってくる.レナ役をやるためにやってきたという.常盤さんのことも,百合子のことも認めていた.ただつまらない意地のためだったと,レナ役をやらせてほしいと頭を下げる.藍原先生もやってきた.緋村は自分のこと,そして母のことを謝罪する.母のことは幻滅した.それでもこの舞台は大好きだからと再び頭を下げる.藍原先生は顔をほころばせ,感謝と謝罪を申し出る.

 

大成功.

ラスト―シーン好き...百合子かわよ...かわよというか美しい...しかもここでサイコキネシスが出てくるのかー.やっぱり北上かな?

 

意識を取り戻す一真.藍原先生以上に緋村に認められたことが嬉しいという.

そしてさくらと百合子のことを知っていることを伝える.さくらの殺したくてたまらない人が百合子であること.

双子だったさくら.そしてさくらと同様に他の家に引き取られた実の姉.養父は虐待をしながら姉のことを引き合いにだし,姉の恵まれた生活のことでさくらを追いつめた.そしてそんな辛い日々のなか,双子の姉への劣等感から生まれた憎しみがますます募っていた.そして手紙を書く前の日に,その姉が大鳥百合子だと知った.この憎しみが,殺意が百合子になにかをしそうで堪らなく怖い.そしてなぜ一真にあのようなお願いをしたのか.それはあの日自分が誕生日だったから.そして養父に誕生日に処女をもらうと言われたから.双子の姉はその日に盛大に祝われる.だから代わりにこうやって祝ってやろうと.頭ではわかっていても,比べずにはいられなかった.こんな自分を持られたくない.それでも知られたいから書いているのだろう.どうかこの手紙が届きませんように.でももしも届いたらほんの少しだけ私をほめてください.この手紙が届いたということは百合子を殺さなかったということだから.そしてそれができたのは一真のおかげだと綴る.恋をする普通の女の子の夢を見せてくれたから.

 

百合子もその事実をひかりから知らされて知っていた.そしてそれをさくらが死んでもなお伏せていた,そして本当の意味で死に追いやった大鳥家も自分も許せなかった.

 

そんな百合子に投げかけたのは,何でも相談にのるという当たり障りのない言葉.

 

ー10ー

萌花に,さくらと百合子の関係を伝える.そしてきっとさくらが考えていたのは,双子の姉の死体だったのだろう.もちろん自殺願望もなかったわけではないけれど.

さくらのことをすぐに理解する萌花に,胸が突かれる一真.自分はあれほど長くさくらを見ていたのに,その願望すら取り違えていた.なぜ記憶力だけがあって,能力のない萌花なんかにと.

萌花をみていると自分の弱さに気づかされる.こんな感情理不尽に違いないとわかっている.それでも萌花にあたってしまう.そしてさくらとのセックスの話をする.きっと一番萌花が傷つくであろう言葉を理解して.そしてさくらへの恋心にも気づいた萌花は,それでも一真が優しいと思う.怒りのまま萌花を壁に押し付け胸をもむ.初めは抵抗し,信じまいとしていたが,泣きながら胸をもむ一真に,心配の気持ちが勝つ.きっと一真は傷ついていただけなんだと,一真を受け入れる.なんでも赦し受け入れたい,それが私の恋だと.さっきまでと変わり,愛情を持ちながら愛撫する.

は?いい話風になっているけど,全然だぞ.kz.

ーー

萌花とさくら,二人でクレープを食べた思い出を語る音声萌花.一真への恋心を伝える.

 

=百合子END=

一真は百合子に駆け落ちの提案をする.どこまでも二人で逃げてしまおう.

 

ー10ー

ようやくきた百合子からのOKの返事.

可愛い...

 

萌花にさくらの事件ともう関われないことを伝える.それ以上に大切なものがあるから.事件を追うことで百合子が傷つくから.

 

ー11ー

二人で帰っていると社浦に見つかる.能力により無理に百合子を連れ去ろうとする社浦.百合子の手を引いて一真は逃げる.そしてそのままラブホへ.

 

行為の後,百合子は一人でホテルを出る.決して大鳥家とは逃れられないとすべてを諦めた.一真は追いかけた.しかし百合子は冷めたと言って拒絶する.声は聞こえない.まるで今までのことが演技だったかのように思える.すべてを諦めようそう思ったとき,百合子の好き,大好きという声が聞こえて来た.自分の幸せよりも一真の安全を願う声が聞こえる.一真は神に祈る.百合子を守るため,もう少しだけこの力を残してほしいと.

 

一時の恋に惑わされて,大学などのあらゆる可能性を捨てる.個人の考えとしては年を重ねることと可能性を捨てることは同義なので,そういう意味で,ふたりは一気に年を取ったのだと感じました.しかしそれは大人になったということ.あまりに理性的でない選択.それでもその危険性は甘美なものなんでしょう.だからこそ現実的にはこの選択は一時の錯覚による過ちなんだと思いますが,それでも作品ですから,純粋な愛を見つけた美しいお話ですよね.

終わり方としては,結局能力を使わなければ,一真は百合子をそのまま手放していたと思うと気に食わないというか...それほど百合子に才能があるということを示していているんでしょうけど...あと社浦との件も等閑.

 

続く