えす山の日記

自分用のゲームの感想日記とか

はつゆきさくらの感想(綾ルート)

ー1/10ー

綾の弟,アキラは幾分昔に亡くなっていた.ランを失って2年.綾への恩は忘れない.

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ランの魂を奪われ,使命を思い出すまではホテルにも帰れなくなり,1年間は転々としていた.しかしついに資金も底につき,怪しい仕事で日銭を稼いでいた2年目の冬,アキラと出会った.彼は不良で,学園を追い出された身.

はじめは金と仕事の関係から始まった.それでも,いつしか不良と呼ばれるようになった初雪と,同じく復讐をするというアキラはその垣根を越えて交流するようになるのは自然の事だったのかもしれない.

綾との出会いはそんなときのことだった.酔った隙を突かれた初雪を助けたのが彼女,小坂井綾.

 

いつしか復讐を終えたアキラはやることがあると言って初雪の前から姿を消した.入れ替わるように綾は初雪の世話を焼き始める.

生徒会長である東雲妻に剣道部に隠れているところを追い出され,さらに大勢の不良に追われているとき,初めてゴーストの力を使用した.強大な力の代償なのか,徐々に奴らは現実に干渉し始める.徐々に心が荒む.

そんな中,綾だけは手を差し伸べてくれた.誰よりも惨めで可哀そうで,そして目障りだから.それでも彼女は確かに救ってくれた.たとえそれが何かの策略であっても.

ランルートをクリアしたことで,ランの回想が入るのいいですねえ.

それにしてもアキラの服装がダサすぎる.

 

=Chapter9=

綾に連れられた人形喫茶での生活で,綾は卒業しなくてもいい,むしろできないほうがいいと溢す.弟が退学になり,いなくなって,後悔が募るようになってきたからと.

 

久しぶりに登校した学園で,何を知ったのか,初雪が剣道場を守っていたと勘違いした妻は謝罪に来る.会話の中でアキラと綾の血縁を知る初雪.

有名な道場に生まれた二人.ある時,アキラは門下生に手を出してしまった.もちろん無理やりではない.しかし世間はそんなことはつゆ知らず騒ぎ立て,結局道場も門を閉じた.綾は自身をよくわからない人間だから可愛がられていなかったと言うが,初雪はそんな風には思わなかった.

綾の声優はいちかなの?ちゃーって言ってたけど.わからんもんだなあ.

特殊なケースってのはなんだ?男に手を出したとか?

 

妻によると,生徒会に脅迫状が届いたらしい.差出人はファントム.バレンタイン祭でゴーストを連れてお邪魔しようという文章.初雪はアキラじゃないのかと言うがそれは違うと言う確信があるようだった.

アキラもう死んどるやん...やっぱ自殺か?

 

オーナーから初めて連絡が来た.自身をゴーストだという彼女はランのことも知り,それは真実のようであった.

 

家には戻れない,しかし戻りたいところがなんとなく,アキラに似ていると綾は言う.

その帰り道,偶然アキラを見つける.何かを悔いるアキラは悪魔になんかなりたくないと言い残し,姿を消した.

 

綾を面倒ごとに巻き込みたくないという妻に頼まれ,綾とともにバレンタイン祭に出ることになった.本当は出るつもりなどなかったのだが,綾が悪魔に魅入られているなんていう道端の占い師の言葉が気になり,結局ともに参加することになった.

綾かわよー.

 

=Chapter10=

バレンタイン祭当日,やはりゴタゴタが起きているようだった.主犯がアキラなら俺が止めねばならない.そう初雪は決心する.

アキラは姉である綾を恨んでいた.自分は救ってもらうべきなのだ,そう思う甘ったれたアキラはかつての自分だった.誰もが不幸を,業を背負って生きている.それでも他人を恨むのなら,そいつはゴーストにしかなるしかない,ゴーストチャイルドになるしかない.アキラを恨む気持ちが今,初雪をゴーストチャイルドへと昇華させた.

妻好きだー.本当に反省しているなら言葉じゃなくて行動で示しているはずなんだよなあ.

 

バレンタイン祭が終わり,綾は初雪に家へ帰れと言う.今の顔が,かつてのアキラとそっくりで,あの時かけられなかった言葉をかけずにはいられなくて.

 

ホテルへと戻る.ゴーストの王になるという覚悟を引っ提げて.

ランを取り戻すためには,ゴーストチャイルドにならねばならない.そのためにはすべてを思い出し,復讐を果たさねばならない.そうゴーストたちは言う.

初雪のためを思って送り出した道が,最も残酷な道っていうのはなんだか複雑だな.まあ自らに嘘をつかず生きていくのが重要って意味では,綾の願うような形なのかもしれないけれど,初雪は本心から復讐を果たしたいと思っているのかっていう点で,虚しい.ある意味でお節介が招いた,希望とは相反する結末というか.

 

=Chapter11=

綾やアキラを貶されたことに腹を立てた初雪はついその教師を殴ってしまう.そしてそれをいなしてくれたのが来栖であった.

ここにきての怒涛の日常パート,これが終われば一気に綾ルート終わりそう.

 

卒業式前日に行われるゴーストパレード,所謂仮装パレード.他の誰かになってみたいという綾は意気揚々と参加するという.しかしオーナーは,初雪は来年のためにそのパレードをよく観察しておけとアドバイスした.

 

何かを知っているかのような綾に,自らの境遇をすべて話した.綾ならこの突拍子のない話も信じてくれると自然に思えた.

夜分,喫茶店を尋ねてきた妻は,アキラが死んでいると明かす.その死にざまは彼が復讐を誓った友人の死に方そのもの.そしてバレンタイン祭の首謀者が綾であるとも.その綾の目は,口ぶりはアキラそのものだった.ゴーストに違いない.

 

翌日,初めてアキラにメールを打って呼び出した.そこには綾が,そして確かにアキラがいた.死にたくない,そう思うアキラの気持ちが姉の身体を乗っ取らせた.もしアキラを成仏させれば,この冬の思い出も共に消えるとアキラは言う...

 

きっと炉辺の占い師が弟に会いたがる綾にアキラを降霊したのだろう.

ゴーストパレードの終わり,剣道場で彼女を待った.思えばここに住み着いたときからずっと何かを待っていた気がする.自分を救ってくれる何かを.そんな都合のいい役割を,何者かを演じたかった彼女に負わせてしまったのだろう.白と黒の液体を混ぜた灰の液体から白に戻すには,黒と,そして灰の液体を取り除かなければならないように,きっと彼女からアキラを取り除けば,そこにいるのは自分が知る綾ではないのだろう.それでも...

そんな事実を,聡明な彼女は気づいていた.だから,アキラを,そしてこの冬に得た尊い時間を,相手を忘れないために進んでアキラに身を差し出そうとする.許せなかった.現実から逃げる綾を見たくはなかった.大好きな綾を失いたくなかった.

初雪はゴーストチャイルドとして彼を討つ.彼は死の間際,やはり大好きだった姉の命を奪いたくないと,初雪に決着を頼んだ.

最後に,綾に自信がゴーストであることを告げる.愛する家族を取り戻すために,現実と決別するために,命を捨てるために.

綾は最後まで初雪を心配していた.ランの魂を探せなくてごめん,がんばれ.

気にかかるのは一つ,どうして彼女はこの喫茶店で働いていたのか,もしかすると他の何かも取りついていたのではないかという懸念だったが,今となっては後の祭りだった.

 

卒業式.無事に卒業した綾を初雪は見送った.綾は彼のことを知らない.けれどどこか親しみのある彼のむっつりとした表情に,ありがとうと感謝の言葉を送った.

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ああ,文化祭の劇はこんなに重要だったのか,素の自分が嫌いで,何者かになりたい,演じたいと心から願う綾を表現するために.

なんというか綺麗に物語作るなあ.大好き.こういうビターな感じがいいのだ.EDテーマの終わりがチャイムで終わるってのもいいね,

 

ある日一人の少女が喫茶店にバイトの申し込みに来た.推薦の面接をすっぽかしてしまった彼女は1年間働くと言う.彼女はまた初雪の名を綺麗といい,ゆきちとあだ名をつけた.

序盤に出てきたまかのろんにこんな感動的なストーリーがあったとはな...大好き,いやいすこ!